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第2定例会一般質問と答弁 2018.5.30奥田雅子

<待機児童ゼロの実現と今後の課題について>

【Q1】 今年の認可保育所の利用申し込み一次調整が終了した時点で、未内定者が1,067名いたと聞いているがその後の待機児童ゼロに至るまでの取り組みと経過を伺う。

【A1 子ども家庭担当部長】 本年4月の待機児童ゼロ実現に至るまでの第1次利用調整後の経過に関するご質問にお答えする。認可保育所入所申し込みのうち、第1次利用調整終了時点では未内定者は1,067名であった。この方々に対しては、区保育室及び区定期利用保育事業を含めて第2次利用調整を進めるとともに、認可外保育施設の利用を選択された方々の確認を行い、その結果、利用施設の決定に至っていない方が372名となった。その後この372名に対し個別に電話やアンケート調査により家庭の状況や意向の確認を行ったうえで、認可外保育施設などの利用可能な施設等をご案内するとともに、国の新定義に基づき、待機児童数から除外となる事由に該当するか否かの判断を慎重に行った結果、「待機児ゼロ」となった。

【Q2】  2010年度以降、区は認可保育所を核とした保育施設に取り組むように舵を切っているが、そうした政策転換をしたのはなぜか。

【A2 子ども家庭担当部長】 かねてから区長が言っているとおり、都市部における保育需要が増加し続け待機児童の解消が重要課題となる中で、区保育室や認証保育所等の西武といった緊急避難的な対応ではなく、保育を必要とする保護者のニーズを踏まえた認可保育所を核とした整備こそが、根本的な課題解決につながるとの確固たる考えに基づき、鋭意取り組んでいる。

【Q3】 認可保育所を開設するのに2年が必要といわれてきた理由を確認する。また、2016年度「すぎなみ保育緊急事態宣言」を発し、区有地などを使い確実にスピード感を持って整備を進める緊急対策に踏み切ったが、これによってどのような変化があったのか。

【A3 子ども家庭担当部長】 区が認可保育所を整備するに当たっては一定規模以上の面積を有するなど様々な条件を満たす用地を確保してから、施設の設計や建築確認とうの手続きを経て工事を行うこととなるが、一般的にはこれらを通して約2年の期間が必要になる。

一方「「すぎなみ保育緊急事態宣言」を踏まえて実施した、平成28年度の「待機児童解消緊急対策」では、既存の区誘致を有効活用して民間事業者が施設整備を行うという、これまでに例のない手法を用いることで、当該年度内に整備を完了することができた。

こうした「緊急事態宣言」後の変化としては町内に置いては、区長を本部長とする「待機児童解消緊急対策本部」を設置して、組織横断的な役割分担のもと、職員一丸となり緊急対策に取り組んだことが挙げられる。また区民をはじめ、多くの保育事業者に、本区が「待機児ゼロの実現に向けて全力で取り組む自治体」であることの理解が広がったことも大きな変化の一つと考える。

【Q4】 2010年度以降、認可保育所数、定員数ともに倍増しているが、認可保育所整備率及び入所内定率はどのように改善されたのか。

【A4 子ども家庭担当部長】 認可保育所整備率は、2010年4月に24.7%であったものが、本年4月には42.4%と、この8年間で約18ポイント増加している。認可保育所等入所内定率については、2010年4月が62.7%、本年4月が74%と同じく8年間で約11ポイント増加している。

【Q5】 認可保育所に入所できなかった方は、認証保育所等の認可外保育施設を利用してきたと思うが、この間の認可外保育施設の入所状況の推移を伺う。

 認可外保育施設の中には、家庭福祉員やグループ保育などその特性を見極めながら残していく保育施設として支援する必要があると思うが、区の見解を伺う。

【A5 子ども家庭担当部長】  認可外保育施設の入所者数は、「すぎなみ保育緊急事態」を宣言した平成28年4月時点で1,130名でしたが、認可保育所に整備を一層加速化したことで、翌年4月が866名、本年4月が363名と大きく減少している。このことから認可保育所入所見未定者の受け皿としての認可外保育施設の役割は薄れてきている実態にあると受け止めている。

こうした状況を踏まえ、この間区では各認可外保育施設の意向や個別事情に応じた認可化移行を支援するほか、家庭福祉員やグループ保育を含め、各施設がより一層その特長をいかして利用者に選択される施設運営を行っていくために相談や地用案内等の支援を行っている。今後とも、各認可外保育施設に寄り添った適切な支援等に努めていく。

【A 区長の追加答弁】 待機児問題でいろいろご指摘いただいた。

認可外施設に入所している隠れ待機児童と言われる子どもたちについてだが、杉並区は23区の中でも認可外保育施設を多く抱えている。なぜそうなったかと言えば、後手に回ったと言えるが、その時々の保育需要が増え認可が足りない時に、一人でも預け先を確保するという緊急対策をやってきた結果として、認可外施設を多く抱えることになった。その時々の状況の中でできる限りの救済をやっていくという姿勢のもとで、保育室や認証保育所が増えてきた。2,500人以上の認可外施設があったと記憶している。区長就任前1,000人、就任後1,500人の割合。窮状にあえぐ人を何とか救うためのベストの策としてやってきた。ただ、認可外施設の補助金のあり方については国でも議論になっており、国の検討会の座長を増田寛也顧問が務めていることもあり、たびたび意見交換している。

 

救済措置は自治体の政策判断で行ったことだ。最終的には首長判断で行ったことであるから、自らの自治体の政策判断でやったことについては自ら責任を取ることが自治自立の考え方だと思っている。したがって、それにどう対応していくかと言えば、自分たちで行った緊急対策が長引けば長引くほど財政の負荷がかかってくる構造となっているため、不足している認可保育所の整備をより加速化させて、住民ニーズに応えるのは必要なこと。緊急対策という政策の、きちっとした出口戦略というか後のフォローとして、今後も必要だと思っている。

 

もう一つ、関連して認可外施設をどうしていくかと言えば、認可の整備が促進していけば「認可に入れないから認可外」というニーズは減っていく。認可保育園の入園希望者の全員希望が叶う環境が整えば、「認可に入れないから認可外」というニーズは確実に減る。その時に現在認可外に行っている補助制度をどうしていくのか、大義名分と共に見直す必要が出てくるだろう。

 

一方で、認可では手が届かないサービス提供を求める区民ニーズもあるだろう。そういう意味で、認可外の事業者が「認可に入れないから受け入れる」という状況から独自のサービスを開拓していく、潜在的ニーズをどうくみ取っていくのかという努力も求められる。そういう中で、行政として、そういうサービスに対する補助金の大義名分があると認められればその時にはそういうこともあるだろう。刻々と変化する状況をとらえて戦略性をもって進めていくことが保育行政には必要となる。

 

<居住を支援する取り組みについて>

【Q1】 居住支援協議会のこれまでの具体的取り組み内容や成果、課題を伺う。

居住支援協議会は住宅確保要配慮者のための住いのあっせんだけでなく、入居前後の支援や空き家等を利活用する場合の問題点に解決なども検討すべきと考えるが、区の見解は。

居住支援協議会は住宅確保要配慮者の居住以外に抱えている複合的な課題を包括的に解決するために、福祉事務所やくらしのサポートステーションなどの関係部署との連携を構築することが不可欠と考えるが区の見解を問う。

今後の住宅用配慮者に対する居住支援に関する区の展望を伺う。

【A1 区長】 良好な「住宅都市」の形成をめざす杉並区において、誰もが安心して住み続けられる住環境を実現するために、居住支援協議会で行っている住宅確保要配慮者に対する支援は大変重要であると考える。昨年、住宅確保要配慮者へのアパートあっせんを行う不動産関係団体や、家賃債務保証を行う会社を増やし、支援体制の拡充を図った。また、空家等利活用モデル事業にも取り組み、子育て世代向けの賃貸住宅を1棟整備した。

課題としては入居前後の支援や空き家等を利活用する問題点の解決や、区の福祉分野等、関係部署との連携を強化することだととらえている。協議会の構成員から多くの意見があり、議論を深めながら具体的な方策について検討していく。

今後の展望については、これまでの取り組みに加え、障がい者専門部会を新たに発足させ、障がい者の住いのあり方について重点的に検討する。公民連携を強め、知恵を出し合いながら効果的な居住支援策に取り組んでいく。

【Q2】 住宅確保要配慮者の入居を拒まないアパートあっせん事業に協力する店舗数は現在どこまで進んでいるのか伺う。

【A2 都市整備部長】 アパートあっせん事業に協力する店舗数は、不動産関係団体が増えたことで、400件が530件に増えた。この中で特にこの事業の内容に賛同して積極的に情報提供に協力する不動産業者は26社から46社になっている。引き続き積極邸に協力してもらえる会社を増やすよう支援していく。

【Q3】 昨年度行った空家等利活用モデル事業の内容や完成状況について伺う。また、今年度もモデル事業を募集していくのか問う。

【A3 都市整備部長】 昨年、子育て世代を対象に支援しているNPO法人を事業者として選定し、子育て世帯向けの賃貸住宅2戸を整備し3月下旬に完成した。この事業者は入居者の状況に応じた就労や就学等のオーダーメイドの支援を行っていくと聞いている。現在入居者を募集中である。今後については居住支援協議会で再度実施する方向で検討している。

【Q4】 特に住宅確保要配慮者や空き家の所有者、空き家を活用したい事業者への周知を意識しつつ、区民全体への居住支援協議会の周知について伺う。

【A4 都市整備部長】 昨年度末、居住支援協議会の更なる周知のため、案内パンフレットをサイズや字を大きくしわかりやすく作り直した。今後、効果的な配布方法について検討し、支援の必要な方の目に確実に触れるよう努力する。

現在居住支援協議会のホームページはないが、協議会の構成員である民間団体のノウハウ等を活かし、情報を必要とする区民にわかりやすい、充実したホームページの開設に向けて支援していく。

第2回定例会一般質問 2018.5.30奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として、通告に基づき

1.待機児童ゼロの実現と今後の課題について

2.居住を支援する取り組みについて 質問いたします。

まず、最初に待機児童ゼロの実現と今後の課題について質問してまいります。

杉並区では2016年4月に保育園待機児童が前年の42人を大きく超える136人までに激増しました。このままでは2017年4月には500人を超える待機児童が発生すると予測されたため「すぎなみ保育緊急事態宣言」を発出し、以来この2年間で認可保育所37園、3325名の定員の拡充が図られました。昨年度は29人が待機児童となってしまいましたが、今年は待機児童ゼロを達成できたことについては評価する声を多くの区民から聞いています。そこで、この間の杉並区の保育行政を振り返り、改めて、待機児童ゼロに至った経緯と今後の課題について伺ってまいります。

Q1.今年春の入所希望者は4,080人で、1月の一次選考では1,067人が決まら 

なかったと聞いています。その後の待機児童ゼロに至るまでの担当課職員 

の取り組みと経過について説明ください。

一般的に待機児童問題は、1990年代バブル崩壊後に両親ともに働く世帯が急増したことから顕在化して来たと言われています。杉並区では前区長時代に少子化に向かう背景からこの問題を一時的な傾向ととらえて対応してきたと思われます。認証保育所や区独自の保育室などの認可外保育所で対応し、認可保育所の整備をあまり積極的に取り組んでこなかったと認識しています。

Q2.2010年度以降、区は認可保育所を核とした保育施設整備に取り組むように

  舵を切っていますが、そうした政策転換をしたのはなぜか。その背景につ

  いてお聞きします。

2010年度に認可保育所の整備に舵を切った当初は、その増設のカーブは緩やかなものでした。一方で待機児童数の推移をみると2013年に285人となり、その翌年には7園508人の定員増を確保したものの2014年も116人の待機児童を発生させています。その後も認可保育所を増やし続けてきましたが、事業者からの提案による整備が計画通りできなかったこともあり待機児童はゼロになることはありませんでした。そこで、2016年の「すぎなみ保育緊急事態宣言」について改めて伺いますが、

Q3.認可保育所を開設するのに2年は必要と言われて来た理由について確認します。また、2016年度「すぎなみ保育緊急事態宣言」を発し、用地を事業者が確保する持ち込み型から、区有地などを使い確実にスピード感をもって保育所整備をすすめる緊急対策に踏み切ったわけですが、これによってこれまでの進め方と何がどのように変わったのか、お聞きします。

また、

Q4.2010年度以降、認可保育所整備を進めてきた結果、認可保育所数、定員数ともに倍増していますが、認可保育所整備率および入所内定率はどのように改善されたのかお聞きします。 

緊急事態宣言に基づき対策に取り組んできたことによって認可保育所の整備が一気に進んだ訳ですが、そのプロセスにおいては課題も生じました。活用した区有地の中には公園も含まれており、とりわけ、東原公園については子どもたちの遊び場の代替地確保を我が会派としても強く求めてきました。しかし、いまだ恒久的な代替地が整備されていない状況であり、一日も早く対応がなされることを改めて求めておきます。

さて、区では第一次選考で入所できなかった方々一人ひとりの事情を聞き取り、入所可能な保育園を紹介するなど、丁寧な対応ですすめてきたことは聞いています。しかし、認可保育所を希望しても全員が認可保育所に入れない現実は依然として存在しています。区も待機児童ゼロが継続できるよう保育の質も十分に確保しながら、引き続き必要な施設整備に取り組んでいくと明言しています。そこで確認ですが、

Q5.区では認可保育所に入れなかった子どもを実際には区の保育室や認証保育所などの認可外保育所で受け入れてきていますが、一部でそれを「隠れ待機児童」と称して「待機児童ゼロが実態と異なる」という主張がされています。区の認可外保育所への入所実態とここ数年の推移をお示しください。

認可保育所が充足していくにつれて、認可外の定員割れが起こり始めていることは、先の予算特別委員会などでも議論になっていました。今後もその傾向はさらにすすんでいくと推察します。認可外では施設種別によって違いがあるため一概には言えませんが、区の財政負担が増える仕組みになっています。認証保育所の認可化や100%区の持ち出しとなっている保育室の縮小はすすめるべきと考えます。しかし、認可外については、認証保育所や区の保育室とともにこれまで待機児童対策に重要な役割を果たしてきた家庭福祉員や家庭福祉員グループ、グループ保育室など多様な保育形態もふくまれます。これらの小規模な保育の良さをわかってあえて選択する方々もいます。保護者の多様なニーズに応え、選べることも重要だと考えます。

Q6.こうした考えのもと、認可外保育所をひとくくりで考えるのではなく、それぞれの特性を見極めながら残していく保育所として支援していくことが必要だと考えますが、区の見解をお聞きします。

先程の他の議員への区長答弁でも、区は今回の待機児童ゼロは通過点であり、ゴールではない、保育の質の確保と車の両輪として進めていくとありました。本来、親が働いていてもいなくても、子どもの最善の利益のために必要なら保育所にいつでも入れる状況が望ましいあり方だと思います。いつでもどこでも希望通りに入園でき、保護者が指数行政に振り回されなくて済む状況を早くつくっていただきたいと願うところです。

今年度は第1希望がかなったという声をあちこちで聞き、働きながら子育てする家庭の負担軽減に着実につながっていることは大変喜ばしいことです。

同時に保育の質の確保に向けては不断の努力が必要です。区も様々な手法や工夫をもって質の向上に取り組んでおられることと思いますが、改めて、子ども一人ひとりの豊かな育ちを応援する保育の質の確保にはこだわりすぎるほどこだわっていただきたいと思います。子どもの育ちも子育て家庭も応援し、安全安心な保育行政にこれからも取り組んでいただくよう要望し、次の質問に移ります。

 

