2011年9月アーカイブ

私は生活者ネット・みどりの未来の一員として、子育て応援券について、子どもの給食の放射能対策について、以上2点、質問いたします。

《子育て応援券について》

子育て応援券事業は、育ての不安感や負担感を解消し、親の子育て力を高める」「子育てを応援するまちをつくり、地域の子育て力を高める」という目的を掲げ、20076月に始まりました。時保育、子育て講座、親子参加行事などの有料の子育て支援サービスに利用できる券(チケット)を、就学前の子どもがいる家庭に交付し、サービスの利用を促すものです。生活者ネットワークはこの制度が、その目的にそった効果的な事業に育つことを願って、これまでもさまざまな提案をしてきました。

 

当初は区内在住の0歳から2歳までは6万円分、3歳から未就学の5までの子どもに3万円分の応援券が無償配布されました。その後2010年に子ども手当が導入されたのを受け、同年10月からは、3000円で1万円分の券が購入できる、つまり7,000円のおまけがつくという制度に変更されました。併せて、試行としてサービスを利用するきっかけにと、出生時に申請した人に応援券10,000円分が無償配布されています。

 

20114月に区は子育て応援券に関する意識と利用状況の実態などを把握するため、その利用者3000人と出生時無償応援券の対象者200人を対象にアンケート調査を実施しました。

先ごろ私どもも報告書をいただきましたが、利用者820人と出生時無償応援券対象者61人からの回答があり、また同時期に実施した870の応援券登録事業者へのアンケートには529事業者からの回答があった、と書かれていました。これらの調査結果から、以下、○点質問をします。

 

まず、区はこのアンケート結果全体を通してどのような感想をもたれたのでしょうか、またこれまで実施されてきた応援券事業の成果をどうとらえておられるのか、伺います。

 

利用者アンケートでは85.6%の利用者が「地域の様々な人と関わったり、外出のきっかけになっている」と答え「子育てに疲れたり、悩んだときの支援として役に立っていると思いますか」の設問に対し「思う・やや思う」と87.6%の利用者が答えています。目的と照らし合わせて効果が出ているものと理解しますが区の認識はいかがでしょうか。

 

子育て応援券は昨年11月の事業仕分けの対象になり、廃止を含めた抜本的な見直しが必要という評価を受けました。しかし、719日に行われた子育て応援券推進懇談会を傍聴したところでは、今後も継続して行くことが前提で議論がされていました。区では今後、子育て応援券を継続なさるのか、継続されるのであればどのような形で継続されるのか伺います。

子育て応援券の申し込みは年3回締め切りがあり、その都度、購入金額の上限が設定されています。無償だった時には1度申請すれば、年度初めに一括で応援券が届いていました。子ども手当と連動しているからですが、1回に入金される子ども手当の金額で十分払える額なのですから一括購入もできればありがたいという声を聞きます。また申し込んでから券が手元に届くまでに、長いときは半年待たなければならないことも改善の余地があると思います。手続きを簡素化し使い勝手を良くする工夫はできないのでしょうか。うかがいます。

 

出生時に申請した人に無償配布されている10,000円分の応援券は、今年9月までの試行とされています。しかし、最初の敷居を低くし応援券に触れるために、このサービスはぜひ続けていただきたいと考えます。試行ではなく本格実施すべきと思いますがいかがでしょうか。

 

この無償応援券は先ほども述べたように、出産直後に申し込みをすると、3ヶ月から7ヵ月後に受け取ることになります。核家族化が進み、出産を身近に感じることがない環境で育った多くの女性にとって、出産は遠い出来事となりました。お産をして自宅に戻った直後の一番大変な時期にヘルパーに来てもらってサポートを受けたり、母乳相談や育児相談に利用したりするためには、応援券を手にするのが3か月から7か月たってからでは遅いと考えます。先の利用者アンケートでも「産後で慌しく、体調を崩していたりで申し込みそびれてしまった」という意見があり、一番使いたいときに使えなかった不便さを訴えていました。よい制度であるのに使えないのではとても残念です。

