2011年6月アーカイブ
【Q】 ● 6月4日に開催された区民意見交換会の開催の目的、またこの手法を使った経緯を伺う。
【A】 区民と共有する目標となる、新たな基本構想づくりには、多様な区民の意見を聴きながら進めることが何よりも重要です。そうした考えに立ち、昨年11月には区民アンケートを実施し、約5千人という、これまでにない多くの方々からご回答をいただきました。しかし、回答者の約7割が60代以上で、基本構想審議会でも、若い世代の声をさらに聴取すべきとの意見があり、これを踏まえて、本年2月に転入・転出者に対する追加アンケートを行い、30代以下が約8割を占める約1千人の方から回答をいただいています。
こうした取組に加え、今回は、住民基本台帳から無作為抽出した区民が少人数での討議を行うという、区民参加の新しい手法を区として初めて採り入れ、意見交換会を実施しました。
意見交換会では、若い方から年配の方まで、バランスのとれた区民の方々による自由闊達な討議が行われ、建設的で多様な意見が出されたところです。改めて杉並区民の意識の高さ、区政に対する大きな期待と熱い思いを感じ取ることがきました。また、参加したほぼ全員の方から、今回の試みを高く評価する意見が寄せられており、有意義な取組だったと思います。
【Q】 ● 参加者の人数や、属性、年代などの状況、実施の概要を伺う。
● 実施してみての区の感想はいかがか。成果と課題は。また参加者からどのような意見がだされたのか。
● 各グループから出された意見を基本構想にどのように生かすのか。
● この手法は、今度の区政の課題について、区民意見を聴取する場合にも使えるのではないか。今後、実施する
意向はあるか。
● 問題は、出された意見をどのように生かすかということである。区の考えを伺う。
● 昨年秋の区民アンケートやこのたび募集した団体意見、審議会での議論など、さまざまな意見が寄せられているが、どのように生かしていくのか伺う。
● 区民の基本構想に寄せる意見は多様で、それらすべてを反映させるのは不可能であるが、今後策定する分野ごとの計画に反映するのは可能と考えるがいかがか。
● 基本構想づくりのための、子ども・若者の意見聴取をどのように実施する考えなのか伺う。
【A】 無作為で抽出した区民1,000人のうち77人の参加があり、内訳は女性が29人、男性が48人で10代から70代まで、全体としてバランスのとれた構成でした。
当日は、参加者が4、5人の班に分かれ、まちづくり、環境、健康、子育て、そして教育などのテーマを討議し、その結果を発表しました。進行は、参加者の自主性を基本に進め、また、3つのテーマごとに班のメンバーを入れ替えて行いました。
実施後の感想、成果と課題ですが、若い世代から高齢者まで多様な視点からの活発な討議が行われたこと、また、参加者のほぼ全員から意見交換会を通じて区政への関心がより高まったとの意見が寄せられていることなどから、初期の目的は十分達成することができたと思います。その一方で、もう少し討議の時間をとれなかったのか、などについて工夫・改善すべき点もあったと考えています。
今回の試みは大変意義あるものであったと考えています。今後、どういう場面で採り入れていくか、検討していきたいと思います。
次に、今回の意見を新たな基本構想づくりにどう活かしていくかですが、その都度、基本構想審議会に報告し、審議の参考にしており、審議会での活発な議論につながっています。なお、意見交換会は、別途、報告書を取りまとめ、公表していきます。
また、これらの意見は、庁内でしっかりと共有し、今後の様々な計画策定の参考にしていきます。
子ども・若者の意見聴取は、基本構想審議会の進捗状況等を見ながら考えていきます。<新しい公共支援事業について>
【Q】 ● 内閣府が推進する「新しい公共支援事業」のため、2年間の時限事業費として、都に5億7400万円が交付された。区は、この事業をどのようにとらえ、どのように進めていくのか。今後のスケジュールと区の考えを伺う。
● 都の意向では、提案されている4つの事業のうち、「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」がメインになるという。この事業の概要について、事例を挙げて説明いただきたい。
● 新しい公共支援事業は、区の「協働」に対する認識が問われるものと考える。この事業の実践を通して、区とNPO等との対等な関係を築くことが望ましいと考えるが、区の見解を伺う。
● この事業の推進は、区政全体にわたる政策的な課題でもあり、政策経営部企画課が所管するべきものと考えるが、いかがか。
● 昨年秋の区民アンケートで、「協働の地域社会づくり」に「参加したい」と答えた人が8割を超えた。区民のこのような意見を生かすために、区としての積極的な取り組みが望まれるが、区の見解を伺う。
【A】 「新しい公共支援事業」は国が2年間の時限措置として、NPO等の活動基盤整備などの支援等を行うことにより、新しい公共の担い手となるNPO等の自立的活動を後押しするとともに、NPO等が地方公共団体と協働して取り組むことを支援するものです。
「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」の概要は、多様な担い手が協働して自らの地域の課題解決
に当たる仕組みで、NPO等と地方公共団体が協働する取組を施行する事業です。東京都から示された事例では、町会・自治会、NPO等との協働による、高齢者の見守り・お助け事業や地域の相談所設置事業などがあります。
また、本事業の実践を通してのNPO等と行政との関係は、相互の立場や特性を認め合い、積極的に連携・協働して地域の課題を解決していくものとされています。
次に、この事業への区の取組ですが、事業は東京都を通じて行われる予定で、現在、実施要綱やスケジュールは示されていません。具体的な取組については、都から事業の要綱等が示される中で、検討していきます。
【Q】 ● 以前の議会で、区の「新しい公共」と円卓会議の「新しい公共」は同様のものと答弁されたが、区長の公約に「杉並版『新しい公共』の発想で区民のみなさまとの協働計画を策定」とある。「杉並版『新しい公共』」とは何か。また、その協働計画と策定のスケジュールを伺う。
