2011年2月アーカイブ
私は、区議会生活者ネットワークの一員として、地域自治について、プラーヌンクスツェレ(市民討議会)について、チャイルドラインについて、以上3つの項目について質問いたします。
いま国会では、国民の生活より党議党略が優先するような状況ですが、国づくりの理念を推進する土台として「行政刷新」とならんで「地域主権改革」が位置づけられたことは、分権を勝ち取ることをテーマの一つとして活動している生活者ネットワークとして、これが一歩前進する力になると期待をもっています。と同時に、この動きを現場である地域から、確かなものにしていく必要を感じています。
区長の選挙公約のひとつは「区内分権の推進と地域ごと予算の創設」ですが、その実現のためには、これまでの区の地域内分権の取組みについての総括が必要と考えます。区における地域内分権についての議論は、「地域内分権の推進に向けた研究会」を庁内組織として設置し、06年、地域自治組織のモデルとして地区教育委員会を提案するなど、試行錯誤を重ねてこられました。最初の質問として、これら一連の取組みについて、区長の見解をうかがいます。
結局、地区教育委員会の具体的検討には至りませんでしたが、区では、その後08年「集会施設等運営協議会」のあり方について庁内で検討が行われました。出された報告書には「地域団体のネットワーク化と自治型コミュニティ形成をめざして」とサブタイトルに明記され、地域区民センターを拠点として地域の自治を展望していこうとする視点に共感しました。そこで09年第1回定例会議会での一般質問にとりあげましたが、具体化に向けた実行策は示されませんでした。
しかし、先ごろ町会・自治会、NPO、地域区民センター協議会が一堂に会する場として、すぎなみ地域大学とNPO支援センターの企画により、初めて開催された「地域活動団体交流会」は、先ほど述べた「地域団体のネットワーク化と自治型コミュニティの形成をめざす」という、あり方検討の報告書の内容にそったものと感じました。この理解でよいか、区の見解をうかがいます。
地域施設等運営協議会は「地域区民センター協議会」と名称が変わり、今年度より事務局体制も変わりました。地域活動係を区民センターの中に移し、従来の業務のほかに区民センター協議会の事務局も担うようになっています。この目的は何でしょうか。また、1年弱ではありますがやってみての成果と課題をどのようにとらえておられるか、おうかがいします。
「地域活動団体交流会」には70もの団体が参加したと聞きました。この開催目的、参加を呼びかけた団体など、概要はどのようなものだったのでしょうか。また実施当日の参加者の声などお示しください。併せて、開催結果についての区の見解をうかがいます。
この試みを今後継続し発展させていくべきと考えます。2回目以降の会の開催予定はいかがでしょうか。またその場合、会のもち方は地域別、テーマ別などいろいろ考えられるものの、地域の課題を地域で解決できるような自治型コミュニティを育てていくためには、地域ごとの開催が必要と考えます。区のお考えはいかがか、うかがいます。
このたびの初回は地域大学とNPOセンターの協働による開催でしたが、今後、地域ごとに開催されるとすれば、地域センター協議会がその中心となってゆくべきでしょう。また参加団体としてケア24や児童館などの福祉関連施設や、学校、図書館などの教育関連施設、商店会なども当然ながら参加が望まれます。またNPOなどの市民活動団体の参加も不可欠であるため、NPO支援センターもかかわっていく必要があると考えます。区のお考えはいかがか、おたずねします。
「自治型コミュニティを形成する」という考え方は、町会・自治会にとっては、これまで続いてきた地縁組織というあり方に加えて、もっと幅広い地域の機関や団体との連携を図るという発想の転換が必要とされるのではないでしょうか。「広報すぎなみ」2月11日号1面の町会・自治会特集では、従来型の発想に基づいた編集にとどまっていると感じましたが、地域のNPO等の市民活動団体との交流・連携を促すべきと考えます。この、自治型コミュニティという考え方に立ったとき、いまの町会・自治会が抱えている課題は何か、その課題をどのように克服していこうとされているのか、区の見解をうかがいます。