 

また、妊娠中から地域の妊婦や母親と知り合い、情報交換の場に参加して、子育て応援券の利用についても情報を得たりすることができたら、それは産後の大変な時期を乗り切る大きな助けになる、という話を聞いています。とくに第1子を出産予定の妊婦にとっては、出産前から支援サービスが利用できれば、出産に備える心の準備の助けになりどんなに心強いことかと思います。第1子のときには、例えば母子手帳と一緒に無償応援券を配布することはできないでしょうか。区の考えをうかがいます。

 

サービス提供事業者の登録状況の推移を見ると、子育て応援券事業が始まった2007年には登録事業者が429であったものが今年4月末現在では870と倍以上に増えています。その内訳で、特に任意団体と個人の事業者が倍以上に増えていることに注目しています。これは親自身の中からサービス提供者になる人たちが現れるなどして、区民主体の多様な子育て活動が広がったと考えられるのではないでしょうか。

 

そう考えるのは、私の友人が子育て応援券の制度があることで事業を始め、それを見た人たちが自分たちでも何か始める、という形で子育て支援の輪が広がっていく現場を、私自身が利用者として実際に見てきたからです。そして、子どもを持つ母親が「自分にとってあったらいい」と考えて企画した子育て講座、例えば子どものアレルギーにも対応した食事作りの講座、予防接種を様々な視点からとらえ考えるための講座、子どもと母親を育てる絵本の講座とその後の参加者同士の意見交換と交流などに私も参加し、そこで知り合った友人や得た情報が自分の子育ての大きな支えになるという経験をしてきました。

 

子育て中の当事者が事業を起こし応援券事業者になる、そういう事業者が増えるということは「子育てを応援するまちをつくり、地域の子育て力を高める」という応援券事業の目的に沿うものだと考えます。区の認識はいかがでしょうか、うかがいます。

 

推進懇談会でも指摘されていましたが、応援券が音楽教室や英語教室などの習い事に使われるケースがあって、本来の目的からしても税金の使いみちとしても疑問の残ることも認識しています。そういうケースに関しては、目的と趣旨をいま一度確認して精査することも必要だと思います。また、つねに公平な目で応援券事業を評価するしくみは必要でしょうし、そうすることで区民の理解や信頼も得ることができます。この事業が杉並の子育て力を押し上げるしくみとして大きく育って行くことを応援したいと考えています。続いて、2番目の項目、子どもの給食の放射能対策について質問いたします。

 

《子どもの給食の放射能対策について》

311日の福島原発事故から11日で半年が経過しましたが、未だに収束の見通しが立っていません。823日、衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会の質問に、政府は福島原発から出た放射性セシウム137は広島の原爆の168個分という報告をしました。東京大学アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授の研究では、放射能の1年後の残存量が原爆は1000分の1に減るが、原発は10分の1にしかならないとされています。杉並区議会では、第2回定例会において全会一致で「福島県及びその他地域のこどもに対する放射線被曝量『年間1ミリシーベルト』基準の遵守を求める意見書」を採択し、政府に提出しました。でも未だに、福島県では1ミリシーベルトどころか5ミリシーベルトを超える高線量地域に子どもたちが住み続けさせられています。

 

1986年に過去最悪と言われた原発事故を起こしたチェルノブイリでは、事故3年後に年間5ミリシーベルトを超える地域には人が住んではいけないとされ、人は強制移住させられました。そのような状況下に、いま日本の子どもが置かれています。

 

私は先日、『チェルノブイリ・ハート』というドキュメンタリー映画を観ました。映画の中で、原発から80Kmから100Km離れた地域の産婦人科医の話では、事故後16年を経て、健常に生まれてくる赤ちゃんは15から20%しかいないと言っています。ベラルーシでは原発事故後、障がいを持って生まれてくる子どもが明らかに多いのにも関わらず、放射能との因果関係は証明されないということで、統計にはなにも出てこないということす。