【A】 「杉並版『新しい公共』」ですが、今後、ますます多様化し増大する区民ニーズに行政だけで対応することは困難であり、区民と団体、そして事業者との協働によって担っていく分野が拡がっていくと思います。こうした中で、この間の区民アンケートなどでも示されている杉並区民の高い参加意向を背景に、区民、団体、事業者が主体的に関わり、皆で支え合う豊かな地域社会を築くことであると考えます。
こうした考え方に基づく区民等との協働は、今後ますます大切になり、新たな基本構想の実現にとって欠かせない
課題と認識しています。この点については、現在、基本構想審議会の調整部会でも議論しており、その内容を踏まえ、区民等との協働に関する取組について、今後、検討していきます。
【Q】 ● 地域防災計画の修正版はいつ出るのか。また、大災害の経験を反映して見直す修正版は今後どういったスケジュールと手順で行われるのか。区として見直しに盛り込まねばならないものは何だとお考えか伺う。
● 防災計画に原子力災害対策の記述を入れる必要があると考えるがいかがか。
● 杉並区国民保護計画には、今回の原発事故のような大規模災害に対する記述がない。見直しが必要と考えるが、区の考えを伺う。
【A】 地域防災計画の平成23年修正は、先般、5月31日に開催した防災会議で決定しましたので、7月中に製本・配布する予定ですが、今年1月の段階での各防災関係機関の修正案に基づいての計画ですので、3月11日の東日本大震災を踏まえての修正とはなっていません。
東日本大震災を踏まえての修正は、平成24年修正に反映したいと考えており、スケジュールとしては、平成23年修正同様、9月頃から各防災関係機関が修正作業を始め、翌年1月頃から区が都と修正案の協議を行い、5月の防災会議決定を経て、7月に製本・配布する予定です。
修正に際し盛り込む内容については、今回の震災では、東北地方の沿岸部は甚大な被害を受け、津波に対する想定の見直しなど様々な論点もあるかと思います。今後、計画の実効性を高めていく検討が必要と考えています。
いずれにしても、ご指摘の原子力災害対策も含め、都の地域防災計画との整合性も図っていく必要があるので、都の動向も注視した上で検討していきます。
最後に、国民保護計画は、法に基づき、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態に備えて策定しているものですので、見直すことにはなりません。
【Q】 ● 今後、区は基本的方向として、低炭素社会、脱原発社会をめざすべきと考えるが、区の認識を伺う。
● 今回の原発事故を受け、エネルギー政策の見直しが求められている。区はエネルギーの地産地消を進めるべきと考えるが、区の認識はいかがか。
【A】 この度の原子力発電所の事故を契機に、再生可能エネルギーの重要性は、従前にも増して大きくなっています。今後のエネルギー政策は、当面、既存の原子力発電施設の安全対策に万全を期すとともに、省エネの視点から暮らしや企業活動のあり方を見直しつつ、再生可能エネルギーの割合を高め、可能な限り原子力発電を抑制していくことが重要です。従って、区でもこうした観点から、再生可能エネルギーの普及・拡大を図り、今後、総合計画等の策定を機に必要な検討を進めていきます。
省エネ・エネルギー政策について
【Q】 ● 3月11日以降、区においてどのような節電の取組みをしているのか、本庁舎では、どのくらいの節電になっている
のか、伺う。
【A】 大震災直後は区内での計画停電の実施が取り上げられ、区民に節電を呼び掛けるとともに、区立施設内の消灯や施設の開設時間の短縮などを緊急対策として実施しました。また、この夏の電力危機に向けては、区施設のピーク時の使用最大電力の20%削減を目標として取り組み、総使用電力量の削減にも最大限努めていきます。
次に、本庁舎における節電実績は、今年と昨年の5月を比べてみると、ピーク時の使用最大電力で9.4%の削減、また使用電力量では12.1%の削減です。空調未使用時期ですが、対策の効果が着実に表れていると考えます。
【Q】 ● 地球温暖化対策の推進に関する法律で、都道府県、政令指定都市等に義務づけている区域施策編を区でも策定すべきと考えるが、いかがか。
● 太陽光発電機器設置の助成をするだけでなく、区が効果の分析や確認を行うとともに、設置している区民を集めた情報交換や交流の場を設けることが、導入促進に必要と考えるが、いかがか。
● 区内で使用される電力量のうち、何%を再生可能エネルギーで賄うか、新しいエネルギービジョンを示すべきと考えるがいかがか。
【A】 法律で定める地域省エネ計画は、今後、総合計画等との整合性を図りつつ、従前と同様に「省エネビジョン」として策定に向けた検討を進め、その中で、ご指摘の再生可能エネルギーの導入目標なども定めていきたいと思います。
また、太陽光発電機器の導入促進は、設置による節電効果等を分析し、情報発信していくとともに、学識経験者や事業者、利用者の意見も参考に、効果的な普及促進に努めていきます。
【Q】 ● 区が放射線を測定することにした目的を伺う。また、この間の区民からどのような声が寄せられていたか伺う。
● 放射線計測について補正予算で経費として927万5千円が計上されているが、その内訳とともに、どこをいつまで計測する予定か具体的に示されたい。
● 区民の不安解消には、測定データに加えて放射線を理解する学習会や情報交換の場を設けることが必要と考えるが、区の考えはいかがか。
● 区民が放射線を正しく理解するためホームページの充実が必要です。区の取り組み予定を伺う。
● 子どもを放射能から守るため区は最大限の努力をすべきと考えます。区の決意を伺う。
【A】 はじめに、測定実施の目的と区民の声ですが、小さな子供をお持ちの保護者などから、区内の大気や学校の校庭・プール、公園の砂場などの放射線量を測定してほしいという要望がありました。区では、こうした声を受け、放射線問題の対応は広域的な調査と対応が必要と考え、区長会が都に広域的な対応をするよう緊急要請を求めてきましたが、なかなか動きが見られないので、区民の安全安心を確保することを目的に区独自に測定することにしました。
次に、補正予算の内訳と測定の場所・期間ですが、区内の大気や運動場・砂場の土壌、プールの水について、区内を東西南北に区切り、それぞれから1か所ずつ計4か所を、月1回ずつ継続的に測定する費用を計上しています。また、場所については、運動場は小中学校・保育園から4か所、砂場は保育園・公園から4か所、プールは小中学校から4か所と和田堀公園プールを加えた計5か所、大気は当面、運動場と砂場の土壌測定に合わせその空中線量を測定します。期間は来年3月まで、プールは9月までです。