その意味からも、このたびの予算で提案されている町会掲示板の改修費用助成の増額については、せっかく増額するのであれば、地域の自治を担うメンバーであるNPOなどの市民活動団体もイベントなどのお知らせを掲示できるようにすべきと思います。そのような双方の関わりがあってこそ、地域での連携も促進されるものと考えます。うかがって、次の質問に移ります。
つづいて、プラーヌンクスツェレ(市民討議会)について質問いたします。「プラーヌンクスツェレ」というのはドイツ語で、英語でいうと「プランニング・セル」、ドイツで考案された、市民参加のひとつの手法です。これを直訳した日本語は「計画細胞」ということになりますが、日本での実施には一般的に「市民討議会」という言葉があてられ、最近自治体での実践例がひろがりつつあります。それは、どの自治体も「新しい公共」を実体としてつくっていく必要に迫られる現在、量・質ともにより高度な市民参加が求められているからであり、その意味でこのプラーヌンクスツェレに可能性を見出しているからだと思います。
具体的な説明は後ほど述べることとし、この項の最初に区の現状を見てみたいと思います。
昨年11月に実施された基本構想アンケートの結果が公表されました。5,000通近い回答が寄せられたことと併せ、「協働の地域づくり」について回答者の8割以上の人が「参加したい」と答えていることに、私も驚くとともに、杉並区民の積極性を誇りたい思いです。区民の区政への関心の高さがうかがえます。
ところで、区は自治基本条例に基づき区民の参加を進めてこられ、09年にはパブリックコメント条例も制定されました。しくみをつくることに関して、区が積極的に取り組んでこられたことは承知しています。しかし区のとらえる区民参加の枠が限定的であり、区民に対する信頼感がいま一つと感じているのは私だけでしょうか。区政への区民の参加のあり方について、これまでの区の取組みをどう評価し、今の課題をどうとらえておられるか、最初の質問としておうかがいします。
再びアンケート結果に戻りますが、回答者は男女比が4対6、年齢は60代以上が約7割であり、年代層の偏りが見られました。介護や医療問題が「10年後に必要なこと」の1、2位に挙がったのは当然と思われます。アンケート方式は「意思ある人」の意見のみが引き出され、サイレントマジョリティの声を拾うことはできないしくみです。また、一方的に「意見を聴く」というだけのアンケート調査には、意見を返し・返されるやり取りを経て議論を深めることは望めませんから、限界があるわけです。
基本構想審議会の中でも委員として述べたことですが、今後、他の年代層、とくに回答者の10%に満たない30代以下の人たちの声を拾う努力をしなければなりません。それには、アンケートとは別の市民参加の工夫が必要なのではないでしょうか。
市民参加の新しい手法といえば、外郭環状道路の「必要性の有無から議論する」として何年もかけてPI協議会からPI会議、さらに地域PIへと名前を変えながら続けられてきたPI(パブリック・インボルブメント)を思い浮かべる人も多いと思いますが、ここで提案したいのは、プラーヌンクスツェレです。パブリック・インボルブメント、すなわち住民参画とは名ばかりの、賛否の議論がかみ合わないままに終始した経過を私も傍聴席から見てきてがっかりさせられ、「あれはよかった」と評価する声を聴いたことがないPIですが、実際に見たり関わったりした人の事後評価の高いのがプラーヌンクスツェレです。
プラーヌンクスツェレが市民参加の新しい手法として注目を集めているのは、住民基本台帳などからの無作為抽出によって呼びかけるため、参加するかしないかは呼びかけられた人の自由意志ではあるものの、まんべんなく多様な市民の参加が期待できることです。また有償であるために参加者の責任感がある程度確保できること、少人数による密度の濃いグループ討議、討議に臨む際に必要な情報提供を受け準備が保障されること、参加者の投票による決定、などを特徴としています。しくみの設計は裁判員制度に似ていると考えればわかりやすいかもしれません。