 

現長野県松本市長の菅谷昭さんは、医師としてチェルノブイリで被災地の子ども達の小児甲状腺がんの外科治療を中心に5年半の医療支援活動を行ってきた方です。その菅谷市長が、内部被曝の恐ろしさを「放射能は体に入ってからでは遅い」ということで、子どもの給食に使用する食材の放射能ゼロを目指す方針をとり、放射性物質が検出された地域の食材使用の制限をしています。

 

さて、これまで杉並区が区民の強い要望を受けて、すべての小中学校、保育園、幼稚園、子供園、公園で放射線の計測を実施されたこと、また第2回定例会で要望した放射線の説明会を4回、シンポジウムを1回開催されたことを評価しています。説明会の開催時間が平日の昼間で、出にくいという意見を受けて、区は一昨日、910日土曜日に追加開催されました。10日の説明会では、以前とは違って質疑に1時間半をあて、区民からの意見を真摯に受け止めてくださったと評価するものです。しかし、730日に開かれたシンポジウムには私も定員いっぱいで入場できず、あとからホームページでシンポジウムの動画を見ました。率直に申し上げて、杉並区が顧問にお願いした加藤和明氏と国立がん研究センターの津金昌一郎氏の、心配しすぎることの弊害が大きいという発言に区民は、上から安心を押し付けられたような思いを抱いたのでは、という感想をもちました。また、会場との質疑応答が紙に書かれたものを通してだったことは残念でした。シンポジウムは私たちがこれから放射能とどう向き合っていくのか、放射線の被ばくからどうやって子どもを守るのか、参加者とパネリストが一緒に対話をしながら考える場であってほしいと願うものです。

 

生活者ネット・みどりの未来は、他の会派にも呼びかけて、放射線説明会とシンポジウムの追加開催に加えて、シンポジウムの進行にあたって「区民の立場に立って伝える」コーディネーターの設置などを求める要請を行いました。ぜひ検討をお願いいたします。

 

小金井市では、チェルノブイリで原発事故が起こった後、市民からの陳情で放射能測定器を購入し、それを市民団体の連絡会が共同で管理、使用し、維持費は市が負担するという、市民との協働のしくみを取り入れてきました。杉並区でも区と区民が協力して除染活動をするなど、信頼関係を築きつつ共に放射能対策に取り組むことを望むものです。

 

放射線の説明会では、これから大量にでる放射線が高いと思われる落ち葉をどうずるか、実際に見つかったホットスポットの除染をどうするか等について話がでました。そして学校の給食の放射能汚染対策について多くの参加者から質問がありましたが、これから、この杉並区で問題になるのは食べ物を通して放射性物質を体内に取り込んでしまう内部被曝の問題です。

 

今定例会では、「ゲルマニウム半導体検知器」の購入にかかる経費が補正予算に計上される予定です。いま実施されている空間線量の測定と結果の公表は安心と信頼につながりましたが、今回予定しているのは水、食品、土壌の放射線を計測できる、非常に精度の高い機器ということで、大いに評価するものです。この件に関連して、以下、質問いたします。

 

1点目です。区はこれまで一貫して食品の放射能検査をする予定はないと言ってこられました。しかし今回購入を決断されたのはどのような判断によるものだったのか、おうかがいします。

 

次に、2点目としてその検知器について、具体的にどのようなものかうかがいます。性能、機械の特徴、耐久性、メンテナンスの必要性など、お示しください。またどこに設置し、誰がどのように扱うことになるのか、質問いたします。

 

この検知器は受注を受けて作られるもので、設置までに時間がかかると聞いています。実際の設置時期はいつになるのか、3点目としてうかがいます。

 

4点目です。消費者庁が自治体向けに放射能検査機器の貸し出しをすることになり、独立行政法人国民生活センターを通して10月から行なうと発表しました。区は承知しておられるでしょうか。機器設置までの間、区内での放射線計測のため、貸し出しの申し込みをする予定があるか、うかがいます。