2つ目の項目として

居住を支援する取り組みについて質問してまいります。

2007年に制定された「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律」いわゆる「住宅セーフティネット法」は、その目的を高齢者や障がい者、子育て世帯、低額所得者などの住宅の確保に特に配慮を要する「住宅確保要配慮者」の住まいの安定確保を図ることでした。その後、住宅セーフティネット機能のさらなる強化が求められ、一方で空き家等の有効活用が課題となっていることを背景に2017年に大幅な法改正がされました。その背景には何があるのか。国交省によれば、高齢単身者の増加や若年層の収入減少、家が狭いことを理由に若年夫婦が理想の子ども数を持たないこと、ひとり親世帯の収入が夫婦子どものいる世帯の半分以下となっていること、家賃滞納や孤独死、子どもの事故・騒音等への不安から家主による入居拒否がおきていること、などの課題があるとしています。そして、“民間の空家や空き室を活用して住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度”や“登録住宅の改修や入居者への経済的支援”、そして“住宅確保要配慮者の居住支援”から成り立つ「新たな住宅セーフティネット制度」が創設されました。このような国の動きの中、杉並区においても「住宅確保要配慮者」に必要な支援を協議・実施する組織としてセーフティネット法に位置付けられている居住支援協議会が2016年11月に設立され、1年半が経過しました。当区における居住支援協議会の目的は3つの柱が掲げられています。ひとつには“民間賃貸住宅への円滑な入居支援策の検討と拡充”、2つ目に“空き家等の利活用によるモデル事業の実施”、3つ目に“セミナーの開催”です。

人口減少社会のもと新たな公営住宅を建設していくことは困難な状況にあります。それに代わるものとして既にあるストックの活用や空き家問題の出口策として「住宅確保要配慮者」の住まいの安定確保につなげていく仕組みが法改正により国や東京都にできたことから、杉並区においてもその推進役を担う居住支援協議会に期待するところです。空家の問題や住宅確保要配慮者の課題などについてはこれまでも議会で何度か取り上げておりますが、この間の成果や課題を明らかにし、もっと良いものにしてほしい立場から質問してまいります。

まず、最初に

Q1.居住支援協議会が設立されて1年半となりますが、これまでの具体的取組み内容や成果、課題についてお示しください。

住宅は市場を通じて整備・質の向上が図られることを基本としつつ、少子高齢社会、格差社会が進行する中、市場からこぼれ落ちてしまう者へのセーフティネットの整備を福祉政策との連携によって拡充していくことが必要となっています。そのため、市場ストックの情報を多く持つ宅建業界や不動産業界との連携は欠かせません。住宅確保要配慮者が物件探しをする際に、まちの不動産屋さんに行っても、区の相談窓口に行っても同様の福祉的情報が得られることが重要だと考えます。そこで確認ですが、

Q2.住宅確保要配慮者の入居を拒まないアパートあっせん事業に協力する店舗数を拡充していくことを区は今年度の方針に掲げていますが現時点でどこまで進んでいるのかお聞きします。

次に、空家等の利活用によるモデル事業についてですが、2017年度モデル事業では2件の応募に対し、審査会では1件が採択されたということでした。

Q3.そこで改めて、昨年度採用されたモデル事業で行った事業内容や完成状況について伺います。また、今年度もモデル事業を募集していくのか確認します。

今回のモデル事業への入居者募集の案内情報のあり方については、2つの課題があると考えています。1つは入居を希望する人に届いたのかということ。もう1つはモデル事業の取組みを通して居住支援協議会のことを広く区民に知ってもらうチャンスとして活かせたかということです。前者で言えば、モデル事業完成から区のホームページに掲載されるまでに2か月近くの時間を要し、かつ掲載の表示や募集ニュースにたどり着くまでのわかりにくさは課題だと感じました。

初めてのモデル事業の成果事例でもあり、もっとアピールしてもよいことだと思いますので、ぜひ、今からでも情報発信していただくよう要望しておきます。

このように広報活動について、全般的に居住支援協議会に関する情報発信の仕方に改善の余地があると感じています。例えば、ホームページやパンフレットなどの活用をはじめ、セミナーなどの開催、関係する機関とのネットワークなど様々な切り口から発信していくことが有効だと考えています。現在、区のホームページには居住支援協議会について説明するページはあるものの、その活動状況がリアルタイムで発信されていません。居住支援協議会は区の付属機関ではなく任意団体として発足しているため、独自のホームページ開設の検討が必要ではないでしょうか。また、居住支援協議会パンフレットや事業内容のチラシ類などのツールの活用についても関連する様々な区の相談窓口やまちの不動産屋さん、地域でサロン活動をしている拠点などで配布するなど、効果的な活用方法の検討も必要です。セミナーの開催についても対象や内容を明確にしながら区民にわかりやすく、参加しやすい工夫も必要です。居住支援協議会の機能を広く区民に知ってもらうことは、困っている人に情報を届けることだけでなく、いざという時に頼りになる仕組みがあるよということを知ってもらうことであり、それが区民の安心につながることだと考えます。そのため情報発信はとても重要なことだと思っています。そこで、広報全般に関してお聞きします。

Q4.特に住宅確保要配慮者や空き家の所有者、空き家を活用したい事業者にどうしたら伝わるかを意識しつつ、区民全体に居住支援協議会のことを周知していくことについて区の見解を伺います。

次に、居住支援協議会のあり方についてお聞きします。

杉並区の居住支援協議会は学識経験者や東京都宅地建物取引業協会・杉並支部、全日本不動産協会中野・杉並支部、東京都不動産鑑定士協会、杉並区社会福祉協議会、NPO法人、そして区の保健福祉部局および都市整備部局で構成されており、区が事務局を担っています。そこで伺います。

Q5.居住支援は住まいさえ斡旋できればよいものではないと考えています。特に住宅確保要配慮者にとっては入居前後の支援が必要であり、既に居住支援の実績を持つ居住支援法人などとの連携が鍵になると思います。また、空き家等の利活用においては互助・共助を工夫した多様な安心居住などの事例研究や法制上の問題点の解決なども踏まえ、検討することが大切だと考えますが、区の見解を伺います。また、

Q6.住宅確保要配慮者は居住以外にも複合的な課題を抱えているケースが多く、これらの課題を包括的に解決するためには福祉事務所やくらしのサポートステーション、在宅医療・生活支援センター、ケア24、男女平等推進センターなどの関係部署との連携を構築することが不可欠と考えますが、区の見解を伺います。

居住支援協議会は住まいにかかわる人たちが分野を超えて一堂に会する場とし

て重要な役割を担いうるしくみであり、大きな意味があると感じています。今後、より良いしくみにしていくために、運営や事務局のあり方、構成メンバーなどの見直しも柔軟に検討していくことも必要ではないかと考えています。暮らしの現場に関わり、多様な視点を持つメンバーの存在は重要だと考えます。協議会での議論を通して新たな発見や発想が生まれ、それぞれが持ち合わせる専門性を共有しながら、多様な住まい方が提案されていくことに期待しています。高齢独居になっても、ひとり親になっても、障がいをもっても住まいに困らない地域づくりをすすめ、ハード・ソフトの両面からの支援策の拡充が求められています。

居住は衣食住の1つであり生活そのもので人権にも関わることです。だからこそ自力でできない人のために支援するのは行政の重要課題であると考えています。

Q7.最後に今後の居住支援に関する区の展望について伺って私の質問を終わります。

第1回定例会 予算特別委員会意見開陳 2018.3.14 そね 文子

いのち・平和クラブを代表して、議案第29号2018年度杉並区一般会計予算並びに各特別会計予算及び関連諸議案について意見を述べます。

2017年12月、厚生労働省は国内で生まれた日本人の赤ちゃんは94万1千人で、100万人を2年連続で下回り過去最少、また死亡数は戦後最多の134万4千人に上り、出生数が死亡数を下回る「自然減」は初めて40万人を超えそうだと発表しました。超少子高齢社会が加速しています。医療や介護の費用は増大する一方で、国保料の大幅値上げ、介護サービスの切り下げが止まりません。景気のゆるやかな回復と雇用の拡大が言われていますが、非正規雇用の拡大で、格差はさらに広がっています。賃金の上昇は大手企業の正規職員や公務員に止まり、非正規雇用が多数を占める若者に恩恵は行き渡っていません。不安定な雇用環境が子どもの貧困や若者、子育て世代の貧困問題を生み出しています。十分な社会保障がなされない中、政府予算では防衛費が6年連続最高額を更新し約5兆2千億円となっています。

東日本大震災から7年を迎えた現在でも、ふるさとに帰れない避難者は7万人を超える中、政府は原発再稼働を進め、この3月で原発事故に伴う賠償は打ち切られます。沖縄ではオスプレイをはじめ米軍大型ヘリの墜落・不時着事故、機材の落下事故が頻発し、県民の不安と怒りは頂点に達しています。県民の反対の声を押し切って高江・辺野古の米軍新基地建設を強行し沖縄の自治を奪い、沖縄の海と自然を破壊し続けています。
大多数の国民の関心は安心して老後を迎えられること、日々の暮らしが平穏におくれることであるにも関わらず、安倍政権は国民の多くが反対する9条改憲に固執し、今年度中の発議を目指すとしています。3月12日、財務省が森友学園との国有地取引に関する決裁文書の書き換えを認め、安倍政権のあり方が大きく問われる事態となっています。

人の尊厳や命を軽んじる国の政策が進む中、住民に一番身近な地方自治体の役割が問われています。私どもいのち・平和クラブは、区民の命と平和な暮らしを第一に考え、加速を続ける超少子高齢社会に中長期的な視野を持って、いかに区民が安心して暮らし続けられるか、子どもたちが将来に希望をもてる方向になっているか、緊急を要する課題に応える予算となっているかを検討いたしました。以下、予算特別委員会での質疑の内容を踏まえ、主な賛成理由、評価する点と、要望を付して意見を述べます。

第1は財政運営の姿勢についてです。一般会計予算は前年度比1.1%増の1,799億円で過去最大となりました。投資的経費が減り、区債発行は抑えられましたが保育園待機児童対策などで規定事業の経費が増えたことが予算増加の一因となっています。区長は、「自治体の役割は福祉の増進にあり、財政健全化の指標や数字の達成が目的ではない」と答弁しています。その立場から、区債と基金のバランスをとり、必要な待機児童対策や特養建設など区民の喫緊のニーズに対応する予算となっていることを評価します。今後もふるさと納税による税の流出や恒常的な福祉関連経費の伸びに対し、引き続き財政運営の堅実な取り組みを求めておきます。

第2は認可保育所の整備をさらに加速し、引き続き待機児童ゼロを継続しいていく姿勢です。委員会審議で、今年4月の保育園入園をめざす保護者のアンケート調査結果を示し、1次の申し込みをした保護者の反応では、認可保育所の1次選考結果からも改善がみられると評価され、2次選考の結果ではさらに改善されていることを確認しました。2017年4月に続いて2018年4月待機児童ゼロ達成を目指したことは、保活に苦労してきた保護者には評価されていることがわかりました。保育所の地域偏在は、かなり改善されたと評価されています。質疑の中で3歳の壁について、拡充をはかる区の姿勢も確認できました。育休取得のポイントにはおおむね評価を得ていますが、1歳で入れる保証が必要であり、0歳児を減らして1歳児の募集を増やしてほしいという声に応える区の方向性も確認できました。新年度も引き続き認可保育所の増設と地域偏在の解消を目指す方向が打ち出され、保育の質の確保をめざす巡回指導などもさらに拡充されており、一連の取り組みを高く評価します。

第3は特養ホームの待機者解消対策についてです。

この間区は、特養待機者の解消をめざし、国公有地や学校統廃合で利用できる区有地などを活用し特養整備に力を注ぎ、待機者を年々減らしてきました。しかし未だ緊急を要するAランクの方が600名を超えており、土地の高い区内での整備だけでは厳しい現状の中、南伊豆町と静岡県との連携による区域外特養「エクレシア南伊豆」の開設は画期的なものです。今後は比較的区に近く地価の低い東京西部・多摩地域での区域外特養の整備にも道を開きました。またウェルファーム杉並に特養200床を開設する事業者も決まり、目標の1000床確保に着実な見通しができました。新年度も引き続き特養整備の計画が盛り込まれていることを評価し、利用者の尊厳を守り自立を促進する運営事業者を選定し、利用者や家族が安心できる特養整備を求めます。

第4は今年4月に開設されるウェルファーム杉並の複合施設棟の整備です。区民の福祉と暮らしを支える様々な機能が集約され、さらに高齢者,障害者、子育てなどのそれぞれの分野が連携し調整を行う在宅医療・生活支援センターができることで、地域共生社会の実現に向けた拠点ができました。昨今の複合化・複雑化した区民の生活課題に対応するため、制度ごとの相談機関の分野を超えた包括的支援体制が構築されることを期待します。このことにより、区民福祉の向上が図られ、住み慣れた地域で暮らし続けられるための支援体制が整備されたことを評価します。

第5に子どもの居場所についてです。荻窪北児童館の児童館機能は、1年間は保健センターに移ることになります。その後放課後の居場所事業や学童クラブは改築後の桃2小学校内に移りますが、乳幼児親子の居場所は保健センター内で継続されることを確認しました。荻窪北児童館でゆうキッズ事業に関わってきたグループが継続して関わること、天沼の子ども子育てプラザからもアウトリーチでプログラムを行うことなど、荻窪駅南側にも乳幼児親子の居場所が引き続き確保されました。荻窪4丁目公園を整備し、さらに子どもの居場所を増やしたことも評価します。

第6に不登校の子どもへの支援についてです。教育機会確保法が施行され民間の役割の重要性が認められました。不登校の子どもの教育の責任は区が負っていることが明確に示されました。区内の子どもが通う民間のフリースクールと区が意見交換を行うと答えたことも重要です。今後、民間への具体的な支援のあり方や協力体制をつくっていくこと、保護者の意見を聞いて親の会の支援を行っていくことを改めて要望します。

第7に防災・減災への取り組みを継続、強化している点です。区民の防災・減災意識の向上は重要であり、17年度に作成された地震被害シミュレーションの結果を、スマートフォン向けアプリを利用して広く区民に知らせる取り組みを評価します。またそのシミュレーションの結果をもとに、耐震診断・耐震改修の助成制度を拡充すること、感震ブレーカー設置支援地域を拡大することも評価できます。わが会派では防災の観点から液体ミルクの備蓄品への導入を求めてきましたが、このほど厚生労働省が液体ミルクの国内製造が可能となる検討を始めたことを受け、区としても積極的にとりいれるよう要望します。

第8に環境への取り組みを継続、発展させていく姿勢を評価します。食品ロス削減に向けた「杉並もったいない運動」の展開、中でもフードドライブの常設窓口を設置することには大いに期待します。区民への周知をしっかりと行い、区内の子ども食堂や福祉施設への食品提供をより充実させていただきたいと思います。

第9にこれまで区が2012年から原発電気ではない新電力の購入に取り組んできた姿勢を評価します。2015年から2017年の3年間の額は東京電力を使用した場合に比べ、約2億④千万円の削減効果をもたらしたことを確認しました。区は昨年の電力の全面自由化を受けて、2018年度はさらに、低圧電気を使用する自転車駐車場5施設にも拡大する方針を示しました。先日開催された第6回3・11を忘れない杉並区のイベントの講演者である南相馬市職員の藤田幸一さんは原発で受けた被害から「原発はいらない」と明言されました。世界的規模で再生可能エネルギーへの転換が図られている今、原発に頼らない電力購入と再生可能エネルギーの拡大に一層取り組むよう期待するものです。

第10に、区長が子どもたちの夢をかなえるべく要望を受け止め、事業化された「遅野井川浸水施設」の実現です。善福寺川やその周辺の清掃活動などを行ってきた小学生が考えた善福寺公園内の「みんなの夢水路」整備にあたっては、そのプロセスにおいて基本設計や植栽、整備後の管理など小学生や地域住民と区がともに進めてきたことは多くの区民に親しまれる憩いの場となっていくものと評価します。