新宿区でも昨年、自治基本条例の制定にあたりプラーヌンクスツェレの方式が採用されました。この実績では、参加者の属性は20代14%、30代16%、40代14%、50代14%、60代22%、70代16%と、極端な偏りがなく、幅広い年齢層からの参加が得られています。討議の企画運営はプロポーザルにより選定されたNPOが受託し、事前準備から当日の進行を事務局として担当しました。
杉並区の基本構想づくりは、いま緒についたところです。まちづくりへの参加意識の高い杉並区民には、試してみる価値のある手法だと思います。策定に至るまでのプロセスにおいて、この手法を取り入れてはいかがでしょうか。お考えをうかがいます。
さて基本構想づくりに関連して最後にもう1点、おたずねしたいことは、10代の子ども・若者の声を聴き出す努力が別途、必要ではないかということです。子どもも地域社会を構成するメンバーですから、意見表明の機会が設けられなければなりません。その場合はプラーヌンクスツェレの手法によらない、大人とは別枠で、区の側から子どもの中に入っていくような工夫が必要だと思います。10代の子どもの基本構想づくりにおける子ども参加について、区の見解をおうかがいして、3つ目の項目、チャイルドラインについて質問いたします。
このチャイルドラインも、子どもの声に耳を傾けるという、子どもの権利にかかわる問題を提起したいという思いで、とりあげるものです。
どの子どもも、生まれながらにして「その子らしく」成長することができる、その権利がある、という「子どもの権利条約」の理念から除外された子どもが、残念ながら日本には少なくない状況です。現時点で高校の無償化から朝鮮学校だけが排除されている問題はもちろん、虐待により死亡する子ども、いじめを受けて自ら死を選ぶ子どもが後を絶たないことがその証左です。いたましい事件の背後には、その一歩手前の状況におかれている子どもたちの存在があります。また、少年犯罪が低年齢化のうえ増加しているかのようにいわれますがそのような事実はなく、むしろ子どもが被害者となる事件こそ増加の一途をたどっていることに、もっと目が向けられなければなりません。
被害者となる子どもをつくらないため、子どものSOSを受けとめるしくみが十分に機能しているか、点検する必要があります。
当区では、子どもの声を電話で受けとめるおもな機関として「ゆうライン」があり、学校にかかわる領域に関してもさまざまな機関が電話相談を受け付けています。これらの区の取り組みが果たしている役割と、これまでの総括を区はどうとらえておられるか、うかがいます。
「ゆうライン」は子ども家庭支援センターの事業のひとつとして、センター内に専用電話が引かれています。2010年度の実績は、大人からの相談件数1,213、子どもからの相談件数108とうかがっています。そこで、「ゆうライン」に関連して3点おたずねします。
1点目、電話をかけてくる子どもの年齢分布はどのようになっているか。2点目、子どもからの相談の内容はどのようなものか、件数の多いのはどのようなことか。そして3点目、これらの内容から察知される、子どもが抱える・子どもを取り巻く問題を区はどのようにとらえておられるか。以上、あわせてお答えください。
さて、それにしてもゆうラインの年間の相談件数108は、多いとはいえません。ゆうラインの受付時間帯については私たちも要望し、夜7時までの延長が実現したことは評価いたしますが十分とはいえません。また行政が実施する相談事業は、たとえ秘密厳守をうたっていてもアクセスするのにハードルが高く、一部の事業は私立学校に通う子には有効ではありません。
ここでご紹介する、民間NPOが運営するチャイルドラインは、「ゆうライン」のように相談を受けて問題解決の方法を追求するというより、子どもによりそい、気もちを受けとめる電話受信システムです。みずから自覚して発するSOSも、無自覚なりに発せられるメッセージも、子どものまるごとあるがままを受け入れる場が、チャイルドラインです。