 

5点目です。新しく導入する検知器を使って食材の放射線量を計る場合、検査には時間がかかるため、1日3検体までしか計れないと聞いています。けれど区民から要望が殺到することもふくめ、検体は無限に出てくる可能性があります。検査の進め方について方針あるいは計画を立てる必要があると思います。どのような計測の方針を立て検査を進める予定でしょうか。

 

うかがって、子どもの給食に関連して質問いたします。以下、学校給食と併せて保育園等の給食も対象として前提にあることを予め申し述べておきます。

 

さて、放射能汚染された稲わらを食べた疑いのある牛肉が、杉並区でも学校給食で使われたことが報告されました。このことからもわかるように、今の国の検査体制では、流通している食材を使用するというだけでは安心は保障されません。保護者から特に心配の声の多かった牛乳については区が販売業者に要請し、9月の学校給食に間に合うように自主検査をすることになったとのことですが、その経過報告や検査結果について、ぜひ公表していただけるよう求めます。

 

秋からは主食の米が徐々に新米に切り替わるため、放射能汚染が心配されます。主食である米の放射能対策を優先的に計測するべきと考えます。区の見解はいかがかうかがいます。

 

一回の食事で大きな割合を占める米が、ほかの食材と同じく放射性セシウム500bqという基準値であることが保護者の不安を大きくしています。放射線量の低い地域のコメを使ってほしいと望む保護者を責めることはできないと思います。機器が据えられて放射線量計測を区が行えるようになるまでの措置として、文部科学省が発表した土壌の放射能汚染地図を参考に、子どもの給食に汚染が少ない地域の米を仕入れていただくことは可能でしょうか。区の考えを伺います。

 

杉並区は、衛生試験所を自前で持っている数少ない自治体のひとつとして、試験所という資源を有効に活用し、検査で得られた情報は他自治体とも共有すべきと考えます。検査データの公表は不可欠と考えますがいかがか、おうかがいします。

 

ところで、財団法人食品流通構造改善促進機構(以下、食流機構とします)という団体があるのをご存知でしょうか。農林水産省のもとに設立された公益法人で、食品の放射能検査データをサイト上で検索可能な形で公表しています。厚生労働省が公表した『食品中の放射性物質の検査結果について』をデータベースに、逐次情報は追加されています。私は偶然このサイトを見つけ、団体に直接電話してそのサイトのしくみについて詳しく聞きました。

 

もし杉並区が食品の放射線検査を行った結果を東京都に報告すると、そこから厚生労働省にそのデータが送られ、厚労省から食流機構に食品の検査結果が送られます。食流機構では例えば東京都杉並区産のジャガイモの検査結果をデータベースに蓄積し、ジャガイモと検索すればこれまで計測されたジャガイモの検査結果が〇〇県○○市ではどうだったという数値が一覧表で見られるという仕組みです。これは今食材の放射能汚染を心配する者にとって一番欲しい仕組みだと考えます。放射能の汚染は、岩手県の一部より福島県の一部の方が線量の低い地域もあるように、斑に分布しています。このような検査結果を知らされないがために、一部の地域で汚染が確認されると、その県全体の産物を買い控えるのが風評被害です。風評被害を防ぐため、有効なデータベースとするための情報提供のために、杉並区の給食食材の産地を市レベルまで明らかにすることを事業者に要請し、放射線の検査結果を公表されることを強く望みます。

 

そして、生活者ネットワークが議会質問でもとり上げてきた食品の表示制度と併せて、食品の産地公表のあり方を見直し、野菜やコメがどこの市区町村でとれたものなのかがわかる仕組作りを国が危機感を持って早急に進めることを、区からも要望していただけるよう、要望いたします。

 

