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第1回定例会一般質問 2017.2.16 奥田 雅子

いのち・平和クラブの一員として

1.多様な生きものとともに暮らせるまちづくりについて

2.あまみずの貯留のしくみづくりについて

大きく2つのテーマで質問します。

 最初に、多様な生きものとともに暮らせるまちづくりについて伺います

最近、「ダイバーシティ」つまり「多様性」という言葉をよく耳にします。今回のタイトルの「多様ないきものとともに暮らせるまちづくり」は、「生物多様性のまちづくり」のことです。「生物多様性」の「きほんのき」について昨年、公益財団法人日本自然保護協会理事長の亀山章(かめやまあきら)さんから学ぶ機会がありました。

「生物多様性」は、1980年代に誕生した「バイオロジカル ダイバーシティ」あるいは「バイオダイバーシティ」の翻訳語として使われ、日本で広く知られるようになったのは1992年、リオデジャネイロで開催された国連環境開発会議、いわゆる地球サミットにおいて気候変動枠組条約と共に生物多様性条約が締結されてからだと言われています。

生物の多様性には、「気候や林や草地、河川や池などといった地形、土壌などの環境に応じた生態系があること」と「それら生態系の中にいろいろな種類の生き物がいること」そして「同じ種類の生き物でも絶滅回避のために様々な個性、遺伝子があること」という3つのレベルがあるそうです。

人類は生物種の絶滅速度をここ数百年で1000倍に加速させていて、今何も対策をとらなければ今後多くの自然環境が失われていくというお話にはショックを受けました。そして、「これまで自然環境は脇に追いやられていたが、人間社会の基盤は自然環境であり、この自然環境の上に人間社会が成り立ち、その上に経済や文化が乗っている、というのがまともな認識である」とのことでした。これには私もまったく同感です。どんなに経済が発展し物質が豊かになったとしても壊れた自然環境では人間は生きにくく、また壊れた自然環境をもとに戻すのは不可能と考えるからです。そこで2点伺います。

①日々区政運営に取り組んでおられる田中区長に、「自然環境」に対する基本的なお考えをうかがいます.

②2点目、杉並区には、様々な切り口から「環境」をテーマに活動している多くの個人や団体の方たちがいらっしゃいます。環境団体として区に登録しているだけでも35団体あり、連絡会をつくり情報の共有や連携しながら活動されています。自発的な市民活動とも連携し、環境行政をさらにすすめていただきたいと考えますが、区の見解をお聞きします。

さて日本では生物多様性条約の締結の年1992年に「種の保存法」が制定され、「生物多様性」の時代が始まったと言われています。そして、2004年には「外来生物法」が、2008年に「生物多様性基本法」が制定されました。この年は、杉並区が「善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業」に取り組むきっかけとなった年です。当時、この事業は100年かけて実現させていくとして取組が始まったと聞いています。

そこで、「善福寺川『水鳥の住む水辺』創出事業(以下水鳥事業)」について5点伺います。

区が2008年にスタートさせた「水鳥事業」が今年で9年目を迎えています。今後、この事業は生物多様性の保全および持続可能な利用の観点から戦略を持って具体的に進めていくことが必要だという考えに立ち、質問いたします。

③1点目、「水鳥事業」がスタートした経緯をうかがいます。

④2点目として、「水鳥事業」は、これまでどのような取り組みがされてきたのか。また現時点での成果と課題をうかがいます。

⑤先月1月28日に行われた「第9回善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業シンポジウム」に参加しました。これまで毎年、回を重ねてこられた訳ですが、このシンポジウムの狙いは何か3点目として伺います。

今回のシンポジウムの中で今年1月に行なわれた水鳥一斉調査に277人の参加者があったと報告がありました。地域の人に、身近な環境に関心をもってもらうことは住民主体のまちづくりに必要なことですが、そのためには、まずは自分の地域を知る、興味を持つ観察や調査は欠かせません。先日、庁内の会議室で行われた「小中学生環境サミット発表会」では野鳥観察を行った学校が複数あり、また、トンボやモンシロチョウの育ち方の違い、さざんかにチャドクガがつくことの発見など、子どもたちが観察の結果を生き生きと発表する姿があったと聞きました。私は子育て時代、善福寺公園を庭代わりによく子どもを遊ばせたものでした。善福寺池でカワセミを最初に見た時は感動しましたが、ここにカワセミがいるということは、その餌になる生物がいることだと知り、ただカワセミがいるというだけでない自然の循環について気づくことができました。そういう目で見ると、実は様々な種類の動植物が存在していることがわかり、豊かな気持ちになるとともに街を見る目も変わりました。この経験からもっと多くの子どもたちや地域の人たちと環境に対する関心を共有したいと考え、善福寺池や周辺の生き物調査、川の水質調査などを地域活動の中で提案し、子どもたちもいっしょに調査活動を行ってきました。その活動では、植物や昆虫、野鳥などに詳しい専門家の存在やわかりやすい資料、使いやすい道具などが活動の質を深め、子どもたちの興味や関心を引き出すなど、効果的に作用することを実感しました。

そこで4点目の質問です。

⑥このように地域や学校などで区民が植物や生き物などを十分に観察できる環境を整

えていくことが大事だと考えますが区の考えをうかがいます。

⑦「水鳥事業」についての5点目最後の質問です。

「善福寺川『水鳥の棲む水辺』創出事業シンポジウム」は次回で第10回を迎えます。これまでのシンポジウム事業を市民とともに総括し、次の10年、20年の目標を市民とともに描き、共有して取り組むことが大事だと考えます。そのため今後はシンポジウムという形式にとらわれず、たとえば、区民・区・学識経験者などで、どのような事業を展開することが善福寺川流域や区内の野鳥たちのためになるのかというビジョンと、そこに至るロードマップをワークショップ形式で話し合い、区民全体が共有できる方向を作り出していくことが必要と考えますが、区の見解を伺います。

 

ところで、2008年に制定された生物多様性基本法の第13条では、市区町村が区域内の生物の多様性の保全および持続可能な利用に関する基本的な計画である「生物多様性地域戦略」を定めるよう努めければならないとしています。この「生物多様性地域戦略」ですが、都内でこれを策定している自治体は2015年3月31日現在、千代田区、港区、目黒区、葛飾区、大田区、豊島区、府中市、羽村市、あきる野市、稲城市、町田市の6区・5市となっています。私は、いま述べてきた「水鳥事業」は、言ってみれば、杉並区における生物多様性地域戦略の1つのモデルになるのではないかと考えます。

そこで生物多様性地域戦略について2点伺います。

⑧東京都でも生物多様性基本戦略をつくり、都立公園の生物多様性保全管理計画をワー

クショップ方式などの市民参加で策定し、整備工事を行うことになっています。杉並

区では都立和田堀公園、善福寺公園が該当しており、和田堀公園については現在工事

がはじまったところです。この工事はどのような工事なのか。また、区としてこの工

事をどのように捉えておられるのか伺います。

⑨善福寺公園については2022年から2年かけて生物多様性保全管理計画がつくられる

予定と聞いています。和田堀公園、善福寺公園の生物多様性保全整備工事がおこなわ

れるのをとらえ、「水鳥事業」に取り組む杉並区としても都と連携して生物多様性の地域づくりに取り組むことが必要であると考えます。善福寺公園でみんなの夢水路づくりに取り組む杉並区としても生物多様性地域戦略を策定して具体的な取り組みを進めていくべきと考えますがいかが、お聞きします。

次に2つ目のテーマ「あまみずを貯留するしくみづくり」について4点質問いたします。

あまみずを取り巻く時代の状況としては、2014年4月「あまみずの利用の推進に関する法律」いわゆる「あまみず法」の施行により大きく変化し、「あまみず活用時代」が本格化すると言われました。今回、私はひらがなで「あまみず」といたしました。雨の水を「うすい」と読む場合、下水道法や建築基準法、都市計画法によると「きたない水と書く汚水・廃棄する水と書く廃水-つまり汚水と排水と共に速やかに排除するもの」となっています。一方、あまみず法ではあえて「あまみず」と読ませ、あまみずを天の恵みととらえあまみずの貯留および水洗トイレや散水などの利用を推進するものとして「うすい」とは区別しています。水資源の有効利用を図るとともに河川等への集中的な流出を抑制するという観点から今回の質問も「あまみず」とし、あまみずの貯留に焦点を当てて質問いたします。

現在、東京都は時間降雨50ミリ対策として莫大なお金と膨大な時間をかけて、1年間に100m完成させていく河川改修工事を善福寺川で行っています。このようにコンクリートなどで整備するのを「グレーインフラ」と呼ぶのに対し、「自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土づくりや地域づくりをすすめるもの」と定義し、水とみどりと生き物をキーワードとした「グリーンインフラ」という概念があります。2015年には「グリーンインフラ」という概念が国の施策となりましたが、まだ広く知られてはいないのが現状です。

さて2005年、杉並区を襲ったゲリラ豪雨により、2,000世帯以上の家屋が浸水被害を受けました。それ以降も、豪雨による河川の氾濫が起きています。地球上の水は海や空、陸をゆっくり循環していますが、都市化によって地面はコンクリートで覆われ、降った雨のほとんどが下水管に入り、あっという間に河川に排水され、本来の水循環を壊してしまっているのが原因です。

そこで1点目の質問です。

  • 杉並区も治水を目的とした取り組みを推進してこられたと思いますが、これまでに区が取組んできたあまみずを貯める施策にはどのようなものがあり、これまでどのくらいの量のあまみずを貯める機能をつくってきたのかお聞きします。

いま、都市型洪水を防ぐのに日本建築学会が提唱している「蓄雨」が注目されています。蓄積の蓄に雨と書いて「蓄雨」です。都市型洪水を解決するためには、まちに雨をとどめるしくみである「蓄雨」が必要です。この「蓄雨」には、災害時の生活用水確保の「防災蓄雨」、洪水を和らげるための「治水蓄雨」、自然な水循環をすすめ、ヒートアイランド対策にもなる「環境蓄雨」、日常的に生活用水に使う「利水蓄雨」の4つ視点で、これらを組み合わせて雨を蓄えると大きな効果を発揮するとされています。

あまみずの民間の貯留については、23区内であまみずタンク設置に助成している自治体は区部で13区、市部では14市あります。なかでも注目するのは世田谷区で、あまみずタンクの助成のほかに、今年度から湧水保全重点地区及び豪雨対策モデル地区には雨水(うすい)浸透ますの満額助成を始めたと聞いています。時間降雨100ミリ対策としてグリーンインフラで「世田谷ダム」をつくる構想だそうです。

また、雨が降ると、善福寺川の護岸に開いている2か所の吐き口(はきぐち)から武蔵野市側の汚水交じりのあまみずが流入します。区長から武蔵野市に要望していただいたこともあり、武蔵野市はあまみず貯留槽を市内4か所に設置し、雨天時に杉並区側に流れ込む回数を半減させました。加えて「あまみず利活用条例」を制定し、建物の新築や増改築の際、「あまみず排水計画」を事前に市へ届け出ることが義務化されました。また、雨水(うすい)浸透ます、あまみずタンクへの助成を始め、ほかにも、「水の学校」という市民が、水を汚さない、無駄にしない、あまみずを貯める、浸透させるなど水のことを繰り返し学ぶしくみをつくっています。さらに、現在下水管の増補管埋設計画があることも聞いています。善福寺川の護岸に開いている穴は全部で68か所。そのうちの2か所が武蔵野市からの吐き口、残り66か所が杉並区のあまみずが流出する吐き口です。

②それを考えると、杉並区としても「治水蓄雨」を善福寺川上流域に限定して導入する

など「蓄雨」を推し進めていくことが重要だと考えますが区の考えを伺います。

3点目、

③杉並区は2006年から3年間、あまみずタンクの設置助成を大小合わせて63台に行いましたが、この助成は今はありません。助成をなくした理由について伺います。
最後の質問です。

④杉並区が2013年に改定した環境基本計画の基本目標Ⅲ、「自然環境が保全され様々な生き物が生息できるまちをつくる」の「自然生態系の保全」の項で、区民、事業者の環境配慮行動指針として、「あまみずの活用を心がけます」とあります。あまみず活用を心がけるにはあまみずを貯めなければなりません。あまみずタンク助成がなくなり、区内でのタンクの普及については把握しにくい状況ではありますが、街に雨をとどめる「蓄雨」をすすめる方法としてあまみずタンクの設置は個人レベルで比較的簡単にできる有効策だと考えます。改めて区民や事業者があまみずを貯めて使う、活用する意識を喚起するための情報発信や区民や事業者の実践行動を後押しすることが区の責務だと考えますが区の見解を伺います

これまで生き物やあまみずとともにある暮らしを提案したい思いから質問してまいりました。環境問題は暮らし方の問題でもあることを私たち一人ひとりが気づき実践することが大事であり、区としても様々な部署が意識的に取り組んでほしいと思います。来年度は環境基本計画改定の年と聞いています。現在の基本計画の「はじめに」で区長はこう書いておられます。

“地域で安心して生活できるように、地球温暖化対策の推進、生物多様性の保全、資源の循環利用などの取組みや環境共生型の地域づくりが必要です。そのためには、環境について自ら考え、行動する人を育てる環境教育も重要である。そして環境問題への取組みは区民のみなさんをはじめ事業者やNPOなど多様な関係者と共に持続可能な環境住宅都市の実現に取り組みます。”と。

この姿勢をぜひ次の改定にも引き継いでいただくことをお願いし、また自然環境を活かしたまちづくりをすすめる取組みに私たちもともに尽力していくことを申しあげ、私の一般質問を終わります。

第1回定例会代表質問 2017.2.14そね文子

いのち平和クラブを代表して「平成29年度予算の編成方針とその概要」及び区政の諸課題について質問いたします。

安倍政権は安保関連法制の元、自衛隊を南スーダンに派遣させましたが、そこで大規模な戦闘が起きていたことが問題となっています。これまで何度となく議論されるたびに廃案になってきた共謀罪がテロ等準備罪と名前を変えて国会で審議されようとしています。戦前の治安維持法の復活とされ、個人の思想の自由を奪い監視社会をつくる法案を通すことはあってはならないと考えます。福島第一原発の事故を受け避難区域とされていたところが次々と解除され、年間被ばく限度が1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに緩められたまま帰還が進められ、自主避難者の住宅保障は今年度で打ち切られようとしています。原発事故を無かったことのようにし、原発再稼働を次々と進めることは許されません。沖縄県の辺野古では県民の意思を無視し、米軍の新基地建設が強硬に進められており、反対行動に対し重大な人権侵害が起きています。このような安倍政権の2017年度予算は、防衛関係費が大幅に増額され過去最大の5兆1千億円を超え、社会保障を削減するものとなりました。

社会保障費は3年間で自然増を1.5兆円圧縮する方針が出され2017年度は5000億円の枠内に収められました。高額療養費は一定以上の収入のある70 歳以上の負担額を引き上げ、後期高齢者医療の保険料では、低所得者や扶養家族の保険料の「軽減特例」が見直されました。年金はマイナス改定になる一方で、医療・介護により負担増で高齢者の生活が圧迫されます。喫緊の課題である介護人材の処遇改善は、経験、資格、評価に応じて月額1万円相当引き上げるとしているが、介護職員の月額賃金は他の産業より約10万円も低く実効性のある改善には程遠いものです。

このような国の動向に、暮らしと福祉を守る自治体の役割がさらに重要となっています。杉並区の2017年度の予算がこうした課題に応えるものとなっているかを検討しました。

(1)まずは、新年度の予算編成方針とその概要について、これまでの総括と環境の変化について質問します。

  • 冒頭、10年ビジョンの折り返しの年にあたり、この間の取り組みの一定の成果と、前例のない取り組を困難な壁に直面しながら進めてきたことが率直に語られています。区長のこれまでの総括についてお聞きします。
  • 昨年を振り返り、4月の熊本地震を始め大規模災害が連続しておきた年に、過去の災害からの教訓を十分に生かしながら、減災・防災対策を加速する決意が語られています。区長は、11東北大地震と福島第1原発事故に際し、直ちに南相馬市にかけつけて以来、南相馬市への支援とともに、3.11を忘れない集会を毎年行ってきました。今年はどのような企画を準備しているか確認します。昨年は、宮城県の保育園で子どもたちを守り抜いた園長先生をお招きして貴重な体験をうかがい、多くを学びました。ところが参加者が少なくとても残念で、後で地元の方たちに聞くと、集会を知らなかったことがわかりました。町会や防災団体を通じて周知するよう求めますがいかがでしょうか。
  • 小池都政の誕生は、区政にも少なからぬ影響を与えています。都民ファーストを掲げた小池都政の予算方針に対する区長の評価と、区に与える影響についてお聞きします。特に待機児童解消など子育て環境の充実において、都の予算では、前年度比417億円アップの1,630億円となっているが、区に対する効果はどうか。今後待機児童対策にはどのようなことが期待できるか区長の見解を求めます。
  • 2月1日付朝日新聞で「小池都政が地方と向き合う視点に欠ける」という区長コメントが報道されていましたが、その真意は何だったのでしょうか。うかがいます。

阿佐ヶ谷のまちづくりについてお聞きします。

  • 昨年これまで進めてきた杉並第1小学校の現在地建替え計画に対して、病院の移転建て替え計画が発表され、病院跡地での杉並第1小学校の改築が可能となる見通しが出てきました。これまでの計画で、杉1の早期建替えを期待してきた保護者からは、建て替えが遅れることから異論も出ていると聞きます。今後の阿佐谷地域の子どもの教育環境を第1で検討されてきたことと思われますが、その観点も含め、この機会を生かすことで、阿佐ヶ谷地域の将来のまちづくり像を地域住民と共有し、新たな計画を進めることができるのか、検討の状況や計画の特徴などをお示しください。

次に人口動態などについてお聞きします。

  • 東京都と杉並区の人口増加、未就学児童の増加、女性の就業率のアップ、高齢者の長寿命化について実績が示されています。今後5年、10年先のそれぞれの傾向についてお聞きします。「時代の変化に対応する」「時代の先を見据えた」予算と強調しています。10年前と比べてどのような点が大きく変化していると認識しているのか。
  • また「時代の先を見据えて」10年先はどのような点が大きく変化すると見越したのかお示しください。

