2009年2月アーカイブ


                                       2/16 小松 久子

私は、区議会生活者ネットワークの一員として、1.地域区民センター運営協議会と地域自治について、2.発達障がい者の支援について、3.外環建設問題について、以上3点質問いたします。

 

区長がこのたび示された区長の予算編成方針の概要では、「自治」「協働」の文言がすっかり影を潜めた感があります。これがもし自治を推進するのは当然のこと、また協働については区の事業の6割実現を達成したので改めて述べるまでもないということなのだとすれば、私たちの実感とはかなり距離があると申し上げなければなりません。

 

当区において自治を語るとき、分権とセットで、対国、対東京都というような対置関係でイメージされることが常であり、地域自治についてはあまり触れられませんが、ほんとうは、生活に身近な地域における自治においてこそ、区民一人ひとりの市民性が発揮され、市民自治を実感することができるのだと思います。

 

地域自治については、かつては議論された場面があったものの、いつのまにか消えていったと理解しておりました。けれども、昨年、7年ぶりに地域集会施設、いわゆる地域区民センターの運営協議会のあり方検討がされたとうかがい、年末にまとめられた報告書を拝見して、地域自治について再び議論の俎上に載せる機会がやってきたと感じました。区内にある7つの区民センターを中心とするそれぞれの地域は、地域自治を具体的にイメージし実践するのに適した事例だと思います。

 

あり方検討の報告書は「協議会の新たなる一歩」とタイトルがつけられ、サブタイトルには「地域団体のネットワーク化と自治型コミュニティ形成を目指して」とあります。前回2000年度の検討において、「地域自治」という文言こそないものの、自治型コミュニティをめざして地域センターを地域自治の拠点として展望されていたことがわかります。そして今回の報告ではその構想をほぼ踏襲した内容になっています。

 

生活者ネットワークは、市民による自治の実現をめざす立場から、地域自治の拠点として区民センターがその機能を果たすことが適当と考えてきました。そもそも、今年でちょうど30周年を迎える荻窪地域区民センターが1979年に最初の地域区民センターとして設立された当初より、運営協議会の設置目的としてこの地域自治の視点が明確に記されています。すなわち「住民自治の精神に基づき、区より委託された地域の集会施設の運営管理を通じて、地域住民相互の交流、活動の便宜を図り、地域のよりよいまちづくりを進める」と書かれ、今に至っています。

 

また、新宿区の例をご紹介しますと、区内を10の地域に分け、各地区に「地区協議会」を設置して、町会・自治会の地縁組織から地域貢献型のNPOや公募区民に至るまでさまざまな人々が参加し、模索しながら区民と区の協働のもと活発に活動が展開されているようすがホームページ上からもうかがえます。現在新宿区では()自治基本条例を区民と行政と議会の3者が一緒になって策定中とのことですが、その中での大きな課題の一つが、この地区協議会という地域自治の組織をどのように条例の中で規定するか、だということを聞いております。いかに地域の自治を重要課題ととらえているかがうかがわれます。

 

運営協議会の機能を区民センターという箱モノの維持に終わらせず、自治型コミュニティ形成を目的とするという今回の報告を、自治を進める杉並区としては、どのようにとらえておられるのか、ぜひお考えをうかがいたいと思います。これが1番目の質問です。

 

報告書では、これまでの趣味・娯楽活動の講座を縮小し、地域の課題解決型の講座企画を多くしていくことが提言されており、私もそれが本来の区民センターの機能だろうと思います。

また、運営協議会の委員構成についても言及されています。ただ、報告書で例示された変更案を見て、文言自体も古く感じてしまうのですが、地域の活動や事業に積極的に動いている方たちとの接点をもつ私どもからすれば、もっと地域の課題を知っているNPOや、地域の市民活動に関心を持つ人などが参加できる体制にしていくことが必要と考えます。

 

昨年は特定非営利活動促進法、いわゆるNPO法が施行されて10年という節目の年でしたが、当区においてはすぎなみ地域大学の実践などの成果もあり、この間の市民活動の活発化は10年前とは段違いの進展を見せています。

 