今後、区では測定結果が出次第、順次、公表していきますので、その結果を見ながら、学習会や情報交換の場の設定を考えていきます。
ホームページの充実は、区として測定結果を評価するにあたり専門家から指導をいただきますので、それをふまえ分かりやすい内容としていきます。
最後に、区民の安全・安心を確保するために最大限努力していくことは当然とことと考えています。
【Q】 ● 測定結果について、評価を行い公表するとしているが、どのような専門家が評価を行うのか。また、庁内の対応体制について伺う。
● 今回は検査等を外部に委託しているが、原発事故は収束の見通しが立たず、長期にわたって放射能と付き合うことになると予想される中、長期的な視野に立って取り組むことが必要と考えるが、今後、どのように取り組むか、伺う。
【A】 今回の放射線量測定については、子供をお持ちの保護者の方などからの切実な心配をふまえて、区として独自に実施します。測定結果の公表は、その数値の意味する評価を、信頼できる専門家からの指導を受けて、区民の皆さまにできるだけ分かりやすくお知らせしたいと思います。その専門家は、大学共同利用機関法人「高エネルギー加速器研究機構」の名誉教授であり、NPO法人放射線安全フォーラムの理事長、加藤和明先生にお引き受けいただきました。加藤先生は、国の放射線審議会の委員をされていたなど、放射線の専門家として長年活躍されており、既に本区のプール水の測定結果公表にも、ご指導いただいています。
また、庁内体制ですが、危機管理対策会議のもとに、杉並保健所長を部会長として関係部課長で構成する「放射線量測定等対策部会」を設置し、横断的体制を整えたところです。
原発問題の解決の見通しがつかない中にあって、今後については予断を許しませんが、周辺状況を見定めつつ適切に対応していきます。
【Q】 ● 学校や保育園の給食に使用する食材について、放射能に関わる安全確保のためどのような取組みを
【A】 給食の食材については、国の基準に基づき安全が確認され市場に流通しているものを使用してお
り、給食における安全性は確保されていると考えます。
【Q】 ● 学校給食を食育の機会として区が積極的に取り組んでこられたことを評価しています。いま直面し
ている放射能汚染の問題についても、食の問題のひとつとして子どもも考えることが必要です。区の
見解をうかがいます。
【A】 現在、各学校では、給食の時間や各教科等において、食に関する指導内容の充実を図るなど、児童
生徒の発達段階を踏まえた食育が進められています。
今後、各学校において行われている食育の指導を一層充実させていくことで、放射線を含め、食品の品
質及び安全性について正しい情報に基づき、自ら判断できる力を身に付けることができると思います。
<新基本構想について><新しい公共支援事業について>
私は、生活者ネット・みどりの未来の一員として、新基本構想について、新しい公共支援事業について、以上2点、質問いたします。
杉並区の10年後のビジョンを描く新基本構想策定に向けたスケジュールが進行中です。基本構想審議会では、現在3つの部会と、学識経験者による調整部会での議論が併行されているかと思います。基本構想は、杉並区における行政計画の最上位に位置するものですから、策定途上にあるいま、その進捗状況を確認したいと考え、以下、質問いたします。
生活者ネットワークは基本構想づくりに関して、かねてよりそのプロセスに思い切った市民参加を、と求め、具体的な提案もしてまいりました。そのひとつが、今年2月の第1回定例会一般質問で「サイレント・マジョリティ―の声を引き出す有効な手法」として提案した市民討議会「プラーヌンクスツェレ」です。
このたび6月4日、区が、まさにこの手法を採用して「10年後の杉並を考える意見交換会」を開催されたことは、提案した者として区の挑戦を評価したいと思います。
そこで、質問の1点目として、あらためてこの意見交換会開催の目的と、この手法を使った経緯をおうかがいします。
先の議会質問でも述べましたが、市民討議会の特徴は、無作為抽出した市民に呼びかけて参加者を募り、当日は小グループに分かれて議論する、実際に参加した人には時間と労力への対価として報酬を支払う、などというものですが、当区ではどのように実施されたのでしょうか。6月4日の会での参加者の人数や属性、年代などの状況、実施の概要は実際どうだったのか、うかがいます。
私も、基本構想審議会委員の一人として、また市民討議会の実践に強く関心を寄せる者として、期待をもって、短時間でしたが傍聴いたしました。まず感じたのは、参加者の中に一見して若い世代の方が多い、ということでした。また4~5人のグループに分かれての議論が、その日初対面同士とは思えないほど闊達に、しかも楽しそうに盛り上がっていたこと、さらに各グループの議論のまとめを報告発表する段階で、いずれも立派にプレゼンテーションがされていたことなどに感心いたしました。
また同時に、議論を引き出すための情報提供として区が行った区政の概要説明については、わずか15分という短時間だっただけに難しさも感じました。15分間で何をどう語るかで、次に続く議論を実質的には誘導することになるため、ほかの説明だったらどのような議論が展開されたのか、研究の余地があると感じました。区にとっても、貴重な経験になったといえるのではないでしょうか。
主催者である区は、実施なさってみて、どのような感想をおもちになったでしょうか。まだ報告をまとめられている途中かと思いますが、現段階で、成果と課題は何だとお思いでしょうか。また参加者からはどのような意見が出されているか、併せておたずねします。
そして、この日各グループからまとめとして出された意見が今後、基本構想にどのように生かされるのか、参加者の多くが関心をもって見ているはずです。区のお考えをうかがいます。
市民討議会「プラーヌンクスツェレ」は、すでにこれまで北海道から鹿児島まで全国各地で実践されており、都内でも八王子、立川、三鷹などの各市や千代田、新宿、港、墨田区などで実施されました。一度開催した後テーマを変えて3回以上実施する自治体は全国で17に上っています。杉並の場合は今回、基本構想に向けた意見聴取の位置づけだったと思いますが、他自治体の例を見ますと、とり上げられるテーマはいろいろです。千代田区、墨田区、江東区、葛飾区などでは「学校選択に関して」というテーマで実施され、また三鷹市の市民討議会は「東京外かく環状中央ジャンクション」のテーマで開かれるなど、さまざまな政策課題がとりあげられています。自治体によっては、これまで一般的に行われてきたアンケート調査を補完しうるものとしても、採用されているように思います。