次に保育園待機児童対策について質問します。

  • 10年前と比べ大きく変化した点の一つが保育園待機児童とその対策です。4月を前に認可保育園19園を含む2000人を超える定員の確保をめざし、保育園建設は着実に進められてきたと認識しています。その結果4月の待機児童解消の見通しはどうなったか確認します。保育士の確保が心配されてきましたが新設園の保育士の配置の達成状況をお聞きします。
  • 昨年、1次申し込みで認可園を希望した数が約3800人、実際に入園できたのは2000人弱でした。昨年5月の待機児童解消緊急プランの柱に認可保育所を据えたのは、画期的な取り組みでした。新年度予算でも基本的に、認可保育園の増設を計画していますがその数と予定定員数をお聞きします。
  • 昨年4月の緊急プランは、100人規模の認可保育園で対応するために、用地の確保が最優先であったことから区有地を活用する他はありませんでした。公園を利用した地域で、子どもたちの遊び場がどのようになっているか、特に向井公園と久我山東原公園の現状について、そこで遊んできた子どもたちは工事中どのようにしていたのか、お聞きします。公園使用は代替地の確保が条件でしたが、今それはどのように対応されているのか、また今後の方策をどのようにたてているのかお示しください。
  • 待機児の解消は自治体独自で進めるには限界があり、国や都の支援が必要と述べています。今年度で国や都が新たに立てた支援策はどのようなものか。また、現在の課題は何かうかがいます。国、都に対し具体的にどのような財政支援を求め、制度はどのように見直すべきと考えるのかお聞きします。
  • 2005年の保育サービスのあり方検討部会報告に基づき2006年以降10年間で区立保育園10か所が建替えに伴い民営化が進められてきました。今後新たな保育サービスのあり方、方針が必要だと考えますが、区の見解を確認します。小泉政権の三位一体改革により2004年度から公立分のみ国や都道府県負担が一般財源化され、その結果、区負担が全額となった経過があります。現在は認可保育所の、民設・民営であれば国や都から事業者に対し建設費用や運営費の補助金がでており、区の持ち出しは建設費用の1/16となっていますが、区が直営で建替える場合には補助金がでないため、一般財源で賄わなければなりません。そのため、建替えに伴う民営化は財政的な面からも一定、避けて通れない状況にありますが、そのことが周知されていません。区民の理解を得るためにこの点は明確に伝えるべきと思いますが、区の見解をうかがいます。
  • しかし、今後増え続ける民営保育園の保育の質を担保するためには、直営園を維持し続けその経験と質を継承していく体制も必要と考えます。区の見解と保育の質を担保するための体制についてお聞きします。
  • 認可保育園をはじめ4月に開設する保育園や、今後杉並区におけるすべての保育施設の保育の質を担保するための考え方を明文化した「保育の質ガイドライン」を策定し、それに基づく保育園整備をすすめることが必要と考えます。区の見解を求めます
  • 保育に関わる経費の増大に伴い、保育料見直しが打ち出されていますが、その方向性について。また低所得者対策についてもお聞きします。
  • 保育園の需要の高まりは、卒園後の学童クラブの需要の急増につながる状況が顕著になっています。今年の4月に地域によっては、3年生になる子どもが学童に入れず困っているとの声が寄せられています。区は「地域によっては待機児童が出ているが全体は充足している」と答えていますが、この状況では、18年、19年の4月には、全地域の学童クラブに拡大するおそれがあります。現状と区の見通しを確認します。
  • 昨年11月の第1次実施プラン改定では、「学童クラブは学校を基本とし…、小学生の放課後等の居場所の機能を移転した児童館施設や、学童クラブとして活用可能なスペースが小学校に近接する場合はこれらを活用する」となっています。今年の4月に向けた対策とともに、早急に抜本的取り組みを求めますがいかがでしょうか。
  • 成田西児童館が30年度から子ども・子育てプラザになる計画は、そこで行われていた学童クラブが杉2小に移動し、児童館を居場所としていた子どもたちも杉2小内での放課後等居場所事業を利用するとされています。この居場所事業が十分に機能しなければ成田西児童館で遊んでいた子どもたちは居場所が減ることになります。これまでの放課後等居場所事業のモデル実施の取り組みはどうだったのか、児童館の機能を拡充すると言える内容になるのか、今後の見通しはどうかうかがいます。

(3)次にもう一つの大きな変化、急速な高齢化とその備えについてお聞きします。

  • 2025年には団塊の世代が後期高齢者になり、高齢者人口がピークになる時期が近付いています。「先手を打って課題にチャレンジしていく」姿勢とありますが、急激なこの高齢化の変化に対応してくためには、どのような改革、対策が必要と考えるかお示しください。

日本老年学会、日本老年医学会から「高齢者の定義を75歳以上に見直す」という提案がなされました。確かに、個人差もありますが大半が元気で、仕事についている方も少なくありません。しかし、この新たな定義が、年金支給年齢の引き上げや若い世代の年金未納など年金制度そのものの崩壊をもたらすのではないかと危惧します。また、65歳から75歳までの医療費の削減や介護保険の利用や施設入所を狭める口実になることも懸念されます。そこで年金制度をめぐる国の今後の動向について、区の認識と見解を求めます。

  • この間のもう一つの大きな変化は、所得格差の拡大であり貧困問題です。この点での区長の見解を求めます。地域が抱える課題は、保育園や子どもの安全な居場所問題、高齢者対策に加え、所得格差により子どもから若者、高齢者までより複雑で重層的なものとなっています。きめ細かい支援を行うには、福祉事務所、子ども家庭センター、教育委員会、ケア24、社会福祉協議会やくらしのサポートステーションなどが連携してあたることが必要になっています。世田谷区では、区民センター・地域包括支援センター・社会福祉協議会が地域単位で同じ施設に入り、ワンストップサービスの窓口を開設しています。杉並区においても複雑で重層的な課題に対応するため、7地域にワンストップサービスの窓口を設置してはどうかと考えますが見解を伺います。

(4)ここからは、時代の変化を見据えて、10年ビジョンの加速化を図るために用いたという、5つの視点に沿って伺っていきます。

  • まず、1つ目の視点「首都直下地震等に備えた減災・防災対策の推進」についてです。毎年東京都がおもに職員を対象に行っている都市復興訓練が今年度は杉並区梅里・成田東で実施されましたが、どのような訓練が行われ、区の施策にどのように活かされたのか、あるいは活かしていこうとしているのかお聞きします。
  • 昨年末の糸魚川市の火災は、発生から鎮火まで約30時間もかかり、約4万平方メートル、建物147棟が消失するという大変規模の大きなものでした。同じく木密地域の問題がある杉並区として、今回のこの災害から具体的にどのような教訓を得られたのでしょうか? 木密地域の不燃化が急務であるということですが、そのためには何が必要か、課題はどのようなところにあるのか、区の認識をお聞きします。
  • また狭あい道路解消も急務です。「支障物件の除却に向けた取組を着実にすすめる」とありますが、これまでに住民の理解・協力を得られているのでしょうか? また重点整備路線の整備は時期的な目途が立つものなのか区の考えを伺います。
  • 不燃化や拡幅整備に必要なのは地域住民の理解と協力であり、そのために区民の防災意識の向上が必要だと考えます。昨年5月に実施された「区民意向調査」によると、「震災救援所など町会・自治会の訓練」に参加したのは9%で、約7割の方が何にも「参加していない」と答えています。これまでとはちがった方法での防災訓練の周知が必要だと考えますが区の見解を伺います。

 

(5)次に第2の視点「将来にわたるにぎわいの創出に向けた環境整備と魅力発信について」お聞きします。

  • 「広報すぎなみ」の刷新が打ち出されています。デザイン、レイアウトの工夫は、それなりの専門的な能力や新しい感覚が必要となりますが。どのような方法、どのような力を投入する考えかお聞きします。
  • 外国人観光客を含めた来街者に対しては、SNS活用を含め今後どのような情報発信をしようと考えているか伺います。
  • 東京オリンピックに対しては、大きな期待が寄せられている反面、2020年に向けた工事が、福島復興への資材や人材不足をまねいているとの厳しい批判も出ています。またオリンピック関連建築の膨大な建築費の付けが都民に回されることも危惧されます。小池都知事への評価には天井知らずの五輪予算縮小への都民の期待があると思います。5輪の準備にかける予算はできるだけコンパクトにすべきと思いますが区の見解を求めます。

商店街の活性化についても伺います。

  • 「新・元気を出せ!商店街事業」の拡充は、具体的にどのような工夫がされているのでしょうか。
  • 商店街は、浜田山でもこれまで長年親しまれてきたお店が、後継者がいないため昨年閉店となるなど、にぎわっている商店街でも地元の商店がなくなり、チェーン展開している飲食店などに変わっていく流れが止まりません。その原因の第1が後継者問題です。この点での区の認識と対策をお聞きします。
  • 第2が区内の繁華街の店舗の家賃の高さです。その一方で若い世代が新たに起業する飲食店、介護保険事業、美容院、健康関連事業などのお店も増えています。このような若い起業家を支援する施策、家賃の高い杉並で家賃助成があれば、にぎわいのある杉並で起業しようという意欲を引き出せると考えますが区の対策をうかがいます。

(6)次に第3の視点、「豊かなみどりと持続可能な環境を次世代に継承」について伺います

  • 福島原発で生み出される電気の消費地であった東京は、原発事故を忘れず継続して省エネに取り組むよう、啓発活動を引き続き行っていくべきと考えますが、区の見解と具体的な取り組みを伺います。
  • 再生可能エネルギーを生み出す取り組みとしては、震災救援所に太陽光発電と蓄電池をできる限り設置してきたことを高く評価しています。区民への太陽光発電機器設置助成などは引き続き行っていくべきと考えますが、区の見解をうかがいます。
  • 区立施設の電力に、原発に頼らない新電力(PPS)からの購入を求め、これまでの実績は2億6年万円の削減を実現しています。新年度新たな拡大の予定があればお聞きします。その実績はどの程度見こまれているのか。国は今後廃炉費用の負担を新電力の電力料金にも上乗せする方向ですが、そうなれば影響はどのようなるとに想定しているかお聞きします。
  • 2016年11月4日に「パリ協定」が発効しました。日本はこれに遅れをとり8日に批准しましたが、パリ協定の第一回締約国会議には議決権のないオブザーバー参加となったことは残念です。日本は2030年までに温室効果ガスを13年度比で26%削減する目標を、東京都はそれを上回る30%削減の目標を立てています。杉並区でも国や都の動きを見つつ新たな目標を立てるということでしたが、その進捗状況はどうなっているか、東京都と並ぶ高い目標を設定し取り組んでほしいと考えますが、区の見解を伺います。
  • 建物の省エネ化を進めることは、省エネを推進するうえ大変重要と考えます。杉並区ではこれまでも市民団体と協働で省エネ相談を実施し、市民向けの講演会を開催するなど省エネ建築の啓発に努めてきていると認識しています。2020年には住宅を新築する際には新しい省エネ基準に適合させることが義務化されます。既存住宅を省エネ住宅にリフォームしていくことも重要で、現在は国での助成も行われていますが、区として住宅の省エネ化促進のために取り組んできた成果と今後の考え方や具体的な取り組みについてうかがいます。
  • 2015年4月に都市農業振興基本法が成立し、これまでの都市農地は「市街化すべき」ものから必要不可欠な「あるべきもの」に転換されました。この法に基づき都市農業振興基本計画が税制上の措置などにも留意する形で策定されましたが、実質的にはどのような効果が出ているのか。継続したアグリフェスタの開催、成田西ふれあい農業公園の開設など区の取り組みを評価していますが、今後どのように農地を残していこうとするのかうかがいます。今年度導入した認定農業者制度の取り組みはどうだったのか、今後の展開についても合わせて伺います。
  • 食品ロスについては、飲食店での食べきり運動などを紹介し提案を行ってきましたが、家庭や飲食店を中心に食品をごみにしない取り組みが取り上げられたことをうれしく思います。今後もぜひ協力していきたいと思っていますが「(仮称)杉並もったいない運動」の具体的な内容についてお聞きします。
  • 外環道の大深度地下工事が始まり、地下40メートルに直径16メートルのトンネルが2本つくられ、地中拡幅部は50メートルを超え300mの長さに及ぶ壁が帯水層をせき止めます。善福寺の水と緑への影響など、沿線住民の不安への国と事業者の責任ある説明について区の対応を求めます。また、外環地上部街路(外環の2)が練馬区ではすでに事業化に向けて取り組まれています。沿線住民の立ち退きを迫る外環の2は必要のないことを区として明らかにしてほしいと考えますが区の見解をお聞きします。
  • 西武新宿線の開かずの踏切対策として連続立体交差事業が急がれています。高架になれば大幅な立ち退きと環境道路整備が行われることが、まちづくり協議会などで周知されているのかどうかお聞きします。構造形式は都任せではなく、区の住民に寄添った関わりを求めますが、区の考えをお聞きします。
  • 活力あるみどりの住宅都市を標榜する杉並区として、空き家を増やさない取り組み、空き家を地域資源として活用することは大変重要と考えます。昨年、杉並区空家等対策計画が策定され、空き家に対する施策の方向性が示されたことを評価します。また、居住支援協議会が立ち上がり、住宅要配慮者への取り組みをすすめようとすることにも期待しています。特に高齢者や障がい者の居場所や住まい、子育て支援の拠点などの活用促進に課題となる制度変更も含めモデル事業として積極的に取り組んでほしいと思いますが区の見解を伺います。

 

(7)次に第4の視点、「超高齢社会の進展を見据えた健康づくりと福祉の充実」について伺います

  • 介護保険制度は改定の度にサービスが縮小に向かい介護の社会化が後退しています。特養の入所要件が介護度3以上となり要支援1・2が区の総合事業に移行するなど法や制度の改定に、自治体が規定されてしまうことは理解しますが、自治体として介護サービスをトータルにどのように保障するのか、区の認識を伺います。
  • できるだけ介護保険に頼らないための介護予防を重視することは財政的にも必要です。そのため、元気高齢者の就労機会を支援する取り組みを評価しますが、就労だけでなく多様な社会参加の機会の確保も必要です。住民主体のコミュニティづくりをさらに促進するために、現在行われている活動の発信とともに新たな活動づくりの支援が必要だと考えますが、区の見解をお聞きします。
  • 地域包括ケアシステムの構築に向けて、その人の暮らしを地域で包括的に支えて行くためのネットワークづくりに具体的に取り組んでいることを評価しますが、特に在宅医療と介護の連携推進では自宅に居ながら病院や施設と同様のサービスが受けられるような体制整備が必要です。そのため、現状まだ不足している夜間対応型訪問介護や定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護の拡充をすすめることが急務だと考えます。2017年度は第7期介護保険事業計画策定の年でもあり、今後の区の考え方をお聞きします。
  • 障がい者施策については、親なき後の住み慣れた地域で生活できるよう、住宅支援や施設整備の拡充を進めていることには賛同するものです。昨年障がい者差別解消法が施行され、自治体においてはその責務が実践によって示されることが重要だと考えます。その一つが、移動支援についてです。通所・通学、日中活動への支援が他自治体では認められているのに、杉並区ではできないとの指摘が当事者や団体からなされています。支援がないことで外出が出来ない人を出さないよう、区の対策が求められていると考えますが、移動支援に対する区の方向性と見解を求めます。
  • とりわけ精神障がい者への移動支援が認められないことに対して、当事者や団体からの切実な要望が挙げられています。通所、通学、通院など個々の状況に柔軟に対応すべきと考えますが、区の見解を求めます。
  • さらに精神障がい者は、福祉施策が遅れたことで、知的、身体障がい者に比べ未だ制度が十分とは言えない状況です。こうした中で2011年に区が独自に「心身障がい者福祉手当」を1級に支給したことは高く評価しています。1級・2級の認定は、当事者や関係者によればそれほど大きな違いがあるとはいえず、2級への拡大は待ったなしだと考えます。見直し拡充についての区の見解はいかがでしょうか、お聞きします。

(8)最後に第5の視点「未来を担う子どもたちのための教育・支援の拡充」についてお聞きします。

  • 子どもの貧困対策として、民間との連携や協働による取り組みも視野に入れた効果的な支援策についての検討状況を伺います。また、具体的な課題を把握するためには実態調査も必要と考えますが、区の見解をお聞きします。
  • 不登校の子どもが15年度は小学校で108人、中学校205人という状況でした。一つの小学校や中学校ができるほどの人数が不登校になっているということです。不登校の原因をどのように分析し、改善を図ろうとしているのかうかがいます。
  • これだけの人数の子どもが学校に行けない状態を生み出していることについて、学校のありかたを見直す必要があるのではないかと考えます。来られない子どもを無理やり学校に通わせるというのは論外ですが、義務教育機関として、すべての子どもが安心して通える学校、すべての子どもの居場所となる学校づくりに、保護者や地域の人の手を借りながら、取り組んでほしいと考えますが、教育委員会の考えをうかがいます。
  • 不登校の子どもへの対応を始めとして、重要な役割を担っているスクールソーシャルワーカーが非正規雇用であることについては、これまでも処遇の改善を求めてきました。すぐれた人材が杉並区から他自治体に流失している現状も聞いています。子どもからのSOSには勤務時間に関わらず緊急対応が必要であること、保護者などの信頼を築くには継続性が重要であることから、スクールソーシャルワーカーが十分に力を発揮し、区の子どもたちを力強く支え続けてもらうために、改めて処遇の改善を強く要望いたします。

最後の質問になります。

  • 児童養護施設に入所している子どもと、子どもが施設を退所した後の支援について伺います。杉並区には都内の自治体の中では最も多い5カ所の児童養護施設が民間によって設置されています。施設の子どもは地域の学校に通い、施設も積極的に地域と交流を持つ努力をされていると認識しています。施設には発達に課題があり、特別な支援を必要とする子どもの割合が高いとも聞いています。その子どもたちが施設に居られるのは基本的には18歳までであり、施設を退所した後に孤立することが多いため、家賃補助や奨学金、継続してつながりを持つことや見守りが必要です。児童養護施設は都が管轄するとはいえ、子どもは地域で育つものであり、他自治体ではこれらの支援が行われていますが、杉並区ではこの子どもたちの支援にはどのように取り組んでいるのか。区の考えと今後の具体的な支援についてうかがいます。

高齢化のピークを間近に控え課題が山積する大きな変化の時代に、区には区民のいのちと暮らしを守ることを最優先に取り組んでいただきたいと考えます。私たちも協力し、力を尽くすことを申し上げいのち・平和クラブの代表質問を終わります。

第3回定例会一般質問   2016.11.18 そね文子

いのち平和クラブの一員として、①石けん利用をすすめ、水環境を守る取り組みについて、②使用済み油の回収による資源循環とエネルギーを地産する取り組みについて質問いたします。

まず、石けんの利用がなぜ水環境を守ることになるのか、述べたいと思います。杉並区内には3つの河川、妙正寺川、善福寺川、神田川が流れ、それは中野区で神田川に合流し、やがて隅田川に合流して海に注いでいます。

区内の下水道は合流式のため雨が降って雨水が下水道に流れ込むと、その下水は簡単に、区内の3つの河川に流れ込むようになっています。流れ込んだ下水は処理されることなく川を汚染し、そのまま海に流れ込んでいるのが実態です。