本来であれば、運営協議会の委員構成について、新しい方向性を出すべきと思いますが、まずは地域で活動するNPOとの協働で講座企画などを実施することなども有効と考えます。最初は区が運協とNPOをつなぐ役割を果たすべきと思いますが、いかがでしょうか。2番目としてうかがいます。

 

報告書のサブタイトルにうたわれているような、「地域団体のネットワーク化」という目的を達成するには、運協がその運営体制から変わる必要があります。事務局体制の変革をめざしておられることには賛同します。現状では、地域課地域活動係と運営協議会事務局の連携をどのように行っていくべきかが明らかでありません。

 

というより、「地域の活性化」という抽象的な目標のもとで具体的に何をどうすればよいのかが明確に捉えられないままに係が設置されていると申し上げたら言い過ぎでしょうか。本庁と地域の出先機関、現場の区民の活動とが有機的に連携し、情報が共有され、そこから新しい課題が明らかにされ、その解決に向けて地域が動き出す、というような状況に現場はなっていません。

 

地域のさまざまなネットワークや地域課題に精通した、もしくはそれを楽しく極めていこうという意欲のある区民や団体の参加なども含めての事務局体制をつくり上げることが、求められるのではないでしょうか。報告書においても、事務局組織のあり方については、「区・運営協議会両者が、その改革実現に向け努力するよう強く要望する」と書かれています。地域のNPOに一度運営を任せて運協のあり方を変え、区はそれを支援する、という協働のあり方が検討されるべきと思いますがいかがか、お考えをお示しください。

 

報告書では、7年前に検討されたことが現実には進まなかったことの原因を、ロードマップが示せなかったからと総括されています。この教訓を生かすため、今回は報告書で述べられた提言をもとに具体策を立てることが求められます。NPO関係者を含め各種の地域団体とともにあり方検討の内容を共有し、区の支援のもとに実行計画を立てる必要があると考えますがいかがでしょうか。この項で最後の質問として、見解をうかがいます。

 

この問題は、単に運営協議会の問題に限られることではありません。杉並区政史によれば、1977年に策定された杉並区長期行財政計画において「地域の特殊性に応じた的確な行政サービスを提供するため、7つの地域と46の地区を設定」されたとありますが、区は7つの地域というものを単に公平な施設配置をしていく上での区分にすぎないとし、これまで地域行政を地域の市民自治の視点からは取り上げてこられませんでした。しかし、分権・自治が地方政府の最後の重要課題となっているこの時代に、杉並区が適切な区政運営のかじ取りが出来るか否かという問題なのだと、生活者ネットワークは考えています。

 

ぜひ、区民が集う地域の施設を中心に、自治が根付く、運営協議会がそのための推進役として主体的な活動の新たな一歩が踏み出せるよう、区の支援を期待して、2つめ、発達障がい者の支援についての質問に移ります。

 

発達障がいは、他の人とうまく交流できない、意思の疎通がスムーズにいかない、知的には問題がないのに社会のルールが理解できない、などの問題が一種の障がいによるものであると規定づけた概念です。おそらくは学校や地域、職場などに昔から存在していた「生きにくさを抱えた人」の困難さの原因が認識されたことで、その存在が明らかになりました。

 

厚生労働省の定義によれば「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」とされています。

 

2005年に発達障害者支援法が施行され、それまで福祉制度の谷間にあって行政施策の対象とならなかった発達障がい者とその家族にとって、生涯を通じて公的な支援が受けられるよう定められた意義は大きく、また発達障がいという種類の障がいを社会に認知させるきっかけとなりました。ただ、外見上からはほとんどわからない、障がいの程度も症状も個人差の大きい発達障がい者への支援のあり方には、まだ多くの課題が山積しています。

 

たとえば、発達障がいの数は増えていると一般的にいわれますが、実際にそのようなデータは見つけられませんでした。子どもの場合については、療育施設や特別支援教育の現場を通して把握しやすい一方で、成人の場合は、成人になってから障がいの存在に気づく例も珍しくなく、専門医であっても診断が分かれる場合があると聞けば、いまの段階で数を把握するのは難しいのだろうと容易に想像がつきます。