また、先の第2回定例会でも質問として取り上げましたが、放射能の説明会だけでなく、現在保健所が取り組んでおられる「食に関する意見交換会」のような場で、食をめぐる放射能汚染問題もとりあげていただきたいと思います。放射能をテーマとした保護者、学校関係者、栄養士、給食調理員、食材の生産者など、給食に係る全ての人がそれぞれの立場から意見を述べ、情報交換できる場が必要です。現場に携わる方には、様々な立場の方の考えや状況を理解したうえで、出来る限り子どもを守るための給食の実現に努力されることを要望するものです。

 

では、最後の質問です。これから支出することになる検知器導入の費用や、区のこれまでの計測にかかった費用はすべて福島第一原発の事故のために発生したもので、区民の貴重な税金が使われています。これらの費用は、原因を作った東京電力及びそれを推進してきた国に請求すべきと考えますがいかがか、うかがいます。

 

原発推進のための情報操作、情報統制、情報隠しが次々に明らかにされてきました。福島第一原発の事故は当初、津波で電源が失われ冷却機能を失ったためとされていましたが、ある原発設計者の話では、津波ではなく地震で圧力容器そのものが破損した可能性が高いこと、しかしそれを確かめる手段もないということでした。野田新総理は原発廃止を40年後とし、それまではしっかり安全を確保して原発を再開するとしていますが、この地震大国で安全を確保することはそもそも無理です。

 

今夏、東京電力管内で稼動していた原発が2基であった8月9日、東京電力は200万キロワットを東北電力に融通すると発表しました。7月下旬に東北地方で大雨のため水力発電所が甚大な被害を受け停止を余儀なくされ、8月に入り管内の気温上昇で冷房使用が増え電力需給がひっ迫したという理由でした。200万キロワットとはちょうど原発2基分の発電量ではなかったでしょうか。電力は夏のピーク時に合わせてつくられるとされていますが、明らかに夏のピーク時も原発なしで十分にやっていけることが証明された出来事でした。

 

これまで私たちが追い求めていた豊かさとは何だったのか、改めて問い直したい思いです。リモコンを押せば直ぐにテレビがつくこと、ボタンを押せばすぐに熱いお湯がでること、リモコンがついた家電が増え、ちょっとした便利さのための待機電力に原発4基分の電気が使われています。これが本当に必要なのか、福島の故郷を奪われた人や、外遊びができなくなってしまった子ども達の立場で考えたいと思います。電力使用制限令が解除になったからと言って元に戻す必要はないと考えます。経済的な豊かさのために命を縮める人、永遠に故郷を失う人、労働で被爆する人がいる。それを幸せな社会とは呼べません。放射能汚染の根本原因を取り除き、子どもたちに安心して食べ物を与えられる、生活の基本的なことが保障された社会を次の世代に渡すために、行政と区民がともに脱原発を強く進めましょうと申し上げ、私の質問を終わります。

 

男女平等の推進について              

 

私は、生活者ネット・みどりの未来の一員として、「男女平等の推進」について質問します。

 

311日に起きた東日本大震災がもたらした被害は、多くの人の命を奪い、生き残った方たちの生活すべてが破壊されるという甚大なものでした。津波と原発事故により、震災のあった日から長い人で半年以上も避難所での生活を強いられているという現実のなか、あらためて避難所運営やボランティア支援のあり方が問い直されています。私ども生活者ネットワークでは、「内閣府中央防災会議専門調査委員」でもあるNPO法人イコールネット仙台 代表理事の宗片恵美子さんをお招きして被災者支援の学習会を開き、お話をうかがいました。

 

災害発生直後の避難所では、食糧など緊急課題への対応が最優先になるのは当然ですが、それでも先送りできない女性特有の問題が生じます。昨年2月の第一回定例会での一般質問でも申しましたが、今回も避難所では女性への性暴力やDV被害をはじめとする女性ならではの悩み、例えば避難所では着替えもままならず、毛布にくるまっての着替え、人の目の多い避難所で若い母親が被災のストレスに加え、授乳や子どもの夜泣きに気兼ねをするといった新たなストレスなどは無視されてしまうことなどが報告されていました。