市民参加の手法としてこれまで一般的に採用されてきた公募区民と違って、無作為抽出の人たちはテーマに対して利害関係をもたないこと、その日に初対面同士であることが、自由な話し合いの空気を生むのだと思います。プラーヌンクスツェレは合意形成しやすいと言われるのもなるほどと思いました。
当区でも、今後、ある課題について区民意見を聴取する場合に、この手法が使えるのではないでしょうか。区はその意向があるかどうか、おうかがいします。
ただ問題は、そこで出された意見をどのように生かすかということです。市民討議会を実施した自治体では、どこも「議論の結果を政策決定にどう反映させるのか」という課題に直面するようです。当区はいかがでしょうか、お考えをうかがいます。
市民討議会だけではありません。昨年秋に実施した区民アンケートの結果や、このたび募集し6月8日に締め切られた団体意見、審議会での議論など、さまざまな意見が寄せられています。これらをどのように生かしていくお考えでしょうか。
区民の基本構想に寄せる意見は多様であり、それらをすべて反映させることは不可能です。ただ、今後策定する分野ごとの計画に落とし込むことは可能であり、そうすべきです。いかがか、おたずねします。
この項の質問の最後に、子ども・若者の意見聴取についてうかがいます。若者の意見ということでは、審議会の中で報告された「転入者・転出者に向けたアンケート」が、回答者947人中、30代以下が約8割、40代以下では9割以上という結果になり、それに相当するとみなすことが可能です。
しかし一方、18歳未満の子どもの意見については、2月議会の質問でうかがったとき「今後、検討していく」とのご答弁でしたが、具体策が示されていません。子どもは地域に欠かせない構成メンバーなのであり、子どもの意見表明は子どもの権利条約に保障された主要な権利のひとつです。
ただ、子どもの率直な意見を引き出すには相応の工夫が必要です。大人の側から子どもの中に入っていくことが重要で、しかもその大人は子どもが信頼する、子どもの目線に立てる人でなければなりません。新基本構想の策定にあたって、ぜひ区にはトライしていただきたいと思います。
どのように実施されるお考えでしょうか。
うかがって、次の項目「新しい公共支援事業について」、質問いたします。
このたび内閣府が推進する「新しい公共支援事業」のための基金が東京都に設置され、2年間の時限事業費として都に5億7,400万円交付されました。都ではこの事業を行うにあたり基本方針の検討やモデル事業の選定などを行う運営委員会を設置し、5月に第1回会議を開催、自治体担当者に向けた説明会も開催されました。
内閣府の「新しい公共支援事業の実施に関するガイドライン」によれば、「新しい公共」とは「人々の支え合いと活気のある社会」をつくるため、「市民団体、企業、政府等がそれぞれの役割を持って当事者として参加し、協働する場」とされ、また「従来は官が独占してきた領域を公(おおやけ)に開いたり、官だけでは実施できなかった領域を官民協働で担ったりするなど、市民、NPO、企業等などが公的な財やサービスの提供に関わっていくという考え方」とも記されています。
この考え方が、新しい公共支援事業のベースになっています。従来の、補助金をばらまくだけの施策と異なり、NPO等と行政がともに地域の課題を解決していこうとする姿勢が明確に示されています。その意味で、これまでになかった施策に期待を寄せる立場から、以下、質問いたします。
東京都は、支援事業の内容として、1.NPO等の活動基盤整備のための支援事業、2.寄附募集支援事業、3.融資利用の円滑化のための支援事業、4.新しい公共の場づくりのためのモデル事業、以上4つのタイプの事業を実施するとし、このうち4番目のモデル事業には、基金の半分にあたる2億8,700万円をあてる意向を示しています。
区は、モデル事業をすすめる上で、現場を抱える自治体として都につなぐ業務を担うことになります。杉並区はこれまで協働をすすめてきた区です。その立場から、この事業をどのようにとらえておられるでしょうか。また、実際どのように進めていかれるのでしょうか。2年の時限事業といい、いますでに6月ですから、関心のありそうなNPOや企業などに早く情報提供しなければ企画や準備にも時間がかかるでしょうし、実際に活動できる期間がさらに短くなってしまい、成果が出せないうちに交付金が打ち切られてしまうことになりかねません。手続きが急がれます。
東久留米市で先日、都の担当者を招いて事業説明会が開かれ、私も参加してきましたが、市内で活動するNPOの方から活発に質疑が出されていました。当区での今後のスケジュールはどうされるのか。併せてうかがいます。
ところで「新しい公共」という概念はさほど新しいものではなく、1990年代からすでに議論が重ねられ、実践もされてきていました。ただ、国がリードする形で具体化への歩みが始まったのは、鳩山前首相が所信表明演説で述べたことからでした。内閣府に「新しい公共円」卓会議が設置され、杉並区では昨年、「新しい公共」を公約に掲げた田中区長の誕生により、議会でさかんにこの言葉をめぐって質疑応答が交わされました。
区長の公約には「杉並版『新しい公共』の発想で区民のみなさまとの協働計画を策定」とあります。私も以前、議会質問で「新しい公共」の理念についてうかがいましたが、そのとき、区の「新しい公共」と円卓会議の「新しい公共」は同様のもの、と答弁されました。であるとすれば、杉並版「新しい公共」とは何でしょうか。杉並版「事業仕分け」は昨年実施されたのでわかりましたが、杉並版「新しい公共」の発想とはどんな発想なのか、語られなかったように思います。また協働計画とはどのようなことか。さらに、策定のスケジュールについても、うかがいます。
さて、「新しい公共支援事業」のほうに話を戻します。都の意向では、先ほど述べたように、提案されている4つの事業のうち「新しい公共の場づくりのためのモデル事業」がメインになるということです。そこで、この概要についておうかがいします。事例を挙げてご説明ください。