1998年に世田谷で実験的に始められ、昨年3月31日現在、39都道府県、68団体で実施されるまでになりました。09年の全国統一フリーダイヤル導入により、2010年1月から9月までの9か月に、全国で延べ12万3千件、東京都内ではその10%にあたる1万件の着信がありました。
その中には、深刻な悩みを打ち明ける子もいますが、すぐ切れたり、無言だったりが半数近くあり、一言やお試しが2割で、会話が成立するのは3割に過ぎません。それでも、無言や一言の向こう側にだれかがいて受けとめてくれる、電話を通して人とつながっていることで自分の居場所を確認できる子にとっては、どんな声が応答するのか確認するだけでも、心の安定を保つために必要なツールと言えるでしょう。別の見方をするなら、そうしなければいられない子どもの孤独が見えるはずです。
09年度の集計では、電話をかけてくる子の男女・年齢別でいえば、男子高校生が23%で最も多く、男子の年齢不明が21%、これに比べて女子は小学生が13%で最も多く、女子高校生は10%となっています。会話が成立した電話の内容は、男子では性に関することが26%、女子は人間関係が23%で1番多く、2位は男女いずれも雑談・話し相手となっています。雑談のできる場であるということが重要です。たわいない雑談を何度かへてようやく、虐待を受けているというようなことを打ち明ける場合があるからです。
電話の「受け手」と呼ばれるスタッフは、子どもが自覚のないまま性的被害・性的虐待を受けている事実がわかったとき、本人が被害を認識するように、よりそって対応します。子ども自身が問題のありかを認識して解決を求めてくる相談とは違って、本人に自覚がなくてもかけられるチャイルドラインは、子どもにとって「話を聞いてくれる」「自分を受けとめてくれる」貴重な窓口になっています。
子どもからそのように信頼を得てきたのは、「ヒミツをまもる」「どんなこともいっしょに考える」「名乗らなくていい」「切りたいときは切っていい」という4つの原則が貫かれてきたからであり、非営利の民間組織であればこそできたことといえます。
そこで質問です。このような活動について、区の評価はいかがでしょうか。うかがいます。
チャイルドラインは市民のボランティア活動により運営されていますが、普及・啓発には行政の支援が欠かせません。当区でもチャイルドラインのPRカードが、教育委員会をとおして学校で子どもたちに配布されています。区立小学校全校の4年生と6年生を対象に、合計2,886枚、中学校の全学年生徒に6,409枚、合計12,260枚が昨年秋に配られました。(カード実物と拡大版を示す)
杉並区内にはチャイルドラインの活動組織がないため、これらは中野区内の活動団体が負担し、中野経由で配られています。杉並区内の子どもがかけるチャイルドラインへのフリーダイヤル電話は、他地域のボランティアが受け、全国組織であるチャイルドライン支援センターが通話料を負担しています。
フリーダイヤル導入はアクセス数を飛躍的に伸ばしましたが、同時に担い手側の経費負担も大きくしました。この事業にかかる経費はすべて担い手側が負担するケースがほとんどであるため、どこも苦しい経営状況を強いられています。「受け手」のスタッフは無償であるばかりか、運営費も自腹を切って活動を支えています。場所の確保、電話の設置、受け手の研修費、先ほどのPRカード代をふくめ普及・啓発にかかわる経費など、通話料以外はすべて持ち出しで活動が行われます。最大の負担は場所代で、活動継続が困難になる原因の多くが設置場所の家賃の支払いです。
チャイルドラインの事業は、行政が介入しないことで活動の独立性が担保されることは確かです。けれども、これを子どもにとって必要なしくみと評価するなら、活動に対する公的な援助の手が差しのべられるべきではないでしょうか。