 

杉並区では、乳幼児期から始まって学齢期までふくめて、子どもの発達障がいについては他区と比較しても、十分とはいえないまでもきめ細かく保護者本位の支援策が施されていると評価するものです。しかし、成人の発達障がい者に対しては、法的な不備もあって、当事者や保護者が安心して地域生活が送れるような体制が整備されているとはいえません。

 

その、法的不備について若干述べさせていただきますと、発達障がいは障害者基本法、障害者自立支援法において対象とされていないため、どのような支援が必要とされるのか規定がなく共通認識がされていません。区の保健福祉計画、障害福祉計画においても発達障がいは種別にすると「その他」の部類に入ることになり、障害者手帳や愛の手帳、保健福祉手帳の交付を受けることもありません。行政計画に明確に位置づけることが必要だと思います。障害者自立支援法は現在見直し作業が行われていますが、その中で発達障がいが位置づけられる方向と聞いています。この動向を注意深く見守っていきたいと考えています。

 

前置きが長くなりましたが、以下、特に成人の発達障がい者に対して適切な支援がなされるように整備が進むことを願って、4点質問いたします。

 

1点目です。発達障害者支援法に基づく施策として、区ではどのような取り組みがされているでしょうか。うかがいます。

 

2点目。発達障がいは個人ごとにそれぞれ症状や個性が異なるうえ、先ほど述べたように医師によっても診断が異なる場合があり、またボーダーライン上にある人が相当数いるものと考えられます。そのため個別の対応が不可欠となります。第1には相談窓口の充実であり、医療、保健、福祉、教育、労働などの所管が連携しての個別の支援体制が必要と考えますが、区の取り組みについておうかがいします。

 

ところで先日、私どもの事務所に、成人の発達障がいの息子を抱える親御さんが相談にみえました。他の人と意思の疎通を図ることが難しく、知的障がいも併せ持つ30代の息子と二人暮らしというその男性は、発達障がいに対する無理解が行政の窓口においてさえ見られる、と受付対応への不満を訴えておられました。

 

そのことからもわかるように、発達障がいの特徴や接し方についてはまだ認知度が低く、研究途上にあるといわなければなりません。一般の人だけでなく、作業所や生活園の職員やスタッフ、職業訓練、ジョブコーチ、就労支援などにあたる人の中にも、発達障がいの特性は理解していても、個々の対応における些細な不備でのトラブルが当人の地域生活を困難にしている場合があります。

 

職員・スタッフは事例研究が欠かせません。また区民一般への普及啓発は区の責務ですが、どのように取り組んでいかれるのか、3点目としてうかがいます。

 

先の親御さんと話していて感じたのは、この障がいは家族同士のネットワークづくりができにくいのではないか、ということです。当事者が子どもの場合は、こども発達センターなどを通して他の親御さんたちと知り合うきっかけがもて、情報交換や悩みを分かち合う関係を結ぶことができるでしょうが、成人の場合はその機会が乏しく、なかなか難しいように思いました。

 

そこで4点目の質問です。家族同士のネットワークづくりや、そのような活動をしている市民団体への支援なども求められると考えます。区の取り組みをうかがいます。

 

昨年私は、世田谷区にある東京都発達障害者支援センター、通称トスカを視察する機会がありました。そこで専門スタッフの方から「発達障がいというと、みなさん子どもに目を向けてくださるのはいいんですが、成人のほうがもっと大変なんです」とうかがい、なるほどと思わせられました。18歳以降のほうが人生はずっと長く、年を重ねるにつれ、子ども時代よりも複雑な問題が家族など周辺にも生じてきます。30代、40代の発達障がい者の親御さんは自分が高齢化していくことの不安を募らせていくでしょうし、今のような経済不況でいちばん打撃を受けるのが弱者だというのは、残念ですが事実です。

 

区の積極的な支援策をつよく要望して、3つ目の項目、外環建設問題について質問いたします。

 