新しい公共支援事業は、官と民とが役割を分担し連携する必要があることから、区の「協働」に対する認識が問われるものになると考えます。自治基本条例に「協働」をうたい、協働の推進のためのガイドラインを策定するなど、杉並区が「協働」ということについて他自治体に先駆けて取り組んできたことは評価したいと思います。
しかし、この間の経過の中で、市民活動団体などから区の「協働」に対する認識に不満があったのは事実で、それは区の所管や職員の中でも協働ということに対する認識がさまざまであったこと、また、大企業への民間委託から小さな任意団体との協力関係までが十把ひとからげに「協働」の実績としてカウントされることへの違和感もそうでした。
新しい公共支援事業の実践を通して区とNPO等との対等な関係を築くことが望ましいと考えます。見解をうかがいます。
また、この事業を推進していくことは区政全体にわたる政策的な課題でもあり、政策経営部の企画課が所管するべきものと考えます。いかがか、おうかがいします。
昨日、私はすぎなみNPO支援センターが開催した「新しい公共を考える―分権時代の協働のまちづくり―」と題する講演会に参加してまいりました。行政とNPO・市民活動の協働がこれからの地域社会を活気づかせていくためのヒントを得られるような内容だったと思います。区の職員もかなり参加されていましたので、今後の行政運営に生かしていただけるのではと期待しています。
昨年秋の5千人から回答のあった区民アンケートで、「協働の地域社会づくり」についての問いに対し「参加したい」と答えた人が8割を超えました。今年、3月11日の大震災を経験した後では、もし同じ質問をしたなら「コミュニティの再生」や「地域の人同士のつながり」を願ってもっと多くの人が肯定的な回答を寄せるのではないでしょうか。
震災後の地域には、人との絆を編み直したいと考える人や、社会的な活動をもっと充実させたいと考えるNPO団体が確実に増えている、という実感があります。区民のこのような意思を生かすことは市民自治をすすめる原動力になるものです。「新しい公共」は区長の公約であり、また区にとっては「協働」の実践体験を積むためにも、積極的な取り組みが望まれます。見解をうかがって、私の質問を終わります。
私は、「生活者ネット・みどりの未来」の一員として、1.原子力災害対策について 2.省エネ・エネルギー政策について 質問いたします。
3月11日に起きた東日本大震災は大津波によるおおぜいの犠牲者と被災者を生み、それに加えて起きた福島第一原子力発電所の事故は、発電所から20キロ圏内に人が住めない状況を引き起こしました。福島第一原発からおよそ230キロメートル離れている東京杉並区ですが、遠く離れているから大丈夫とするのか、それとも想定外をつくらないように備えるのか。
自治基本条例第7条の3、「区はさまざまな災害等から区民の生命、身体および財産を保護するため、危機管理の体制の強化に努めなければならない」に則り、最初の項目、原子力災害対策について3点うかがいます。
まず1点目。地域防災計画は、災害対策基本法の規定に基づき自治体の防災会議が策定する計画で、住民の生命、身体および財産を災害から保護する目的で策定されています。毎年検討が加えられ、必要に応じて修正が行われます。当区の地域防災計画は2010年3月に修正版として作成されたものですが、このあとの修正版はいつ出されるのか、また、3月11日の大震災の経験を反映した修正版は今後どういったスケジュールと手順で行われるのか、区として次回見直しに盛り込まねばならないものは何とお考えか、併せてうかがいます。
2点目です。災害に備える計画として当区が策定している地域防災計画は、震災編と風水害編からなっています。今回のような原発事故を受けて、もし杉並区にさえ住んでいられないような状況がおきたらどうするのか、と考えたときに区には原子力災害に備える計画がないことに気がつきました。ただ、核燃料輸送車両の事故に対応する記述がありましたが、警察と消防関係機関の対応しか書かれておらず、万一事故が起きた場合区としてどういう行動をとるのかが示されていません。事前に核燃料輸送車の走行ルート、通過時刻は明かされないことは、消防職員にとっても周辺住民にとっても問題ですが、そうであるからこそ、それを見越した備えが必要だと考えます。
いまなお収束していない原発の状況を見るにつけ、日本に原発がある限り、事故に備える対策がこの杉並区にも必要だと思います。今回、南相馬市に派遣した区の職員の経験を生かしながら、防災計画に原子力災害対策の記述を入れる必要があると考えますがいかがでしょうかお答えください。
この項目の最後に杉並区国民保護計画への記述について伺います。
2004年に制定された「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」国民保護法により、杉並区国民保護計画は策定されています。もちろんこの法律は武力攻撃や大規模テロなどを想定したものであることは承知していますが、大規模な災害やテロなど人為的な危機への対応が不十分とする杉並区の基本的考え方からすると、新しい危機の想定に「原子力災害」を加えたうえで、見直しが必要と考えますがいかがでしょうか、お答えください。
次に、大きな項目の2つ目、省エネ・エネルギー政策について伺います。
これまで地球温暖化防止策としてなかなか実績が上がらなかった省エネですが、今回の原発事故により東京電力から「計画停電」が発表され、家庭や事業所などいたるところで節電が行われた結果、消費電力が減少し計画停電の実施には至ってはいません。これからの夏に向けより一層の節電が求められることは言うまでもありません。今回の原発事故による「節電」を一過性のものとするのではなく、地球温暖化対策である省エネに向けた視点で6点質問します。
2008年から2012年を第一約束期間とする地球温暖化防止京都会議(COP3)で採択した京都議定書で示されたCO2削減の目標数値の達成、低炭素社会の実現に向けて、国、都、区においてさまざまな施策が行われています。一方で、54基ある原子力発電所のうち34基が、事故および定期検査により停止している現実があります。つまり、いま日本ではすべての原発のうち3分の1しか動いていません。事故後の運転再開はもちろんのこと、定期検査終了後の運転再開については、住民の同意を得ることは難しいことが想定されます。これまでは原発を推進して、CO2削減を目指してきたものを、これからはエネルギーの大量消費を見直すことを前提にしつつ「脱原発で且つ低炭素な社会」、つまり、脱原発を図りながら自然エネルギーの推進によりCO2を削減して低炭素社会を実現しなければなりません。