実はいま、杉並区内でもチャイルドライン活動組織を立ち上げようという動きが始まりつつあります。現在16時から21時までが受け付け時間帯ですが、日曜日は活動を休みとしている地域が多いため、「かけてもつながらない」子どもが月曜から土曜日までは約20%から30%であるのに対し日曜日は60%になります。杉並での活動が実現し日曜日でも受け付けることになれば、この状況を改善することができます。
もしこれを区が支援すれば、それはこの動きを進める力になり、間接的にでも区のシステムでは拾えなかった子どものSOSや子どもを取り巻く問題を把握できることにもなります。正しい現状認識は行政ニーズを導き出すために欠かせません。子どもの最善の利益を追求するために、区はこの動きを支援すべきと考えます。いかがでしょうか。最後の質問として、おたずねします。
タイガーマスク、そして伊達直人の贈り物は、自分の名誉のためでなく誰かの幸せのために何かをしたい、という多くの心ある人の気もちを目覚めさせ、これが日本にも寄付の文化が根付くきっかけになるのかもしれない、という期待を抱かせてくれました。子どもの権利を守ろうとする市民の活動が継続するためにも、善意の寄付がもっと気軽に集まり、生かされるような社会にしていきたいと考えつつ、私の質問を終わります。
私は、区議会・生活者ネットワークの一員としまして、1.水鳥の棲む水辺づくりについて、2.自転車のまちづくりについて、以上2項目について質問いたします。
まず、最初の項目「水鳥の棲む水辺づくり」についてうかがいます。
杉並はご存じのように、東京の河川として代表される神田川の上流域に位置し、神田川、善福寺川、妙正寺川の3本の川が流れる神田川の流域面積が一番広い自治体です。
私は、「川を地域のオアシスに!」を合言葉に、川に親しむくらしをこの杉並区にとりもどしたいと、地域の川・水・みどりに関する活動団体の方たちとともに活動してきました。杉並区は、将来像を「区民が創る『みどりの都市』杉並」を掲げ、そのなかで「水辺をよみがえらせ みどりのまちをつくろう」を目標に、これまで歩んできました。現在、田中新区長のもと、新しい基本構想づくりが始まりましたが、今後もこの歩みがさらに着実にすすめられるような議論を期待し、川への思い入れを持つ一人として質問いたします。
このたび、新しい基本構想づくりにむけた区民アンケートの結果が報告されました。10年後もあなたが住み続けたいと思うまちにするためにはどんなことが必要か、という問に対し、介護・医療、防犯、災害対策に続き5位に「水辺・みどりの保全・創出」が入りました。また、大切にしたい杉並の魅力として
「水辺・みどり」が上位に入っています。区民は、杉並区の自然環境を誇りに思い、うるおいのある憩えるまちに暮らしたいと思っていることがわかります。
今回のアンケートの結果である水とみどりへの高い区民意識に対し、区長はどのようなお考えをお持ちでしょうか、伺います。
先日2月5日に開催されました「水鳥の棲む水辺づくり創出事業」シンポジウムに関連して2点伺います。
「水鳥の棲む水辺づくり創出事業」は2008年から区が取り組みを始めたもので、杉並区だけを流れる善福寺川において、水鳥に着目しながらうるおいと安らぎのある水辺環境を再生・創出することを目的にした事業です。この事業を多くの人に知ってもらい一緒にすすめていこうと毎年シンポジウムが開催され、先日3回目が西荻地域区民センターでありました。私も毎回参加していますが、今回も200名を超える参加があり、この事業への関心が高いことがわかります。
このように区民の関心が高く、杉並区の特徴である豊かな水辺を生かす「水鳥の棲む水辺創出事業」を今後も継続して取り組んでいくべきと考えますが、区長のお考えを伺います。
今回のシンポジウムでは善福寺1丁目にある井荻小学校6年生の学習発表がありました。子どもの参加はシンポジウム始まって以来、初めてのことです。井荻小学校では4年生から卒業までの3年間、善福寺川の清掃活動を通じて川の中の動植物や、善福寺公園に来る野鳥の観察を続けています。そのなかで、子どもたちの「川が臭いです」という実感こもった発表がありました。なぜ川が臭いのか。河川への下水の流入が問題であることに気づいた子どもたちが、当日のパネラーである都や区の担当者に「下水を川に入れないでください」と要望する場面に会場から賛意を表す大きな拍手がおこっていました。