 

こういう状況は被災者自身からはなかなか語られないためときに行政は「声がないのでニーズがない」とすることがあります。性暴力は重大な犯罪ですが、被害届を出さなければ犯罪として扱われず闇に葬られています。避難所生活が長引くにつれ、こうしたきめ細かなニーズを拾うことができる人材が求められます。私は、かねてから「防災計画の策定に女性の参画が必要」「震災救援所運営責任者に女性も位置づけるよう女性のリーダーの育成を」「震災救援所の運営責任者への支援」などを提案してきましたが、この学習会に参加して、避難所運営責任者に女性を置く必要性をあらためて確認しました。

 

さて、2008年、我が国の災害対策の根幹をなす防災分野の最上位計画である「防災基本計画」が修正されました。それまで「女性の参画」とだけしか書かれてこなかった箇所に、「男女双方の視点に配慮した防災を進めるため、防災に関する政策・方針決定過程および防災の現場における女性の参画を拡大し、男女共同参画の視点を取り入れた防災体制を確立する必要がある」、また、「地方公共団体は、避難場所における生活環境に注意を払い、常に良好なものとなるよう努めるものとする。また、避難の長期化等必要に応じてプライバシーの確保、男女のニーズの違い等男女双方の視点等に配慮するものとする」という記述が加えられました。それから3年が経過しましたが、区の防災体制は男女双方の視点を取り入れたものになっているのだろうか。「男女共同参画都市宣言」を掲げた杉並区なのにどうして地域防災計画を決める31人の防災委員のほとんどが男性なのか、と探っていくうちに、防災に限らず区が行う施策に男女共同参画の理念が浸透しきれてないのでは、という思いが湧いてきました。そこで今回、防災の視点をからめながら男女平等の推進について5つの柱をたてて質問をいたします。

 

まず4点伺います。

1点目。「男女共同参画社会」とはどういう社会を指すのでしょうか、区の認識を伺います。2点目。杉並の「男女平等推進センター」は「男女平等」が使われています。しかし、当区の施策では「男女共同参画」が使われています。本質的には「男女平等」だと思うところですが、男女平等と男女共同参画の違いは何か、をお示しください。3点目。1997年に「杉並区男女共同参画都市宣言」を行った背景と、この宣言をつくることで何をめざしたのでしょうか。伺います。4点目。これまで当区が進めてこられた男女共同参画事業の評価、そして課題はなにかお示しください。

 

次に2つ目の柱、国の第3次男女共同参画基本計画との関連で2点伺います。

昨年12月、国は第3次男女共同参画基本計画を策定しました。この基本計画は男性と女性が対等なパートナーとして社会に参画することをめざした法律「男女共同参画基本法」に基づき策定されたもので、2000年に最初の基本計画が策定されて以来、5年ごとに評価・総括をし、今回第3次の基本計画となっています。毎回、「政策・方針決定過程への女性の参画の拡大」を筆頭に、「社会制度・慣行の見直し」「意識改革、雇用等の機会均等」など、重点分野が示されていますが、今回、これらに加えて「男性、子どもにとっての男女共同参画」「貧困など生活上の困難に直面する男女への支援」「地域、防災・環境その他の分野における男女共同参画の推進」「科学技術・学術分野における男女共同参画」「高齢者・障がい者・外国人等が安心して暮らせる環境の整備」の5分野が挙げられました。

 

そこで1点目の質問です。今回、国が新たに提示した重点分野は、杉並区にとっても重要な課題と考えます。区として、これらをどう捉えておられるのでしょうか。また、今後どのように施策に反映させていかれるのでしょうか、お示しください。

2点目です。国は毎年、男女共同参画社会白書を発行していますが、2004年に起きた中越地震以降毎年、「新たな取組を必要とする分野」として「防災」が挙げられてきました。しかし、当区の男女共同参画行動計画にはこれまで「防災」に関しては入れられてきませんでした。なぜ入っていないのでしょうかお答えください。