私ども東京・生活者ネットワークでは、2000年2月に「市民エネルギービジョン」を策定しております。その内容は、脱原発宣言、分権型エネルギーへの転換、ライフスタイルの見直し、そして環境第一主義の地域エネルギービジョンの提示、などを柱にしています。10年前に自覚したビジョンを現実のものとする責任が、今まさに緊急性を持って私たちに迫ってきています。
そこで1点目の質問です。基本的方向として低炭素社会、脱原発社会をめざすことは可能であり、またそうすべきと考えるものですが、区としてどのような認識をお持ちでしょうか、お伺いします。
国では2008年6月「地球温暖化対策推進に関する法律(温対法とよばれるものですが)」の改正で、すべての地方公共団体に事務及び事業に関しての実行計画の策定が義務付けられました。翌月の7月には東京都が「都民の健康と安全を確保する環境に関する条例(環境確保条例)」を改正し、事業者が温室効果ガス排出総量削減の義務を負うことになりました。事業者である杉並区は、2010年2月にそれまでのISO14001を返上し、杉並区役所エネルギー管理方針として「杉並区環境・省エネ対策実施プラン」を策定し、その施行から1年が経ったところでその成果が気になるところですが、現在、温室効果ガス排出総量がどのくらい削減できたかの結果をまとめているところとうかがっております。
当区の「環境・省エネ対策実施プラン」は温対法で自治体に策定が義務づけられた「実行計画」ですが、地球温暖化対策は区役所だけが取り組む問題ではなく、市民や事業者を含むすべての人が区域全体で対策を講じて取組まねばならない問題です。杉並区はこれまで、「地域省エネルギービジョン」を打ち出し、「地域省エネ行動計画」、区役所だけが取組む「環境・省エネ対策実施プラン」、そして「環境基本計画」と次々に策定してこられましたが、対象が区役所だけであったり、目標年度も2013年度、2014年度となっていたり、本当にこれで温室効果ガス削減目標が達成できるのか甚だ疑問です。
そこで2点目です。温対法で、特例市・中核市・政令指定市・都道府県に策定を義務付けている「区域施策編」があります。これは、省エネだけでなく、エネルギーをどう調達するか、熱中症対策など温暖化問題への対応策など地域の特性に応じた施策を策定するものですが、杉並区のような特別区には義務付けられていません。
エネルギーに対する市民の関心が高まっているこの機を捉えて当区としても地域施策編を策定し、区域全体で取り組むべきと考えますがいかがかでしょうかお答えください。区域施策編の計画を策定した場合、計画を推進し、目標を達成するため、一般住民・環境団体・事業者代表の参加で実働を担う推進組織の設置が必要であることを申しあげておきます。
さて、3月11日以降、区が行った節電の取り組みにはどのようなものがあるのか、また、それを実施したことで3月11日の前と後で比較した時、本庁舎ではどのくらいの節電になっているのか3点目としてうかがっておきます。
ちなみに、私たちは旧会派「区議会生活者ネットワーク」の控室を使っていますが、6月に入ってから室温が31℃にもなって暑いこともあり、先日8本入っているロング蛍光管のうち4本を抜いていただきました。残った4本でもなんの支障もなく、早く抜いておけばよかったと反省しているところです。
4点目です。区は、地球温暖化防止策として自然エネルギーへの転換に向けて太陽光発電機器設置の助成を行っていますが、区が把握しているのは助成件数にとどまっています。せっかく助成という形で税金を投入しているのですから、実際どのくらいの量が発電できているのか、経済的効果はどうか、設置者にどういう省エネ意識・省エネ行動の変化があったのか、メンテナンスの方法や施工業者の評価などの情報を設置者から集め、区のデータとして蓄積していくことが大事ではないでしょうか。それには情報交換や交流の場が必要です。区が助成した世帯に限らず、太陽光パネルを設置しているすべての区民に区の広報などで呼び掛け、設置者に自然エネルギーを普及する人になってもらうことが導入の促進になると考えます。そのためにも、区がかかわって設置者交流の場をつくるべきと考えますがいかがでしょうかお答えください。
自治体の地球温暖化対策を具体的に進めていく際の課題として、市区町村ごとの温室効果ガス排出推計が困難なことがあげられています。目標を立てる際、そして実践した結果の評価のためにもデータの情報開示は必要です。先般、世田谷区が東京電力に世田谷区内で使用されている電気消費量を出すよう要請したと報道がありました。当区もその翌日に東京電力荻窪支社に協力を要請したと聞いています。区内分の電気消費量を出すのは無理とのことで23区内の前日の総電力量しか出てこないという現状です。当区としても引き続き東京電力に要請していただきたいと要望します。
今回の原発事故を受け、国ではエネルギー政策の見直しが言われていますが、これは国だけの問題ではなく、自治体にもどのような方針に基づきどのようなエネルギーをどのように使うのかといった「自治体としてのエネルギー政策」を定めることが必要です。
現在、区内には区の助成を受けて設置した太陽光パネル804か所に加え、都だけが助成していた時期の設置者、助成を受けずに設置した方も相当数あり、今年度末には330か所ほど増え、年度末には1130か所にもなり、いわば「市民立太陽光発電所」が増え続けていきます。一方、太陽熱利用の給湯器や高効率給湯器も区の助成を受けて順調に設置が増えているとうかがっております。また、先日行われたハーモニーまつりあんさんぶる荻窪会場で、太陽熱集熱パネルが展示されていました。一番大きいもので横70センチ縦200センチ厚さ6センチ、およそ畳1畳に相当する大きさです。この太陽熱で温めた熱気を換気扇で室内に送り込むシステムです。換気扇はパネルに埋め込まれた太陽光発電機で動かしますのでコンセントいらず、つまり電気代ゼロの暖房システムで、外気温プラス30℃の暖房効果が得られます。エネルギーを最も消費するのは暖房ですのでこのシステムは省エネとして期待できます。なによりもいいのは戸建てだけでなくマンションでも設置できるものです。このような自然エネルギーの利用は今後減ることはないと考えます。当区はもうすでに相当量のエネルギーを生産する「エネルギー生産基地」であるという発想を持って、これをさらに推し進めてエネルギーの地産地消をすすめていくべきと考えますが、区の認識はいかがでしょうか、5点目としておたずねします。