2011年度の予算編成を、「質の高い住宅都市『杉並』をめざす」と掲げている当区においては、洪水対策とともに河川への下水流入問題を解決する必要があると考えます。区として井荻小の子どもたちの要望をどう受け止めたのでしょうか、伺います。また、区は子どもたちの声を受けて、東京都下水道局に分流式下水道へのつくりかえなど、問題解決を図るよう改めて要望すべきと考えますがいかがでしょうか、お答えください。
下水流入問題の解決策の1つに雨水の「貯留・浸透」があります。
そこで雨水の貯留と浸透について4点うかがいます。
まず雨水浸透ますについてです。
当区では住宅に雨水浸透ますを設置する場合、新築、既存に関わらず助成を行っていますが、実績として年間何件の浸透ますが設置されているのでしょうか。雨水流出抑制を着実にすすめるためには浸透ます設置の数値目標をたてて行うことが必要と考えますがいかがでしょうか、あわせて伺います。
2点目、「貯留」の位置付けについてです。
当区の雨水流出抑制のパンフレットには、浸透策として浸透ますをはじめ、透水性舗装、浸透トレンチ、浸透側溝など「浸透」について丁寧に説明されています。しかし、「浸透」の説明に比べて、「貯留」は地下貯留槽だけの紹介が1か所あるだけです。普通の住宅でもそれほど大掛かりな工事を必要とせずに設置できる雨水貯留タンクの説明はどこにもありません。「浸透」は地下水の涵養といった水循環を図る環境対策であるとともに、雨水を一気に下水管に流さないための雨水流出抑制策です。では「貯留」はどうでしょうか。雨水を貯めて生活用水に利用する「貯留」は循環型社会にそった環境対策であるとともに、こちらも雨水を一気に下水管に流さないための雨水流出抑制策だと考えます。
広報すぎなみでも「水害に強いまちづくり」として浸透・貯留がともに紹介されるようになったことは評価をするものですが、雨水流出抑制のパンフレットにおいても「浸透」だけではなく「貯留」、それも地下貯留槽だけでなく貯留タンクも同様に載せるべきと考えます。そもそも、区として貯留の効果をどうとらえておられるか、伺います。
3点目、雨水貯留の助成について伺います。
善福寺川の上流域、荻窪中学校前の原寺分橋の下に大きな湧水ポイントがあります。湧水脇の護岸には大きな雨水の吐き口があり、武蔵野市に降った雨がここから出てきます。武蔵野市も合流式下水道ですので下水と一緒になって流れ込むため、この周辺にお住まいの方たちは悪臭にずっと悩んでこられました。
これまで、私ども生活者ネットワークの議員は代々、東京都の下水道局や武蔵野市の下水道部を訪ね、原寺分橋下の吐き口に武蔵野市の下水を流さないでほしいと何度も訴えてきました。武蔵野市はこのたび、下水の希釈率が低い一番汚れている初期雨水を合計で1万1200立方メートル貯留する雨水貯留槽を2か所に設置することを決めました。これは、原寺分橋の吐き口から年に約50回流出するとされる回数のうちの半分、26回相当を改善する計画だそうです。また、同市は雨水浸透ますだけでなく、雨水貯留タンクの設置に助成を始めており、加えて来年度からは新築時の雨水浸透ます設置を義務化されると伺っています。雨水吐き口からの下水流出防止策を他市に依存するだけで、当区は知らん顔でよいわけはありません。善福寺川の雨水吐き口68か所のうち、武蔵野市からの2か所を除く66か所の吐き口からは、杉並区民が出した汚水が流出するわけで、当区としても、新築時の雨水浸透ますの設置の「お願い」だけではなく義務化をすべきと考えます。