 

今回の震災で、被災地の女性たちは、家財道具がヘドロをかぶり、足の踏み場のない我が家を見て、目の前の出来事を信じたくないという思いで、家に入るどころか、近づくこともしない状況にありました。やっとの思いで家の中に入ったとしても体が動きません。なんとかしなくちゃ、わたしがなんとかしなくちゃ、でも頭も体も動かない。当然だと思います。その女性たちが避難所で炊事を任され、朝5時に起きて夜まで100食を3回つくり続けているのです。3か月も4か月も、そしていま半年が経ち、すっかり疲弊しきっています。地震でやっとの思いで助かった人たちが避難所生活の中で亡くなることがこれまでの震災でも報告されていますが、亡くなる方のうち女性の数が男性よりも多いということがこれまでも報告されています。

 

また避難所の責任者の多くは男性で、女性たちが声を出しにくい事柄だったり、あるいはやっとの思いで申し出たとしても要望がなかなか伝わりにくい、理解されないという事例を多く聞いています。私もボランティアで被災地を2回訪ね、ヘドロで汚れた食器や炊事道具を洗い、瓦礫撤去後の川の清掃、草刈りをしてきました。被災地では当時水が出なかったため、私たちがタンクに入れて持って行った水で下洗いしかできませんでしたが、それでも被災した女性たちは片づけの目途が立ったと言って、ほっとした表情を浮かべていました。真に必要な支援によって、被災した女性たちは次に向かって歩き出すことができるのですが、自ら「自分の家のあと片付けをしてほしい」と言えない状況があるのです。

 

そういう女性への支援が必要であるにもかかわらず、避難所の男性責任者から「女性支援のためのボランティア」への理解がなかなか得られず、「なぜ女性に限っての支援なんだ。だめだ」と拒絶され、理解を得るまで説明と説得に長い時間を費やしたこと、このような避難所は1つや2つではない、ということが、日本弁護士連合会主催のシンポジウムでも語られていました。男性からの声だけではなく、女性からの声も届きやすいしくみをもった避難所づくりが必要なのです。これでこそ男女平等の推進ではないでしょうか。

 

特に杉並区の人口は女性の方が2万人も多いのです。これから高齢化が進むにつれ、女性の割合はもっと高くなっていくはずです。防災を考えるとき、そのことを前提とすることが必要ではないでしょうか。避難所の責任者に女性を入れることをはじめとして防災施策に女性の視点を入れるよう担当課としても声をあげていただきたいと、あらためて要望します。

 

3つ目の柱として男女平等推進センターについてうかがいます。

先日、横浜市男女共同参画推進センターが防災ガイド「わたしの防災力ノート」を作成したことを知り、お話を伺ってきました。センターが多くのNPOをはじめとする市民グループ、企業、行政の参加で、女性の視点を生かした「わたしの防災力ノート」をつくり、地域の町会・自治会の集まり、防災訓練、消防団や地域の防災員の集いなどに向けて、これまで2000人の男女に出前学習会を行っています。

横浜市に3館ある男女共同参画推進センターは、それぞれが担当課と月1回の連絡会議を持ちながら、地域のネットワークづくりや男女共同参画の積極的推進を促す事業を進めています。キーワードは「地域」。女性の視点で自分が住むまちのリスクを点検するなど、まちづくりへの参加も視野に入れた事業を行っています。お話のなかで、男女共同参画は地域づくり、まちづくり、仲間づくりです、とおっしゃっていたのが印象的で、杉並の男女平等推進センターの建設に向けた講演会で、国立女性教育会館の館長をされていた志熊敦子さんが「センターができたら地域の掘り起こしをするのが一番大事」とおっしゃっていたことを思い出しました。

 