6点目、最後の質問です。
いま、太陽光、太陽熱をはじめとする再生可能エネルギーの導入を加速し、エネルギーの地産地消のまちづくりを目指すときです。先日新聞で、前高知県梼原(ゆすはら)町長 中越武義(なかごしたけよし)さんの紹介がありました。梼原町は国の環境モデル都市の一つですが、町長就任の翌年から、太陽光、太陽熱、地熱、小水力、バイオマスと次々と自然エネルギー利用を採用して実績をあげられているのを知り、もちろん小さな町で地域性も杉並とはまったく異なるものではありますが、その先見性と実行力に目を見張りました。しかも、そのやり方は、決してトップダウンではなく、市民を前面に立ててやってきた、つまりエネルギー自給100%を目指すことを宣言した町長のリーダーシップがあって、市民とともに実現してきた結果である、と書かれていました。
当区においても、区内で使用される電気量のうち何%は再生可能エネルギーで賄う、といった新しいエネルギービジョンを示すべきと考えます。我が区でも首長のリーダーシップを期待するところですが、区長のご決意をうかがいまして、私の質問を終わります。
子どもを放射能から守る取り組みについて
3月11日の東日本大震災、福島原発の事故の収束の見通しは未だに立たず、日々空や海に大量の放射性物質が放出され続けています。そんな中で放射線感受性の強い幼い子どもを持つ多くの保護者が不安を抱えながら子育てをしている状況です。
4月には杉並区内にあるビルの屋上の放射線量をガイガーカウンターで計ったら高い値が計測されたという映像がインターネットで流れました。真実を確かめたい、そのため区に実際に放射線量の計測を実施すべきではないかと思い保健センターに問い合わせたところ計測の予定は無いという回答でした。
生活者ネット・みどりの未来」は5月18日に区長と教育長に面談し、ヤゴ救出作戦を直後に控えていた小学校プールの水質、保育園・子供園・幼稚園の砂場と小学校の校庭の放射線量の測定、測定結果のホームページでの公開の3点について要望書を提出いたしました。その直後から幼い子どもをもつ母親が中心になって同じ内容を求める請願署名活動を始めたところ、3週間という短期間にもかかわらず4000筆以上が集まりました。区民からの強い不安の表れだと思います。
私も5歳の子どもを保育園に通わせる母親として、子どもの健康を心配する保護者の方の気持ちを代表するつもりで、区の子どもを放射能から守る取り組みについて、学校や保育園などでの放射線量の計測と給食について質問いたします。
まずは放射線量計測についてです。
このたび区が、おおぜいの区民の要望に応えて放射線計測のための経費を補正予算に計上されたことに対し、先ず感謝申し上げます。
6月3日付で区内のプール5か所で、3月11日以降の雨がすべて含まれる水を採取・計測され、6月9日には放射能は不検出という結果がでて、多くの保護者は今後余計な心配をせずに済むことになりました。7月のプール開きを控え、保護者の不安解消に大きく寄与したと評価するものです。
それでは、最初の質問として区が今回放射線を計測する方針を示された目的を伺います。
また、この間区にも計測を求める声が数多く寄せられたことと思いますが、その内容はどのようなものであったのかお示しください。
そして、補正予算で経費として927万5千円が計上されていますが、その内訳についてもお示しください。またどこをいつまで計測する予定か具体的にお示しください。
今回の計測にあたっては、外部の専門家を招いて測定結果を評価した上で公表する、とうかがいましたが、専門家といってもいろいろな立場や考え方の方がおられ、人によって全く違う評価がされています。区民にとってはバランス良く複数の専門家に評価していただきたいと考えます。具体的にどなたをお考えでしょうか。また放射能の対応については庁内のさまざまな部署の担当者が関わることが必要と考えます。区の考えをうかがいます。
計測の結果、数値が低く安全が証明されることを望みますが、万が一高い値が計測された場合には、専門家の助言も得て独自の基準を定め、その数値によってどのような対処をするのかを決めておくことが必要だと考えます。幼児は砂場あそびが大好きで、鼻の穴に泥や砂が入り黒くなっていたり、泥だらけの指をしゃぶったりするのも普通に見られることです。幼児は砂を吸い込み、また食べているような状況にあるのです。そのため基準をこえる高い値が出た場合には周辺も計測すること、砂場の砂の入れ替え、校庭の土壌の入れ替えなども行う用意をしておくことを要望いたします。
屋外プールについては、先ほども述べたように、3月11日以降の雨が含まれた水を調査してヨウ素131、セシウム131、137がそれぞれ不検出だったこと、それを公表されたことは区民の大きな安心につながりました。しかし原発の事故現場ではいつまた暴走が起きるかわからない状況にあり、もし変化があったときにはただちに水を検査し、結果によってはプールの使用を中止するなど処置をとってくださるよう、今後もご配慮をお願いいたします。
今回は外部機関に測定を委託する、また外部の専門家を招いて測定結果を評価すると聞いていますが、原発事故は3か月たった今なお収束の見通しが立たず、これから長期にわたって放射能と付き合うことになると覚悟しなければなりません。区は長期的な視野にたって取り組むことが必要だと考えます。区として今後どのように取り組んでいかれるのかうかがいます。
放射能については「正しく怖がる」ことが重要と言われています。そのための十分な情報提供がされるべきであり、計測結果だけでなく、理解を深めるために疑問や不安など自由に意見交換できる場があればと考えます。区で放射線を理解するための放射能の専門家、医療関係者、行政などによる学習会を持ち、その後に一般参加者も加わってそれぞれの立場から意見交換できる場が必要と考えますが、いかがでしょうか。
また、区民が放射線について理解するためにホームページに有益な情報を掲載するなどいま以上に充実を図っていただきたいと考えますが、区としてはどのように取り組む予定でしょうか。