しかし、先ずは「貯留」です。当区では、小中学校の校庭に雨水貯留槽を計画的に設置しており、いま3分の1の23校が終わりました。1年に2校ずつ設置される計画ですので残り44校が完了するまでにあと20年以上かかります。スピードアップを望むものですが、それを補えるのが民間です。家庭用の雨水貯留タンクの平均的な容量は100から200リットルと1戸あたりにすれば少ない量ですが、たとえば200リットルタンクを上流域1000世帯に入れれば学校のプール半分以上の流出抑制になり、十分洪水対策にも下水流出抑制にもなる量です。すでに都内10区4市が雨水貯留タンクへの設置助成を行っています。当区としても、井荻小の子どもたちの声にこたえる必要があると考えます。一般家庭に雨水貯留タンクの設置を促すために当区としても助成をすべきと考えますがいかがでしょうか、伺います。
4点目、雨水貯留・浸透の広報について伺います。
毎年、善福寺川をはじめとする川の活動団体が合同で「善福寺川フォーラム」を開催し、雨天時の河川への下水流出問題を取り上げています。昨年の第11回目は「善福寺川復活のカギは下水道」をテーマに下水道の専門家4名と区の担当者を交えたパネルディスカッションが行われました。毎回、参加者は河川が抱える合流式下水道の問題に驚かれてお帰りになる、つまりご存じない方が多いという状況です。これまで区は、雨の時期に区報により雨水の貯留・浸透を呼び掛けており、一定の評価をするものですが区報だけでは足りません。
「雨水浸透ますの設置件数 世界一」と言われている小金井市では、庁舎内に雨水浸透ますの現物の展示がされ、市民にとって身近なものになっているそうです。当区においても区庁舎や洪水が多発する地域の区民センターなどで、河川への下水流出問題の掲示とともに雨水浸透ますや貯留タンクの常設展示をするなど広報の強化が必要と考えるところですがいかがかでしょうか、お答えください。
次に済美公園の親水テラスについて伺います。
縄文の時代から人は水辺とともにあり、少しでも水辺に近づきたいと願ってきました。しかし、川のすぐそばまで多くの人が暮らすようになり、洪水対策が優先された結果、川は深く掘り下げられ、護岸や川床がコンクリートで固められて、人々は川に背を向けて暮らすようになってしまいました。しかし、近年は水辺に近づきたいという人々の声により、水面近くまで降りられる親水テラスがあちこちの河川につくられるようになってきました。当区でも昨年、善福寺川に面した区立済美公園と一体となった親水テラスがつくられました。周辺住民の方たちの参加で公園の案がつくられ、工事が行われたのですが、完成するころになって予想していなかった光景が現れ、住民の方からは怒りと落胆の声が私のところに寄せられています。
親水テラスの対岸、つまり正面に雨水の吐き口が現れ、親水テラスというより雨水吐き口観覧テラスと言った方がよい状況になっています。その結果、雨の後は、川の中の植物やテラス近くに汚物が滞留するなどして、とても親水テラスを楽しめる状況ではありません。区はこういう状況になることを事前に把握していらっしゃらなかったのでしょうか。区は都に対して、雨水吐き口を下流側に移設することを要望すべきと考えますがいかがでしょうか、区の見解をお示しください。
この項目の最後の質問です。
東京都が2006年に策定した「10年後の東京」が計画期間の折り返し地点に入ることから、昨年12月「実行プログラム2011」を発表しました。その主な事業に、「隅田川の再生」事業があげられています。水の都(みやこ)東京として象徴的な河川である隅田川の再生事業の成否は、隅田川に注ぎ込む神田川、なかでも神田川水系全体で雨水吐き口335個、その2割にあたる68個がある善福寺川、つまり杉並区の取組にかかっていると言っても過言ではありません。神田川上流域自治体の首長として、下水流出問題をどうお考えか、伺います。
東京都が策定した先ほどの「実行プログラム2011」において、ゲリラ豪雨による浸水被害を軽減することがあげられました。都が計画したままになっている善福寺川上流域への雨水貯留管の早期設置をのぞむものです。
次に2つ目の項目、自転車のまちづくりについて伺います。