以上、主な賛成理由について述べました。
加えて、今後の区政運営について特に留意していただきたい点について、以下つけ加えます。

第1に区立保育園民営化についてです。

2017年9月に今後の区立保育園の役割と民営化の方針が出されました。民間の保育施設が急増するとともに認可外も含めた多様な保育形態が存在している中、区立保育園は区内すべての保育所のリーダー的役割を果たすことにより、杉並区の保育の質の全体の底上げを図っていく考え方は支持します。しかし、一方2024年度には区立保育園を27園にするとの方向性が示されましたが、その計画ありきではなく、区立保育園を存続するよう要望します。

また、家庭福祉員などの認可外保育所へのニーズは一定数あり、それぞれの良さを生かした多様な保育サービスが選択できる環境が維持されることを確認できました。今後も認可外保育施設への支援を求めます。

第2に富士見丘小中学校の今後の在り方についてです。

この間区は、「富士見丘小中学校の今後の在り方は施設一体型ありきではなく、改築検討懇談会で住民の意見を聞きながら検討していく」と述べてきました。2014年の富士見丘小学校教育環境懇談会と2015年の富士見丘地域における教育環境懇談会は、中学に隣接する小学校改築用地の条件から、施設一体型が前提であるかのような議論がされてきた経過がありました。一方、高井戸小学校との連携の問題や、小学校6年、中学校3年という一つの節目を大事にしてほしいとの意見も保護者からは出されていました。
富士見丘小学校は、単学級化した学区の小学校2校と中学校を統合した和泉学園や高円寺とは、条件が異なることを区も認識されています。隣接する高井戸公園の校庭利用が認められた今、小・中をそれぞれ残し整備することも可能になりました。4月から始まる改築検討懇談会には、富士見丘小・中だけでなく、富士見丘中学校区の高井戸小、高井戸第2小、久我山小のPTA含む学校関係者、地域の町会商店会関係者も入って、小・中施設一体型だけでなく、小・中が隣接した一貫教育の方向も示し検討することを確認しました。教職員組合代表も懇談会に入れるよう求めておきます。

第3に職員の労働環境についてです。

業務量の増大に、過労死ラインを超える超過勤務の実態があります。長期病欠や長期休業も依然として心療系に多く、保育園など福祉系職場の整形外科系が続いて多くなっています。過重労働とならないよう必要に応じた職員配置が不可欠と考えます。当該年度の区政経営計画書の行財政改革では職員10人の削減見込み数が示されており、数値目標を達成するための削減とならないよう、求めておきます。

第4に非正規雇用と「会計年度任用職員」制度についてです。

地方公務員法、地方自治法の改定に伴い再来年4月は区正規職員の半数におよぶパート・嘱託員が会計年度任用職員制度に変わることになりました。一時金が義務付けられる一方で、非常勤が今後その希望にそって雇用の継続になるかどうかが重要な課題となっています。とりわけ杉並区の6年で雇止めにする雇用年限制度の撤廃もあわせて求めるものです。

第5に就学援助制度についてです。生活保護の生活扶助費の削減が行われる中、児童生徒の就学援助はその影響を受ける制度の一つとなります。この間、区は生活保護削減の状況の中で、セイフティネットとなるべく教材の無償化や修学旅行費の一部助成を行い、入学準備金の前倒し支給に踏み出したことは評価をするところです。親の収入の多寡によって、教育に格差が生じることがあってはなりません。国の保護費削減方針により、就学援助の対象から外ずれる児童生徒への対策が課題となっています。入学準備金の増額など就学援助の拡充を求めておきます。

以上、意見、要望を述べてまいりました。
私ども会派の予算要望並びに予算特別委員会における質疑を通して述べてきたことを、今後の区政運営に活かしていただくよう、改めて要望いたします。

自治体の責務は福祉の向上にあるとする区長の姿勢を今後も堅持し、区民の声を聞きながら、だれもが安心して住み続けられる杉並区をつくっていくよう期待します。

以上の理由から、議案第29号杉並区一般会計予算、議案第30号杉並区国民健康保険事業会計予算、議案第31号杉並区用地会計予算、議案第32号杉並区介護保険事業会計予算、議案第33号杉並区後期高齢者医療事業会計予算に賛成といたします。

議案第8号職員給料表の改定について、職員給与に関する条例については区職労、都区連がすでに合意をしています。23区の中でも杉並区は受験率が最も低く、係長級人事の確保は喫緊の課題であるとも察しました。ただし、慢性的な人手不足がある職場があることも課題であり定数の増を求めたところです。また女性職員には子育てなど様々な状況も生起することから、柔軟な対応も求められています。この点では区の認識と姿勢も確認しましたので賛成とします。

議案第9号公益財団への職員派遣について、東京オリンピック・パラリンピック開催にむけて当該年度はオリンピック組織委員会に職員を4名派遣することになります。オリンピックには意見もありますが、派遣は23区共通に要請されたものであることを確認しました。日常的な職員不足の中でさらに派遣により人員が割かれることには課題があります。一方で新規採用職員が当該年度はこれまでの最高の170人となることもわかりました。必要な人員の採用に今後も務めるよう求めておきます。区職労との合意も成立していることから、賛成とします。

 

議案21号財産交換の議決事項についての一部変更について、質疑を通じて、2016年3月16日の議会の議決により決定した財産交換を実施するにあたり、直近の周辺取引の実勢価格と、あんさんぶるの現状から、交換評価の適正なことを判断しました。今回鑑定に2社を使った理由、その内から不動産研究所(不動研)の鑑定結果を採用した理由も再確認し、今回の不動研の鑑定に示された区に利のある結果からも納得できました。ウェルファーム杉並の建設については賛成理由で評価を述べましたが、これは財産交換という手法により、はじめて6300㎡もの広大な国有地を獲得できた成果です。これからのウェルファーム杉並の役割に期待し議案第21号に賛成します。

議案第16号介護保険の一部改定について、3年毎の保険料の見直しによって今回基準額で500円の値上げ案となりました。滞納繰越金が10,360人と年々増加傾向にあり、その理由の一つに生活困窮が挙げられています。後期高齢者医療保険料の引き上げも重なり、高齢者世帯の厳しさを憂慮するものです。保険料負担の割合の改定など国に対する区長会からの意見提出を強く求めておきます。

議案第37号 国民健康保険の一部改定について、国民健康保険制度の東京都を運営責任とする広域化が4月から始まります。国保財政は、自営業者や農林水産業者、失業者など低所得者層が多く加入し、区の責任において法定外繰り入れを行ってきたところです。国保財政の運営責任が都になることで、保険料が青天井で上がっていくことに危機感を募らせてきました。今回、23区で統一保険料は20区であり、中野区や江戸川区などが状況に合わせた保険料率を独自に設定することもわかりました。負担の公平化を名目にした低所得者層の保険料アップにより低所得世帯の暮らしの圧迫と、滞納者の増加を懸念します。国保制度の持続のためには、国の抜本的な財政支援が求められています。

介護保険の一部改定及び国民健康保険の一部改定については、会派の中に反対意見があること言い添え、議案第16号及び議案第37号について、会派としては賛成といたします。

議案第10号杉並区印鑑条例及び杉並区事務手数料条例の一部を改正する条例について、自動交付機での交付が36万4000件になるのに対し、コンビニ交付1万2000件と実績に大きな差があることがわかりました。マイナンバーカード取得率14.8%という現状では、自動交付機の廃止が窓口の混雑をさらに助長することを危惧します。

私ども会派は、なりすましなどマイナンバー制度のリスクを度々取り上げてきましたが、自動交付機の廃止がカード普及につながることも懸念するものであり、議案第10号には反対いたします。

なお議案第8号、議案第9号、議案第11号、議案第12号、議案第13号、議案第14号、議案第15号、議案第17号、議案第18号、議案第21号、議案第36号、議案第38号については賛成といたします。
最後に、予算特別委員会の審議に当たり、御答弁いただきました区長初め理事者の皆様、資料作成に御尽力いただいた職員の皆様、公正公平な委員会運営に努められた正副委員長に感謝を申し上げ、いのち・平和クラブの意見開陳を終わります。
ありがとうございました。

第1回定例会質問と答弁 2018.2.15そね文子

<教育機会確保法と不登校の子どもへの支援について>

【Q1】〇教育機会確保法の意義について、教育委員会の見解を伺う。

〇同法及び国の基本方針に基づく取組をどのように進めてきたのか伺う。

【A1:教育長】 昨年2月に施行された教育機会確保法は、全ての児童生徒が学校で安心して教育を受けられる環境の確保を前提としつつ、不登校児童生徒が学校以外の場において行う多様で適切な学習環境の重要性とともに、無理な通学はかえって状況を悪化させる懸念があるため、不登校児童生徒の休養の必要性が明記されたことに、大きな意義があるものと考える。

こうした同法の施行等を踏まえ、教育委員会としては、平成29年度に、不登校問題をはじめとした教育相談体制を充実・強化するため、学校や保護者、関係機関と連携した支援の要となるスクールソーシャルワーカーを増員するほか、適応指導教室に通う児童生徒の社会的自立等を助長するため、新たに宿泊体験事業を実施するなどの取組を行い、一定の成果を挙げている。また、いじめ等を許さない学校づくりに関しても、各学校のいじめ防止対策を一層推進するため、教育委員会の付属機関として「いじめ問題対策委員会」を新設したところである。

今後とも、各学校と十分連携と図りながら、同法及び同法に基づいて国が定めた基本指針等の趣旨を踏まえた取組を着実に進め、不登校児童生徒及びその保護者に対するきめ細やかな支援に努めてまいりたい。

【Q2】〇教職員や不登校児童生徒とその保護者に「不登校は悪いことではない」との考え方を伝える必要があるが、見解を伺う。こうした考え方は支援に関わる民生委員・児童委員や子ども家庭支援センター職員等とも共有すべきと考えるがいかがか。

〇これらの不登校支援に関わる教職員や関係者に対して、研修を行うことも有効であると考えるがいかがか。

【A2:教育次長】まず、教育機会確保法に関わる教員研修については、同法施行前の平成28年12月から施行後の昨年6月にかけて、校長や生活指導主任等の教員を対象に、文部科学省のフリースクール等担当官や特別支援教育課で組織する不登校相談支援チームの専門職員を講師とする研修を行い、ご指摘の「不登校は悪いことではない」という考え方を含め、理解と共有を図っており、引き続き取り組んでまいる考えである。

こうした理解と共有を一層広げ、深めることの必要性を十分認識しており、今後、機会を捉えて民生委員・児童委員や関係機関等への働きかけ等を進めてまいりたい。なお、各学校及び教育委員会では、これまでも「不登校は悪いことではない」という姿勢を明らかにしながら、不登校児童生徒とその保護者への支援に当たっているところである。

【Q3】〇適応指導教室の名称について、国の考え方を踏まえて「教育支援センター」としてはと考えるがいかがか。

〇適応指導教室の設置目的について、国の基本指針を参考に見直すことが望ましいがいかがか。

〇適応指導教室に登録している児童生徒数を伺う。

〇適応指導教室に希望者が入室できないことがあると聞くが状況を伺う。新たな教室の整備が必要と考えるがいかがか。

【A3:教育次長】まず、適応指導教室の名称については、「杉並区適応指導教室運営要網」において、「さざんかステップアップ教室」と位置づけており、パンフレット等でもその名称をメインに記載するなど、一定の定着が図られているものと考える。従って、直ちに国が示す「教育支援センター」とする考えはない。

一方で、同要網に規定する適応指導教室の設置目的については、ご指摘のとおり、国が定めた基本指針の考え方と一致していない部分もあるので必要な見直しを検討していく。

次に、適応指導教室に登録している児童生徒数だが、小学生対象の1教室は、平成28年度が23人、平成29年度が1月末現在で20人。中学生対象の3教室は、合計で平成28年度が64人、平成29年度が同じく66人であり、この2年間は全体としては同規模で推移している。こうした中で、教室によっては、入室希望に対して受け入れが難しくなってきている状況もあるので、今後の需要動向に応じて、新たな教室整備を含めた必要な対応を検討してまいりたい。

【Q4】〇区立小中学校の児童生徒が不登校に至った要因をどのように分析しているのか伺う。

〇不登校児童生徒が登校した際に、安心して過ごせるよう、保健室や相談室、学校図書館等を活用すべきと考えるが、現状について伺う。

【A4:教育企画担当部長】  区立小中学校の児童生徒が不登校に至る主な要因は、家庭環境や友人関係等であり、情緒不安定などの本人に起因する要因が複雑に絡み合っているケースも増えてきている。

これらの不登校児童生徒が自主的に登校した際の対応については、各学校において、学級担任が核となり、養護教諭やスクールカウンセラー等と相談・連携しながら、ご指摘の保健室や教育相談室、学校図書館などを活用して、当該児童生徒が安心して過ごすことのできる居場所を提供しているところであり、今後ともこうした適切な対応が図られるよう、各学校に働きかけてまいりたい。

【Q5】〇不登校児童生徒に対する組織的・計画的な支援に資するため、国の基本指針に示された「児童生徒理解・教育支援シート」を作成すべきと考えるがいかがか。

【A5:教育次長】 現在、区立中学校においては、不登校児童生徒一人ひとりに対する適切な支援を図るため、個別のシートを作成し、活用を図っている。

今後、国が示すシートの内容等と現在使用しているシートを比較分析の上、取り入れるべきものがあれば様式を改善し、更なる支援の充実につなげてまいりたい。

【Q6】 〇不登校児童生徒の親の会に対する支援も行ってもらいたいがいかがか。また、不登校児童生徒の保護者に、親の会を周知してほしいがいかがか。

【A6:教育次長】 ご指摘の親の会については、特別支援教育課が事務局となり、保護者同士の情報交換や交流、事務局からの不登校関連情報の提供などを行うため、済美教育センターの会議室で定期的に開催している。

この間、親の会から特段の意見・要望は聞いていないが、ご指摘のような講演会の開催や、子供が義務教育を終了した親同士が自主的に集まっている組織との連携等を含め、改めて、関係者に今後の活動のあり方等に関する考えを伺った上で、必要な対応を図っていく。

また、親の会の周知は、教育相談やスクール・ソーシャル・ワーカーを通じて適宜行っているところである。

【Q7】 子どもが不登校という職員がいると思うが、このような事情を抱えた職員には、何らかの支援はあるのか。また、実際行った支援の具体的な事例について教えてほしい。

【A7:総務部長】 職員一人ひとりが活き活きと働くことができるよう、区においては、平成28年4月に策定した「子育て支援・女性活躍推進行動計画」に基づいて出産や育児、介護等の支援を行う環境づくりに取り組んでいるところである。

特に、ご指摘のような事情を抱える職員については、状況に応じて、超過勤務が生じないような配慮や人事異動といった対応を図るほか、人事課内に、子育て相談員を配置しながら、様々な相談に応じる等の支援を行っているところである。

さらに、子のための看護休暇や介護休暇制度については、国等との均衡を図りつつ、柔軟な運用に努め、働きやすい環境づくりを進めている。

お尋ねの具体的な事例については、子どもが不登校で、常時、介護が必要な職員に、1年間の介護休暇を認めたケースもあった。z

区においては、引き続き、職員だれもが、仕事と家庭の両立ができる働きやすい職場づくりに努めていく。

第1回定例会一般質問 2018.2.15そね文子

いのち・平和クラブの一員として「教育機会確保法と不登校の子どもへの支援について」一般質問いたします。

2016年12月、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律、いわゆる「教育機会確保法」が成立し、不登校の子どもが学校以外の場で学ぶことが公に認められることとなりました。これに先立つ形で文部科学省が出した通知では、「不登校は多様な要因によって、どの児童生徒にも起こりえることであり、その行為を『問題行動』と判断してはならない。不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭することが重要」と示されています。文科省が規定した不登校とは病気や経済的理由による場合を除き、年間に連続または断続的に30日以上欠席することですが、2016年度の全国の小中学校の不登校の子どもの数は131,398人で、この6割が90日以上欠席をしている状況です。長期的に見て人数も割合も増加傾向にあります。