1966年に都市計画決定された東京外かく環状道路の、関越道から東名高速までの未着工区間16㎞分について、2001年、高架から大深度地下構造への変更方針が国と東京都より示されて以来、建設に向けた動きが進んでいます。200712月には国幹会議で計画路線に位置づけられ、現在、事業化手続きの前段階に至っていますが、つい数日前には石原都知事が金子国交大臣と会談し、来年度中に着工するよう申し入れたと報道されるなど、推進の動きがにわかに早まってきた感があります。

 

この間、国と都は「外環の必要性の有無から議論する」住民参加のしくみとして「パブリック・インボルブメント(PI)」協議会を設けるなどして「十分に議論してきた」「地元との合意形成に努めた」と自己評価していますが、建設を疑問視する沿線7区市、すなわち練馬、杉並、武蔵野、三鷹、調布、狛江、世田谷の住民からは、建設ありきで進められ決定権を持たないPIのあり方への不信を訴える声が消えません。地域ごとの課題を整理する、として地域PIが各地で開かれましたが、いずれの参加者からも「あげられた課題の解決策が示されないか、示されても納得できない」「進め方に問題あり」という声が聞かれます。

 

杉並では2回の地域PI課題検討会、その後の「補足の会」をもって課題検討会は終了とされ、先ごろ国と都より「対応の方針(素案)」が示されました。現在パブコメ受付中であり、確定された方針ではありませんが、素案は検討会メンバーより出された多くの疑問に答えるものになっていません。

 

そこで質問です。区はこの素案の内容に対しどのような見解をおもちか、まずうかがいます。

 

区長は、平成19112日付で都知事にあてて提出した、外環道の環境アセスメントに関する意見書において「インターチェンジ周辺地域における具体的な交通対策や環境対策が明らかになっていない現段階において、外環事業の着手まで容認するものではない」と述べられました。また同日、国交大臣と都知事に対し「事業着手までに誠実な対応を」として交通対策や環境対策などを要望されています。

 

区長要望に具体的な回答が得られないうちは事業化まで容認するものではない、とする区の立場から、これまで区は、不十分な回答については国に対し再度回答を求めておられる、と聞いています。その再質問の内容は何と何でしょうか。また、もし区長が事業化を容認するとすれば、その条件はどのようなものでしょうか。併せてお示しください。

 

さらに、その回答の時期についても確認させていただきます。事業化手続きの段階に進んでしまってからでは間に合わなくなってしまうからです。事業化手続きに入る前に回答を得られるようにすべきと考えますがいかがか、おうかがいします。

 

つづいて地上部街路(外環ノ2)について質問いたします。

 

都道として都市計画決定されたまま、今も計画として生きている外環ノ2は、都が制作したPRパンフによれば、街路ができれば失われたみどりが復活して緑被率が上がり、災害時に延焼を防止でき、交通が円滑化されて事故が減り、質の高い生活環境が創出されバリアフリー化も推進される、とよいことずくめです。

 

しかし、防災対策や交通の改善には従来の道路を整備することで対応が可能ですし、外環ノ2街路を造ればまちの景観を激変させてしまうこと、善福寺のまちから相当数の住民を立ち退かせコミュニティを分断することになる、など弊害の甚大さを想像すれば、とてもそのように楽観視することなどできません。

 

杉並区においては、外環ノ2については「必要性の有無からの議論をする」と従前よりうかがっています。区のお考えをここであらためて確認したいと思います。また今後のスケジュールをお示しいただくことと、併せてうかがいます。

 

生活者ネットワークは、昨年11月、沿線7区市のうちの6区市で連携した活動として、外環に関してさまざまある市民の疑問を質問状としてまとめ、国会議員を介して市民と国交省との協議の場をもつことができました。しかし国からは実のある回答を得ることができず、そのあまりに不誠実な対応によって、この建設事業に対する疑問と危惧をよりいっそう増大させる結果となりました。 

 

いま、政局の転換点にあって、外環建設問題は重要な局面を迎えています。区は、区民の声を代弁し区民の生活権を守る義務と責任において、国と都に対峙し、また他の沿線自治体に対しても、ときには説得にあたるような積極性を発揮していただけますよう最後にお願いして、私の質問を終わります。