海まで流れ着いた汚水は海底に蓄積したり、海の生物に取り込まれたりし、それが巡り巡って食物連鎖に組み込まれた私たち人間の口に入ることになります。

川や海の生物の生息環境を守ることは、食の安全、人間の健康を守ることにつながるため、家庭排水の中に環境負荷のかかるものを流さないということが大変重要と考えます。

環境や生物・人体に悪影響を及ぼす物質を含む合成洗剤などはなるべく避けたいという考えから、生活者ネットワークは議会で学校施設や区立施設で環境負荷の少ない無添加の石けんの使用を求めてきました。また区内で活動する消費者団体は区施設での洗剤を石けんに切り替えるよう求め、毎年予算要望の際に区長に説明していると聞いています。

石けんは固形、液体、粉末などのタイプがありますが、どれも天然の動植物の油脂にアルカリと水を加えて加熱してつくられたもので、紀元前3000年から使われてきた長い歴史の中で、安全性が確認されています。一方、合成洗剤の歴史は浅く、第2次世界大戦後に急速に普及しました。これは石油から複雑な工程を経て作られ、合成界面活性剤、蛍光増白剤や再汚染防止剤などが配合されています。そして問題なのは、水中での分解がされにくく、環境ホルモン作用、発がん促進作用、皮膚障害・味覚機能の低下・髪へのダメージなどの懸念があり、安全性が確認されていません。合成界面活性剤は水中に存在する個体に吸着する性質があり、魚のエラに吸着すると窒息死させることがわかっています。その点、石けんは、水でうすまると界面活性力を失い、分解されて二酸化炭素と水になり安全なのです。

1970年代後半に琵琶湖をはじめとした全国各地で、生活排水による水質汚濁が問題となり、漁業協同組合や生協、市民団体などが連携して合成洗剤の使用を止め、せっけん利用をすすめ、人体への影響、河川や海などの自然環境を守ろうという「石けん運動」が展開され現在に至っています。生活者ネットワークはそこに参加している全国の団体と連携して活動してきました。このせっけん運動では杉並区でも区長からも毎年メッセージをいただいています。

1-1 そこで、まず初めに区はこの石けん運動についてどのように評価しているか、見解をうかがいます。

杉並区には基本構想に定める区の将来像「支えあいともにつくる安全で活力あるみどりの住宅都市 杉並」の実現に向けた環境分野の計画である環境基本計画があります。この計画は杉並区環境基本条例に基づき、地域の環境を総合的かつ計画的に保全し、地球環境の保全に貢献していくための計画でもあります。

1-2 環境基本計画の「化学物質等の適正管理と水質汚濁を防ぐ取組」の環境配慮行動指針には区民の取り組みとして「洗剤は環境対応タイプを選び、その使用は必要最低限にします」という1文が入っています。区はこれをどのような取り組みによって実現しようとしているかうかがいます。

江戸川区では「洗剤・洗浄剤についてより安全性が高く環境にやさしい石けんの使用を目的とする」とうたわれた石けん使用指針が定められています。杉並区でも石けんを優先的に使うことを促す取組みが求められます。環境基本計画改定の際にはぜひ「石けん」と明記していただきたいと要望します。

1-3 ほとんどの区立施設では食器を洗うための合成洗剤や手洗い用に洗浄剤が備えられています。具体的には区庁舎を始め、小中学校、区立保育園や保育室、子供園、地域区民センター、ゆうゆう館、児童館などがあげられます。まずはそれらの施設で、食器洗い用の洗剤や手洗い用を有害な化学物質を含まないものにすることに取り組んでいただきたいと思います。そこでの洗剤や手洗い用の洗剤の使用が現在どのようになっているのか、また今後どのようにしていくのかについても伺います。

多くの区民が使う区立施設は環境配慮行動を啓発する場にしていただきたいと考えます。ここで1例を紹介したいと思います。小金井市では環境行動指針で「洗剤は極力石けんを使用するとともに、合成洗剤は必要以上に使わないように努める」ことを定めていますが、その内容がこのようなわかりやすいポスターにされて市立施設の給湯室に貼られています。このポスターはせっけん運動をすすめる市民から提案があって市と一緒に作成し、市民が協力して継続的に施設に貼られているということです。ぜひ、このような事例も今後、参考にしていただきたいと思います。

また石けんの原料についても述べたいと思います。先に述べたように石けんの原料は油ですが、飲食店等から回収された使用済み油を精製しリサイクルして石けんが作られています。環境のことを考えて作られた、できるだけ環境負荷の少ないものを選んで買うグリーン購入という考え方があり、区でもグリーン購入法に基づいた物品の調達方針が立てられていますが、石けんの購入にもこの考え方を適用してほしいと思います。区の施設では率先してそのような商品を購入いただきたいと考えますが、区の見解を伺います。

東京都では、化学物質による子どもへの影響を防ぐために独自のガイドラインを策定し、子どもたちが安心して生活できる社会の実現を目指しており、化学物質が人に与える影響は、大人より成長期の子どもにおいて大きいとの考えが示されています。予防原則に則り、有害な化学物質が含まれているものはできるだけとらないようにすることは重要なことです。このような観点から、学校の手洗い場、家庭科室での石けんの利用を望みますが教育委員会の見解をうかがいます。

2015年3月の予算特別委員会で学校での手洗い用の洗浄剤使用について調査を行っていただいたところ、PRTR法に規定されている有害化学物質が入った合成洗剤がすべての学校で使われていました。PRTR法とは人の健康や生態系に有害なおそれがあるなどの性状を有する化学物質の規制を目的としてつくられ、環境や人の健康に影響を及ぼすとして国が有害であると指定した化学物質について、事業者がその排出量を1年ごとに集約し公表することを義務づけるという法律です。なぜその有害化学物質が入った合成洗剤が使われるにいたったかを聞いたところ、国立衛生研究所の講師から、ネットに入れた固形石けん、また石けん台の固形石けんは微生物の繁殖の可能性があるという指摘があって、教育委員会から液体に変えるよう通知が出され、それを契機に合成洗剤に変わったと思われる。今回は抽出調査だったので、今後、全校調査を行い検証する必要があるという答弁をいただいています。

その後の調査の結果はどうであったのか、どのように検証が行われ、それに対してどのように対応されたのかを伺います。

東京都の教育委員会が、都内全自治体における公立学校給食の実施状況等について毎年調査を実施しています。この調査の中に食器具類の洗浄剤等使用状況の項目があります。厨房において合成洗剤か石けんか、またはその併用かが調査項目として取り入れられています。子どもたちの口に入る可能性から見ても、水環境に与える負荷の点からも、また、厨房で作業に当たる調理員の健康を守る意味でも、石けん使用が望ましいことは先ほど来述べてきたとおりです。2015年度の報告書には、杉並区内の小中学校すべて合成洗剤使用となっています。二十三区の港区、大田区、世田谷区、中野区では小中学校の一〇〇%で石けんが使用されています。以前、世田谷区に給食調理室で石けんが導入された経緯を聞きに行きました。そこでは、調理員の手荒れや健康影響への不安から石けんを望む声があり、数回の試行と説明会をへて導入がなされたということでした。職員の手荒れは石けんが導入された後に改善が見られたということです。杉並区でも給食で使う食器の洗浄に石けんの使用を望みますが教育委員会の見解を伺います。

この項の最後です。杉並区では学校給食で出た使用済みの油は回収業者が処理していますが、この油は家畜の飼料や燃料などのほか、石けんにもリサイクルされています。このような作られ方をした石けんを使うことで初めてリサイクルの循環が完成されます。廃食油が石けんに生まれ変わることを学ぶことも環境教育として重要と考えますが、教育委員会の見解をうかがいます。

次に、大きな項目の2つ目、廃食油の回収についてうかがいます。

日本国内で消費される食用油は年間約200万トンで、このうち廃棄されているのは約40万トン。飲食店や食品関係企業などからまとまって廃棄される業務用の廃食油と各家庭から少量ずつ捨てられている廃食油の量はほぼ半々の20万トンずつと推計されています。飲食店などからの20万トンは専門の回収業者にゆだねられ、約80%が回収されていますが、家庭から出る残り半分の廃食用油の回収率は極めて低く、そのほとんどが生活排水と一緒に下水に流されたり、紙に含ませて捨てられています。河川に流される油は水質汚濁や配管のつまりの原因となっています。環境省が出している「生活排水読本」には、小さじ一杯、5ミリリットルの油が垂れ流されたとき、これを魚が住める水質に戻すには風呂おけ5杯分1500リットルの水が必要だと書かれています。

数年前、地域行事で料理を作った際に出た廃食用油の処分を任される機会があり、可燃ごみにしたくないので回収拠点を探し数か所に電話をかけ、自転車で20分ほどかかる福祉作業所に持って行ったことがありました。こんなに大変な思いをして回収先を探さなければならない状況で、多くの方はどうしているのだろうと疑問に思いました。そこで、どのぐらいの需要があるのか確かめるため、区役所隣にある生活者ネットワークの事務所で廃食用油の回収拠点を始めることにしました。2014年4月にスタートし、2年2か月で約800リットルを回収しました。これは、1300万人が暮らす東京を、各家庭から使用済みの油が排出される油田に見立て、その油を回収して燃料にするプロジェクトに参加し、年会費を払って回収をお願いする形で取り組んだものです。

回収を始めてみると、未使用なまま10年以上経過し、捨てるに捨てられず押し入れに眠っていた贈答品の油を持ってくる人が多かったのには驚きました。近隣の方はもとより、自転車に乗って10数分かかるところをホームページで見つけたと言って持ってきてくださったり、電車を使って持って来られる方もいて、回収拠点の設置は区民に求められていることを確信しました。

23区では、渋谷区、葛飾区、豊島区、練馬区などが廃食油の回収を行っています。以前視察に行った練馬区では、区独自でプラントを備え、回収した油をバイオディーゼル燃料、通称BDFという軽油の代替になる燃料に精製し、その燃料で区の清掃車2台を走らせ、環境学習にも利用しているとの話を伺いました。豊島区では回収した油を無添加のリサイクルせっけんに加工し、区庁舎をはじめとする区立施設の手洗い用石けんとして利用し区内で循環させています。このように、使用済みの食用油は石けんや動物の飼料、燃料に生まれ変わるものなのです。この燃料はトラックを走らせたり、発電機を動かし電気を生みだします。ちなみに住民22万人の渋谷区は、区立施設18か所で拠点回収を行い、年間の回収量は2700リットル、回収にかかる費用は年間20万円弱ということです。葛飾区は、住民が約44万人、回収拠点は21か所、年間の回収量は7000リットルで年間の回収費用は21万円とのことです。さらに葛飾区では精製されたBDFを庁有車に使う取り組みも始め1年が経過したところです。車は100%BDFで走らせていますが、不具合はまったく起きていないということです。杉並区でも回収拠点を設ければ相当量の回収が見込めると考えます。

そこで質問です。杉並区には環境先進都市の実現を目指し、区民一人一人の環境配慮行動を推進し、環境情報や環境活動の場とするとして環境活動推進センターが設置されています。ここは、環境や省エネ、リサイクルに関する総合的な拠点とされています。杉並区でも、環境活動推進センターを第一に、お願いできる区立施設いくつかで使用済み油の回収を実験的にスタートしていただきたいと思いますが、区の考えを伺います。

また、葛飾区ではホームページで民間団体が行う廃油の回収拠点を紹介し、区民にそこにも廃油を出すよう促していました。先ほど生活者ネットワークの事務所が回収拠点になったことを述べましたが、区内には他にも民間団体が回収拠点となっているところがあります。このような区民の自発的な活動を杉並区でもホームページで広報し、廃油の回収を促進することを要望します。

最後の質問です。先ほどからリサイクルされたものを使うことの重要性について述べてきましたが、区が屋外のイベントで発電機を利用するときはBDFを使うことにも取り組んでいただきたいと思います。杉並フェスタなど、様々な屋外のイベントが行われていますが、発電機を使う際には一部であってもBDFを試していただきたいと思います。このBDFは大気汚染の原因となる硫黄酸化物はゼロ、呼吸器官障害の原因といわれる黒煙は軽油の半分以下、純地産地消の地球にやさしいクリーンなエネルギーです。イベントで油の回収を行い、BDFや石けんへのリサイクルのことをパネル展示し環境意識の啓発を行っていただきたいと思いますが、区の見解をうかがいます。

環境への配慮は緊急性の点で、ともすると後回しにされがちです。しかし、子どもや孫、その先に続く世代に対して今の大人が行わなければならない大変重要な課題です。杉並区環境条例には、区はすべての施策を環境の保全に配慮して行うとともに、区民及び事業者の理解と協力を得るよう努めなければならないと定められています。今回の提案や要望に対して、区には少しのことからでもまずは試しに始めてみるという姿勢をもって取り組んでいただくよう要望し、質問を終わります。

一般質問と答弁 2016.5.31 奥田雅子

【Q】 ●この20年余りの間に、阪神淡路大震災、新潟県中部地震、東日本大震災、そして今回の熊本地震と大きな規模の地震災害が発生しています。震災対策は、待ったなしの課題であり、田中区長は「首都直下地震は必ず起こる」との認識を示され、震災対策を積極的に進めています。改めて、熊本地震を含め過去の地震災害から何を学び、活かしていこうとされるのか伺います。

【A】   我が国は、地理的条件から世界の中で、自然災害に見舞われる割合は非常に高く、被害も甚大です。区の喫緊の課題である首都直下地震への対策に、災害の教訓から学び活かしていくことは大切であると強く思います。熊本地震からは、震災救援所の代替施設や物流対策の複線化など、どのような災害が発生した場合にも対応できるような、第二・第三の策を備える事が大切であると改めて感じました。

阪神淡路大震災では、翌日に現場に赴き目の当たりした状況は、鮮明に今でも記憶しています。大都市直下の地震により、多くのビルや住宅が倒壊し、その後の電気火災等による延焼により大きな被害をもたらしました。

東日本大震災では、地震発生後の津波、原子力発電所事故により広域で被害が発生しました。発災直後は、通信手段も途絶え、混乱が生じており、こうした時にこそ「助ける事のできる自治体が被災地に対して迅速に支援の手を差し伸べる」基礎自治体間の水平的支援が有効な手段となりました。この経験から、迅速な支援を躊躇せず行えるように法律改正を求め、全国からの要請となり、災害対策基本法の改正に結びつきました。

その後、自治体スクラム支援会議において、相互支援の条例を同時に制定し、災害時の関係強化を図っています。

この災害の教訓から「3.11を忘れない」を合言葉に、減災の視点に立ち防災対策を積極的に進めてきました。災害に備えることで、いざ発生した時の被害を最小限に留める事ができ、その後の応急対策にかかるコストを抑え、復旧復興のスピードアップにも繋がると考えています。

今年度は、首都直下地震で最も人的物的被害が想定される、電気火災対策としての感震ブレーカーの設置支援や、狭あい道路拡幅整備、物資の受援計画を策定します。震災対策を直実に、スピード感を持って進め、全力で取り組んでいきます。

【Q】 ●区の震災救援所の収容人数は。また、震災救援所に来る人はどのくらいを想定しているのか。さらに、帰宅困難者の想定人数とその対策について伺う。

  • 震災救援所で物資がいきわたらない人が多数発生すると思われるが、炊き出しなどは多様な主体が多用な場所で実施できるように、また物資の配布にコンビニとの協定を締結するなどの必要があると思うが、見解を伺う。
  • 震災救援所運営連絡会を「目的意識をもって主体的に活動する組織」として機能させることや、既に主体的な取り組みがなされている団体の活動を伝播させていくための工夫や支援が必要と考えるが、見解を伺う。
  • 震災救援所に女性リーダーを増やすことが必要である。そのための育成や研修会が必要と考えるがいかがか。

【A】   震災救援所の収容人員は9万4千人で、避難生活者数は、最大で約11万5千人です。約2万1千人上回りますが、補助・代替施設の22か所で、収容可能と考えます。

区内の帰宅困難者は、最大約9万3千人と見込まれる中、行き場のない帰宅困難者は、約1万8千人と想定されています。現在、区立施設や民間事業者の施設を一時滞在施設として9箇所指定しており、備蓄品の購入助成を行っています。

被災された方々への食糧や生活物資の配布、情報提供の拠点が震災救援所です。コンビニでの配布は、利便性がある反面、欠品などが生じた際には、混乱を招く恐れがあるので、今後の検討課題です。なお、物資を震災救援所で受け取ることが困難な要配慮者等の方々へは、ボランティア等の力を借りて個別に配布していきます。

震災救援所運営訓練では、年1回以上、連絡会が主体となって企画・立案して、中学生レスキューによる安否確認など、地域の特性にあった訓練を実施しています。訓練内容は、毎年5月に開催される会長・所長会の中で、重点訓練項目を提示する際に、特徴的・先進的に取り組んでいる活動事例を紹介する等、救援所の運営を後押ししていきます。

女性リーダーを増やすために、女性の視点を取り入れた震災救援所運営管理標準マニュアルを改定し、参加促進に努めています。今後も養成講座を開催するなど、多くの女性にリーダーとして参加してもらうよう工夫していきます。

【Q】 ●エコノミークラス症候群に対してどのような対策をお考えか伺う。

【A】   エコノミークラス症候群は、前兆が外見から判断できない上、発症すると突然死をもたらす非常に恐ろしい疾患です。現在も、熊本県の被災地から被害の情報がきていますが、区も、各震災救援所に配布している「避難者の健康管理マニュアル」の中で、適度な水分補給と運動をすることを周知すると定めているほか、ラジオ体操を取り入れた対策の実例を紹介して、エコノミークラス症候群の注意喚起をしています。

また災害時には、区災害対策本部医療救護部の保健師や医療ボランティアによる震災救援所の巡回を通して予防活動を行うなど、エコノミークラス症候群対策に力を入れていきます。

【Q】 ●震災救援所での避難生活においてもプライバシーの確保が大事である。保管スペースなどの問題もあると思うが、プライバシーを確保するため、テントの活用をすすめるべきと考えるがいかがか。

  • 熊本地震直後に内閣府が避難所におけるトイレの確保・管理ガイドラインを公表した。また、国交省も3月にマンホールトイレのガイドラインを作っているが、これを受けて今後、区はトイレの確保量の対策をどのように考えていくのか伺う。

【A】   震災救援所となる体育館では、プライバシー保護と犯罪抑止の観点から立つと人から見え、座ると人から見えなくなる高さのダンボール間仕切りを採用しています。保管場所や経費の点でも体育館の中でのテント使用は考えていません。また、屋外での使用に関しても、校庭は物資の受け入れ、ペットの飼育場、トイレの設置等様々な活用が想定されているので、テントの使用は考えていませんが、熊本地震の検証を注視していきます。

現在、各震災救援所に、国基準の避難者75人に1基の目安を上回るマンホールトイレ10台、ペール缶トイレ3台、簡易トイレ20台を備蓄しています。平成26年度から備蓄を始めた不織布毛布のダンボール箱は、簡易トイレに転用が可能で、1救援所あたり40台追加の設置可能です。今後も学校改築の際に、敷地内にマンホールトイレを新たに5台から10台設置していきます。