一方、内閣府の調査では18歳以下の子どもの自殺が長期休み明けの9月1日に特出して多いことが明らかになり、学校復帰のみを目指す不登校対策がいかに子どもを追いつめてきたか、年間300人前後の子どもが自らいのちを断つという状況を、生み出してきたことの原因のひとつがここにあったことがわかりました。「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい」と新学期を目前に控えた夏休みの終わりに、鎌倉市の図書館がつぶやいたツイッターに多くの反響があったことは皆さんの記憶にも新しいのではないでしょうか。不登校が認められることで救われる命があるということです。学校教育法や子どもの権利条約の理念を基本として生まれたこの新しい法律が、不登校の子どもたちの希望につながるよう活用され、よりよい制度に育てていきたいと願う立場から質問いたします。

まず初めに、

  • 区教委としてこの法が成立したことの意味をどう考えているか。見解をうかがいます。

2.この法律の施行、法に基づく施策を推進するための基本指針が定められてから1年が経過しようとしている現在、区ではこれらに定められた取り組みをどのように進めてきたか、伺います。

基本指針には「不登校は、取り巻く環境によっては、どの児童生徒にも起こりうるものとしてとらえ、不登校というだけで問題行動であると受け取られないよう配慮し、児童生徒の最善の利益を最優先に支援を行うことが重要である」と記されています。また先に述べた文科省の通知においても、「不登校児童生徒が悪いという根強い偏見を払拭し、学校・家庭・社会が不登校児童生徒に寄り添い共感的理解と受容の姿勢を持つことが、児童生徒の自己肯定感を高めるためにも重要であり、周囲の大人との信頼関係を構築していく過程が社会性や人間性の伸長につながり、結果として児童生徒の社会的自立につながることが期待される」と記されています。

3.区教委が先ず取り組むべきは、この考え方の広報と普及啓発に努めることと考えます。不登校への偏見を払拭するため広範囲に広報することと、不登校の子どもやその周辺の当事者に対して直接伝えること。この両方に教育委員会として取り組む必要があると考えます。

不登校を経験した子どもが後で回想したことですが、「学校に行かないことは悪」という強迫観念があって、自分は悪いことをしているという罪悪感から、半年後に学校に復帰したが、学校が楽しくないと思いながら通うことで周囲を恨むようになり、さらにこじれていったと言っています。また、親が子どもを無理やり学校にやろうとしたり、母親の育て方が悪いと父親が受け入れないケース、親戚や周辺の人たちに責められ追い詰められたりと様々な悲劇が繰り返されてきました。学校関係者、不登校の子ども及び保護者には直接「不登校は悪いことではない」という考え方を知らせることが必要だと考えますが、教育委員会の考えをうかがいます。

4.この考え方は学校関係者のみならず、福祉関連の担当者も理解しておくことが必要だと考えます。教育委員会が責任をもって民生児童委員や保健師、児童福祉職などの福祉関係者に対し情報提供を行うべきと考えますが、見解をうかがいます。ある自治体では文科省の担当課の職員が研修を行ったと聞いており、杉並区でもそのような研修を行うよう求めますがいかがかお聞きします。

確保法の13条は不登校の子どもに対して「学校以外の場において行う多様で適切な学習活動の重要性」を指摘し、不登校の子どもの「状況に応じた」、学校外の普通教育の機会確保、多様な学びの促進のために、「必要な情報提供、助言その他の支援」を行うとし、学校外の多様な学びの場が普通教育の機会確保につながるものとして、歴史的にも初めて公的な承認を与えるものとなりました。

5.区が設置している適応指導教室は文科省の資料には教育支援センター(適応指導教室)または教育支援センターと表記されています。学校に適応できなかった子どもを指導するという意味が見て取れる「適応指導教室」という名称を「教育支援センター」に改めることも検討されてはと考えますが、教育委員会の考えをうかがいます。

6.区ではこれまで、適応指導教室の目的を学校復帰としてきましたが、「~確保法」の基本指針には「…支援に際しては、登校という結果のみを目標にするのではなく、児童生徒が自らの進路を主体的にとらえて、社会的に自立することを目指す必要がある。」と示されています。これまでの不登校対策が学校復帰を目指すことのみであったことが様々な悲劇を繰り返してきたことを考えると、区の要綱や冊子「杉並区の教育」に書かれている適応指導教室の目的を、社会的に自立することを支援するなど、学校復帰に偏らない説明にするのが望ましいと考えますが、見解をうかがいます。

次に、区内の状況について具体的に伺っていきたいと思います。

7.2016年度の杉並区内の不登校の数は小学生が108人、中学生が217人で増加傾向にあります。区内ではこのように不登校が生じている原因をどのように分析しているかうかがいます。

8.区では小学生対象に1か所、中学生を対象に3か所の適応指導教室である、さざんかステップアップ教室を開設していますが、そこに登録されている子どもの数についてもうかがいます。

9.さざんかステップアップ教室が定員超過で、希望したがなかなか入れないという話を聞きます。実際に不登校の小学生108名に対して教室の定員が20名、中学生217名に対して定員60名では足りていないのは明らかです。新たなさざんか教室の設置も必要だと考えますが検討状況をうかがいます。

さざんか教室に通う子、民間のフリースクールに通う子がいる中で、不登校の子どもたちの多くが家庭で過ごしている状況です。このような子どもへの学習支援として、ICTを活用した教育を希望する保護者からの声を聞いています。どこにも出られず家庭にいる子どもにタブレットを貸し出し、学習の機会を確保することを検討いただくことも要望いたします。

確保法において、まずは学校が子どもにとって安心できる場所であること。そのためにはいじめ、暴力行為、体罰などを許さないこと、授業が魅力的でわかりやすく、子どもによっては個別指導やグループ指導などを行い個に応じた指導の充実をはかることが求められているのは大前提であり、それを目標にどこの学校でも努力されていることと認識しています。また杉並区では全国に先がけてSSWを配置するなど不登校の子どもへの支援にも手厚く対応してきたことは評価しています。しかし、にもかかわらず多くの不登校の子どもが出ているのも現実です。

10.不登校児童生徒に対しては、学校全体で支援を行うことが必要であり、校長のリーダーシップの下SCやSSWなどと連携しチーム学校体制をとることが求められています。また必要に応じ、福祉、医療および民間の団体などの関係機関とも情報共有を行うほか、学校間の引継ぎを行うなどして組織的・計画的な支援を推進する。その際は子どもや保護者と話し合い「児童生徒理解・教育支援シート」等を作成することが望ましいと基本指針には示されているところですが、このようなシートについての検討状況はいかがかうかがいます。

11.また基本指針には、学校では保健室や相談室、学校図書館等も活用しつつ、安心して学校生活を送ることができるよう、子どもの個別の状況に応じた支援をすることが示されており、このことはすべての学校で行っていただきたいと考えます。教育委員会としてどのように取り組まれているかうかがいます。

学校外の民間のフリースクールなども普通教育を行う機関として「確保法」で認められたことは先に述べた通りですが、文部科学省の調査によればフリースクールの平均の月会費が3万3000円となっており、経済的に困窮している家庭の子が通うのは厳しい現状です。ここで不登校の子をもつ親の会からの訴えを紹介しますと、発達障害や不登校の子は、親も時間をかけて丁寧に対応する必要があり、仕事が続けられないお母さんも多数います。医療機関にかかるにしても専門の相談機関に行くにしても平日の日中働いている保護者は、そうそう休みがとれないので場合によっては仕事をやめることになります。また、保護者も精神的な不調に見舞われて仕事が続けられなくなることもあります。

子どものためと思って仕事をやめ(あるいは子どもへの対応のために働けなくなり)、貯金を切り崩し、必死に対応しますが家庭によってできる範囲は異なります。

一方で、無理をしてフリースクールや家庭教師を頼むなどして経済的に苦しくなり、不登校の子どもを置いて働きに出なければならなくなるケースもあります。

また、どうしても仕事をやめられない保護者もいます。そういった保護者は、子どものために時間をかけたくても、どうすることもできないというジレンマに苦しめられています。経済格差が子どもの将来の格差につながる不安は、親としてはとても大きなものです。登校していれば起きない深刻な問題が、子どもの不登校によって生じる。このような状況を受け止め区の設置するさざんか教室が定員オーバーで入れない子どもがいる中、家庭への経済的な支援についても検討いただくよう、要望いたします。

12.親の会への支援

小学生の不登校の子どもの保護者から、横のつながりがほしい、地域で同じ状況にある人とつながりたいと思ってもその手段がなく、孤立していると感じるとの話を聞きました。不登校児の親同士のつながりを作るために区の支援が必要です。定期的に親の会が開けるような支援として、日時を設定し保護者に連絡を取り、子どもも連れてこられるような場所を確保する。その際の子どもの見守りを支援する。親の会の情報を区が直接保護者に送る。親の会で開く講演会などの案内を直接保護者に連絡する。親の会を経済的、事務的に支援する、など親同士のつながりを作るためのさまざまな支援が求められています。実際に区内でも不登校の子どもを持つ保護者が、自分たちが経験してわかったこと、情報を同じ立場の保護者に役立ててほしいと親の会を立ち上げ、お話会や講座、高校受験のためのアドバイスなど様々な活動を行っています。しかし、その活動は自身も不登校の子どもと日々向き合いながらボランティアで行われています。区がそのような会と協力し、経済的、人的な支援をすることによって、孤立している保護者と会をつなげていただきたいと考えますが、区の見解をうかがいます。

13.また、区としても不登校児童生徒の保護者に対して、多様な支援方策を情報提供していただきたいと思います。その一環として、フリースクール関係者等による講演会の開催など検討していただきたいと考えますがいかがか伺います。

14.情報提供

不登校の子どもへの相談は済美教育センターの教育相談で行われていますが、相談を受けるまでに時間がかかるとの声を聞いています。学校でも不登校への支援に関する情報が得られるようにしてほしいと思います。SSWの存在を知らず、そこにつながるのに数年かかったという話も聞きます。親の会の情報、さざんか教室のこと、近隣のフリースクールのことなど、学校関係者に研修を行い適切な情報提供ができる体制をとっていただきたいと考えます。子どもは日々成長し、変化しているのに、相談に行きつくまでに長い間ただ待たされたりすることのないようにお願いします。親の会も、これまでの蓄積からボランティアで情報提供や相談にあたっています。親の会と連携し、協働で相談や情報提供に取り組むことは、当事者だからこその適切な対応が期待でき、有効なことと考えます。ぜひ検討いただきたいと思いますが、見解をうかがいます。

先日、杉並区の子どもが在籍児童の半数をしめているという近隣区にあるフリースクールに話を聞いてきました。民間アパートの一室を借り、朝から午後まで教室を開き、5時までは自習ができるようになっていて、先生がついて子どもたちが勉強している姿を見せていただきました。ここには杉並区から10人の子どもが通っています。それぞれが様々な事情を抱えて来ましたが、皆ここで受け入れられて安心して自分を取り戻し、今は元気になって通ってきているとのこと。子どもが在籍している学校の校長や担任の先生もこのフリースクールを訪れ、カリキュラムなどを確認したうえで全員がここの出席を学校の出席として認められているとのことでした。このフリースクールも一つの適応指導教室の役割を果たしていると言えるのではないでしょうか。しかし、公的な補助が一切ない中での経営は大変厳しいとのことであり、よく理解できます。継続していくためには公的な支援が必要だと強く感じました。また、場所は小さな1部屋ですから、子どもたちが体育や調理などの体験を行う際には外の施設を使う必要もありますが、その施設使用についてもフリースクールは営利団体とみなされ使用が難しい状況にあることも伺いました。このような、子どもの学びの場には区の多方面からの支援を行っていただけるよう強く要望いたします。

最後は少し違う角度からの質問です。

15.子どもの不登校によって保護者も厳しい状況に置かれることは先に述べました。区役所職員は4000名で、この中には子どもが不登校という職員もいることと思います。そのような事情を抱えた職員には何らかの支援はあるのでしょうか。支援について検討することは、これまで培った人材流失を防ぎ、区にとってもメリットがあると考えるものです。これまでに、実際に支援を行った事例があれば伺いたいと思います。

これまで様々な場面での支援の必要性について述べてまいりました。ここで文部科学省が予算をとって進めている「学校以外の場における教育機会の確保等に関する調査研究」について述べたいと思います。これは教育委員会や学校を中心に関係者が連携し、不登校児童生徒の学校外での様々な学習を支援する体制を整備するための実践研究や不登校児童生徒を受け入れている民間団体の自主的な取り組みを促進するための仕組み等に関する調査研究について、自治体がやると手を上げれば、今回質問で取り上げてきた様々な支援にたいして国の予算がつくものです。ぜひ杉並区としてこれに手を上げ、研究のための予算を活用して支援を行っていただくよう要望いたします。

今回の質問をするにあたり、不登校の子どもの保護者にたくさんの話を聞かせていただきました。そして、子どもたちは学校が合わないだけで、個性的で様々な能力を持っていると実感しました。そのような子どもたちが学びを通して自分の個性を伸ばし、自立して社会でそれぞれの居場所を見つけ自分らしく生きていくことは、多様性ある豊かな共生社会を形成することにつながります。そのために今予算を使うことは未来への有効な投資と言えると思います。私も豊かな共生社会を共につくるためにこの課題に継続的に取り組んで行くことを申し上げ一般質問を終わります。

 

第4回定例会一般質問と答弁 2017.11.17奥田雅子

<地域共生社会の実現に向けて>

【Q1】 〇対象の属性に関わりなく、複合的な課題に対する分野横断的な福祉政策、地域施策が求められると考えられるが、このような国の法改正の動きに対しての区の認識を伺う。

〇地域共生社会の実現は、一つひとつの事例を積み重ねながら実態を作っていくことが必要である。漠然としている上に画一的な形があるものではないため、より自分の暮らしに引き寄せたわかりやすいものであることが必要である。地域に即した戦略が必要ではないか。行政、地域包括、社協がスクラムを組み、地域住民、地縁団体、市民活動団体と連携しながら地域づくりをすることに対する区の見解を伺う。
〇最後に、地域共生社会の実現に向けた区の意気込みを伺う。

【A1:区長】  最近、私の身近でも、議員ご指摘の高齢者の一人暮らしや老々介護、ダブルケアなどで悩んでいるという声を聴くことが増えた。一方、区内では、助け合いやつながりの重要性に気づき、家事援助や病院の付き添い、サロンのような居場所づくりなどの多様な組織や団体等による助け合いの活動が広がっている。

私は、国が地域共生社会という概念を前面に出した法改正を行ったのは、福祉ニーズの多様化、複雑化に対して、従来の制度ごとのサービス提供では対応しきれなくなっていること、人間関係の希薄化から生じる様々な課題が表面化していることが、背景にあるものと認識している。

このことを踏まえ、区としては分野を横断する包括的な相談支援体制づくりを進めるとともに、多様な主体との協働や区民による支えあいの仕組みづくりを推進することが重要な課題であると考えている。

包括的な相談支援体制づくりの第一歩としては、来年度開設する在宅医療・生活支援センターが、高齢、障害、子どもなど分野ごとの相談機関に対し、分野を超えた関係機関との調整や専門家による助言などを通じて支援する役割を担うことになる。

また、支え合いの仕組みづくりについては、区内で、見守り、移動サービスなどを行っている様々な団体がこれまでに行ってきた、地域に潜む特有の課題の共有や地域での対応策の検討などの取組を、さらに広げていくことから進めていく考えである。