                                   市橋綾子   2/16     

区議会・生活者ネットワークの一員としまして、善福寺川「水鳥の棲む

水辺」創出事業について質問します。

 

私たちが暮らす杉並区は、神田川水系の流域面積が一番広い自治体です。なかでも、区の中央を西から東に流れる、全長10.5kmの善福寺川は、杉並区だけを流れる神田川の支流の1つです。

善福寺川の本格的な開拓の歴史はさかのぼることおよそ420年。徳川家康が江戸へ入府した翌年の1591年ごろからと考えられている、とある本で読みました。もちろん、それ以前から川沿いの大地には多くの集落が形成され、川のあるところに文化が生まれるともいわれ、人々の暮らしと川は密接な関係であったことは言うまでもありません。その長い歴史の延長線上に現在の私たちの暮らしがあることを忘れてはなりません。


さて、昨年の第一回定例区議会において、「いのちを育む」その中でも「地域のいのちを育む」施策の1つとして区民と協働で取り組む「善福寺川 水鳥の棲む水辺 創出事業」が承認され、すでに1歩を踏み出しています。この事業に期待を寄せる者として質問します。

 

まず最初に、この善福寺川「水鳥の棲む水辺」創出事業について2点お伺いします。

1点目。この事業のめざすものは何か、お伺いします。

2点目。事業に関する来年度予算の内訳をお示しください。

 

次に、今年度の計画で設置された検討懇談会について2点お伺いします。

1点目。この検討懇談会の位置付けはどのようになっているのでしょうか。また、懇談会委員はどのようにして決められ、どのような方が務めていらっしゃるのか、おたずねします。

2点目。検討懇談会がまとめたこの事業への「提言」が、先月1月に区に提出されたと伺いました。そこで、おたずねします。この提言に書かれている内容にはどのような特徴があるのでしょうか。また、区としてこの提言をどのように評価していらっしゃるのかお伺いします。

 

さて、2月7日、都市整備部建設課主催による「善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業」シンポジウムが開かれ、私も一区民として参加しました。区民の興味があるテーマであることに加え、当日の朝刊に大きく記事が載ったこともあり、会場の区役所中棟6階の会議室は130人を超える参加者でいっぱいでした。

懇談会委員をパネラーに、「水鳥の棲む水辺創出事業に期待するもの」と題しパネルディスカッションが行われ、水質・水量のこと、鳥、昆虫、植物のこと、下水道のあり方、教育現場から川と子どもたちなど、さまざまな立場から、過去、現在、未来の視点で、課題や期待が述べられました。そこでシンポジウムに関連して2点お伺いします。

1点目。今回行われたシンポジウムのねらいは何か、おたずねします。

2点目に、地域を知る教育についておたずねします。

善福寺川の近くにある区立西田小学校・杉並第二小学校の講師の方から、「子どもたちは地元を知らない。知るチャンスがない」、また、「子どもは好奇心のかたまりなのに、川を見ない。存在すら知らない」という発言がありました。

この議場にいらっしゃる皆さんは、川で泳いだり、遊んだりしたことがおありでしょうか。川遊びの経験をお持ちの方は、楽しかった、水と戯れることの魅力などを覚えておられるのではないでしょうか。

川は子どもにとっても大人にとっても楽しい遊び場である一方で、怖いものでもあります。神田川の活動を地域の方たちと行ってきた私も、次世代を担う子どもに楽しさ、怖さを伝えていくには体験が一番だと考え、これまで池で「外来魚生態調査」としてブルーギルやブラックバス駆除のための釣りをしたり、「生きもの調査」としてザリガニや小魚、ミジンコすくいなどを行ってきました。子どもたちは、水の冷たさ、水音、湧き出る水や流れの強さ、川から眺める地上の景色、とどれもこれも初めての体験に目を輝かせます。杉並区には、神田川、善福寺川、妙正寺川のほかに、暗渠になってしまった井草川、桃園川などが遊歩道として残っており、神田川水系の大部分がこの杉並にあるという特徴ある自治体です。川を楽しみ、川沿いの遊歩道を毎日散歩する人も多く、川は区民にとっても誇りある資源です。杉並の子どもたちが、このように川があるまちで育っているにもかかわらず、川に入ったことがない、接したことがない、というのは残念でなりません。これまでの川の活動を通して、また、子どもたちが地元のことを知る機会がない、という現場の先生の発言からも、川を遊び場や学びの対象とする場面が必要であり、その場面をつくるのが大人の役割であると考えます。これまでも、川の学習を希望する学校の依頼で、市民グループが講師役を担い、川を学ぶ授業が何度か行われてきました。それは、「たまたま」行われたことです。杉並っ子は必ず地元の川を学んで育つ―といった杉並らしい教育メニューが欲しいところです。