【Q】 ●防災公園の桃井原っぱ公園や柏の宮公園などにあるかまどベンチやかまどスツール及び災害時トイレは、当区においては大災害が発生した時にだけ使う道具だが、周辺地域の人がそれらの道具を普段から使っていくことがそもそも訓練になると考える。当区においても、かまどベンチ、かまどスツールなどが設置されている公園で、防災会や町会、学校などが行事で使えるしくみを整えていくべきと考えるが区の考えを伺う。

  • 現在は4か所の公園に設置されているかまどベンチやかまどスツールだが、今後、必要になるであろう場所を選定して配置していくことが必要だと考えるが区の考えを伺う。

【A】   桃井原っぱ公園や柏の宮公園では、公園の計画づくりを区民とともに行う中で、災害時にかまどベンチ、かまどスツールを活用するため設置しました。災害時の際の性能への支障のない範囲で、普段の訓練で活用できるよう対応します。

近年、大規模な公園整備の際には、防災機能の向上の観点から、かまどベンチ、かまどスツールを設置してきました。また現在、整備を進めている都市計画下高井戸公園でも設置予定です。      規模の小さい公園をはじめ既存公園では、公園改修時などを捉え、防災に関する区民要望に合わせて、かまどベンチ、かまどスツールの設置を進めていきたいです。

【Q】 ●東京都公園協会と区との協定について、その目的、主な内容と協定で期待することは何か伺う。

【A】   本年3月30日に東京都公園協会との間で、大規模災害発生時に都立和田堀公園、善福寺緑地において避難者の安全確保及び支援等を迅速かつ的確に行うことを目的に「災害時の避難場所等における連携・協力体制に関する協定」を締結しました。主な内容は、協会が発災時に区と連携して行う被災者支援や平常時からの連携体制、近隣住民を含めた防災訓練や意見交換会の推進に関することです。本協定により、区と協会との連携・協力体制がより強固なものになり、平常時における防災訓練や防災意見交換会の実施で、地域の防災力の向上が期待できると考えます。

【Q】 ●区立施設防災井戸や民間で「生活用水井戸」としての登録は何か所あるのか。

  • 震災用井戸の役割は何か。また、いざという時にどのように機能するのか。

【A】   平成27年度末現在、登録井戸は、区立小・中学校65か所、区立施設35か所、民間の井戸が355か所、防災兼農業用井戸が9か所です。

活用方法は、停電時にも利用可能なことから生活用水として、トイレの水洗水や洗濯等に利用します。

【Q】 ●災害時に必要なものとして乳幼児の粉ミルクがあるが、粉ミルクにはお湯や哺乳瓶が必要となる。そのまま飲ませられる液体ミルクが注目されてきているが、国は乳幼児用に液体ミルクを認めていない。区は液体ミルクについてどのような認識か伺う。

【A】   液体ミルクは、厚生労働省令で国内での製造・販売が認められていないため、備蓄品としては考えていません。今後、法令等が改正された際には、備蓄品の入替えの機会を捉え、検討、見直しをします。

第2回定例会一般質問 2016.5.31 奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として、

直下地震で生き延びるための備えについて、具体的には

1.熊本地震から区が得たもの

2.震災救援所の運営について

3.エコノミークラス症候群の回避について

4.公園の機能を使いこなすために

5.震災用井戸の活用について

6.液体ミルクの導入について

以上6つの項目に沿って質問してまいります。

熊本が、2回もの震度7の激しい揺れに見舞われてからひと月半が経ちました。地震によって亡くなられた49人および関連死が疑われる20人の方々のご冥福をお祈りするとともに行方不明おひとりの方が早くご家族の元に戻れることをお祈りいたします。

最初の地震発生以降震度1以上の余震回数は1500回を超え、5/25の熊本県の発表では一連の地震で被害を受けた住宅は10万棟を超えたとのこと。未だ避難生活を強いられている方は9000人近くおられ、一日も早い復興を願うばかりです。

東京でも、30年以内に70%の確率で直下地震が発生すると2013年末に内閣府が発表しました。この20年あまりの間に起きた震度7クラスの大地震は、阪神淡路大震災、中越、中越沖地震、東日本大震災、そして熊本地震があります。私たちはこれらの地震から学び、生き延びていくには行政ばかりを頼るのではなく市民が積極的に自助・共助の備えにかかわっていく必要があると考え、その視点で質問いたします。

最初の質問です。

1-1.)田中区長は「首都直下地震は必ず起こる」との認識を示され、待ったなしの課題として、これまで区の施設の耐震化などを着実に進めてこられました。今年度予算編成の重点分野においても「減災対策等の充実による地域の安全・安心の拡大」を打ち出しておられます。この間、数年ごとに起きている大地震の度に区は自らの対策について検証を重ねてこられたと思いますが、今回の熊本地震も含め、改めてこれまでの地震災害から何を学び、活かしていこうとされるのか伺います。

次に2.震災救援所運営について4点お聞きします。

杉並区では大震災に備え、各小中学校65ヶ所に震災救援所を設置することを定め、その運営は防災会、PTA、学校、区などのメンバーにより構成される震災救援所運営連絡会が担うこととしています。その震災救援所は倒壊などにより自宅で生活ができなくなった人の受入れ場所としていますが、実際のところはどうでしょうか。熊本地震では自宅が全壊していない人も頻発する余震が怖いという理由で避難所に避難していました。そして避難所に入ったとしても、続く余震で建物の中に居られない多くの人が、自動車やテントの中で暮らすことを選択していました。

一方、運営はというと各震災救援所運営連絡会では、いざという時のために救援所の円滑な運営を行うためのマニュアルづくりや防災訓練を実施しています。しかし、想定通りにいかないのが大規模災害です。避難所運営において臨機応変な対応ができるようにするには、おおぜいの地域住民が主体的にかかわっていく意識を平時から醸成していくことがとても重要だと考えます。

1-2-1.)そこで、当区の震災救援所の収容人数と、実際に震災救援所に来る人はどのくらいと想定されているのか、また、帰宅困難者の想定はどのくらいで、その対策はどのようになっているのか、お聞きします。

1-2-2.)2点目として救援物資の供給体制についてです。震災救援所マニュアルではでは救援所に来た人に名前や年齢などを書いてもらい、避難者人数を災害対策本部に報告して救援物資を要望するという流れになっています。具体的には、発災後1日目は震災救援所で備蓄しているアルファ―米やクラッカーなどでしのぎ、2日目以降は都からの救援物資が搬入され、4日目ごろから炊き出しを始め、炊き出しの材料や救援物資の供給を「行政が行う」ことになっています。しかし、実際には物資がいきわたらない人が大ぜい発生することやまたその逆に物資を余らせるようなこともあろうかと思います。そこで、もっと柔軟な考え方のもと、炊き出しなどは多様な主体が多様な場所で実施できるように、物資の配付を例えばコンビニとの新たな協定によって対応していくことも必要だと考えますが、区の見解を伺います。

1-2-3.)被災者の避難状況の確認や物資の配付などにおけるきめ細かな対応には、町内会や商店会、PTA、民生委員などの地域組織が頼りとなります。日頃から防災に関心がある地域住民やすでに自主的に防災訓練や災害時の研究を行っている地域の活動団体を巻き込んで、地域組織と協力関係を作っておくことが大事だと考えます。東京都が認定する共助のしくみとして「防災隣組」の事業があり、杉並区内の町会や防災会、震災救援所運営連絡会、大型マンションでの管理組合防災会など7つの組織が認定を受けています。これらの事例を共有していくことも必要ではないでしょうか。

そこで、3点目の質問として、震災救援所運営連絡会を「目的意識をもって主体的に活動する組織」として機能させることや、すでに主体的な取組みをしている団体の活動を伝播させていくための工夫、支援が必要と考えますが、区の考えを伺います。

1-2-4.)4点目は生活者ネットワークがかねてより主張してきた女性の視点からの質問です。救援所の運営はリーダーの力量に左右されるとこれまで起きた大震災のたびに言われてきました。区が毎年行っている防災リーダー養成講座の役割は大きいと考えますが、特にここで指摘しておきたいのは、震災救援所に女性リーダーを増やすことの重要さです。この間、高齢者、障がい者、女性、子ども、外国人など災害弱者に対する配慮が重視されるようになってきたと思いますが、熊本地震の避難所においてもまだ十分ではなかったと聞いています。女性がリーダーとして震災救援所を運営するにあたって、管理・企画立案、リーダーシップの取り方などの研修も重要だと考えます。目的意識的に女性リーダーを増やすこと、そのための育成や研修が必要と考えますが、いかがか区の考えを伺います。

次に3つ目の項目

3.エコノミークラス症候群の回避について 3点お聞きします。

当区では学校や公共施設の耐震化は進んでいるとはいえ、先に述べたとおり余震が怖くて半壊、一部損壊であっても避難所生活を送る人がかなりおおぜいになります。過去の大震災でも問題とされたエコノミークラス症候群はトイレが汚い、数が少なく長時間並ばなければならない、行くまでが大変、男女別の不備などの理由でトイレに行く回数を減らすために水分を控えたり、また、車中泊により足を伸ばして寝られない状況であったりすることで起きる身体の症状で、命の危険を伴います。せっかく地震で助かった命を避難生活で落とすことがあってはならないと考えます。

1-3-1.)そこで、区はエコノミークラス症候群に対してどのような対策をお考えか、1点目として伺います。

1-3-2.)2点目。震災救援所では、家族ごとに段ボールのパーテーションで仕切りがされればまだよい方で、プライバシーはないに等しいような暮らしを強いられることになりますが、プライバシーの保護は人の尊厳にかかわる問題です。その点、キャンプ用のテントはプライバシーの確保に適していることに加え、足を伸ばして寝られるということで、熊本地震でもテントの活躍が目立っていました。保管スペースの問題もあるとは思いますが、震災救援所でのテントの活用を進めるべきと考えます。区の見解を伺います。

また、避難所を学校だけに頼るのではなく、発災直後の段階からテント村として大規模公園などを活用することを検討し、公園を利用する計画を入れていただきたいことを要望しておきます。

1-3-3.)3点目として、エコノミークラス症候群を回避するためのトイレ対策の重要性についてです。阪神淡路大震災では健康被害や衛生環境の悪化、精神的ストレスを引き起こすトイレの問題が浮き彫りとなり、大震災が起きるたびに災害時のトイレの確保は重大な課題と捉えられるようになりました。

熊本地震の直後に内閣府が「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」を公表しましたが、国交省もそれ以前の3月に「マンホールトイレのガイドライン」をつくっています。避難生活を支援する行政が取り組むべき事項の内、トイレの確保と管理に関して指針を示したものですが、これまでの大震災における課題を踏まえたトイレの確保・管理に関する基本的な考え方がわかりやすく示されていると感じました。利用する人の状態によってトイレのあり方も変わってくるため、ニーズに対応した備えも重要です。このガイドラインを受けて今後、区はトイレの確保量の対策をどのように考えていくのか、お聞きします。

次に

4 震災時における公園の機能を使いこなすことについて3点の質問をいたします。

防災公園の桃井原っぱ公園や柏の宮公園などにあるベンチやいすの座面を外すとかまどになるかまどベンチやかまどスツール、災害時トイレは当区においては大災害が発生した時に使う道具として設置されており、平時に使うことはないとしています。しかし、周辺地域の人がそれらの道具の存在を知っていること、普段から使っていくことが訓練という意味では重要ではないかと考えます。豊島区に住民が平素から使っているかまどベンチやかまどスツールがあると聞き、見てきました。池袋の繁華街から少し離れた住宅街にある公園や児童遊園にかまどベンチ、かまどスツール、調理台一体型の炊事場、井戸などを設置し、普段から町会などが使いこなしていました。

1-4-1.)当区においても、かまどベンチ、かまどスツールなどが設置されている公園で、防災会や町会、学校などが行事で使えるようにするべきと考えますが区のお考えを伺います。かまどスツールは一度使うと熱で表面の塗装が剥げてしまうつくりになっています。豊島区の担当者は「剥げてもいいんです。いざという時に地域の方が使える環境をつくるのが自分たちの仕事です」とおっしゃったのが印象的でした。ぜひ、前向きな答弁を期待します。

1-4-2.)2点目、現在は、桃井はらっぱ公園、柏の宮公園のほか三井の森公園、西荻窪平和児童遊園の4か所の公園に設置されているかまどベンチやかまどスツールですが、今後たとえば、出火の危険性が高いと予想される地域の外側で、設置が有効と判断される公園に配置していくことが必要だと考えますが区の考えを伺います。

1-4-3.)3点目は、今年3月の予算特別委員会で、災害時における東京都公園協会と

杉並区との連携・協力体制について質問しました。都立公園と連携していくとの答弁

をいただきましたが、まだ具体的に決まっていない時期でしたので改めて、財)東京

都公園協会と杉並区との協定について伺います。この協定の目的、主な内容、この

協定で期待されることは何か伺います。

なお、要望を2点申し添えておきます。

ひとつは、地域の小学校のPTAなどが行う地域活動として、都立公園の中にある災

害用の道具であるかまどベンチや災害時トイレを、使ってみようという企画を立てた場

合のことについてです。都立公園のサービスセンターがその受け皿になっています

が、区としてこのような区民の動きを把握することも必要かと思います。また、せっかく

備えてある都の設備を区民が積極的に使う機会を得られるよう区からも情報発信して

いただけると良いと思いましたので、東京都公園協会との協定に基づいてしっかり実

態をつくっていってほしいと要望いたします。

もう一つの要望は、都立公園、区立公園、公共施設や駅前広場に植えられている樹木についてです。東京都が災害時の火災による危険性が高いとしている地域に、燃えやすい樹木であるあけぼのすぎ(メタセコイヤ)やヒマラヤスギなどが植えられています。特にヒマラヤスギはものすごい勢いで燃える樹木だと聞きます。しかし緑の保全という観点から言えば、伐ってしまうのではなく、延焼を防ぐ装置(放水銃)の設置の検討が必要ではないでしょうか。蚕糸の森公園には放水銃が5基、樹木スプリンクラーが25基設置されています。他にも井草の森公園や馬橋公園などにも防火装置が備えてあります。これらの装置は防災公園や一時避難所、広域避難所、都立公園などすべてに対策がとられていないため、大きな避難所周辺や震災救援所となる学校や区役所周辺の植栽についても必要な対策を検討していただきたいと要望いたします。

次に5つ目の項目、

5.震災時の井戸の活用について2点質問いたします。

地域の中の「震災時の井戸協力の家」の情報が杉並区防災マップにも載っていません。個人情報の観点からそういうことになっているのでしょうか。震災時の井戸の活用について区民にはあまり知られていない状況ですが、実際水道がストップした際に生活用水として井戸は役立つと思われ、改めて地域防災における位置づけを確認する必要があると感じています。

1-5-1.)まず、区立施設防災井戸や民間で「生活用水井戸」としての登録は現在何か所あるのか、伺います。

1-5-2.)これらの震災用井戸の役割はなにか。また、いざという時にどのように機能するのか、お聞きします。

6つ目の項目の質問です。

6.液体ミルクの導入について伺います。

1-6.)災害時において必要度の順位が高いものとして乳幼児用の粉ミルクがあげられますが、粉ミルクは消毒・調乳するためのお湯や哺乳瓶などが必要となります。それに対して、そのままで飲ませられる、常温で保存がきく液体ミルクがあれば災害時にどんなに助かるでしょうか。東日本大震災ではフィンランド在住の日本人女性らが14000個の液体ミルクを被災地に送り、先ごろの熊本地震でも国会議員のグループが緊急輸入し注目を集めました。4年前、当議会生活者ネットワークが国の動向を注視して区としても液体ミルクを災害時の備品に入れるよう要望しておりますが、現在もまだ、国は乳幼児用の食品を「粉乳」と限定しており、液体ミルクは認められていません。したがって、国内での製造・販売もされていないため、個人輸入などで手に入れるしかない状況です。ただ、ここへ来て国での議論が始まったようで期待したいところです。区は液体ミルクについてどのような認識を持っておられるかお聞きします。

質問の最後に、「事前復興」の考え方について述べておきたいと思います。「事前復興」とは、近い将来、大震災で壊滅的な被害がわかっているのであれば、それを前提に事前に復興まちづくり計画を作り、まちづくりを今から進めるというものです。市民・専門家・行政の日常的な交流・学習・シミュレーション活動の実践をもとに、発災する前に復興を視野に入れて計画を立てることになります。自助・共助・公助の連携で、事前から事後へと連続する「災害総合対策機能」を確立していくことが必要だと考えます。ぜひとも事前復興という観点から地域住民主体の復興計画づくりをすすめていかれることを要望し、私の一般質問を終わります。

代表質問と答弁 2016.2.12 そね文子

【Q】 ●区長は、成人式の祝辞で「戦後、選挙権が一部の高額納税者から男女全ての国民に拡大したこと、戦争体験の中からつかんだ平和の尊さを考えてほしい」と新成人に訴え感銘を与えた。参院選の争点に憲法改定がすえられ、戦後の在り方が大きく変わろうとしている今、立憲主義と憲法の意義について区長の見解を伺う。

【A】   憲法は国家権力から個人の基本的人権を守るために存在する一国の最高規範であり、国の形を示すものです。そして、政府の統治が最高規範である憲法に基づき行われることが立憲主義であり、このことは国民の中にしっかりと根付いていると考えます。

【Q】 ●戦後70年を超え戦争体験者の風化が進む中、杉並区の平和施策についての区長の見解と取り組みを伺う。

【A】   高齢化により戦時中の状況を知る方が減りつつある中で、空襲、疎開、戦時中の生活など戦争の実態に迫る証言を区民から広く集め、貴重な資料として後世に語り継ぐことが重要です。区では戦後70年事業として、戦争戦災証言記録集を今年度内に発行します。また、被爆者の方による、小中学校における出前授業を実施し、悲惨な戦争戦災体験を風化させず、若い世代に語り継いでいきます。

【Q】 ●辺野古新基地建設をめぐり沖縄県を国が訴え、戦後憲法が規定した地方自治が問われている。自治体と国の対等な在り方について区長の見解を伺う。

【A】   地方自治体の役割は、常に住民の視点に立って、地域の課題解決を図り、不断に住民福祉の向上を図っていくことです。一方国の役割は、外交、安全保障、司法など国家としての存立に関わる責務を果たしていくことです。
私は、地方自治体と国がそれぞれに本来の役割をしっかりと担いながら相互に協力し、互いに胸襟を開き言うべきことは言うなど、対等・協力の立場に立って社会をより良い方向へと推し進めていく姿こそ、地方自治体と国のあるべき関係だと考えます。

【Q】 ●震災直後に南相馬市にかけつけ、友好自治体とスクラム支援会議を立ち上げ、災害支援の自治体の在り方について国に提言し、支援を継続して来た取り組みについて、総括と今後の課題を伺う。
●3.11の教訓から、自治体に課せられた課題について、区長の見解と課題、新年度の予算における具体的取り組みを伺う。