こうした取組を着実に進めることで、地域の事業者や団体、ボランティアの皆さんとともに、区民の様々な課題を解決していける地域共生社会を目指す所存である。

【Q2】〇今回、地域福祉計画の策定が努力義務化とされたことを受け、保険福祉計画と地域福祉計画の関係と定め方について伺う。

〇地域福祉計画は、社会福祉法の改正趣旨を踏まえて策定を行っているのか。また、策定にあたり、参考にした自治体があるか、他自治体の動向について伺う。

〇庁内でも所管を超えて連携することが求められるが、地域共生社会の取組について、どのように議論・共有が行われたのか伺う。

【A2:保健福祉部長】 まず、保健福祉計画との関係等、地域福祉計画策定の考え方であるが 地域福祉計画は、現行計画と同様に、保健福祉計画に包含させる形で案を策定することとし、今回の社会福祉法の改正趣旨を踏まえ、保健・福祉全般に関して共通して取り組む事項を示すものとする考えである。具体的には、実行計画の「地域福祉の充実」の施策を構成する計画事業をはじめ、地域の高齢者の福祉、障害者の福祉、児童の福祉等に関して共通する相談体制の充実や地域福祉活動への参加促進などを定めている。

また、他自治体の動向及び参考にした自治体については、都の調査によると、これまで23区中13区が、今回の法改正の趣旨を踏まえた改定等をしており、検討にあたっては計画の柱となる考え方などを参考にした。

次に、地域共生社会の取組についての庁内での議論・共有については、厚生労働省の地域共生社会に向けた取組を所管する室長を講師に招き、「制度の縦割りを超えた包括的支援体制について」と題した部内の勉強会で、理解を深めたほか、高齢、障害、子どもの各分野の計画改定の作業部会においても、社会福祉法の改正の趣旨等を踏まえた検討を行ってきた。

また、来年度春に開設する在宅医療・生活支援センターで取り扱う困難事例への対応の実務的な検討においても、組織横断的な包括的支援体制のあり方について、議論を深めたところである。

【Q3】 第7期介護保険事業計画は高齢者保健福祉計画と一体的に策定するとなっているが、これまでの介護保険事業計画との違いはどこか。その扱いとなった経緯は。

【A3: 高齢者担当部長】 これまで老人福祉法に基づく老人福祉計画と介護保険法に基づく介護保険事業計画は、保健福祉計画に包含していたが、今回から、改定する保健福祉計画との整合を図りながら高齢者福祉分野の計画として策定することとした。これは、「地域包括ケアシステムを強化するための介護保険法等の一部を改正する法律」により社会福祉法が改正されたことにより、地域福祉計画が各福祉分野の計画の上位的な概念で位置付けられたこと等を踏まえ、高齢者福祉分野の個別計画として策定することとした経緯からである。

【Q4】〇地域福祉計画は、どのような手法で、どのくらいの期間をかけて策定したのか伺う。

〇地域住民や社会福祉事業者などへのアプローチについては、具体的にはどのような形で行われたのか確認する。また、区民の生活実態やニーズを把握するためのアンケート調査のようなことは行ったのか伺う。

【A4:保健福祉部長】地域福祉計画の策定の手法及び期間、事業者等の参画に関して、保健福祉計画の改定の基本方針を本年1月に策定し、それに基づき、地域福祉に関係する部署で構成する作業部会において検討を進めてきた。

検討に当たっては、作業部会の際に、杉並区社会福祉協議会と公益社団法人杉並区成年後見センターから意見聴取を行ったほか、民生児童委員会長協議会などの機会を捉えて、民生児童

委員から現状における課題等を伺ったり、地域で活動している様々な団体から個別に現場での課題をヒアリングするなどして、計画策定の参考にさせていただいた。

また、区民の生活実態やニーズについては、区民意向調査の結果のほか、民生児童委員の活動状況報告等をもとに把握したところである。

【Q5】現在、区が把握している制度の狭間の問題には、どのようなことがあるのか

【A5: 在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長】  制度の狭間については、厚生労働省の「我が事・丸ごと」地域共生社会実現本部から出されている資料や議員ご指摘の地域力強化検討会の資料のなかで「公的支援制度の受給要件を満たさない」ケースについて「制度の狭間」と説明している。区においても、障害が疑われているが受給要件を満たさないため障害者手帳を取得しておらず、障害福祉制度等を活用することができないケースや、近隣との関係もなく、家の中にごみをため込み近隣に悪臭や衛生上の問題が発生しているにも関わらず、そのことを問題と認識していないケースも含まれると考えている。

【Q6】〇現在の区の地域割りは、地域区民センターや町会、民生委員、地域包括支援センター、小・中学校などが必ずしも一致していないが、そのことによる弊害はないのか。地域づくりを進めるための圏域の考え方については整理しておく必要があると考えるが、区の見解を伺う。

【A6: 在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長】  議員ご指摘の通り、それぞれの担当するエリアは、必ずしも一致していない状況がある。

これは、歴史的な背景やその役割等によって定められてきた経緯もあり、一致させることは難しい面もあるが、これまでも、活動の状況に合わせ、整備を図ってきた。今後も個別具体的に関係者の話を伺いながら、目的や実情に応じて、改善を図っていく。

【Q7】〇さまざまな問題を抱えた方の支援を連携させようとした時、個人情報の保護に配慮することが支援の障壁や妨げになることがあるが、福祉的支援が最優先すべき場合があるため、その当事者の最善の利益を考えた支援を行いやすくするために、個人情報の扱いについて整理しておくことが必要だと考えるが、区の見解を伺う。

【A7: 在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長】 支援を行うにあたっては、支援機関が保有する個人情報を機関間で共有することが必要な場合があり、その場合は個人情報保護の観点から、情報の取り扱いに配慮する必要がある。しかし、一方で、議員ご指摘のように、個人情報の保護に慎重を期することにより、現場での支援の障壁や妨げにならないように考慮することが必要である。

個人情報保護に関する法令や条例等の定めを遵守し、業務ごとに想定される個人情報の取り扱いを整理して、支援対象者本人に対する最善の支援が行えるよう、進めていく。

【Q8】 区では、この包括的な支援体制の構築をどのように進めていこうと考えているのか。また、連携していく分野をどこまでを想定しているのか伺う。

【A8: 在宅医療・生活支援センター開設準備担当部長】  障害者地域相談支援事業所である「すまいる」や、ケア24などの地域の相談機関では解決困難な事例などについて、2018年4月に開設する在宅医療・生活支援センターを核として、専門家の助言等を踏まえながら関係機関と連携して支援する、包括的な支援体制を構築する。連携していく分野については、福祉、医療、環境など区民の暮らしを支える全ての分野を想定している。合わせて区全体の相談支援の質を向上させるため、センターが相談事例に関する調査分析や事例検討、研修等を実施することで、包括的支援体制の一層の充実を図る所存である。

【Q9】〇杉並区社会福祉協議会では、小地域の活動が弱いように感じている。区においても社協に対し地域福祉活動計画の策定を促し、区の地域福祉計画を共にすすめるパートナーに位置付けるべきではないかと考える。区として社協に期待する役割について伺う。

〇ボランタリーな市民活動の最初の一歩支援や地域でのサロンや居場所などを提供している活動を継続させる支援が今後ますます求められていく。行政ができない部分を地縁団体だけでない区民が担うことで地域を元気にしていくたまえの支援を検討すべきと考えるが、区の見解を伺う。

【A9: 保健福祉部長】 区としては、既存の様々な地域における活動が広がり、つながりが深まることで、お互いに支えあう仕組みが充実し、「制度の狭間」の課題などへの対応力が高まっていくものと考えている。地域の様々な社会資源とのネットワークを有している社会福祉協議会には、地域における福祉活動の中心的な役割を果たすことを期待している。

また、区との関係については、現在改定中の保健福祉計画に、社会福祉協議会の取組を反映させる予定であり、区と社会福祉協議会が車の両輪となり、地域福祉の増進に取り組んでいく考えである。

なお、地域福祉活動計画についてであるが、現在、社会福祉協議会では、地域共生社会づくりに向けて学識経験者の意見も聴きつつ、計画策定を含め検討していると聞いている。

次に、地域団体の活動に対する支援についてであるが、区においてはNPO支援基金や長寿応援ファンドを活動し、NPOや地域団体による活動の立上げや充実など、主体的な地域活動を支援している。

また、社会福祉協議会においては、高齢者や子育て中の親子が気軽に集えるきずなサロンの運営支援をはじめ、ボランティア活動に関する相談や活動先の紹介を行っているほか、すぎなみ協働プラザでは、NPO等の立上げ支援も行っている。

今後も、これらの様々な取組を総合的に行うことにより、地域団体ならではの活動が活性化していくよう、支援していく。

【Q10】7つの地域区民センター協議会は、それぞれの地域にある地縁団体やNPOなどの市民活動団体との連携・協働を深めつつあると認識している。地域づくりにおいては地域区民センター協議会が役割の一つを担うべきと考えるが、今、力を入れていることや課題となっていること、今後の課題についての区の見解を伺う。

【A10: 区民生活部長】 現在、各地域区民センター協議会では、ふれあいと交流を基本に地域コミュニティ形成を図るとともに、地域課題の解決を図るための講座やイベントなどの実施に取り組んでいる。

そうした中、特に地域で活動するさまざまな団体が相互に意見交換することで、団体間のゆるやかなつながりを育み、連携を強化するための地域懇談会の開催などに、力を注いでいるところである。

次に、今後の課題についてであるが、地域の多様な団体が相互に補完し合い、それぞれの強みを生かしながら地域づくりを進められるよう、これまで取り組んできた様々な団体との協働事業を、より一層充実していくことなどである。

第4定例会一般質問と答弁 2017.11.17そね文子

<インクルーシブ教育を推進するために>

【Q1】 区のインクルーシブ教育に対する考えとともに、どのように取り組んでいくのかについて伺う。

【A1:教育次長】 障害のある子どもたちが、一人ひとりの個性を最大限に発揮し、自立した生活と社会参加ができるように必要な力を育んでいくとの視点に立った教育は、障害のある子どものみならず、全ての子どもにとってわかりやすく有意義な教育につながる。

このように、障害の有無にかかわらず、誰もが相互に人格と個性を尊重し、支えあい、学び合うインクルーシブ教育の推進は、社会全体の重要なテーマであると考える。こうした認識の下、教育委員会では、特別支援教育推進計画に基づき、一人ひとりの教育的ニーズに応じた質の高い教育、就学前からの切れ目のない支援、そして、地域社会とのかかわりという3つの視点からなる種々の取組を総合的に進めている。

【Q2】特別な支援が必要な子どもの就学先を決めるに当たっては、学校と保護者に加え、専門家を交えた話し合いを行う必要があると考えるが、見解を伺う。

【A2:教育次長】 特別な支援が必要な子どもの就学先については、学校職員のほか、医師や心理士、都立特別支援学校職員など、それぞれ専門性を有するメンバーによる教育支援委員会において、子どもの状況や障害特性、保護者の意向等を踏まえた議論を重ね、適切な就学先を決定している。こうした場に、直接の利害関係者である保護者が参画することは適当ではないため、今後とも事前の相談等を通して、保護者の意見・要望を丁寧に伺い、教育支援委員会につなげていく。

【Q3】通常学級に在籍する知的障害児童に対して、教育や心理を学ぶ大学生ボランティアが支援を行っている他区の事例があるが、本区ではいかがか。

【A3:教育次長】 本区においても、主として教員を志す大学生による学生ボランティアが、済美養護学校や特別支援学級における授業補助や学校行事のサポート等を行っている。

2016年度は、14人の学生ボランティアがこれらの活動をしており、今後もこうした取組を拡げてまいりたい。

【Q4】児童の就学先に関する教育委員会の判断が、保護者の意向と異なる場合において、当該児童と同じような状況の児童に対する支援を適切に行っている事例を他の学校とも共有し、広げてもらいたいが、見解を伺う。

【A4:教育次長】 特別な支援が必要な子どもの就学については、保護者の意向等により、教育支援委員会の決定と異なる就学先となる事例もある。

そうした中で、大切なことは、ご指摘のとおり、その子どもが実際の就学先で受けている適切な支援の内容やそのための体制、支援を実施する際の配慮や工夫などを蓄積・共有して次の同様の事例に生かすことと考える。

こうした事例の共有等は、特別支援教育研修や教育支援チームによる各学校の研修等の際に実施しているが、今後、より一層、意を用いてまいりたい。

【Q5】〇家庭、学校及び障害児通所支援事業所や放課後等デイサービス事業所等の支援機関との連携を充実させるために、支援が必要な児童の課題等を話し合う仕組みは、もっと周知され、活用されるべきと考えるが、見解を伺う。

〇障害児通所支援事業所等には、作業療法士や言語療法士など様々な専門家がいるが、学校はこうした外部の専門家の意見を受け止める姿勢を持つべきと考えるが、見解を伺う。

【A5:教育次長】 ご指摘のとおり、特別な支援が必要な子どもに、より適切かつ効果的な教育的支援を行うためには、様々な情報を収集・共有して、多面的・多角的な見地から分析・検討・実施し、さらに振り返りをして次につなげるといった姿勢が欠かせないものと考える。

改めて、各学校にそうした姿勢で、家庭及び支援機関との連携を図るよう、働きかけてまいりたい。

【Q6】〇知的障害特別支援学級にも通学区域を設けているが、在籍する子どもの障害特性などを踏まえた保護者の希望に応じて、指定校以外の通学にも柔軟に対応することが必要と考えるが、見解を伺う。

〇また、学校に不適応となった子どもが、状況によっては転校できる措置をとることも必要であると考えるが、見解を伺う。

【A6:教育次長】 特別支援学級においても、定められた通学区域内の学校に就学することが原則ではあるが、これまでも、個別の事情等に応じて、通学区域外の特別支援学級がある学校に就学することとした事例はある。今後とも個別具体的に判断していく。
また、転校についても、同様に子どもの状況や保護者の意向等を総合的に考慮して適切に判断していくべきものと考える。

【Q7】特別支援学校の子どもと、通常学校に子どもとの交流について、現在の取組状況を伺う。また、交流の状況について、学校同士が意見交換や情報共有を行い、区内全体で交流の質を高めてほしいと考えるが、見解を伺う。

【A7:教育次長】2016年度の実績では、特別支援学級を設置している全校を含む小学校12校、中学校8校が、特別支援学級と通常の学級との交流を実施している。具体的には、年間を通した異学年活動、各教科の授業やクラブ活動等における交流活動のほか、オリンピック・パラリンピック競技種目の体験活動といった共同学習が行われている。

こうした取組事例については、昨年度に策定した「すぎなみ9年カリキュラム 総合的な学び編」にも掲載し、各学校と共有を図っており、今後とも、特別支援学級と通常の学級の交流活動が活発化するよう、働きかけてまいりたい。

【Q8】〇映画「みんなの学校」の舞台となった大阪の小学校が実践するフルインクルージョンについて、教育委員会及び学校はどのように捉えているか伺う。

〇全校の校長が、「みんなの学校」を観て、全員でいかに学校をより一層地域に開いていくか話し合うなどの取組を進めてほしいと考えるが、見解を伺う。

〇保護者や地域の人が、いつ行ってもいい学校であってほしいと考えるが、教育委員会の見解を伺う。

【A8:教育長】 お話にあった「みんなの学校」の舞台となった小学校では、特別支援学級という枠組みを取り払い、障害がある子どもも無い子どもも皆で一緒に学校生活を送るという、いわゆるフルインクルージョンの形態で運営されている。

こうした学校運営は、校長の経営力や教員の指導力はもちろんのこと、学校の規模や地域の理解と支援など、一定の条件が整わなければ実現できないことであり、これを直ちに一般化して、全国的に行うことは容易ではないと考える。本区もまた同様だが、今後とも、特別支援教育を含めた教育の在り方に関する社会的な合意形成を図る中で、こうした学校づくりを進める努力をしてまいりたい。