東京23区において区が独自測定を行う動きが広がる中で、23区長でつくる特別区長会が東京都に放射線量測定を充実させるよう要請しました。それが都を動かし、空間放射線量の測定を区市町村が希望する都内100か所で行うことが決定されました。また都が確保した計測機器70台を市区町村に貸与し、さらに今後30台を増設し、測定を行うこととなったことは、同じ機種の計測器で測ることによって、各所での比較もでき、有効なデータが得られることを期待するものです。ここで得られる計測結果と杉並区独自の計測結果を合わせて杉並区のホームページで掲載していただく事もお願いいたします。
以上を伺って次に給食についての質問に移ります。
同じように保護者の方からは、学校や保育園の給食に使われる食材の放射能汚染について多くの問い合わせや要望を受けています。私自身も日本の暫定基準は国民の健康を考えて設定されたものではなく、原発から放射能漏れが続く現状に合わせて急遽作られたものであり、その判断に不安を感じています。緊急時とはいえWHO世界保健機関の基準と比べて、我国が採用している食品における放射性物質の暫定基準値は非常に甘いものです。例えば飲み物で比べるとWHOがヨウ素131、セシウム137は共に10ベクレルとなっていますが、日本はヨウ素131が300ベクレル、セシウム137が200ベクレルとヨウ素が30倍、セシウムが20倍となっています。また食べ物については国際的に食品基準を決めるCODEXの基準が100ベクレルであるのに対し、日本は野菜のセシウム137の基準値が500ベクレル、ヨウ素131の値が2000ベクレルとなっており、それを子ども達に食べさせて大丈夫なのかと考える保護者が多いのは当然だと考えます。
区が給食の食材には素性のわかる国産品を極力使う努力をされていることを評価します。であればなおさら、食材の産地に神経をとがらせなければならなくなった原因である原発事故に対し、残念でなりません。
区は、学校や保育園の給食に使う食材の放射能汚染については安全確保のためにどのような取り組みをされているでしょうか、うかがいます。
保護者の中には、給食の食材について、関東以南のものを使用してほしい、牛乳の産地を北海道に限ってほしい等の要望をなさる方が少なくありません。私はそもそも食品の基準値が高いことにその原因があると考えます。生活者ネットワークは、これまで食品に含まれる化学物質の安全性リスクについて、影響を受けやすい子どもを対象とした「子ども基準」を設けるべきと主張してきました。放射能汚染を常に心配しなければならないいまの状況で、子どもたちを守るためには、なおさら「子ども基準」を設けるべきです。それは広域的に都や国レベルの施策として行われるべきで、杉並区は他の自治体と連携し、都や国に対策を求めて動くことを要望いたします。
食の安全を確保する仕組みのひとつとして、現在保健所が取り組んでおられる「食に関する意見交換会」があります。食に関して消費者、生産者、事業者、などいろいろな立場の人たちが集まって意見を交換し合う、いわゆるリスクコミュニケーションの場です。私が先ごろ参加した会では生肉の食中毒事件などを受け「最近の食品衛生状況」をテーマに話し合われていました。これと同様な、放射能をテーマとした保護者、学校関係者、栄養士、給食調理員、食材の生産者、給食に係るすべての人がそれぞれの立場から意見をのべ情報交換できるリスクコミュニケーションの場の設置も必要だと考えます。食べ物に含まれる放射性物質についてどう考えるのか、どういう食を選択するのかは、最終的にはその人自身が判断するしかないのだと思います。ただ、いまの極度に不安を募らせている人とほとんど無関心の人との間に認識の大きな差が生じている状況に対して、区がその溝を埋めるような努力をしていただけないものか、と思います。多くの人の意見や立場に触れること、人に話を聞いてもらうことで自分の考えを整理し、状況を受け止め判断する助けになると考えるものです。
ある小学校では給食委員の子どもたちの側から、被災地支援の給食メニューを提案したということで、保護者の方から心配の声が届けられました。その心配の原因はつきつめれば食品の暫定基準値が甘いことにあります。杉並区が学校給食を食育の機会として積極的に取り組んでおられることを評価しています。そこで、いま直面している放射能汚染の問題についても、食の問題のひとつとして子どもにきちんと事実を伝え、子どもとともに考えることが必要と考えますがいかがでしょうか。区の見解をうかがいます。
放射能に関して心配している保護者の不安を受けとめ疑問に答えてくれるような電話相談窓口があればと思います。放射線の専門家や小児科医、保健師などの医療関係者、カウンセラーなどが対応できるような電話相談があれば、子どもをもつ保護者だけでなく多くの区民にとって不安は軽減されると考えるものです。
杉並区で子どもを放射線の被害から守るために区は最大限の努力をすべきと考えます。区の決意をうかがいます。
このように大きな不安をこれからも長期間強いられることになった放射能汚染の原因は原発事故です。
これまで区内の子どもを守る取り組みについて述べてまいりましたが、高い放射能汚染が確認されている福島県内の子どもたちのことを忘れてはなりません。文部科学省はその汚染状況に合わせて1年間の基準を1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに緩めると発表し、日本国内のみならず海外からも強い批判と抗議を受けました。現在は「年間の基準値を1ミリシーベルトにするよう努力する」と変更しましたが、子どもたちを守ることを最優先に考えているとは言えない対応がとられています。大人として区内の子どもを守ることと同様に、福島県内の子どもたちを守ることにも取り組んでいかなければなりません。
今回の福島第一原子力発電所の事故は、原発が人の手で完全に制御できるものではないこと、多くの被曝労働者を生み出し続けること、一度事故が起これば数十年にも渡り空気、水、土壌、海を汚染し、食物の安全も根底から壊されてしまうことを明らかにしました。原発はトイレの無いマンションと言われていますが、使用済み核燃料は最終処分方法が無いままに生み出され続け、それが原発の傍に容量を超えて置かれている状態です。原発を使い続けることは負の遺産を生み出し続けることです。今こそ、脱原発の決意をするときです。そして「足るを知る」省エネの暮らし、自然エネルギーへの転換を進めるべきだと考えます。放射能汚染の根本原因を取り除き、子どもたちに安心して暮らせる社会を残すために、議会、行政が一体となって区民とともに脱原発を強く進めていくべきと申し上げ、私の質問を終わります。