そこで、2点目の質問です。総合的学習などの時間を使って、子どもたちが川に接する場面、学ぶ場面を積極的につくってはいかがでしょうかお答えください。

 

次に、事業計画についてお伺いします。

区のホームページを拝見すると、シンポジウムを開催して幅広い区民意見の把握を行い、今年度内に事業計画を策定する、という予定になっています。そこで2点おたずねします。

1点目。シンポジウムで発表されたテーマだけでも、水質・水量、鳥、昆虫、植物、下水道、教育のテーマがありました。事業計画の策定にあたり、着手する優先順位をどのようにつけていくおつもりでしょうか。また、今後のスケジュールについてもお示しください。市民参加や区民意見の把握については、今後どのような場面で行われ、計画策定を行っていかれるのかあわせて伺います。

 

最初に述べましたようにこの事業は「区民と協働して取り組む」ものです。今後、たとえばテーマごとにワーキングチームをつくり、計画策定作業を区民と一緒に行うなど、共にできることをさぐっていってこそ協働で取り組む事業といえるのではないでしょうか。要望しておきます。

 

2点目。関連部局との連携についてです。

このシンポジウムで明らかになったのは、「水鳥の棲む水辺」は単に水鳥を呼びこむものではなく、水鳥が棲む水辺をつくるためにはどういうまちづくり、人づくりをしていけばよいのか、というものでした。ここからもわかるように、この事業を進めていくには、建設課だけでなく、まちづくり、環境、人づくりである教育部門の連携が不可欠です。関連部署との連携を図る必要があると考えますがお考えをお聞かせください。


最後に、都との連携について2点おたずねします。

1点目に区の役割と東京都との連携について伺います。

市民が川の活動を行うなかで必ず突き当たるのが東京都と杉並区の仕事・役割の区分です。河川の整備は東京都が行い、都が整備したものを維持・管理していくのが区の仕事とされ、これまで区としても独創性を持った取り組みができにくかったのではないでしょうか。しかし、この水辺創出事業は、区が独自性を持って行う事業であり、「維持・管理」の仕事を発展的にとらえた時、水生生物・植物を川の中や護岸、管理用道路、川の中にどう配置していくのか。たとえば、いつも刈りとっている水草は、水質改善策にもなるわけで刈らずにおくのも管理、ととらえることができると思います。今後、策定される事業計画に期待するところですが、この事業において区の役割は何か、都との連携をどう図っていくのかお伺いします。

 

2点目。下水道局との連携についておたずねします。

東京都の河川流域連絡会議の1つとして神田川上流懇談会が2004年に設置され、現在、第2期の懇談会が持たれているところです。私もこの懇談会の第1期の都民委員でした。この懇談会は、上流域25区の公募都民委員と、行政委員として25区の担当課長、都の建設局関連部署が正式メンバーになっていますが、下水道局はメンバーではありません。23区の下水道は合流式下水道を採用しているため、一定以上の雨が降ると汚水が川に流される現状があるわけで、河川と下水道は密接な関係にあるのです。今回のシンポジウムでも、映像で流された区長メッセージやパネラーの発言にも、河川に流れ込む汚水が問題であると指摘がありました。水鳥が棲む前に、餌となる水生生物が生息できるかどうか、そのためには水生植物が繁茂できるかどうか、つまり、事業の成功のカギを握っているのは下水道問題です。これらのことから、水辺創出事業を進めるうえで、ぜひとも東京都下水道局の参加が必要と考えますが、区としていかがお考えかを伺いまして、質問を終わります。


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