そうした中、区立学校のPTAの皆様を中心に、「みんなの学校」を鑑賞したり、舞台となった小学校の初代校長の講演会を催すなどの取組が拡がってきていることは素晴らしいことと考える。皆で感じる、皆で考える、皆で話し合う。今後の教育はどうあるべきか、そのために何をなすべきかといった議論の潮流が確かなものとなっている実感がある。

本区がこれまで進めてきた学校支援本部の全校設置や地域運営学校の指定を柱とする開かれた学校づくりも同様に、長年にわたる議論や取組の積み重ねの上に今がある。これまで以上に「開かれた学校づくり」に向けて、また、特別支援教育を含む杉並の教育のあり方についても、教育委員会と学校が、保護者や学校関係者、地域の方々と共につくり上げていくべきものと考える。そのための取組を、今後とも着実に進めてまいりたい。

 


<マイクロプラスチックの海洋汚染への対策について>

【Q1】〇マイクロプラスチックによる海洋汚染について、国等が解決に向けて取り組んでいるが、区はこの問題をどのように認識しているか。

〇区のレジ袋削減に対する取組みは、マイクロプラスチックを増やさないことにもつながると考えるが、見解を伺う。

【A1:区長】 レジ袋やペットボトルなどが、紫外線や海岸の波によって微細に砕かれることで生じるマイクロプラスチックは、化学物質を含有・吸着しやすい性質があり、食物連鎖に取り込まれることから、生態系に及ぼす影響が懸念されている。

議員がご指摘の世界経済フォーラム年次総会、通常ダボス会議において発表された「海洋ごみに関する報告書」では、海に流出するプラスチック由来のごみが世界的に急増していることから、プラスチックのリサイクルを促進し、自然界への流出を防ぐ対策が急務であるとの報告があったと認識している。

昨年のG7伊勢志摩サミットにおける首脳宣言においても、3R(リデュース、リユース、リサイクル)等の取組が、陸を発生源とする海洋ごみ、特にプラスチックの発生抑制と削減に寄与するものとし、海洋ごみに対処していくことが再確認された。

海洋ごみは、日本の海岸にも多く漂着しており、環境省では、こうしたごみや海底ごみに含まれているマイクロプラスチックについても実態調査を進めている。

また、生態系への影響等リスク評価は、現在、国内外において調査研究中とのことだが、マイクロプラスチックを含む海洋ごみについては、予防原則に基づき発生抑制対策を行うことが何より重要なことと考える。

今後も区においては、プラスチック製品であるレジ袋の削減やごみの分別、リサイクル等、身近でできる取組を実施し、持続可能な社会の形成に向けて、環境保全対策を着実に推進してまいりたい。

【Q2】練馬区では大学教授による「プラスチック汚染」をテーマにした講演会が開かれているが、杉並区においてもこのような講演会を開催してはいかがか。

【A2:環境部長】  環境先進都市の実現を目指し、区民一人ひとりの環境配慮行動の推進を目的として設置した環境活動推進センターでは、環境やリサイクルの推進等に関する講座・講演会を開催している。

「プラスチック汚染」については、国が大学と連携して調査研究を行っているところであり、それらの動向も確認しつつ、環境保全や循環型社会の構築等をテーマとした講演会を企画する際の参考にさせていただきたい。

【Q3】 2012年に廃止されたレジ袋削減推進協議会は、レジ袋削減運動に大きな成果を上げてきたと考えるが、区はどのように評価しているか。

【A3:環境部長】  当該協議会は2002年に設立され、区民、事業者、区がともに、レジ袋の削減及びマイバッグ持参率の向上に取組んできた。2004年には、協議会からレジ袋有料化を求める要望書が提出されたことを受け、区はレジ袋有料化モデル検討会を設置し、実証実験を行った結果、有料化はレジ袋の使用を抑制する有効な手段であると判断し、「杉並区レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」の制定につながった。

条例の施行によって、事業所のレジ袋使用枚数は大幅に減少したが、これは、協議会が推進したレジ袋削減運動に対し、多くの区民や事業者が理解を示し、レジ袋の削減に取り組んだ成果であると考える。

【Q4】〇マイバッグ推進連絡会の構成員である区内学校や消費者団体、環境団体等からアイディアを募り、さらなるレジ袋削減への取組を進めてほしいと考えるが、区の見解を伺う。

〇最近増えている食料品を販売しているドラッグストアについても、レジ袋の使用状況を調査し、レジ袋削減に取組むべきと考えるが見解を伺う。

【A4:環境部長】  マイバッグ推進連絡会では毎年、学校や消費者団体等の方々からマイバッグの普及促進に向けたアイディアを募り、区主催のイベント等に参加して、区民に向けたキャンペーンを行っている。今年度は、コンビニエンスストアにおけるレジ袋の削減を促すため、啓発ポスターを作成し店舗に配布するなどの取組を行っている。

こうしたコンビニエンスストアやご指摘のドラッグストアにおいては、レジ袋の有料化が進まず、使用量の削減に課題がみられる。今般、東京都は、「2020年に向けた実行プラン」において、「2020年にレジ袋の無料配布ゼロ」を掲げ、日本フランチャイズチェーン協会や日本チェーンドラッグストア協会等業界団体、自治体、学識経験者による、レジ袋削減に向けた意見交換会を開催した。区としては、この取組によって、新たな削減方策が検討されることを期待しており、区の取組と合わせ、さらなるレジ袋の削減を推進してまいりたい。

第4回定例会一般質問 2017.11.17そね文子

いのち・平和クラブの一員として、1.インクルーシブ教育を推進するために、2.マイクロプラスチックの海洋汚染への対策について一般質問いたします。

まずはインクルーシブ教育を推進するための質問です。

日本が障がい者権利条約を批准したのは2014年ですが、それに先立つ形で、2012年7月、同条約に規定された「インクルーシブ教育システム」の構築に向けて「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」を発表しました。その中には「インクルーシブ教育システム」とは人間の多様性の尊重等の強化、障がい者が精神的及び身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組みであり、障害のある者が教育制度一般から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要とされている。と記されています。また「基本的な方向性としては、障害のある子どもと障害のない子どもが、できるだけ同じ場で共に学ぶことを目指すべきある。その場合には、それぞれの子どもが、授業内容がわかり学習活動に参加している実感・達成感を持ちながら、充実した時間を過ごしつつ、身に付けていけるかどうか、これが最も本質的な視点であり、そのための環境整備が必要である」としています。

また、インクルーシブ教育システム構築のためには特別支援教育が着実に推進されることが必要とされています。そして、このことは杉並区の特別支援教育推進計画の前文にも記されているところです。

  • そこで先ず、区のインクルーシブ教育についての考え、そしてどのように取り組んでいこうとしているかををうかがいます。

2.区では特別支援教育推進計画に従って、全ての小学校に特別支援教室が設置され、それに伴い待機児も解消され、子どもや保護者の通級の負担が減り、人も手厚く配置され保護者からの歓迎の声も届いており、取り組みが進んでいることを評価しています。また杉並区では区立の済美養護学校や特別支援学級で知的障がい児にきめ細かい教育が行われていると認識しています。しかし、それ故に、子どもの就学相談や検査結果を元に教育委員会が判断したことが子どもにとっては一番いいという考え方が教育委員会や校長にあるのではないか、そしてそれを保護者に押し付けるような力が働くことはないでしょうか。

知的障がいのある子どもを保護者が通常学級に通わせたい、また就学相談では支援学校が適当とされた子どもを支援学級に通わせたいという希望を歓迎せず、子どもや保護者を排除するような対応をとることがあっては残念です。

子どもにとって適正と判断されたところがどんなに良い教育をしていようと、就学前から一緒に育ってきた友達と同じ地域の学校に通わせたい、通常学級の子どもの中に身を置くことで、周りの子どもから学ばせたいという選択はあり、文科省もこれを認めています。どの進学先にするか、それぞれの保護者が我が子のために一生懸命考え選択した結果を尊重し、どのようにすれば受け入れられるのか、その子どもにあった教育を提供できるのか、学校内や保護者、専門家も交えてオープンに話し合い、進めていくという対応を、教育委員会と全ての学校で取っていただきたいと考えますが、区の見解をうかがいます。

  • 先に述べたように、知的障がい児が適正と判断された以外のところで学ぼうとする場合がまさにインクルーシブ教育の実践場面となります。先の決算特別委員会でこのような子どもの数を質問したところ、答えが出てきませんでした。また私はこれまでの議会質問で、知的障がい児の個別指導計画が作られず、週1回2時間学習支援教員による取り出し授業が行われている以外はほとんど支援が受けられていない状況があるという保護者からの訴えを取り上げてきました。世田谷区のある公立小学校では、通常学級に在籍する知的障がい児に、きちんと個別指導計画が作られ、それに基づき必要に応じて、教育や心理などを学ぶ大学生ボランティアが付き、手厚い支援が行われているという話を聞きました。杉並区でも学生ボランティアの制度はありますが、登録人数や実行数が少ないと感じます。このような支援が行われている学校もあるのでしょうか。うかがいます。
  • 教育委員会は通常学級に在籍している知的障がい児の人数を把握するとともに、適切な支援を行っている学校の事例を他の学校とも共有し、広げていっていただきたいと思いますがいかがでしょうか、見解をうかがいます。
  • 東京都の指定を受けている特定の障害児通所支援事業者や放課後等デイサービスの事業所には、そこに通う障がい児のより良い支援のために在籍校とその子の課題を話し合うと、関係機関連携の加算が付くという仕組みがありますが、これが周知されておらず知らない学校もあると聞いています。家庭と学校、支援機関の連携を充実させるこのような仕組みはもっと周知され、活用されるべきと考えますが、区の見解をお聞きします。

ところで、ある事業所は、そこに通う障がい児が学校でうまくいっていないと聞き、事業所ではうまくいっているので、学校でもよりよい支援をしてもらうために声をかけたところ、事業所からの提案は受けないと言われたという話を聞きました。子どもの最善の利益の観点から見て、このような対応は問題があるのではないでしょうか。注意を喚起したいと思います。

  • このような事業所には作業療法士や言語療法士、心理士など、様々な専門家がいます。学校はオープンにこのような外部の専門家の意見を聞き、子どもを支えている人たちと共に支援をしていこうという姿勢を持つべきと考えますが区の見解をうかがいます。
  • 知的障がい児を対象とした特別支援学級は小学校9校、中学校5校に設置されています。学校ごとにそれぞれの特色があり、保護者は少しでも自分の子どもに合ったところに通わせたいと思うのは当然だと考えます。指定校はあっても保護者の希望に柔軟に対応することが必要だと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
  • また、さまざまな理由から学校不適応となった場合、転校も選択肢に入れた対応が速やかにとられているかどうか、併せてうかがいます。
  • 特別支援学校や支援学級の子どもが通常学級の子どもと交流し、「お互いが地域の仲間」という認識をじかに感じられるようにすることが大変重要と考えます。このような取り組みをすべての学校で積極的に行っていただきたいと思いますが、現在はどのような取り組みがされているか。学校どうしの意見交換、情報共有を図り、区内全体で交流の質を高めていっていただきたいと考えますが、区の見解をうかがいます。

10.先の決算特別委員会で井出教育長から、3年前にPTA協議会がインクルーシブ教育を学ぶことをテーマに取り上げ、初めに大阪のある小学校を舞台にした「みんなの学校」という映画を観て、大変共感したというお話がありました。この作品については、多くのPTAが現在も上映会を相次いで開いたり、それを見て熱心に話し合いの場を持ったり、作品の舞台となった学校の校長先生の講演会が開かれたりしていることに希望を感じ、私自身もそこに参加し地域の学校にどうしたら貢献できるかを考えています。9月に東京大学のバリアフリー教育開発研究センターが主催して行われた講演会で、この小学校の現在の校長先生の話を聞くことができました。この大阪にある公立小学校は現在の在籍児童数が299名でそのうち特別支援学級在籍児童数が53名、通常学級10クラス、特別支援学級10クラスとなるところですが、その特別支援教室をすべてとっぱらい、通常学級10クラスで各クラスに先生が複数配置される形をとっているのが大きな特徴です。つまりインクルーシブ教育を実践しているのです。教育委員会はこのような学校のあり方をどうとらえているかうかがいます。

11.PTAや保護者の活動を後押しし、学校のサポーターになりたい、関わりたいという保護者を学校で受け入れる体制を作っていただきたいと思います。この活動を理解するためには全校の校長先生に、まずこの映画を観ていただきたいと思います。そして校長先生同士でどうやって学校をより地域に開いていくか話し合う場を持つなど取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。うかがいます。

12.先ずは、学校が開かれた場所であってほしいと思います。保護者や地域の人がいつ行ってもいい学校であってほしいと考えますが、教育委員会の見解をうかがいます。

2016年7月に相模原市の障がい者施設「津久井やまゆり園」で19人が殺される事件が起こり社会に大きな衝撃を与えました。経済性や生産性から障がい者は役に立たないという社会の中にある差別がこの事件の背景にあるのではないでしょうか。これを、精神に異常をきたした人物が起こした特異な事件として片づけていいわけがありません。このような事件を2度と起こさないためにも、子どものころから障がい児も健常児も同じ場所で仲間として過ごすことで、互いの存在を自然に認めるようになることが大切だと考えます。自分の中にもある差別に気づき、ともに学ぶことですべての人の存在が認められる共生社会をともにつくっていきたいと思います。

次に大きな項目の2番目、マイクロプラスチックの海洋汚染とレジ袋削減について質問します。

今、マイクロプラスチックの海洋汚染が大きな問題になっています。マイクロプラスチックとは大きさが5ミリ以下の微細なプラスチックのことで、ペットボトル、食品トレー、レジ袋などが紫外線や波の力で壊れて細かくなったものを言います。2016年1月に行われた世界経済フォーラムでも、毎年800万トン以上のプラスチックごみが海に流出しており、このままだと2025年には海の魚3トンに対し、プラスチックごみがその3分の1にあたる1tに、さらに2050年にはプラスチックごみがそれを上回るというレポートが発表されました。また、なんと世界の海水から採取する食用の塩のほぼすべてに、マイクロプラスチックが含まれていることが、複数の研究で判明しています。

海の塩は海水を乾燥させて製造するため、そこに含まれているマイクロプラスチック類がそのまま製品の中に残留するという話です。今年9月6日の東京新聞には、京都大学の田中周平准教授のチームが国内各地のカタクチイワシやマイワシを採取し消化管を調査したところ、その5割強からマイクロプラスチックが見つかったことが掲載されました。マイクロプラスチックは水の中の有害化学物質を吸着する性質があり、化学汚染濃度は海水の5万倍から100万倍にも上り食物連鎖を通して、人体への健康影響も懸念されています。

塩は人の暮らしに欠かせないものであり、日々どんな料理にも使われます。たとえば味噌汁を例にとると、味噌に塩が含まれており、カタクチイワシで作られる煮干しにマイクロプラスチックの有害成分が含まれていると考えると、これは深刻な問題と言わざるを得ません。

この海洋汚染の原因となるプラスチックは、街にポイ捨てされたペットボトル、風に飛ばされたレジ袋などが紫外線によって微細化し、それが雨水と共に川に入り海にたどり着く、またそれよりもっと微細で化粧品や歯磨き粉に含まれるマイクロビーズは下水道でも処理できず海に流れ着きます。この海洋汚染問題が、プラスチックごみを削減することで改善できるとすれば、私たちはすぐにごみになるレジ袋をもらわない、またマイボトルを持って外出しペットボトルをなるべく買わないなど、身近な暮らしの足元を見直す必要があるのではないでしょうか。その観点から質問いたします

  • 先ほど述べた現状において、国や東京都が解決に向けて取り組んでいるところですが、身近な自治体としても取り組みが必要だと考えます。区としてはこの問題をどう認識しているでしょうか、うかがいます。