【A】   ほぼ5年にわたる南相馬市への支援を総括すると、第一に、基礎自治体間の水平的で迅速な支援が、大規模災害時には極めて有効と認識できたこと。この基礎自治体による支援は、発災直後の自治体スクラム支援会議の創設や災害時における相互支援条例の制定へつながりました。また、自治体スクラム支援会議の活動実績が、遠隔地への相互支援の推進などを内容とする、二度にわたる災害対策基本法の改正のきっかけとなりました。今後は、残された課題の災害救助法の改正に向けた取り組みを進めます。
第二に、遠隔地との相互支援は、予め相互の防災施策上の特徴や課題を理解した上で、各自治体の実情も踏まえた対策を準備しておくことが重要だと認識したこと。そのため、只今審議中の平成28年度予算に、受援計画策定に係る費用を盛り込み、検討を進めます。

【Q】 ●過半数の人が、原発に頼らない社会とエネルギーの在り方について望んでいる実態もある。太陽光発電など再生可能エネルギーの普及に引き続き区の積極的な取り組みを求めるがどうか。

【A】   東日本大震災の経験を踏まえ、災害につよく環境にやさしいまちづくりを進めていくうえで、再生可能エネルギーの普及は欠かせないものです。このため区では、学校や体育館など区立施設の改築にあたっては、太陽光発電機器を設置してきました。今後も改築時には、施設の状況に応じて対応します。
また、現在すべての震災救援所への太陽光発電機器等の設置を計画的に進めています。さらには、家庭用機器への設置助成を行い、この間の実績は23区トツプレベルになっています。引き続き再生可能エネルギーの普及に積極的に取り組んでいきます。

【Q】 ●PPSからの電力購入をさらに進めるとともに、更なる財政削減効果があげられるように、4月から実施される家庭用電力の自由化を機に、さらなる拡大を求めるが如何か。また、太陽光などの再生可能エネルギーを電源とする事業者を支えるためにも、そのような事業者から購入するよう求めるがどうか。

【A】   これまで小中学校などへの新電力の導入により財政削減効果をあげてきました。4月からの電力全面自由化では、全ての施設で様々な電力会社から電気の購入が可能となります。電力各社は、多彩な料金プランやサービスを提供していますが、区の施設に適した電気料金と契約形態、供給の安定性などに加え、再生可能エネルギーを電源とする事業者についても、比較検討の対象とすることで、経費の削減に努めつつ環境対策の推進にも配慮していきます。

【Q】 ●日本は2030年までに温室効果ガスを13年度比で26%削減する目標を掲げ、東京都はそれを上回る目標を打ち出している。これを受け、杉並区では温暖化防止に向けてどう取り組んでいくのか。CO2削減目標を設定しなおすべきと考えるが如何か。

【A】   昨年末、2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」が採択され、我が国は二酸化炭素を含む温室効果ガスの排出量を、2030年までに2013年度比で26%削減すると表明しました。国は、この目標を着実に達成するため「地球温暖化対策計画」を早期に策定するとしています。また東京都は、現在策定中の「東京都環境基本計画」の中間のまとめで、都内の温室効果ガス排出量を2030年までに2000年比で30%程度削減する方向性を盛り込んでいます。
区としても、こうした国や都の計画策定の動向を踏まえ、住宅都市としての特性に基づく新たな目標値を設定し、地球温暖化対策に取り組んでいきます。

【Q】 ●区立施設再編整備計画を進めるに当たり、新施設建設の際の省エネ基準の設定はどうなっているのか。高い基準を設けるべきと考えるが、区の見解を伺う。

【A】   現在「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の基準に基づいて施設の建設を行っています。高い基準を設けるべきとのことですが、建設コストと省エネ効果のバランスを考慮した上で、施設ごとに適切な省エネ対策に努めていきます。

【Q】 ●本庁舎では節電に取り組み、大きな成果を挙げているが、それに比べて学校や他の区立施設での削減は進んでいないようだ。区民サービスのための施設であるが、目標をもって節電に努めていただきたいが如何か。

【A】   区では「杉並区環境・省エネ対策実施プラン」を策定し、電力などのエネルギー使用量の削減の目標を掲げ取り組んでいます。本庁舎では、空調温度の適切な設定や熱源設備の更新などで、節電の成果をあげてきました。
また、そのほかの区立施設や学校では、高齢者、障害者、幼児など利用者の状況に応じて、区民サービスの維持・向上を図りつつ、目標を定め節電に取り組んでいるところです。今後とも、各施設で区民サービスに影響を与えないよう節電に取り組み、設備の更新時を捉えて省エネ化を進め、節電に努めます。

【Q】 ●施設再編整備の第1の柱に保育園待機児童ゼロを据えたことは評価しているが、0歳児をはじめ、依然として厳しい現状について区の認識と新年度における待機児童数の見通しについて伺う。
●田中区政になって、待機児童解消に向けた取り組みとして保育園増設による保育定員を拡充してきたことを評価する。これまでの取り組みについての総括と、今後の待機児童解消に向けた計画とその決意を伺う。

【A】   平成28年4月の保育所入所の一時利用申込者数は、出生数の増加や保育所入所を希望する方の割合の高まりを受け、過去最高の3,801人となりました。特に、0歳児では145人、1歳児で252人の大幅増加となり、平成28年4月の段階では、乳児を中心に、待機児童の解消に至らない状況です。
積極的に社会進出している女性が自分の選んだ仕事を続けながら、安心して子どもを産み育てられる社会環境を整備することは、人口減少社会に立ち向かう基礎的自治体として、最も重要な責務の一つであると考え、待機児童対策に全力で取り組んできました。
先ずは平成29年4月に向けて待機児童ゼロを達成することはもちろんのこと、当面保育ニーズは高止まりするとの認識の下、今後も手綱を緩めることなく計画的に施設の整備を進めていく決意です。

【Q】 ●区は、新たに多子世帯への保育料等負担軽減を行い、区独自の対策として、対象者の年収区分を国の2倍程度に引き上げるが、対象範囲を広げる目的と拡充による対象者の状況について伺う。
●また、すべての多子世帯への支援とはならず、対象とならない世帯からの不満が予想される。対象者数の把握状況とその対策について伺う。

【A】   現在、区内認可保育所に在籍している児童のうち、第3子以降は200人程ですが、今回、国が少子化対策の一環として打ち出した、保育料の無償化の対象となる年収360万円未満の多子世帯に該当するのは、そのうちの1割にも満たない程度に留まります。
そこで、少子化対策としての実効性を高めるため、平成28年4月2日以降に第3子が生まれた世帯を対象に、保育料の階層区分で中位にあたる国基準の約2倍程度の年収区分まで引き上げ、第3子以降の保育料を無料にすることにしました。
また、従来から区独自に行っている認可外保育施設等の在園児への補助金も同様の取り扱いをすることで、対象者はあわせて、初年度は約30人程度、4年後には約160人程度増えると見込んでいます。
この支援策は、総合戦略策定に向けて行った区民アンケート結果などをもとに、第3子を希望している方の背中を押すことを目的とするもので、対象を既に第3子以降の子どものいる世帯ではなく、これから第3子以降が生まれる世帯に限定しています。

【Q】 ●「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」少子化対策に向けた区の決意を伺う。

【A】   杉並区の末長い発展のためには、区外からの転入に頼らず、区自らが人口を維持・増加させる力を育てることが急務であると常々考えてきました。
区の子育て世代の現状を見ると、合計特殊出生率は0.99と東京都や全国平均と比べると低位にありますが、「杉並区まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定に向けた区民アンケート結果では、「希望する子どもの数」の平均は2.27人でした。そして、子どもを持つ場合の条件としては、「地域の保育サービスが整うこと」を挙げる人が最も多いという結果でした。こうしたことから、若い世代に対して、子育て支援を中心としつつ、結婚、就労、住宅などの支援に、民間事業者との連携を図りながら総合的に取り組むことを総合戦略の中で打ち出しました。28年度予算案の中にも、待機児童対策をはじめ、多子世帯に対する区独自の支援策やゆりかご事業の拡充など、妊娠期からの切れ目のない子育て支援の充実を盛り込みました。
今後も、将来にわたって持続可能な活力ある杉並区の実現に向け、若い世代が区に住み続け、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを進めていきます。

【Q】 ●特養待機者の解消に向けた取り組みの実績と、待機者の現状、その解消に向けた特養増設の計画はどうなっているのか。

【A】   特養整備は区政の最重要課題の一つであり、区長就任以来、積極的に取り組んできました。昨年度は、3か所の増・開設で161人の定員増を行い、計1,538床まで整備を進めましたが、急速な高齢化の進展の中、現在も約1,260人の方々が入所を希望しており、その内、約770人は優先度の高い方です。
高齢者の介護のため、家族が仕事をやめざるを得ない状況が発生するなど、特養待機者の解消は、喫緊の課題と捉え、スピード感を持って対応していく必要があります。
そのため、地域包括ケアシステムの構築に向けた本格的な取り組みを加速し、在宅生活の限界点を上げていくとともに、施設整備も、施設再編整備計画により生み出した区有地の活用をはじめ、国公有地の活用や南伊豆町との自治体間連携による区域外整備など多様な手法を用いて、総合計画に掲げる33年度末の目標数値である2,307床を確実に達成できるよう、全力で取り組みます。

【Q】 ●施設再編整備に児童館事業の拡充を求め、放課後の安全な居場所づくりを第3の柱に据えるよう求めてきた。計画の中に盛り込まれた取り組みと、今度の姿勢を確認する。

【A】   児童館の再編は、近年の利用状況の変化を踏まえ、学童クラブの小学校内への移転整備や、小学生の放課後等居場所事業の小学校内での実施などを進めています。この取り組みは、学童クラブの需要増に対応しつつ、児童の安全確保を図るなど「安全な居場所づくり」という視点からも、子どもたちの健全育成環境の充実につながるものと確信しており、今後も計画的に進めていきます。
また、これまで児童館が培ってきた地域との連携による伝統行事、多世代交流事業などを通じた地域づくりについても、児童館施設を活用して整備する「子ども・子育てプラザ」において、しっかりと継承していきます。
こうした取り組みを通じ、地域の中で多くの方に見守られながら、安全・安心に子どもたちが過ごし、成長していける居場所、環境づくりを着実に進めていきます。

【Q】 ●あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との財政交換に至る過程で、区長が荻窪税務署の建替え計画を把握したのはいつか伺う。また、その建替えに区として待ったをかける要望書を国に提出した目的は何か伺う。当時は特別養護老人ホーム建設の具体的な方向は出ていなかったが、この段階ではどのような利用を考えていたのか、荻窪駅北東地域の再開発計画が現実にあったのかなど、その関連があれば伺う。
●その後、数年間事態が進まなかったのはなぜか。建替えを延期していた国からの問い合わせがいつあり、それに対して区はどのように対応したのか伺う。また、あんさんぶる荻窪との財産交換という手法を思いついたのはいつか、その理由とあわせて伺う。

【A】   区長就任時点で、既に国は、平成23年度から荻窪税務署の建替工事に着手すべく準備を進めており、平成22年10月に財務省から現地建替えの工事費予算を概算要求した旨の情報が入りました。
建替工事休止の要望理由ですが、老朽化した荻窪税務署を杉並税務署と一体的な建替えを行い、駅周辺に移転して税務行政の集約化を図れれば、跡地となる大規模用地を区が一体的に活用できる可能性が生じるため、国と協議したいと思ったからです。当時は新しい基本構想の検討を開始する時期であり、荻窪のまちづくりへの寄与という観点からも、拙速な現地建替えは避けるべきと判断し、要望書を提出しました。
その後、区では民間ビルの活用など様々な手法を検討しましたが、翌年の東日本大震災や建替えを巡って二転三転した方南町住宅問題への対応などに追われたこともあり、残念ながら基本構想、総合計画の策定までに国への具体的な提案を行うには至りませんでした。
なお直接の関連はありませんが、区が国へ要望書を出した同年12月、荻窪駅北口の東地域では、荻窪駅北口東地区市街地再開発準備組合が解散の決定をしたようです。
荻窪税務署用地の利用は、先ほど述べたとおり、跡地となる大規模用地を区が一体的に活用できれば様々な行政需要への対応が可能になると思いました。具体的な活用方法は、特養や保育園、まちづくりなどを想定していました。
区では、具体的な提案ができなかった後も、国に対して区民サービスの向上、税務行政の効率化につながるような建替えの可能性を共に模索してもらいたいと伝えていましたが、平成25年7月、国から首都直下地震の発生危機が高まる中で、耐震上の課題がある荻窪税務署の建替えをこれ以上先延ばしにすることはできないとの回答がありました。
この時、区では施設再編整備計画(素案)の中間のまとめを検討している最中であり、区の喫緊の課題である特養ホーム整備のための大規模用地の確保と荻窪税務署の区民サービスの向上につながる効率的・効果的な建替えという二つの課題を同時に解決する方策として、この財産交換の提案を行いました。

【Q】 ●国家公務員宿舎跡地だけで特別養護老人ホーム建設は可能であり、あんさんぶる荻窪との交換はしなくてもできたという意見があるが、それは可能であったのか伺う。また、6,000㎡を超す区内の広大な用地の取得は、区内では他にもあったという意見があるが実態はどうか伺う。
●国との財産交換の交渉に入った過程で、議会に対する説明をいつどのように行ってきたか伺う。また、地元住民に対する説明をどのように進めてきたのか確認する。

【A】   当該用地は、当初から国が自ら活用する財産として位置づけられており、区への活用照会の対象からは除外されています。仮に活用することができたとしても、その広さ・形状は国の計画次第となりますし、この大規模用地を一体的に取得・活用できることが、将来にわたって区の貴重な財産となり、大きな意義があります。従って当該用地を確実に活用し、区民福祉の更なる向上を図るためには、財産交換が唯一の手段です。
また、議会や区民への説明は、麻生財務大臣と財産交換の協議を進めることを合意した直後の平成25年第4回定例会で経過を説明し、さらに平成26年1月の「区立施設再編整備計画(案)」を策定したタイミングでも説明しました。
また、地域への説明は、素案および案の公表後に、主に荻窪地域の住民を対象とした地域説明会を旧若杉小学校で開催するとともに、荻窪地区町会連合会や荻窪地域区民センター協議会、桃井第二小学校評議員会の方などに対し、個別に計画素案および計画案についての説明を行う中で、国との財産交換についての説明もあわせて行ってきました。
次に区内で6,000㎡を超える用地取得の可能性ですが、国家公務員宿舎の跡地として、方南町住宅と高円寺住宅の跡地が6,000㎡を超えています。しかし、方南町住宅は、東日本大震災後の国の方針変更により最終的に廃止となったことを受け、地元住民の要望をかなえるよう、区が国に働きかけ、ファミリー向けの集合住宅や集会室、広場等を整備することになりました。また、高円寺住宅も周辺が木密地域で、かつ防災性を備えた馬橋公園の隣地であることから、公園の拡張用地として取得したい旨、国に要望しています。
従って、区が6,000㎡を超える用地を活用できる可能性は、財産交換による荻窪税務署等用地の取得以外にはありません。

【Q】 ●相談窓口に行きつかない生活困窮者への対応として、アウトリーチが必要だと考えるが、区の見解を伺う。
●生活困窮者は、税金や保険料の滞納など複合的な問題を抱えることが多く、分野を超えた様々な機関との横断的な連携によって問題解決を図ることが必要だと考えるが、区の見解を伺う。

【A】   昨年4月に生活自立相談窓口「くらしのサポートステーション」を開設し、生活困窮者を対象として、生活全般にわたる総合相談により包括的・継続的な支援を行っています。
複合的な問題を抱える生活困窮者を早期に把握し、支援につなげていくためには、必要に応じて訪問支援等のアウトリーチを行うことは重要なことです。このため28年度からは相談員を1名増員するなど支援体制の強化を図り、アウトリーチによる相談を充実していきます。
また、関係部署と連携を密にすることで、より多くの生活困窮者を早期に発見し、適切な支援につなげられます。これまでも税や国保など各種窓口との連携に努めてきましたが、今後も関係部署・機関が参加する「自立支援調整会議」をはじめ、職員説明会や各分野の支援事業の活用など、横断的な連携・協力体制のもと効果的な自立支援に取り組んでいきます。
【Q】 ●住宅扶助費の削減や単身世帯の床面積別基準額の明確化による転宅指導によって、個々の状況にどのような変化があったか。
●高齢者二人世帯などは、転宅が必ずしも良いことではないと思われるが、その場合にどのような配慮を行っているのか。
●当事者の現状に寄り添った対応を求めるが、区の見解は。

【A】   今回の改定により単身者の場合では、狭小住宅から広い住宅に転居した例や風呂付等に転宅できたなど、住環境の改善が図られる一方、二人世帯については転宅先が見つかりにくいなどのケースもありますが、生活の維持に支障が生じないよう、必要な経過措置等を講じています。また、高齢者や車椅子使用の障害者などへは、世帯員の状況、当該地域の住宅事情により、特別基準額を適用するなどの配慮をしています。
今回の改定により基準額を超過する世帯に対しては、担当のケースワーカーが個別に説明し、改定の主旨を理解していただきながら対応しています。今後も受給者の生活状況を的確に把握し、個々の事情に応じた配慮を行い、受給者の良好な住環境の確保に努めていきます。

【Q】 ●区が子どもの貧困の連鎖を断ち切るために、様々な施策を行っていると認識しているが、具体的な目標をもって取り組むことも必要だと考える。区は、どのような目標をもって施策を進めようとしているのか伺う。
●子どもの貧困を家庭だけの問題にせず、社会全体で支援していこうという市民レベルの無料学習支援や子ども食堂などの実践が広がっている。区民への情報提供や活動を後押し、支援する取り組みが求められていると考えるが、区の見解を伺う。

【A】   国は、子どもの貧困対策を推進することで、貧困の連鎖により子ども達の将来が閉ざされることなく、全ての子ども達が夢と希望を持って成長していける社会の実現を目指しており、区も同様の認識で取り組んでいます。
区では、生活困窮者自立支援法に基づく子どもの学習支援事業として「中3勉強会&アドバンス」をあんさんぶる荻窪で実施していますが、区内各地域で支援の輪を広げていくことが必要です。今後は、民間団体による子どもの居場所づくり・学習支援などの活動が、より多くの地域で展開できるよう、民間との連携・協働による取り組みも視野に入れながら、効果的な支援策の検討を進めていきます。