私たちの暮らしに身近な乗り物である自転車は、人力だけで動くという点から徒歩とならんで最も原始的な移動手段で、そのため環境に負荷をかけない健康にもよい乗り物だと言われています。私も、年間通じて自転車で区内を走り回る自転車愛用者の一人として、四季折々の風を受けながら自転車での移動を楽しんでいます。
私は、自動車に依存しすぎてきた社会から脱却をせねばならないとの思いと、質の高い住宅都市は歩行者が楽しく散歩や買い物ができるまち、自転車が自動車に脅かされずに快適に走れるまちにしたいという思いを持つ者として、今回自転車のまちづくりについて質問をいたします。
自転車のまちづくりをめざして具体的な施策として策定された「杉並区自転車利用行動計画」の計画期間である2010年を迎えています。自転車のまちづくりに向けての行動計画として、1.歩くことや適正な自転車利用の促進、2.歩行者・自転車利用者のための道路環境づくり、3.利用しやすい自転車駐車場の整備、4.放置自転車のない安全で快適なまちづくり、5.自転車利用のルールの遵守・マナーの向上、6.自転車のまちづくりを進めるための体制づくり、が掲げられています。これらの計画の達成度、そして課題はなにか。また、今後の行動計画づくりをどう進めていかれるのか、スケジュールについてもお示しください。
東京都の「10年後の東京」計画に対するインターネットモニターアンケートの結果が公表されました。計画の実現に向けた施策展開への関心事が「高齢者への対応」の57%をわずかに抜いて、「自転車走行道路について」が58%という結果でした。当区においても基本構想づくりに関するアンケートで住みよいまちにするための意見に「自転車の走行のマナーの向上」があげられています。いずれも、歩行者が安心して歩け、自転車が安全に走れるまちづくりを望む声です。これらの結果を新たに策定する基本構想に反映させるべきと考えますが、区の見解を伺います。
自転車等駐車対策協議会について2点伺います。
杉並区では、自転車法の規定に基づき自転車等駐車対策協議会を設置しておられます。この規定は「協議会を置くことができる」とするもので、23区の中でもこの協議会を持つ自治体は8区しかありません。当区における自転車に関する課題への積極的な取り組みを評価するものですが、この協議会の目的と目標、これまでの到達点をお示しください。
これまで、着実に放置自転車削減に向けて目標数値を定め、達成してこられたこと、駐輪場の設置も区立だけではなく、JRなど鉄道事業者、駅近くの土地所有者による協力も得ながら収容台数を増やしてきたことなど、自転車等駐車対策協議会や区の取り組みを評価するものです。しかし、今新たな課題として、買い物客の短時間駐輪問題や、歩行者との事故が増えている問題があげられ、2009年に「自転車利用総合計画」が改定されたところです。これらを重要な課題ととらえ、課題別分科会の設置やPTA関係の方の参加など、自転車等駐輪対策協議会の運営方法やメンバーの見直しなどにより、これらの課題解決を図っていくべきと考えますが、いかがでしょうか、区の見解を伺います。
自転車はいまや私たちの生活になくてはならないもの、質の高い住宅都市になくてはならない乗り物であるにもかかわらず、近年の自転車事故の増加、自転車が原因の死亡事故の増加により、なかなか自転車の優れた点が評価されないのが残念でなりません。
今回の予算編成方針の中に、「交通不便地域に新たなコミュニティバスのあり方について調査・検討をする」とありました。昨年の予算特別委員会でも申し上げましたが、コミュニティバスに絞っての調査検討の前に、区民の移動・外出を全体として捉える必要があるのではないでしょうか。自転車も移動手段の1つとして捉え、高齢者・障がい者を含むだれもが利用しやすい交通体系を示すのが先であると考えます。2002年策定の「まちづくり基本方針」に「総合的な交通計画の策定」があげられているものの、まだ策定されていない状況です。いま、まさにまちづくり基本方針が見直されようとしているわけで、この際まず地域の公共交通計画を策定し、自転車、福祉交通、交通事業総体の施策体系を示していくことが必要であることを申しあげまして質問を終わります。