先ずはこのような事実を知らせる啓発が必要だと考えます。小中学校で行われている環境教育で取り入れる、また小学校の調理実習で味噌汁をつくるときに、この煮干しになるカタクチイワシに日々の私たちの生活から生み出されるマイクロプラスチックの汚染が進んでいることを話題にするなど、先生方にも折を見て子どもに伝える機会をつくっていただきたいと考えます。

  • 大人たちへの啓発も重要です。練馬区は経済課が主催する形で今年11月に東京農工大学農学部教授の高田秀重氏からは「海のプラスチック汚染と私たちの暮らし」、東京理科大学教授の二瓶康雄氏からは「市街地と川のプラスチック汚染」をテーマに講演会が開かれています。杉並区でもそのような講演会を開いていただきたいと考えますが、区の見解をうかがいます。
  • マイクロプラスチックの由来は生産量・使用量の多いレジ袋やペットボトルが多くの割合を占めています。世界ではマイクロプラスチックを増やさない目的でレジ袋の無料配布を禁止している国・地域もあります。杉並区は全国に先駆けてレジ袋削減に取り組み、「レジ袋有料化等の取組の推進に関する条例」を整備するなどにより、大きな成果を上げてきたことを高く評価しています。区では地球温暖化を防ぐためにレジ袋の使用を減らすとしていますが、これはマイクロプラスチックを増やさないことにもつながると考えます。その点に対する区の見解をうかがいます。

 

  • レジ袋条例では対象となる事業所を、前年度のレジ袋使用枚数が20万枚以上の店舗、マイバッグの持参率が60%に満たないところ、食料品を扱っているところと定めています。しかしこの条件を満たすと思われる、大手のドラッグストアが報告書に1件も載っていないのはなぜなのでしょうか。このような店舗もレジ袋削減に取り組む対象とすべきと考えますが、区の見解をお聞きします。

また、新規に店舗が出来たときにマイバッグ持参率60%以上を達成していたところは、その後報告書に載らないことになるとのことですが、最初に60%をクリアしていても、その後の経過を公表することが、継続してレジ袋削減に取り組むインセンティブになると思いますので、その後も報告をもらい掲載するよう要望いたします。

ところで区は毎年マイバッグ持参率、レジ袋年間使用実績、レジ袋削減の取り組みについてなど細かい調査結果を報告しており、有意な取り組みですが、ここで使われている「マイバッグ持参率」という言葉が気になっています。コンビニでガムを一つ、あるいは飲み物を1本買う時、マイバッグは持っていないけれどレジ袋を断る場合、それはマイバッグ持参率にカウントされるのだろうかという疑問がわきます。このようなケースがマイバッグ持参率にカウントされずどのデータにも反映されないとすれば、実態を把握することになりません。細かいことですが、マイバッグ持参率にレジ袋辞退率とカッコつきで併記するなどわかりやすい表記としていただくよう提案いたします。

  • 以前、区にはレジ袋削減推進協議会があり、この協議会の構成メンバーであったスーパーマーケットが自らレジ袋有料化の実験を行い、その成果を踏まえてレジ袋有料化の条例提案を行うなど、大きな役割を果たしてきたと思いますが、区はその成果をどうとらえているのでしょうか。現在この組織は無くなっています。継続的にレジ袋削減の取り組みを進めるために、このような組織は必要と考えますが、区の見解をうかがいます。

レジ袋削減がこれ以上進まない原因のひとつとなっているのが、コンビニエンスストアの姿勢にあるのではないでしょうか。コンビニ事業者が毎年区に提出している報告によると、ほとんどのコンビニエンスストアは声掛けの徹底を行っているとなっていますが、私は区内のコンビニエンスストアで小さいものを購入した時でも「レジ袋は必要ですか」と声をかけられたことはほとんどありません。レジで会計のときにすかさず「袋は要りません」と言葉に出して意思表示をしないと何も聞かずにレジ袋に商品を入れられそうになります。ぜひ声かけの指導を徹底するようオーナーに申し入れていただきたいと思います。また、これだけ多くの店舗を持つ事業者ですから、地球温暖化やマイクロプラスチックの問題を認識し、レジ袋の有料化によって社会的責任を果たすことを、区からも働きかけていただくよう強く要望いたします。

  • 区には区内の学校や商店会連合会、消費者団体や環境団体からなるマイバッグ推進連絡会があります。マイバッグの推進を図ることの目的はレジ袋削減にあると考えます。この連絡会の主な活動は、区内のイベントで啓発を行うことであり、先日行われた杉並フェスタでは風呂敷の使い方を教えていました。文化としての風呂敷はすばらしいものです。しかしスーパーにマイ風呂敷を持参し、そこで買ったものを風呂敷に包むことは現実的でしょうか。マイバッグ推進連絡会で、この会の目的はレジ袋削減にあることをいま一度確認していただきたいと思います。そして、ここに多く参加している学校の学生に、レジ袋削減に向けての講演会やワークショップを行うとか、コンビニエンスストアにアンケート調査を行うとか、もっとできることを考えてはいかがでしょうか。消費者団体や環境活動グループなどからもアイデアを募り、ぜひ自発的に取り組みを進めていってほしいと思いますが、区の見解をうかがいます。

プラスチックは時の経過と共に微細化が進み0.1ミリ以下にもなっていきますが、決して分解して自然に帰ることはなく、小さく回収不能になったものが海の中に漂い、その量が増え続けていきます。数十年経ってこれはいけないと気付いても、もう環境に出たものを回収することはできないので、できるだけ早く手を打つことが必要です。私どもも使い捨てのプラスチックが環境に及ぼす問題について共に考え、その削減のために行動していくことを申し上げ、私の質問を終わります。

 

第4回定例会一般質問  2017.11.17奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として地域共生社会の実現に向けて質問いたします。

1.国の動き

今回私が取り上げる「地域共生社会」という言葉は、2015年9月の厚労省による「新たな時代に対応した福祉の提供ビジョン」の公表および2016年6月の「ニッポン一億総活躍プラン」の閣議決定の流れの中で出てきました。これらを受けて厚労省が2016年7月に設置した「『我が事・丸ごと』地域共生社会実現本部」のもとにおかれた地域力強化検討会で、その実現に向けた具体的な検討が行われてきたという経緯があります。「『我が事・丸ごと』地域共生社会実現本部」によると、地域共生社会とは「制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに作っていく社会を目指すもの」としています。そして、今年5月に地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律によって、社会福祉法が改正され、「我が事・丸ごと」の地域福祉推進の理念が規定されるとともに、包括的な支援体制の整備や市町村地域福祉計画の策定が努力義務化されました。

これらの背景には、少子高齢化がすすむ中で、課題が複雑に絡み合い進行してきた社会状況があります。高齢独居や老々介護、高齢の親と働いていない50代独身の子の世帯(いわゆる8050問題)、高齢者と障がい児など両方の介護を抱えるダブルケア、介護や慢性的な病気、精神的な問題を抱える家族の世話をしている若者ヤングケアラー、生活困窮世帯、ごみ屋敷、子どもの貧困・虐待など暮らしを取り巻く問題は複合化、多重化しています。さらに、地域とつながりのない社会的孤立が問題を複雑化させており、従来の制度・分野ごとの「縦割り」では解決できないというところにまで来ているのだととらえています。

介護の社会化が期待されて始まった介護保険制度も17年が経過し、改定の度にケアの縮小や保険料・利用料の負担増が行われ、人々の暮らしを直撃しています。地域での人との関わりが希薄になり、助けてと言えず一人で抱え込んで最悪な事態に至るケースが後を絶ちません。自己責任が言われ、人に迷惑をかけたくない、他者との関係づくりがしにくい、というような不寛容な世の中になったと感じるのは私だけではないと思います。しかし、このような問題に気づき、お互い様のたすけあいが当たり前の地域コミュニティを再構築していこうと動き出している地域住民がたくさんいることも事実です。2025年には団塊の世代が皆75歳以上となり、医療や介護の必要性が今以上に高まることは明らかです。認知症の方がまちの中にあふれているかもしれません。でも、どんな状況になっても大丈夫と言える地域社会をつくっていきたい、という立場から質問します。

 

1-①対象者の属性に関わりなく、複合的な課題に対する分野横断的な福祉政策、

地域施策が求められていると考えられますが、このような国の法改正の動きに対して区の認識を伺います。

2.杉並区保健福祉計画の改定について

現在の杉並区保健福祉計画は杉並区基本構想に掲げる5つの項目の内、「目標4.健康長寿とささえあいのまち」「目標5.人を育み共につながる心豊かなまち」の実現に向けた保健・福祉・医療施策に関する計画で、子どもから高齢者、障がい者、健康増進、食育推進など9つの計画と介護保険事業計画及び子ども・子育て支援事業計画の一部が包含される形となっています。地域福祉計画は保健福祉計画の一施策「地域福祉の充実」に該当するものとされていますが、本来なら保健福祉計画全体を貫く性格のものであると考えます。そこで、保健福祉計画の作りについて2点伺います。

 

2-①今回、地域福祉計画の策定が努力義務化されたことを受け、保健福祉計画と地域福祉計画の関係と定め方について伺います。

2-②同時に策定作業がすすんでいる介護保険事業計画についての確認ですが、第7期介護保険事業計画は高齢者保健福祉計画と一体的に策定するとなっています。これまでの介護保険事業計画との違いはどこか。その扱いとなった経緯について確認します。

3.地域福祉計画について

ここからは、先ほども触れました、改正社会福祉法で努力義務化された地域福祉計画の策定プロセスおよび内容について伺って行きます。

3-①まず、地域福祉計画は社会福祉法の改正趣旨を踏まえて策定を行ったのか、また、策定にあたり、参考にした自治体はあるのか、他の自治体の動向についても伺います。

地域力強化検討会の最終とりまとめでは、策定のプロセスにおいては、狭義の地域福祉計画の担当部局のみならず、計画策定を通して協働のしくみをつくっていくことが重要で、地域住民、専門職、関係する団体等と自分たちの地域のこととして丁寧な議論を重ねていくことが必要であると示されています。私もまさにここが胆だと考えています。誰かが作った計画では「我が事」にはなりえないし、全区的一律的な計画では単なる絵に描いた餅になりかねません。それぞれの「人」を取り巻く問題に適切に対応していくことや、地域の実情を把握し、その特性を考慮することが重要です。だからこそ、最終とりまとめの指摘の通り、地域という現場で暮らし活動する地域住民や専門職、関係団体等の意見や議論の場は必要であり、このことをやる覚悟がなければ「我が事・丸ごと」はできないとさえ考えます。そして、まずは「我が事・丸ごと」地域共生社会づくりの目的や意義を全庁的に共有し、担当部署を超えた庁内連携の合意形成が必要だと思っています。そこで、策定プロセスに関連して3点伺います。

3-②庁内でも所管を超えて連携することが求められていますが、地域共生社会の取組みについて、どのように議論・共有が行われたのか伺います。

3-③地域福祉計画はどのような手法で、どのくらいの期間をかけて策定したのか伺います。

3-④地域住民や社会福祉事業者などへのアプローチについては、具体的にはどのような形で行われたのか確認します。また、区民の生活実態やニーズを把握するためのアンケート調査のようなことは行ったのかお聞きします。

次に地域福祉計画の内容に関連して質問します。

地域福祉計画は多分野の福祉計画の上位計画として整合を図り、総合的に推進していくこととなると認識しています。そして、様々な課題を抱える方々の問題解決には、福祉だけにとどまらない様々な分野の横断的連携が必要であることや、制度の狭間の問題への対応のあり方、「我が事・丸ごと」の地域づくりを進めるための圏域の考え方の整理、全庁的な体制整備などが各福祉分野に共通して取り組むべき事項として挙げられています。そこで4点伺います。

 

3-⑤現在、区が把握している制度の狭間の問題にはどのようなことがあるのかお聞きします。

3-⑥現在の区の地区割りは地域区民センターや町会、民生委員、地域包括ケアセンター、小・中学校など必ずしも一致していませんが、そのことによる 弊害はないのでしょうか。地域づくりを進めるための圏域の考え方については整理しておく必要があると考えますが、区の見解を伺います。

3-⑦さまざまな問題を抱えた方の支援を連携させようとした時、個人情報の保護に配慮するあまり支援の障壁や妨げになることがありますが、福祉的支援が最優先されるべき場合があるため、その当事者の最善の利益を考えた支援を行いやすくするために、個人情報の扱いについて整理しておくことが必要だと考えますが、区の見解を伺います。

「我が事・丸ごと」の地域共生社会を実現していくための大きな柱の一つに市町村による包括的な支援体制の構築があります。最終とりまとめでは次のように示しています。「社会的孤立や制度の狭間、サービスにつながらない課題、将来への不安について、地域全体で支え合うことをめざしていく必要がある。すなわち、分野別、年齢別に縦割りだった支援を当事者中心の「丸ごと」の支援とし、個人やその世帯の地域生活課題を把握し、解決していくことができる包括的な支援体制をつくる。そのために専門職による多職種連携や地域住民等と協働する地域連携が必要である。」と。そして、連携する分野は福祉、医療、教育、環境、都市計画、防犯・防災などまさに人々の暮らしを支えるあらゆる分野が想定されています。

3-⑧区ではこの包括的な支援体制の構築をどのようにすすめて行こうと考えているのか。また、連携していく分野をどこまでを想定しているのか伺います。

4.地域共生社会の実現のための地域づくりについて

地域共生社会の推進には、区レベルの支援体制とより生活に身近な圏域での包括的な支援体制が重層的に存在することが必要です。そこで求められるのは、小中学校区のような身近な圏域で、地域包括支援センターや社会福祉協議会、地域に根差した活動を行うNPOなどが中心となり、住民の主体的な参加と協働によって地域課題を把握し解決を試みる体制づくりであり、その支援を区は責任をもって行う必要があると考えます。

世田谷区では、行政機関であるまちづくりセンターと社会福祉協議会、地域包括支援センターの三者連携により、区内27カ所に身近な地区における相談支援の充実と地区の課題を地区で解決することをめざし仕組みをつくっています。

9月3日に開催された杉並区社会福祉協議会主催のすぎなみ地域福祉フォーラム2017で、大阪府豊中市の社協の取組みについての講演が行われました。身近な圏域に存在するコミュニティソーシャルワーカーが地域の中に入り込み、地域住民と共に地域の課題を解決していく実績を知り、コーディネート力を持った人材の有効性を学びました。豊中市では人口3万人に一人の割合でコミュニティソーシャルワーカーを配置し、2004年から制度の狭間にある課題を丸ごと支える取組みを全国に先駆けて行ってきました。この講演を行った豊中市社協の勝部麗子さんは地域力強化検討会のメンバーでもあり、今回の最終とりまとめにもこの実践がかなり参考にされていると思われます。また、多くの自治体において社会福祉協議会が策定する地域福祉活動計画と市町村の地域福祉計画とを連動させ、車の両輪のようにして地域づくりをすすめており、今後の地域づくりの参考になると感じました。そこで、3点お聞きします。

4-①杉並区社会福祉協議会では、小地域の活動が弱いように感じています。区は、社協に対して地域福祉活動計画の策定を促し、区の地域福祉計画を共 にすすめるパートナーに位置付けるべきではないかと考えます。区として社協に期待する役割について伺がいます

4-②ボランタリーな市民活動の最初の一歩支援や地域でサロンや居場所などを提供している活動を継続させる支援が今後ますます求められていくと考えます。行政ができない部分を地縁団体以外の区民も担うことで地域を元気にしていくための支援を検討すべきと考えますが、区の見解をお聞きします。

4-7つの地域区民センター協議会は、それぞれの地域にある地縁団体やNPOなどの市民活動団体との連携・協働を深めつつあると認識しています。地域づくりにおいては地域区民センター協議会が役割の一つを担うべきと考えますが、今、力を入れていることや課題となっていること、今後の課題について区の見解をお聞きします。