【Q】 ●新年度に「寡婦(寡夫)控除のみなし適用」を実施するにあたり、対象を保育料等とした考え方について確認します。

【A】   今回の寡婦控除のみなし適用は、公営住宅法施行令の改正などの環境の変化があったことから、ひとり親家庭への子育て支援とひとり親家庭間の格差の解消の観点から実施するものです。
区が適用の判断を行うことが可能で、児童を対象とした使用料等、保護者が複数年度にわたり継続的な負担を伴うものを対象とすることを基本的考えにおき、精査した結果、保育料等を適用対象としました。
【Q】 ●「在宅医療・介護連携の推進」「認知症施策の推進」「生活支援サービスの体制整備」は充実すべき施策とされている。2016年度に区が進めていくそれぞれの基本的な方向を伺う。

【A】   「在宅医療・介護連携の推進」は、今年度から開始した「在宅医療地域ケア会議」をさらに発展させ、在宅医療に携わる医療と介護を中心とした多職種連携の強化により、在宅療養生活支援を一層充実させていきます。
次に「認知症施策の推進」は、今年度作成した認知症のクリティカルパスやケアパスの普及とともに、認知症初期集中支援チームの本格実施を通して認知症の方や家族の方の安心につなげていきます。
最後に「生活支援サービスの体制整備」ですが、地域包括支援センター(ケア24)によるケア24単位の生活支援体制整備をさらに進めるために、高齢者の生活支援に向けた地域の資源のネットワークを強化していきます。
以上の施策をこれまで以上に積極的に推進させて、地域包括ケアシステムを構築していきます。

【Q】 ●生活支援サービスの体制整備に伴う協議体の形成及び生活支援コーディネーターの設置に向け実施した生活支援ネットワーク連絡会では、どのような意見が出され、区としてどのような課題を認識されたか伺う。

【A】   この連絡会は、地域で主に高齢者の生活支援サービスを実施している多様な団体の方が参加しています。参加者からは、こうした情報交換や交流の場を通して、高齢者の孤立や生活上の課題を共有し、様々な生活支援サービスの資源が身近なところでコーディネートされることが重要であるという意見をいただきました。
こうした意見を踏まえ、高齢者の身近なところに多様なニーズに沿った生活支援サービスがあることだけでなく、信頼できるコーディネートの仕組みこそが課題であるとわかりました。そのため、ケア24を単位とした生活支援体制整備を進めていく上で、次年度は協議体の設置と生活支援コーディネーターの配置をしっかり進めていきます。

【Q】 ●高まる介護需要に対応して良質なサービスを安定的に提供していくためには、介護従事者の負担軽減支援策も大事だが、そのほか介護事業の現場の課題を分析し、その課題解決のために区がすべきこと、事業者がすべきこと、また利用者や地域がすべきことを明らかにし、効果的な支援策をうっていくことが必要だと考えるのが区の見解を伺う。

【A】   これまでも介護保険運営協議会や介護保険サービス事業者の会などを通じて、介護保険に関わる様々な方と広く意見交換を行いながら、課題の把握やそれぞれの役割について確認してきました。そうした中、高まる介護ニーズに対応するため、介護従事者の負担軽減策を講じることが区としてさらに重要な役割になったと認識し、今回、介護イノベーションの支援に着手する予定です。今度も地域包括ケアシステムの構築を進めていく中で、区民・事業者・行政の役割分担を明確にしながら、介護を必要とする人が適切かつ良質な介護サービスを受けられるよう努めていきます。

【Q】 ●親なき後も障がい者が住み慣れた地域で生活できるようにするための重度のグループホームなどの障がい者施設の整備にあたり、具体的な方向とそれを支える体制整備について伺う。

【A】   施設入所や入院から地域生活への移行を進める中、受け皿となるグループホーム等の住まいの確保がより一層重要になっていますので、引き続き障がい者の重度化、高齢化にも対応できるグループホームの整備を進めていきます。
また、既存のグループホームにも重度障がい者の受入れが可能となるような仕組みの検討を進めるほか、地域におけるグループホーム相互をネットワーク化することで、支援の質の向上を図っていきます。

【Q】 ●性的少数者の生存権、人権を保障するために、今後どのような取り組みを考えているか伺う。

【A】   性的少数者に関しては、様々な差別や偏見により、生きづらさを抱えている状況があり、人権問題のひとつとして捉えています。
区の男女共同参画行動計画においても、性的少数者に対する理解の促進のための啓発の取り組みを明記しており、男女平等推進センターの広報紙等による区民に向けての啓発や職員に向けた研修等による啓発による取り組みを今後も引き続き進めていきます。また、男女平等推進センターの総合相談においても、性的少数者からの相談を受けられる体制にしています。

【Q】 ●農に親しむ成田西ふれあい農業公園の開園に先立ち、緑地保全モデル地区のワークショップが行われたが、農地の保全のためにはもっと区民の農業者の思いを聞き、区民と農業者の交流の場をもっと設けることが必要だと思うが、今後の農地保全の取り組みの方向と区の決意を伺う。

【A】   杉並区に残されている屋敷林や農地といった民有地のみどりは、長い年月をかけて守り育てられてきた区民共有の財産です。そのため、区では緑地保全方針を策定し、現在、区民参画のワークショップを行い、保全策に取り組んでいるところです。このワークショップには、農地・屋敷林所有者も参加し、農地・屋敷林の役割や維持管理の大変さなど、生の声を聞いています。
この方針では、貴重なみどりの喪失に歯止めをかけたいという思いのもと、4つの方向性から重点的にその保全に取り組むことを掲げています。
農地保全における1つ目は、農業体験農園の運営支援や営農支援補助制度など、保全につながる制度の活用や充実を図ること、2つ目として「農の風景育成地区制度」の導入検討や今年開園する農業公園など、農地が保全できるまちづくりに取り組むこと、3つ目として(仮称)みどりの支援隊など地域のマンパワーを活用することです。そして4つ目に農協や他の自治体と共同で取り組んでいるアグリフェスタのような農地保全のためのPRや企画を行うことです。
こうした取り組みを進め、区民と農業者との交流機会を増やし、屋敷林、農地の持つ機能や効用について、その大切さを周辺に住む方にも理解していただき、杉並の原風景の核ともいえる、屋敷林、農地を後世に引き継いでいけるよう展開してきます。

【Q】 ●空家対策についてお聞きします。昨今、地域で「空き家」について問題になっています。区でも昨年、杉並区空家等対策協議会を設置して、総合的な空家対策に取り組むため、空家等対策計画をまとめていると聞いています。1月に素案が審議されたと聞いていますが、どのような対策を検討しているのか、行政書士や司法書士などの力を借りた調査や取り組みが必要と思うがどうか。

【A】   現在、空家等対策協議会において、司法書士、弁護士や一級建築士をはじめとする多くの専門家の力をお借りして、杉並区らしい空家等対策計画になるよう審議しています。建物が空家になる前の状態から、空家化した状態、管理不全の状態、さらに除去後の跡地の状態までの空家の各段階に応じて、「空家等の発生の抑制と適正な管理」、「空家の利活用の促進」、「管理不全な空家等への対応」について、多面的な対策が必要と認識しており、具体的な対策について論議しています。
このような総合的な空家対策を進めるためには、幅広い知識や情報が不可欠であるため、各種専門化団体など多様な主体と連携し、空家対策を進めていきます。

【Q】 ●無作為抽出による区民や、区内の高校、大学等の若者と区長の懇談会を実施するとのことであるが、方針にこれをいれたのはなぜか伺う。
●小学生や中学生と区長の懇談の場も設けるべきと思うがいかがか。

【A】   区長就任以来、地域イベントや区民団体の会合等に出向き、多くの方と胸襟を開いて語り合い、また区政に対してのご意見を聴いてきました。しかしこれまで以上に、幅広い区民のご意見を直接伺っていきたいと考え、無作為抽出による対話の場を設けることにしました。
また、次世代を担う若者たちも、社会や身近な区政に対して様々な意見を持っていると思いますので、区内の高校・大学に通う若者を対象に考えました。これらの取り組みによって、より一層幅広い区民の声を区政運営に活かしていきたいです。
小学生や中学生との懇談の場については、例えば井荻小学校の児童から提案を受けた「みんなの夢水路」や、中学生小笠原自然体験交流をはじめとして、様々な事業やイベントに参加した子どもたちと触れ合う中で、様々な声を聴いています。今後もそういった機会を捉え、子どもたちの夢や思いに耳を傾けていきたいと思います。

【Q】 ●開校から1年を迎える施設一体型小中一貫教育校の杉並和泉学園をどのように評価しているか
●高円寺地域の小中一貫教育校の建設については様々な意見があるが、杉並和泉学園の開校までの取り組みを、高円寺の新しい学校に生かしていくことが重要であると考えるが、見解を伺う。
●今後の施設一体型小中一貫教育校の計画化に当たっては、杉並和泉学園の検証を踏まえるとともに、地域の環境や関係者の意見を聞きながら、慎重に進めるべきであると考えるが、見解を伺う。

【A】   区内初の小中一貫教育校として昨年4月に開校した杉並和泉学園の評価ですが、平成22年に「新泉・和泉地区小中一貫教育校設置計画」を策定した背景には、新泉小学校及び和泉中学校における児童・生徒の減少がありました。その課題を解決するために、保護者や学校関係者、地域の方と一体となって計画の具体化を進めて以来、5年を経て開校した杉並和泉学園は、まだ1年ではありますが、地域と共に様々な教育活動に取り組む中で、学校全体が活性化してきています。このことが最大の成果と受け止めており、引き続き、こうした潮流をより確かなものにしていかねばならないと考えています。そのためには、児童・生徒の多様な交流機会の拡充や、小学部と中学部の教職員同士の一層の連帯促進等を図る必要があります。これらの取り組みやそのプロセスを通して得た成果や反省点は、高円寺地域の新しい学校づくりにしっかりと活かしていきたいです。
なお、今後の小中一貫教育校の計画化ですが「杉並区立小中学校新しい学校づくり推進基本方針」に基づき、関係する保護者や地域の方等の幅広い意見を聴きながら総合的な視点で検討していくべきと考えます。

【Q】 ●農家での小学生のイモ掘りや収穫体験などの取り組みを今後さらに多くの学校に広げていただきたいと考えるが、区の見解を伺う。

【A】   自然と触れ合うことを通して、勤労することの意義や命の尊さを理解し、収穫の喜びを感じ取ることのできる農業体験は、教育的に価値の高い取り組みです。市街地化が進み、畑で作物を育てる機会が少ない本区では、こうした活動を意図的・計画的に行っていく必要があります。
これまでも小学校では、生活科や理科、総合的な学習の時間において、校内のほか、近隣の農園や都立農芸高校等の協力を得て、野菜の栽培や米作りなどを実施しています。中学校においても、技術・家庭において、作物の計画的な管理方法について学び、栽培から収穫までの作業体験を行っています。また、移動教室やフレンドシップスクールにおいて、現地の人とのかかわりをもちながら、農作業体験を実施しています。
今後もこうした体験活動を通して、土に触れる喜びや自然の恵みに感謝する心を育み、子どもたちに豊かな人間性を涵養していきたいです。

【Q】 ●待機児童解消に向けて今後も手綱と緩めることなく取り組むという決意はよくわかったが、具体的にどう進めるのか、もう少し詳しくお示しいただきたい。

【A】   先ずは3月までに、最新の保育所申込み状況や未就学人口の推移などから、平成29年4月時点での保育需要の見込み数と、その重要を満たすために必要とされる確保策を、歳児や地域のバランスなども考えて具体的に算出し、それを踏まえて29年4月に待機児童ゼロを何としても実現するため、必要な措置を講じつつ整備を進めます。

代表質問  2016年2月12日 いのち・平和クラブ そね文子

いのち平和クラブを代表して「平成28年度予算の編成方針とその概要」及び区政の諸課題について質問いたします。

質問に先立ち、先日2月6日に起きた台湾の地震でお亡くなりになった方々、被災された方々に哀悼の意を表し、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。

では本題に入ります。
昨年は安倍政権が、民意を無視し、違憲とされる安保関連法案を強行に通し、日本が他国の戦争に参加する道をひらくという、戦後の国のありようを大きく変えた年でした。しかしこれに反対するあらゆる世代が、連日国会を取り囲む抗議行動を大きく繰りひろげ、なかでも若い人たちが「民主主義が壊されたら、またここからつくり始めればいい」と語り、多くの行動する若者を生み出したことに希望を感じました。
区長は、成人祝賀のつどいで、初の国会議員選挙が行われた126年前、最下位当選者の得票数が56票であったこと、その後国民の運動によって選挙権が拡大していったにもかかわらず、日本は戦争に突入し多くの犠牲が払われたことを話されました。そして「18歳に引き下げられた参政権を立派に行使していただきたい」と新成人に訴えかけ、強い印象を残しました。

1. まず、憲法と平和施策についてお聞きします。

① 安倍首相が、7月参議院選の争点に憲法改定を明言し、この国を支えてきた拠りどころを根こそぎ変えようとしている今、立憲主義と憲法の意義について、あらためて区長の見解をお聞きします。
② また、戦後70年を過ぎ戦争体験の風化が進む中、杉並区の平和施策についての区長の見解と取り組みを求めます。
③ 一方、辺野古新基地建設をめぐり沖縄県の許認可権を否定した国が、県を裁判に訴え、憲法に規定された地方自治の理念が危機にさらされています。自治体と国の対等な在り方について区長の見解をお聞きします。

2. 次に、福島を忘れない取り組みと震災対策、脱原発についておたずねします。
昨年夏に女性議員の視察で南相馬市を訪れた際、除染によって排出された放射性廃棄物が大きな黒い袋に入れられ、それがいたるところに山積みにされている光景を目の当たりにしました。市内にはいまだに人が住めない帰還困難区域と居住制限区域、またそうでない地区が混在し住民は分断され、制限が解除になっても戻らないという人も多く、復興のめどはまったく立っていない状態でした。福島を置き去りにして、原発再稼働を進めることは許されることではありません。

① 東日本大震災からから5年経た今、区長の一貫した「福島を忘れない」取り組みを評価しています。区長は震災直後にいち早く南相馬市にかけつけ、交流自治体とスクラム支援会議を立ち上げられました。自治体の災害支援の在り方について国に提言し、福島への支援を継続して来られた取り組みについて、総括と今後の課題をおたずねします。
② 3.11の教訓から、自治体として区に課せられた課題は何か、区長の見解と新年度の予算における具体的取り組みをお聞きします。
③ 九州電力川内原発に続き関西電力高浜原発が再稼働され、四国電力伊方原発の再稼働も時間の問題となっています。しかし福島第1原発事故の被害の教訓から、過半数の人が原発に頼らない社会と再生可能エネルギーの拡大を望んでいることは、あらゆる調査結果に現れています。引き続き太陽光発電など再生可能エネルギーの普及を推進するなど、区の積極的な取り組みを求めますが、お考えを伺います。
④ 区は、区立施設で使用する電力を特定規模電気事業者、PPSから購入し、学校施設から区民センター、区庁舎に拡大してきました。昨年第4回定例会では、3年間で1億4848万円の財政削減効果があったことを確認できました。この4月から家庭用電力が自由化されるにあたり、PPSからの購入をさらに拡大するよう求めますが、いかがかお聞きします。また、可能な限り太陽光など再生可能エネルギーを電源とする事業者を支えるために、そのような事業者から購入するよう求めますが、いかがでしょうか。

3.続いて、温暖化防止と省エネ対策についてお聞きします。
① 昨年秋に開かれたCOP21で採択されたパリ協定で、日本は2030年までに温室効果ガスを13年度比で26%削減する目標をかかげました。東京都ではすでにそれを上回る30%削減の目標を立てました。これを受けて、杉並区では温暖化防止に向けてどう取り組んで行くのか、お考えをお聞きします。また、現在区は1990年度比でCO2を2%削減するという暫定の目標を設定していますが、この機会にCO2削減目標をより高く設定しなおすべきと考えます。いかがか、併せてお聞きします。

建物の断熱リフォームや、新築の際に高い省エネ基準をクリアさせることは、省エネを進めるためにたいへん有効な手段です。
② 区立施設再編整備計画を進めるに当たり、新施設建設の際の省エネ基準の設定はどうなっているのでしょうか。高い基準を設けるべきと考えますが、区の見解を求めます。
③ 本庁舎では、毎年目標を持って節電に取り組み、2010年度比で20%以上の削減を達成するという大きな成果を上げています。しかし、それに比べて学校や他の区立施設での削減はまだ進んでいません。区民サービスを目的とする施設で、同じ比率の削減は無理だとしても、区民にも理解を求め、目標をもって節電に努めていただきたいと思います。お考えをお聞きします。