すでに横浜市では国の第3次基本計画に基づいた行動計画を策定済みということもありますが、センターの機能が当区と全然違いました。横浜市のセンターは公益財団法人男女共同参画推進協会が指定管理者として運営を担い、講座・セミナーの企画、NPOや市民グループ、企業、学校、行政機関等との協働事業、情報収集と提供、広報、調査研究・事業開発、その他は当区と同じように相談事業と施設管理運営事業を行っています。

男女共同参画の課題解決につながる講座・セミナーが多彩なプログラムで展開されていました。

当区はどうでしょうか。「男女平等推進センター」は1997年に児童青少年センターと併設でオープンしました。2007年からは相談事業をNPOに、受付、図書類の管理と貸出、会議室の貸出業務を株式会社に委託しています。

このたび出された国の第3次基本計画では「男女共同参画センター・女性センター等の機能の充実・強化」が掲げられていますが、当区のセンターは果たして「機能」を果たしていると言えるのでしょうか。残念ながら単に入れ物として存在しているようにしか見えません。

 

そこで3点おたずねします。

1点目。男女共同参画を推進するうえで、当区のセンターはどういう位置付けにあるのでしょうか、うかがいます。2点目。区とセンターは一体となって、地域のネットワークづくりや男女共同参画の積極的推進を促す情報発信を行っていくことが重要だと考えますが区のお考えをうかがいます。その場合、センターのあり方についての見直しが必要と考えますがいかがでしょうか。お答えください。3点目。センターの立地についてうかがいます。センターは、徒歩ですと丸ノ内線南阿佐ヶ谷駅から15分、JR荻窪駅から20分の住宅街の中にあり、高齢者や障がい者、お勤め帰りの方、ベビーカーを押す人にとって、立ち寄りやすい場所にあるとは言えません。よりアクセスの良い場所への移転を求める声を私どもに頂いています。センター機能の充実・強化が求められるなか、だれもが立ち寄れるセンターにする工夫が必要だと考えますが、区としての見解を伺います。

 

4つ目の柱、「男女共同参画をめざす杉並区行動計画」について2点うかがいます。

当区の行動計画は、今年331日までを計画期間としていましたが、その後改定されないまま半年が経過しました。男女共同参画社会の実現に向けて、次の行動計画を早急に策定すべきと考えますが、策定の予定はどのようになっているのでしょうか。うかがいます。2点目です。行動計画を着実に推進していくためには目標の数値化が必要と考えます。当区では、保育所数や高齢者施設の定員数、各種審議会等の女性委員の比率などは数値で目標設定されていますが、これに加えて男女共同参画に向けて「めざす姿」を打ち出し、それに向けた具体的な、例えばワークライフバランスに取り組んでいる企業の割合や男性育児休業取得率など、目標数値を示すことが必要だと考えますが、いかがでしょうか。また、目標達成に向けて進行管理と評価が重要になってきますが、現在の進捗状況調査報告書では「何なにを行った」しか見えてきません。実施したことが目標に照らしてどうだったのか、という評価が必要と考えますがいかがでしょうか。お答えください。

 

今回取り上げた男女平等というテーマは新鮮味がなく使い古された感がありますが、今回取り上げた避難所で女性が置かれた状況を見ても、「子育て・介護」の現状から見ても、相変わらず女性が抱える問題であり、いまだに不平等な状態にあるのが現実です。「男女平等」は意識して取り組まねばならない重要なポイントです。

 

そこで今回の質問の最後に、現在策定中の新基本構想に関連してうかがいます。

前に述べましたように、男女平等は、私たちの暮らしに密接な子育て、介護、防災、まちづくり、教育、環境、くらしなどあらゆる所管との連携や全庁的な体制が必要であり、男女共同参画推進の担当所管だけでは進みません。いま、区では新基本構想策定作業が行われていますが、男女共同参画というテーマが議論されることが少なかったように思います。基本構想、また、総合計画の策定にあたっては「男女平等」を意識的にしっかり盛り込んで施策化するべきと考えますが、区としてのお考えはいかがでしょうか。お考えを伺って質問を終わります。

 

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