5.「地域福祉」とはそれぞれの地域において人々が安心して暮らせるよう、地域住民や公私の社会福祉関係者がお互いに協力して地域社会の福祉課題の解決に取り組む考え方であると全国社会福祉協議会では定義づけています。また、月刊福祉9月号の中で同志社大学の永田准教授は住民の主体的な課題解決の力を高め、地域と共に支援すること、地域で解決できない課題や地域が関わることが難しい課題は専門職がしっかり受け止める体制を作っていくことが「地域福祉」だと述べています。人々の暮らしは縦割りではありません。それぞれの「人」を取り巻く問題に対応していくことでその人のニーズが満たされ、どんな状況にあっても誰も社会から排除されない地域社会づくりが必要だと考えます。

少子高齢社会がますますすすみ、区民の行政への期待は増える一方かもしれませんが、限りある財政の中でなんでも行政にやれやれという時代ではなくなっているのも現実です。公・民間・市民セクターが互いの連携と協働により地域に点在する資源を面にすることで地域生活課題を解決したり、新たな機能を生み出すことにつなぎ、地域が活性化していく地域づくりが地域福祉計画だと私はとらえています。特に市民セクターである地域住民の地域づくりへの意識啓発、自分の地域は自分で考えつくっていくと言った住民自治が促進されるような区の支援も必要なのではないでしょうか。今回策定される地域福祉計画を進める中で、次の計画改定も見据えて、区全体、地域課所管の7圏域、中学校区に相当する20の地域包括支援センター、小学校区、そしてさらにご近所という、それぞれのレベルでの地域福祉戦略を地域住民をはじめ関係機関の参加のもとつくっていくことに着手すべきと考えます。

これまで、地域共生社会の実現に向けて、地域福祉計画のあり方や地域づくりなどについて質問してまいりました。最後に2点伺います。

5-①地域共生社会の実現は、ひとつ一つの事例を積み重ねながら実態を作っていくことが必要です。漠然としている上に画一的な形があるものではないため、より自分の暮らしに引き寄せたわかりやすいものであることが必要です。地域に即した戦略が必要ではないでしょうか。行政、地域包括、社協がスクラムを組み、地域住民、地縁団体、NPOなどの市民活動団体と連携しながら地域づくりをすることに対する区の見解をお聞ききします。

5-②最後に地域共生社会の実現に向けた区の意気込みを伺って、私の一般質問を終わります。                     

第1回定例会一般質問 2017.2.16 奥田 雅子

いのち・平和クラブの一員として

1.多様な生きものとともに暮らせるまちづくりについて

2.あまみずの貯留のしくみづくりについて

大きく2つのテーマで質問します。

 最初に、多様な生きものとともに暮らせるまちづくりについて伺います

最近、「ダイバーシティ」つまり「多様性」という言葉をよく耳にします。今回のタイトルの「多様ないきものとともに暮らせるまちづくり」は、「生物多様性のまちづくり」のことです。「生物多様性」の「きほんのき」について昨年、公益財団法人日本自然保護協会理事長の亀山章(かめやまあきら)さんから学ぶ機会がありました。

「生物多様性」は、1980年代に誕生した「バイオロジカル ダイバーシティ」あるいは「バイオダイバーシティ」の翻訳語として使われ、日本で広く知られるようになったのは1992年、リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議、いわゆる地球サミットにおいて気候変動枠組条約と共に生物多様性条約が締結されてからだと言われています。

生物の多様性には、「気候や林や草地、河川や池などといった地形、土壌などの環境に応じた生態系があること」と「それら生態系の中にいろいろな種類の生き物がいること」そして「同じ種類の生き物でも絶滅回避のために様々な個性、遺伝子があること」という3つのレベルがあるそうです。

人類は生物種の絶滅速度をここ数百年で1000倍に加速させていて、今何も対策をとらなければ今後多くの自然環境が失われていくというお話にはショックを受けました。そして、「これまで自然環境は脇に追いやられていたが、人間社会の基盤は自然環境であり、この自然環境の上に人間社会が成り立ち、その上に経済や文化が乗っている、というのがまともな認識である」とのことでした。これには私もまったく同感です。どんなに経済が発展し物質が豊かになったとしても壊れた自然環境では人間は生きにくく、また壊れた自然環境をもとに戻すのは不可能と考えるからです。そこで2点伺います。

①日々区政運営に取り組んでおられる田中区長に、「自然環境」に対する基本的なお考えをうかがいます.

②2点目、杉並区には、様々な切り口から「環境」をテーマに活動している多くの個人や団体の方たちがいらっしゃいます。環境団体として区に登録しているだけでも35団体あり、連絡会をつくり情報の共有や連携しながら活動されています。自発的な市民活動とも連携し、環境行政をさらにすすめていただきたいと考えますが、区の見解をお聞きします。

さて日本では生物多様性条約の締結の年1992年に「種の保存法」が制定され、「生物多様性」の時代が始まったと言われています。そして、2004年には「外来生物法」が、2008年に「生物多様性基本法」が制定されました。この年は、杉並区が「善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業」に取り組むきっかけとなった年です。当時、この事業は100年かけて実現させていくとして取組が始まったと聞いています。

そこで、「善福寺川『水鳥の住む水辺』創出事業(以下水鳥事業)」について5点伺います。

区が2008年にスタートさせた「水鳥事業」が今年で9年目を迎えています。今後、この事業は生物多様性の保全および持続可能な利用の観点から戦略を持って具体的に進めていくことが必要だという考えに立ち、質問いたします。

③1点目、「水鳥事業」がスタートした経緯をうかがいます。

④2点目として、「水鳥事業」は、これまでどのような取り組みがされてきたのか。また現時点での成果と課題をうかがいます。

⑤先月1月28日に行われた「第9回善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業シンポジウム」に参加しました。これまで毎年、回を重ねてこられた訳ですが、このシンポジウムの狙いは何か3点目として伺います。

今回のシンポジウムの中で今年1月に行なわれた水鳥一斉調査に277人の参加者があったと報告がありました。地域の人に、身近な環境に関心をもってもらうことは住民主体のまちづくりに必要なことですが、そのためには、まずは自分の地域を知る、興味を持つ観察や調査は欠かせません。先日、庁内の会議室で行われた「小中学生環境サミット発表会」では野鳥観察を行った学校が複数あり、また、トンボやモンシロチョウの育ち方の違い、さざんかにチャドクガがつくことの発見など、子どもたちが観察の結果を生き生きと発表する姿があったと聞きました。私は子育て時代、善福寺公園を庭代わりによく子どもを遊ばせたものでした。善福寺池でカワセミを最初に見た時は感動しましたが、ここにカワセミがいるということは、その餌になる生物がいることだと知り、ただカワセミがいるというだけでない自然の循環について気づくことができました。そういう目で見ると、実は様々な種類の動植物が存在していることがわかり、豊かな気持ちになるとともに街を見る目も変わりました。この経験からもっと多くの子どもたちや地域の人たちと環境に対する関心を共有したいと考え、善福寺池や周辺の生き物調査、川の水質調査などを地域活動の中で提案し、子どもたちもいっしょに調査活動を行ってきました。その活動では、植物や昆虫、野鳥などに詳しい専門家の存在やわかりやすい資料、使いやすい道具などが活動の質を深め、子どもたちの興味や関心を引き出すなど、効果的に作用することを実感しました。

そこで4点目の質問です。

⑥このように地域や学校などで区民が植物や生き物などを十分に観察できる環境を整

えていくことが大事だと考えますが区の考えをうかがいます。

⑦「水鳥事業」についての5点目最後の質問です。

「善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業シンポジウム」は次回で第10回を迎えます。これまでのシンポジウム事業を市民とともに総括し、次の10年、20年の目標を市民とともに描き、共有して取り組むことが大事だと考えます。そのため今後はシンポジウムという形式にとらわれず、たとえば、区民・区・学識経験者などで、どのような事業を展開することが善福寺川流域や区内の野鳥たちのためになるのかというビジョンと、そこに至るロードマップをワークショップ形式で話し合い、区民全体が共有できる方向を作り出していくことが必要と考えますが、区の見解を伺います。

 

ところで、2008年に制定された生物多様性基本法の第13条では、市区町村が区域内の生物の多様性の保全および持続可能な利用に関する基本的な計画である「生物多様性地域戦略」を定めるよう努めければならないとしています。この「生物多様性地域戦略」ですが、都内でこれを策定している自治体は2015年3月31日現在、千代田区、港区、目黒区、葛飾区、大田区、豊島区、府中市、羽村市、あきる野市、稲城市、町田市の6区・5市となっています。私は、いま述べてきた「水鳥事業」は、言ってみれば、杉並区における生物多様性地域戦略の1つのモデルになるのではないかと考えます。

そこで生物多様性地域戦略について2点伺います。

⑧東京都でも生物多様性基本戦略をつくり、都立公園の生物多様性保全管理計画をワー

クショップ方式などの市民参加で策定し、整備工事を行うことになっています。杉並

区では都立和田堀公園、善福寺公園が該当しており、和田堀公園については現在工事

がはじまったところです。この工事はどのような工事なのか。また、区としてこの工

事をどのように捉えておられるのか伺います。

⑨善福寺公園については2022年から2年かけて生物多様性保全管理計画がつくられる

予定と聞いています。和田堀公園、善福寺公園の生物多様性保全整備工事がおこなわ

れるのをとらえ、「水鳥事業」に取り組む杉並区としても都と連携して生物多様性の地域づくりに取り組むことが必要であると考えます。善福寺公園でみんなの夢水路づくりに取り組む杉並区としても生物多様性地域戦略を策定して具体的な取り組みを進めていくべきと考えますがいかが、お聞きします。

次に2つ目のテーマ「あまみずを貯留するしくみづくり」について4点質問いたします。

あまみずを取り巻く時代の状況としては、2014年4月「あまみずの利用の推進に関する法律」いわゆる「あまみず法」の施行により大きく変化し、「あまみず活用時代」が本格化すると言われました。今回、私はひらがなで「あまみず」といたしました。雨の水を「うすい」と読む場合、下水道法や建築基準法、都市計画法によると「きたない水と書く汚水・廃棄する水と書く廃水-つまり汚水と排水と共に速やかに排除するもの」となっています。一方、あまみず法ではあえて「あまみず」と読ませ、あまみずを天の恵みととらえあまみずの貯留および水洗トイレや散水などの利用を推進するものとして「うすい」とは区別しています。水資源の有効利用を図るとともに河川等への集中的な流出を抑制するという観点から今回の質問も「あまみず」とし、あまみずの貯留に焦点を当てて質問いたします。

現在、東京都は時間降雨50ミリ対策として莫大なお金と膨大な時間をかけて、1年間に100m完成させていく河川改修工事を善福寺川で行っています。このようにコンクリートなどで整備するのを「グレーインフラ」と呼ぶのに対し、「自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりをすすめるもの」と定義し、水とみどりと生き物をキーワードとした「グリーンインフラ」という概念があります。2015年には「グリーンインフラ」という概念が国の施策となりましたが、まだ広く知られてはいないのが現状です。

さて2005年、杉並区を襲ったゲリラ豪雨により、2,000世帯以上の家屋が浸水被害を受けました。それ以降も、豪雨による河川の氾濫が起きています。地球上の水は海や空、陸をゆっくり循環していますが、都市化によって地面はコンクリートで覆われ、降った雨のほとんどが下水管に入り、あっという間に河川に排水され、本来の水循環を壊してしまっているのが原因です。

そこで1点目の質問です。

  • 杉並区も治水を目的とした取り組みを推進してこられたと思いますが、これまでに区が取組んできたあまみずを貯める施策にはどのようなものがあり、これまでどのくらいの量のあまみずを貯める機能をつくってきたのかお聞きします。

いま、都市型洪水を防ぐのに日本建築学会が提唱している「蓄雨」が注目されています。蓄積の蓄に雨と書いて「蓄雨」です。都市型洪水を解決するためには、まちに雨をとどめるしくみである「蓄雨」が必要です。この「蓄雨」には、災害時の生活用水確保の「防災蓄雨」、洪水を和らげるための「治水蓄雨」、自然な水循環をすすめ、ヒートアイランド対策にもなる「環境蓄雨」、日常的に生活用水に使う「利水蓄雨」の4つ視点で、これらを組み合わせて雨を蓄えると大きな効果を発揮するとされています。

あまみずの民間の貯留については、23区内であまみずタンク設置に助成している自治体は区部で13区、市部では14市あります。なかでも注目するのは世田谷区で、あまみずタンクの助成のほかに、今年度から湧水保全重点地区及び豪雨対策モデル地区には雨水(うすい)浸透ますの満額助成を始めたと聞いています。時間降雨100ミリ対策としてグリーンインフラで「世田谷ダム」をつくる構想だそうです。

また、雨が降ると、善福寺川の護岸に開いている2か所の吐き口(はきぐち)から武蔵野市側の汚水交じりのあまみずが流入します。区長から武蔵野市に要望していただいたこともあり、武蔵野市はあまみず貯留槽を市内4か所に設置し、雨天時に杉並区側に流れ込む回数を半減させました。加えて「あまみず利活用条例」を制定し、建物の新築や増改築の際、「あまみず排水計画」を事前に市へ届け出ることが義務化されました。また、雨水(うすい)浸透ます、あまみずタンクへの助成を始め、ほかにも、「水の学校」という市民が、水を汚さない、無駄にしない、あまみずを貯める、浸透させるなど水のことを繰り返し学ぶしくみをつくっています。さらに、現在下水管の増補管埋設計画があることも聞いています。善福寺川の護岸に開いている穴は全部で68か所。そのうちの2か所が武蔵野市からの吐き口、残り66か所が杉並区のあまみずが流出する吐き口です。

②それを考えると、杉並区としても「治水蓄雨」を善福寺川上流域に限定して導入する

など「蓄雨」を推し進めていくことが重要だと考えますが区の考えを伺います。

3点目、

③杉並区は2006年から3年間、あまみずタンクの設置助成を大小合わせて63台に行いましたが、この助成は今はありません。助成をなくした理由について伺います。
最後の質問です。

④杉並区が2013年に改定した環境基本計画の基本目標Ⅲ、「自然環境が保全され様々な生き物が生息できるまちをつくる」の「自然生態系の保全」の項で、区民、事業者の環境配慮行動指針として、「あまみずの活用を心がけます」とあります。あまみず活用を心がけるにはあまみずを貯めなければなりません。あまみずタンク助成がなくなり、区内でのタンクの普及については把握しにくい状況ではありますが、街に雨をとどめる「蓄雨」をすすめる方法としてあまみずタンクの設置は個人レベルで比較的簡単にできる有効策だと考えます。改めて区民や事業者があまみずを貯めて使う、活用する意識を喚起するための情報発信や区民や事業者の実践行動を後押しすることが区の責務だと考えますが区の見解を伺います

これまで生き物やあまみずとともにある暮らしを提案したい思いから質問してまいりました。環境問題は暮らし方の問題でもあることを私たち一人ひとりが気づき実践することが大事であり、区としても様々な部署が意識的に取り組んでほしいと思います。来年度は環境基本計画改定の年と聞いています。現在の基本計画の「はじめに」で区長はこう書いておられます。

“地域で安心して生活できるように、地球温暖化対策の推進、生物多様性の保全、資源の循環利用などの取組みや環境共生型の地域づくりが必要です。そのためには、環境について自ら考え、行動する人を育てる環境教育も重要である。そして環境問題への取組みは区民のみなさんをはじめ事業者やNPOなど多様な関係者と共に持続可能な環境住宅都市の実現に取り組みます。”と。

この姿勢をぜひ次の改定にも引き継いでいただくことをお願いし、また自然環境を活かしたまちづくりをすすめる取組みに私たちもともに尽力していくことを申しあげ、私の一般質問を終わります。