4.次に施設再編整備計画について伺います。私たちの会派は、築40年を超えようとする区立施設が一斉に建て替え時期に入るにあたり、30年~40年前と状況が大きく変化し、区民ニーズや施策の優先順位からも一定の施設の再編が必要なことは理解しています。区民から寄せられた不安や疑問に対して、細部にわたりますが、区長の明快な答弁をお願いいたします。
① 施設再編整備の第1の柱に保育園待機児童ゼロを据えたことは評価しています。しかしゼロ歳児をはじめ、依然として厳しい現状があります。これについて区の認識と新年度の待機児童数をうかがいます。
② 区の総合戦略では、「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」との基本目標を掲げています。田中区政のもと、待機児童解消に向け、認可保育園を柱に増設に取組み、2010年から5年間で保育定員を2,890人増やしてきたことは高く評価します。これまでの取り組みについての総括と、今後の待機児童解消に向けた計画と決意を伺います。
③ 一方、区の合計特殊出生率が0.99と低位にあるなか、区は新たに「多子世帯の保育料等の負担軽減の実施」を行います。区独自の対策として、対象者の年収区分を2倍程度に引きあげますが、対象範囲を広げる目的と、拡充によりどの程度対象者が増えるのかお聞きします。
④ また全ての多子世帯への支援とはならず、対象とならない世帯から不満がでることが予想されます。対象者数の把握状況とその対策についてお聞きします。この施策によりさらに保育園が不足する事態にならないように、保育園の計画的増設を求めておきます。
⑤ この新たな取り組みは、4年間試行的に行われますが、子どもを安心して産み育てられる環境につながるものとなるよう期待します。この課題の最後に「若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえる」少子化対策に向けた区長の決意についてお聞きします。
⑥ 施設再編整備のもう一つの柱に、特別養護老人ホーム待機者の解消を据えて、高齢者関連施設の整備を据えたことを評価します。要介護高齢者を抱え、仕事もできなくなり家庭が崩壊する厳しさは当事者でなければ理解できません。特養待機者の解消は緊急課題であり、待ったなしです。特養待機者の解消に向けた取り組みの実績と、待機者の現状、その解消に向けた特養増設の計画を示してください。
⑦ いのち平和クラブは、施設再編整備に児童館事業の拡充を求め、具体的取り組みを確認してきました。さらに、子どもを取り巻く環境の厳しさから、放課後の安全な居場所づくりを施設再編整備計画の第3の柱に据えるよう求めてきました。計画の中に盛り込まれた取り組みと、今後の姿勢を確認します。
⑧ あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との財産交換についてお聞きします。あんさんぶる荻窪と税務署との交換の動きが新聞で初めて知らされたこと、またあんさんぶる荻窪が駅至近にあり、なかでも荻窪北児童館が乳幼児親子から小中学生の使いやすい場所として親しまれてきたことで、区民の中に不安や反対の声もあります。一方、急を要する特別養護老人ホーム200床や区内全域の在宅介護の困難事例に対応できる後方支援機能設置のための用地獲得の目的は理解もできます。そのためには、交換後に児童館利用者などの居場所が保障されることが不可欠です。
最近、2010年12月に、区長が財務省理財局長に出した荻窪税務署建替えの一時休止を求める要望者の真意が問題となっています。そこでお聞きします。あんさんぶる荻窪と荻窪税務署との財産交換に至る過程で、区長が荻窪税務署の建て替え計画を把握したのはいつだったのか確認します。また、区長が、荻窪税務署の建替えの一時休止を国に要望した目的はなにかをお聞きします。当時は特別養護老人ホーム建設の具体的な方向は出ていませんでしたが、この段階ではどのような利用を考えておられたのかお答えください。当時、荻窪駅北東地域の再開発計画が現実にあったのか、再開発との関連があればお聞きします。
⑨ その後、数年間事態が進まなかったのはなぜでしょうか。建て替えを延期していた国から問い合わせが来たのはいつか。それに対して区はどのように対応したのかおたずねします。また、あんさんぶるとの財産交換という手法を着想されたのはいつか。その理由もあわせてご説明ください。
⑩ 区民の中には、公務員住宅跡地だけで特養建設は可能であり、あんさんぶるとの交換はしなくてもできたという意見があります。それは可能であったのか確認します。先ほど、他の会派から今でも定期借家制度を使い、公務員住宅跡地を安く借りて特養をつくることができるということや、区が計画する特養は税務署を立てた後の残りのスペースに入るとのことが図を使って示されました。この点について、私たちも直接、関東財務局に連絡し確認しました。当局からは「制度のスキームがあることは“仮“の話としてあると答えた」と、あくまでも仮のこととして答えたとのことでした。これを今からでもアンサンブルとの交換がなくても特養建設が可能であるかのような主張を議会で行うのは区民が混乱することになります。明快な答弁をお願いします。6000㎡を超す区内の広大な用地の取得はここ以外、方南町の公務員住宅など区内で他にもあったという意見がありますが実態はどうだったのかお聞きします。
⑪ 国との財産交換の交渉に入った過程で、議会に対する説明をいつどのように行ってきたのか。また地元住民に対する説明をどのように進めてこられたのか確認します。引き続き住民には正確な情報を伝え理解を得るために努力していただくよう要望します。

5.次に、施設一体型小中一貫教育校についてお聞きします。
① 学校改築にあたり、施設一体型小中一貫教育校について保護者からの不安や意見が寄せられています。地域や学校関係者の理解を得て建設され、開校から1年を迎える施設一体型小中一貫教育校の杉並和泉学園を、区はどのように評価されているのかお聞きします。
② 高円寺地域の小中一貫教育校の建設については様々な意見がありますが、杉並和泉学園の開校までの取り組みを高円寺の新しい学校づくりに生かしていくことが重要であると考えます。区の見解を求めます。
③ 施設一体型小中一貫教育校については、他自治体の先行例では、未だ成果が検証されておらず、一方、初等教育と中等教育の独自の役割も認められています。今後の施設一体型小中一貫教育校の計画化に当たっては、杉並和泉学園の検証を踏まえるとともに、地域の実情を把握し、保護者・学校関係者の意見を聞きながら、慎重に進めるべきであると考えますが、区の姿勢をお聞きします。
6.次に貧困対策についておたずねします。

2015年4月から施行された生活困窮者自立支援法に基づく総合相談窓口として、「くらしのサポートステーション」が開設されました。生活保護に至る手前のもう1つのセーフティーネットとして期待するところでです。

① しかし、生活困窮者の問題を解決するには、相談を受け付けるだけでなく、相談窓口に行きつかない困窮者への対応として、アウトリーチが必要だと考えますが、区の見解を求めます。
② 困窮者は税金や保険料の滞納、住宅費の滞納など複合的な問題を抱えることが多く、分野を超えた様々な機関との横断的な連携によって問題解決を図ることが必要だと考えますが、区の見解を伺います。
③ 昨年の生活保護の住宅扶助費の削減による厳しい現状が訴えられています。住宅扶助費の削減や単身世帯の床面積基準額の計画化による転宅指導によって、個々の状況にどのような変化があったのか確認します。
高齢者2人世帯などでは、住み慣れた部屋からの転宅が必ずしも良いことではないと思われますが、その場合どのような配慮を行っているのかうかがいます。
当事者によっては転宅指導により精神的に不安になっているなどの相談も寄せられています。当事者の現状に寄添った対応を求めますが、区の見解をお聞きします。

6人に1人の子どもが、またひとり親家庭ではその54%が相対的貧困状態にあるとされています。2014年1月に子供の貧困対策法が施行されましたが、予算がつかず国としての覚悟と責任が感じられない不十分なものとなっています。
しかし、足立区では、子どもの貧困対策実施計画を策定し、専門の担当部署を創設するなど、基礎自治体として取り組む動きも出てきています。経済的支援を担う行政と地域の区民レベルの活動が連動して、子どもを中心に置き、家族ごと支援する体制をつくっていくことが喫緊の課題だと考えます。

④ 区が子どもの貧困の連鎖を断ち切るために、様々な施策を行っていると認識していますが、具体的な目標をもって取り組むことも必要だと考えます。区はどのような目標をもって施策を進めようとしているのかおたずねします。
⑤ 子どもの貧困を家庭だけの問題にせず、社会全体で支援していこうという市民レベルの無料学習支援や子ども食堂などの実践が広がっています。自分も何かできないか、と思っている区民も少なくありません。区民への情報提供や活動を後押し、支援する取り組みが求められていると考えますが、区の見解をうかがいます。
⑥ 私たち会派は、結婚歴のない一人親に対し「寡婦(寡夫)控除のみなし適用」をする他の自治体の事例をあげ、その必要性を訴えてきました。昨年国の方向性が示され、4定で区の前向きな答弁も確認できました。他会派の質問で、新年度に寡婦(寡夫)控除のみなし適用が保育料に適用されることがわかりました。新年度から寡婦(寡夫)控除のみなし適用をするに当たり、対象を保育料にした考え方についてお聞きします。

7.次に超高齢社会を見据えた地域包括ケアシステムについてお聞きします。
① 地域包括ケアシステムに関し「在宅医療・介護連携の推進」「認知症施策の推進」「生活支援サービスの体制整備」の3点が自治体として充実すべき施策とされています。2016年度に区が進めてゆくそれぞれの基本的な方向をお聞きします。
② 地域包括ケアシステムの推進の要ともいえる、生活支援サービスの体制整備に伴う協議体の形成および生活支援コーディネーターの設置に向けては地域の社会資源の連携・交流の場が持たれ、丁寧にすすめられていると認識しています。ネットワーク連絡会の場ではどのような意見が出され、区としてどのような課題を認識されたか伺います。
③ 区長は「高まる介護需要に対応して良質なサービスを安定的に提供していくためには、施設の整備と合わせて介護従事者の確保が喫緊の課題」だと述べておられます。介護従事者の負担軽減策と併せて、現場の職員の労働条件改善が必要です。介護事業の現場における課題を細かく分析し、その課題解決のために区がすべきこと、事業者がすべきこと、また利用者や地域がすべきことを明らかにし、効果的な対策をうっていくことが必要だと考えますが区の見解をお聞きします。

8.次に差別を許さない区政の取り組みについてうかがいます。
① 障がい者が、親亡き後も住み慣れた地域で生活できるための支援が必要です。新年度に、重度のグループホームなどの障がい者施設の整備が打ち出されたことは評価いたします。その具体的な方向とそれを支える体制整備についてお聞きします。
② 性的少数者を取り巻く問題が人びとの大きな関心を呼び、社会で取り上げられるようになりました。当事者の話を聞くにつけ、これは性的少数者側の問題ではなく、受け皿となる社会の寛容性や人権意識の低さが当事者を長きに渡って深く傷つけてきた問題だと知ることとなりました。電通の調査では日本人の7.8%が性的少数者だという結果が示されています。であればこの杉並区にも4万人以上の性的少数者がいるということです。性別違和を抱える方たちは同じ境遇の人に初めて出会うまでに時間がかかり、学校に上がってからの男女別名簿、更衣室やトイレの問題、修学旅行、中学の制服などで長い間とてもつらい思いをしてきたと言います。その間、誰にも相談できず、自殺を考えた人が6割にのぼり、自殺未遂も14%と非常に高い割合となっています。区民への啓発や、教員、区の職員や窓口業務にあたる職員の研修を早く行い、あらゆる相談窓口で性的少数者を理解した上での相談対応ができていることを明示するよう、求められています。性的少数者の生存権、人権を保障するために、今後区がどのような取り組みを行っていかれるのか、考えをお聞きします。

9.次に環境対策についてお聞きします。
① 農に親しむ成田西ふれあい農業公園が4月に開園予定です。区民と区内の農業者が交流する「ふれあい農業体験」などの取り組みも示されました。
先日、緑の保全方針で示されたモデル地区をどう作っていくか、地域住民と行政、農業従事者が話し合うワークショップを見学させていただきました。農業者の思い、農業継続のために求められること、住民の地域の農業にもっと触れたいという思いを聞き、区民と農業者の交流の場がもっと必要だと感じました。私どもも協力し、共につくっていきたいと思っていますが、今後の取り組みの方向と区長の決意をお聞きします。
② 将来にわたって杉並区の農業と緑を守るためには、子どもたちへの教育にも力を入れる必要があります。区ではこれまでも、区内の農家での小学生のイモ掘りや収穫体験などの取り組みをされてきたと認識していますが、今後それをさらに多くの学校に広げていっていただきたいと思います。区の見解を伺います。
③ あき家対策についてお聞きします。昨今、地域で「空き家」が問題となっています。ゴミのたまり場、放火や電線などからの火災の危険性、「不審者」の隠れ家や未成年のたまり場になるのではないかと、近隣に住む方の不安材料となっています。区でも昨年、空き家等対策協議会を設置して、総合的な空き家対策に取り組むため、空き家等対策計画をまとめていると聞いています。1月に素案が審議されたと聞いていますが、どのような対策を検討しているのか、行政書士や司法書士などの力を借りた調査や取り組みが必要と思いますが、区の見解をお聞きします。

10.最後に区民の区政への関心と参加を高める取り組みについておたずねします。
今回、区民との双方向のコミュニケーションをとり、その意見を区政全体に生かしていくことを区長が示されたことは高く評価委します。
① 無作為抽出による区民や、区内の高校、大学等での若者と区長の懇談会を実施するとのことですが、区民が区政や社会参加に関心を持つようになることを期待しています。今回方針にこのことをとりいれたのはなぜか、区長の考えをお聞きします。
② 一方で、もっと小さいころから、自分たちにとって良い社会は自分たちがつくっていくという、主権者としての資質や能力を育むシチズンシップ教育も必要だと考えます。この際、高校や大学に限らず小学生や中学生と区長の懇談の場も設けていただきたいと思いますがいかがでしょうか。以上お聞きし、いのち平和クラブの代表質問をおわります。

第4回定例会一般質問と答弁  2015.11.19奥田雅子

【Q】  ● 環境情報館が環境活動推進センターとして移転して1年経った。区はどのように総括し、課題は何か。また今後、拠点としての機能をどのように盛り込んでいこうとしているのか伺う。

【A】   明治の頃の杉並区は、河川は緩やかに蛇行し周りには田んぼが広がり、子どもたちは川の中で魚をとったりして遊ぶ、自然が豊かな農村でした。その後、昭和になり高度経済成長期を迎え、街が大きく変わり失われたものも多くありました。今、残された環境を守り育てていくためには、様々な環境施策が必要であり、その核の一つとして環境活動推進センターを位置づけています。

荻窪の環境情報館を「リサイクルひろば高井戸」と同じビルに移転させ、リニューアルすることで相互の機能強化を図るとともに、環境学習機能が充実する新杉並清掃工場や杉並正用記念財団、高井戸地域区民センター協議会とも連携した取り組みを行うことを目指しています。まもなく1年を迎えますが、高井戸での認知度も向上し、運営が着実に軌道に乗ってきています。

今後は、さらに多くの皆様にご利用いただけるよう施設のPRと魅力ある講座の開催などに努めるとともに、地域のイベントに積極的に関わっていくことで、地域と環境団体との接点を増やしていくことが重要でしょう。こうした取り組みを通して、環境団体の活動拠点としてのさらなる機能強化を図っていきます。

【Q】  ● 移転前と比べ利用状況はどうか。 環境活動推進センターという名称が他の施設と似ているという声が聞かれる。公募や環境団体からの提案で愛称がつくと良いと思うがいかがか。

【A】  講座室の利用率は、環境情報館の時よりも向上してきていますが、さらなる利用促進に努めていきたいです。センターの愛称は、区民の方がセンターに親しみを感じるとともにPR効果もあると考えていますので、今後、環境団体連絡会などを通じて愛称についての議論を深めていきたいです。

【Q】  ● 環境団体連絡会のねらいは何か。また、所属する団体の分野や数、参加状況を伺う。また、運営について課題は何か。

【A】  環境団体連絡会は区に登録している環境保全やエネルギー、公害対策などの分野をテーマとして活動する39の団体の交流や情報交換の場として、環境団体が主体的に開催しています。

連絡会は、通常年4回開催されています。各団体の参加状況ですが、出席率が高い団体がある反面、極めて低い団体があるなど両極端の状況が生じています。各団体の活動実態やニーズを把握した上で、連絡会の運営を改善していくことが課題となっており、区もそうした観点からの支援をしていきます。

【Q】  ● 環境をテーマとした、市民、事業者、区が一体となって考え、共有化する場が必要と考えるが区の認識を伺う。

A】   共有化の場は、環境問題の具体的な解決策を見い出していく上で大切なものです。区では、これまでも区民、事業者、環境団体などの参画を得て「杉並区地域エネルギービジョン」を策定し、区内の商店会や環境団体などで構成する「マイバック推進連絡会」を設置し、レジ袋の削減に取り組んできました。

今後も区民、事業者、区が一体となって考え、課題を共有する場が形成されるよう、さらに努めていきたいです。

【Q】  ● 高井戸センターまつりと環境活動推進センターの事業が連携した取り組みはできないか、区の見解を伺う。また、杉並清掃工場が完成した暁には、清掃工場も連携して環境のまつりの開催を提案したいが見解を伺う。

【A】   環境団体と区民センター協議会や杉並正用記念財団との間での交流や情報交換を積極的に行い、高井戸センターまつりなど様々な分野での連携が図られるよう努めます。

現在、杉並清掃工場の「環境フェア」は、改築のため休止となっていますが、新工場稼働後の再開に向け、工場側と連携策について話し合っていきます。

【Q】  ● 地域包括ケアシステムについて、区のこれまでの取り組みについて伺う。

【A】   区は、これまでも地域包括ケアの重要な要素である在宅医療や介護のニーズに対応するため、在宅療養支援体制の整備や認知症対策、定期巡回・随時対応型訪問介護看護等の在宅介護サービスの充実に努めてきました。さらに、地域包括ケアシステムの構築に向け、25年度から3か所のケア24をモデル地区に選定し、26年度には地域づくりのモデル事業を実施し、地域に根差した取組方法等を検討してきました。その成果を踏まえ、今年度より、全てのケア24に地域包括ケア推進員を配置し、日ごろの活動を通して、医療・介護の連携、認知症対策、生活支援体制の整備等を推進しています。

【Q】  ● 介護保険制度改定で介護予報給付の一部が地域支援事業に移行することとなった。区はどのように受け止めているのか、伺う。

●今回の新しい地域支援事業の意義は、新しい地域づくりとも言われているが、どのような地域づくりを行っていくのか、区の見解を伺う。

【A】  地域支援事業は、介護予防や自立した日常生活支援のための施策を総合的かつ一体的に行うもので、今回の予防給付の一部移行は、地域支援事業の趣旨に沿ったものと考えます。

また、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるよう地域包括ケアシステムを構築していくことは、地域づくりそのものであると捉え、各地域の特質や様々な地域資源・人材を活かし、皆の力であたたかく支え合う地域づくりを推進していきたいです。

【Q】  ● 介護予防・日常生活支援総合事業の目的と考え方について区の捉え方を伺う。

●利用者が介護予防給付から介護予防・生活支援サービス事業に移行する場合、該当者にとってどのような変更になるのか、新たな手続き等が必要になるのか、区民への周知を含め伺う。

●訪問型サービス・通所型サービスの類型の多様化について、区はどのような計画を立てているのか、また、その際の検討事項をどのように整理しているのか、伺う。第7期介護保険事業計画に住民主体によるサービスBを導入するとしたら、第6期中に準備することはないのか。

【A】   この事業は、区が地域の実情に応じて多様なサービスを充実することにより、地域の支え合いの体制づくりを推進し、要支援者等に対する効果的・効率的な支援等を可能とすることを目指したもので、来年度から実施します。

介護予防給付からサービスを移行する方は、事業者と書類上の契約を改めて交わすことになりますが、利用者の方が混乱しないよう、ケアマネジメントを行うケア24を通して、個別に丁寧に周知していくこと等を考えています。

総合事業における多様なサービスは、現行相当の訪問型サービスと通所型サービスに加え、緩和された基準によるサービスと短期集中予防サービスを実施する計画です。次年度の円滑な移行・実施に向け、サービスごとの基準や単価等を定め事業者に周知していくことや、新たな介護予防ケアマネジメント体制等を検討課題とし、準備を進めています。

住民主体によるサービスBについては、実施主体として事故対応や苦情等への十分な対応が必要となるため、今後の指定事業者の動向も踏まえ、第7期介護保険事業計画策定に向けた取組みの中で、導入の必要性を検討していきます。

【Q】  ● 生活支援コーディネーター的な機能を担う地域包括ケア推進員をケア24に配置したが、現在の状況や期待するものは何か。

●協議体の形成に向けて、第1層レベルでの準備会を進めていると聞くが、その目的や活動について、伺う。

●区内の3ブロックで(仮称)生活支援ネットワーク連絡会を開催しているとのことだが、見えてきたことは何か。

●連絡会は1.5層の捉えになるかと思うが、国は第2層の協議体の設置を提唱している。第1層の協議体だけでなく第2層の協議体が重要と考えるとケア24を単位とした第2層の協議体が望ましいと考えるが、区の考えは。

●第1層と第2層の協議体との関係づくりも重要と考えるが、区はどのように体制づくりを進めていくのか。

●生活支援サービスの体制整備について、来年度以降の構想はどのように考えているのか。

 

【A】   ケア24への地域包括ケア推進員の配置により、今まで以上に地域の生活支援サービスに関わる資源や情報の把握が進み、関係者のネットワークづくりに繋がりつつあります。今後も高齢者の生活全般を支えている地域の多様な資源の掘り起こしを期待しています。

次に準備会ですが、協議体設置の考え方や役割、規模、構成メンバー等について意見交換を行い、それを参考に検討を進めることを目的としており、その活動の一つとして、今年度は既に生活支援サービスを提供している団体の連絡会を開催し、情報の交換・共有の機会を設けました。その連絡会では、地域における高齢者の生活実態や不足するサービスの把握とともに、団体同士のネットワークの必要性を確認しました。

そして協議体ですが、第1層の協議体は区全体で、第2層は高齢者の生活に近いところで設置する予定です。ご指摘の通り、第2層の協議体は具体的に活動を展開していく重要な役割があるので、ケア24の担当区域を考慮した設置を検討します。

今後、第1層と第2層の協議体が、相互に関わりを持って活動できるよう、それぞれの役割や機能について整理し設置していきます。

次年度は、この第1層、第2層の協議体の活動を通して、地域の支え合いや助け合いの地域づくりを進めていく構想です。

【Q】  ● その他の包括的支援事業として「住宅医療・介護連携の推進」と「認知症施策の推進」があるが、それぞれの進捗状況と課題について伺う。

【A】   「住宅医療・介護連携の推進」ですが、今年度から、杉並区医師会の協力を得て、医師をリーダーとした「在宅医療地域ケア会議」を開始し、医療と介護の関係者が区内7つの地域で、顔の見える関係づくりを進めています。今後は、この会議に参画した関係者間の連携を深め、高齢者1人ひとりに合った切れ目のない在宅医療・介護のサービス提供につながるよう努めます。また、在宅医療相談調整窓口でも、高齢者本人やその家族を始め、医療・介護・福祉の関係者からの相談にきめ細かく対応し、高齢者の在宅療養を支えていきます。

次に「認知症政策の推進」は、認知症になっても地域で安心して暮らせるよう、認知症サポーターの養成に力を入れるとともに、早期発見、早期対応を図るため、地域包括支援センター・ケア24での「物忘れ相談」の拡充や医療機関の連携を定めた「認知症クリティカルパス」の普及に努めています。加えて、認知症が疑われる高齢者を早期に医療・介護サービスにつなぐ「認知症初期集中支援チーム」を、来年一月に発足させる予定です。

こうした認知症の早期発見・早期対応の仕組みをしっかり機能させていくため、ケア24をはじめ介護関係者への研修を行い、認知症の本人や家族への対応力を向上させるとともに、区民の方に認知症の進行に応じた適切なサービスの案内ができるよう「認知症ケアパス」を今年度内に作成し、その普及・啓発に力を入れていきます。

 

 

第4回定例会一般質問  2015.11.19 奥田雅子

いのち・平和クラブの一員として、
1. 地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度改定について
2. 環境活動の推進について質問します。

まず、最初に「地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度改定について」です。
2000年に介護の社会化という期待を担って導入された介護保険制度は、それ以降、3年ごとの制度改定がなされてきました。私はこの間の法改正を法の本来の趣旨から言って後退したと考えています。その意味で好ましいと思えません。そのため「改正」と呼ぶ気持ちになれず、あえて「改定」と言わせていただきます。
昨年2014年6月、地域における創意工夫をこらした、効率的かつ質の高い医療提供体制の構築と地域包括ケアシステムの構築を目的に制定された「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進するための関係法律の整備に関する法律」に基づき、2015年に介護保険法も改定されました。この改定では、地域包括ケアシステムの構築と低所得者の保険料軽減の充実を掲げる一方で、保険料上昇をできる限り抑えるため、所得や資産のある人の利用者負担の見直しが示されました。
そもそも、地域包括ケアシステムのめざすところは、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた自宅や地域で暮らし続けられるように、「医療・介護・介護予防・生活支援・住まい」の5つのサービスが一体的に受けられる支援体制をつくることにありました。そのために、国は在宅医療や訪問看護の充実など、介護と医療との連携強化や、24時間対応型定期巡回・随時対応サービス等の創設による在宅サービスの強化など、介護サービスの充実、健康寿命を延ばすための介護予防に向けた取り組み、見守りや配食、買い物などの生活支援サービスの推進、そしてサービス付高齢者向け住宅など高齢者の住まいの整備などを進めてきています。杉並区においても第5期介護保険計画からそれらの充実に取り組んでこられたと認識しています。
さらに2015年度から2017年度の第6期杉並区介護保険事業計画では、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年を見据えて、杉並区においても単身高齢者世帯や高齢者のみ世帯の増加にともなって、医療や介護を必要とする高齢者がますます増加する状況に対し、地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みを本格化していく必要があるとしています。
これまでの区の取り組みと、第6期2年目に入る来年度に向けた施策の方向性を伺いたく、質問いたします。

<1>
少しさかのぼりますが、2013年10月1日号の広報すぎなみによれば、地域包括ケアシステムについて「暮らしやすい住まいで医療や介護を受けられる環境をつくり、住民同士が見守り等により相互にささえあい、高齢者が住み慣れた地域で、さいごまで自分らしい暮らしを続けることが出来る仕組みのこと」とイラスト入りでわかりやすく説明されています。おそらくは「地域包括ケアシステム」という文言が広く区民に示されたのは、この時が初めてではなかったでしょうか。

1-1-1.2年を経過する中で、この地域包括ケアシステムについて、杉並区はどのような取組みをされてきたのか最初に伺います。

<2>次に、新たな地域支援事業に関して2点お聞きします。
1-2-1.1点目として
今回の介護保険制度改定のなかで、大きな変化の一つは、これまでの要支援1・2が従来の国レベルの一律給付から、介護保険料を財源としながらも自治体レベルでの裁量に任される「地域支援事業」に移行し、拡充されたことだと考えています。自治体として、今回の改定をどのように受け止めているかお聞きします。

1-2-2.2点目は、
今回示された新しい介護予防・日常生活支援総合事業、包括的支援事業、任意事業という3本の柱からなる「新地域支援事業」の意義は、介護保険制度の一部改定という意味合いを超えた「まったく新しい地域づくりの一大変革」とも言われているようですが、そのめざすところは何か、また、どのように地域づくりを行っていくのか区の見解を伺います。

<3>次に、介護予防・日常生活支援総合事業について4点伺います。
1-3-1.「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」としての新たなしくみの目的、考え方について区はどのように捉えておいでか伺います。

1-3-2.2点目は少し細かい話になりますが、利用者が介護予防給付から介護予防・生活支援サービス事業に「移行」する場合、該当者が混乱なく、きちんと理解できるようなスムーズな手続きがされることを望みますが、当時者にとっては、どのような変更になるのでしょうか。新たな手続きなどが必要となるのでしょうか。今後2016年度以降の予定について区民への周知の仕方も含め伺います。

1-3-3.3点目として、訪問型サービスや通所型サービスなどのサービス類型の多様化について、各自治体での裁量が活かされる取り組みになっていますが杉並区としては、どのような計画を立てているのか、また、その際の検討事項をどのように整理されているのかお聞きします。

1-3-4.また、国が提示しているサービスの類型において、多様なサービスには住民主体による支援の訪問型・通所型サービスBというものや配食や見守りのような生活支援サービスがあり、杉並区ではその計画は次期第7期介護保険計画に反映させていくと理解しています。しかし、住民主体の地域づくりには時間もかかることから、サービスBの導入に向けて、第6期中に準備していく必要があると思います。4つ目の質問として、区の見解をお聞きします。

<4>次に、生活支援体制整備事業について6点伺います。
地域支援事業に位置づくもう一つの事業「包括的支援事業」には4つの事業が挙げられています。その一つである「生活支援サービス体制整備事業」については、生活支援コーディネーターの配置および協議体の設置が制度化されています。この生活支援コーディネーターは、まさに「新しい地域づくり」のカギとなるものと理解しています。

1-4-1.まず一つ目、生活支援コーディネーター的な機能を担うものとして、各ケア24に地域包括ケア推進員を配置していますが、現在の状況やその期待するものは何か、伺います。

1-4-2.2つ目として、協議体形成をめざして、区全域を想定した第1層レベ
ルでの準備会をすすめていると聞いておりますが、その目的や活動について区
はどのように捉えておいでなのか伺います。

1-4-3.3つ目、現在、区内3ブロックで、(仮称)生活支援ネットワーク連
絡会が開催されていますが、連絡会を通して見えてきたことは何か、伺います。

1-4-4.また、3ブロック単位であると1.5層の捉えになるかと思いますが、国では中学校区を想定した第2層の協議体設置を提唱しています。私も次の段階として第2層が重要と考えており、最終的には20の地域包括支援センター単位が望ましいと考えています。20という地域分けはほぼ中学校区に相当し、いわゆる歩いて行かれる範囲です。このぐらいだと地域状況や人の関係性も把握できます。サービス体制を完結することは当初は無理としても、それは隣接地域との連携で可能であるわけで、住民サイドに立っての視点が必要かと思います。地域事情もあり一律にするのが難しいのであれば、できるところから始めるということもあるのではないでしょうか。最終的な到達点をどのレベルとイメージしているのか区の見解をお聞きします。

1-4-5.1層と2層の協議体との関係づくりも重要と考えますが、区はどのように体制づくりを進めていくのかお聞きします。

1-4-6.6つ目です。今年度各ブロック1回ずつの(仮称)生活支援ネットワ
ーク連絡会の集まりを持ったわけですが、今後の生活支援サービスの体制につ
いて、来年度以降の構想はどのように考えているのか、お聞きします。

<5>この項目最後の質問です。在宅医療・介護連携と認知症施策について伺います。
1-5-1.生活支援サービス体制整備事業以外の包括的支援事業として、「在宅医療・介護連携推進事業」「認知症施策推進事業」がありますが、病気を抱えても自宅等の住み慣れた生活の場で療養し、自分らしい生活を続けられるためには、地域における医療・介護の連携が不可欠であり、その体制整備が重要な課題だと考えています。また、認知症への早期対応や地域の理解などケア24を中心に対策が進んでいると思いますが、それぞれの進捗状況、課題について伺います。

これまで行政が推進すべき施策・制度について述べてきましたが、その根底として今、そして今後求められるのは、住民による地域づくりだと思います。
先程、「まったく新しい地域づくりの一大変革」と申し上げましたが、それは、地域包括ケアシステムを地域の住民同士による“ささえあい”によって作り上げるべきではないのか、と考えるからであり、であれば自分たちのまちは自分たちでつくる、という住民の意識変革が必要です。近頃よく言われる「自助」「互助」「共助」「公助」の、互助の部分に住民自らが参加していくことが求められる時代になってきています。
さわやか福祉財団の理事長清水肇子さんは財団の機関紙で、「新しい制度の作り方でリスクを負うのは住民である。それも、住民がどのくらい参加するかで自分たちの制度の質が決まるのだから、議論の過程に住民不在はあり得ない。だからこそ協議体や生活コーディネーターに住民主体という柱が当然に必要なのである。」と述べておられます。私もその通りだと考えます。
私はこれまで、自分たちが必要としていて、既にあるけれど何か違う、私たちだったらこうするというしくみを自ら生み出し、地域に根差した市民事業を実際に運営する活動に関わってきました。キーワードは「参加」と「自治」です。区民の活動が推進されるために惜しみない支援や情報提供をお願いし、次の質問に移ります。

2つ目の項目、環境活動の推進についてです。

環境問題は地球温暖化やごみ問題、大気汚染、土や水の汚染、生物多様性の喪失、エネルギー問題など多岐にわたりますが、いずれも人間が活動することによって、地球上の自然環境に影響を与えているという意味で根っこは共通しています。また、自然は私たち人間の命をはぐくみ、恵みをもたらす一方で、自然災害など命を脅かすものにもなります。そのことを常に肝に銘じながら、自然環境と共生し、子どもや孫の代、そのもっと先まで持続可能な暮らしをつないでいかなくてはなりません。そのためには環境問題を自分の問題としてとらえ、問題解決に向けて行動する人を増やしていく取り組みは今の時代にはとても重要なテーマだと考えています。そのような問題意識から質問をしてまいります。

<1>環境活動推進センターは、環境問題の解決に向けて行動する活動の発信基地のひとつだと思います。高井戸の地で定着し、区民に愛着をもって利用されるセンターとなってほしいと考えます。そこでまず、最初に環境活動推進センターについて2点質問いたします。
2-1-1.昨年12月から環境情報館の機能の一部が、あんさんぶる荻窪からリサイクルひろば高井戸の3・4階部分に環境活動推進センターとなって移転し約1年が経ちます。移転前と比べ利用状況はどのようになっているのか伺います。また、この利用状況について区はどのように総括をし、課題は何ととらえておいでか。
今後、拠点としての機能をどのように盛り込んでいこうとしているのか、併せて伺います。

2-1-2.2点目。環境活動推進センターという名称が他の○○推進センターと
いった施設と似ていて覚えにくい、親しみが感じられないという声が聞かれま
す。たとえば区民からの公募や環境団体からの提案などで環境活動推進センタ
ーに愛称をつけることを提案したいと思いますが、いかがでしょうか。区のお
考えをお聞きかせください。

<2>次に環境団体連絡会について質問します。
2-2-1.現在、区に登録している環境活動団体が集まり、年に4回環境団体連
絡会が持たれていますが、この連絡会が環境団体の活動の活性化につながるな
どの実りあるものとなっているのか気になるところです。この連絡会のねらい
は何か。
また、連絡会に所属する団体の分野、その数、連絡会への参加状況を伺います。
さらに、議題出しなど連絡会運営についても、区として考える課題について伺
います。

<3>次は環境活動を共有化する場について伺います。
2-3-1.杉並区の総合計画では持続可能な環境にやさしい住宅都市づくりの施策において、地域での環境美化・自然環境保全に向けた取り組みや環境教育・環境学習などに区民、事業者、地域団体、環境NPOが参加しており、今後も幅広い区民等の参加をすすめる必要があるとしています。環境活動推進センターは区の環境政策を推し進めていくための重要な機能をもっており、このセンターという場や発信される情報が区民に活用され、環境活動の活性化につながることを私は期待しています。以前行っていた環境博覧会のように、環境をテーマとした区民、事業者、区が一体となって考える場、共有化する「場」が必要だと考えますが区の認識を伺います。

2-3-2.まずは、来年の高井戸センターまつりと環境活動推進センターの事業と連携した取り組みを提案したいと思いますが、区の見解を伺います。
また、高井戸の地域は、清掃工場、高井戸地域区民センターそして環境活動推進センターが集中してあります。今建て替え中の清掃工場が完成した暁には、地域区民センターと環境活動推進センター、そして清掃工場が連携して、環境を一つのキーワードにした「まつり」の開催を提案したいと思いますが、区の見解を伺います。

区民、事業者と共に環境問題に取り組むことで、区の進めようとする環境政策への理解が広がり、ひいては環境活動推進センターの知名度も上がり、環境団体の活動促進、交流にも寄与できるのではないかと考えます。
以上、地域包括ケアシステムも環境問題も自分の暮らしのことを人任せにせず、自分で考え行動する人を増やすことが、持続可能な社会をつくっていくことに繋がると考えます。区民のやる気を引き出し、それを後押しする役割を区に発揮していただくよう期待して私の質問を終わります。

決算特別委員会意見開陳 2015.10.15 いのち平和クラブ そね文子

いのち・平和クラブを代表して、決算特別委員会に付託された2014年度杉並区一般会計歳入歳出決算および各特別会計歳入歳出決算について意見を申し上げます。
2014年は、少子高齢化が加速する実態を改めて浮き彫りにした年となりました。「団塊の世代」の多くが65歳以上となり高齢者人口が初めて年少人口の2倍を超え、世界で最も高い日本の高齢化率は26%にまで達しました。
高齢者の単身世帯が増加し、認知症高齢者の見守りなど高齢者を地域で支える仕組みづくりが急務であり、持続可能な社会保障制度の確立が正念場となっています。また 、若い世代が働きながら子どもを産み育てられる環境整備や貧困の連鎖を断ち切る取り組みなどあらゆる世代への施策が求められた年でした。

国政に目を向けると、7月に安倍内閣が集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、戦争のできる国へと大きく方向転換した年です。憲法で縛られている権力者が、自らその縛りを解いて勝手に憲法解釈の変更を宣言し、国民の議論は置き去りにされました。さらに福島第1原発事故を契機に停止していた原発の再稼働を宣言し、住民の声を無視する形で九州電力川内原発の再稼働準備に舵を切った年でした。一方、法人税減税で大企業は優遇されても、4月実施の消費増税と8月からの生活保護基準のさらなる引き下げは、低所得者にいっそう厳しさを強いることになりました。
国が平和とくらしや福祉を脅かすときに地方自治体の役割が問われた年でした。私たちいのち・平和クラブは区民のいのちと暮らし、平和を守る一点で改選後、新たな会派を結成しました。その立場から2014年度決算委員会の質疑を通して評価する点を以下、申し述べます。

第1に、健全な財政運営を進めた姿勢です。対前年度比で一般財源は約75億円の増加となりました。収入未済額は4年連続で減少しています。持続可能な財政運営を行っていくための指標である経常収支比率は、目標80%以下を達成し、79.8%となりました。 これは一般財源が増加したためですが、人件費や扶助費などの義務的経費やその他経費も増加しています。歳出においては、公園の整備、保育施設の整備、特別養護老人ホーム等や障害者グループホームの整備など、区民生活にとって必要な投資が行われたと認識しています。区長は、行財政改革は、区民福祉の向上のための手段であり、それが目的ではないことを明言していることを評価しています。しかし今後も扶助費やその他の経費の増加は確実であり、区には健全な財政運営のために引き続き努力していただくよう求めるものです。
第2に、田中区長の憲法に対する姿勢です。一般質問への答弁で、「立憲主義は政治の根本であり、政治を志す誰もが従うべきもの」と答えています。本定例会でも、憲法99条で、国会議員など公職にある者の憲法遵守義務を定めていることが強調されました。

第3に、田中区長が自治体の役割を福祉の増進に据えていることです。障がい者施策では全国に先駆けて重症心身障がい児の保育施設実現を支援するなど、拡充が図られました。特に家庭の経済状況によって子どもが不利益をこうむることがないように、貧困の連鎖を断つことに施策を講じた取り組みは大切です。国の生活保護基準の引き下げが、就学援助などに及ぶ影響を考慮し、義務教育における教材等の区独自の一部負担など義務教育保護者負担軽減策を拡大したことは評価できます。

第4に、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)副反応被害者救済への取り組みについて
です。杉並区内に深刻な副反応被害者がいることが明らかになり、区は独自の救済制度をつくって対応するとしました。そして当該年度、初めて区長が被害者を見舞い、一部救済を行いました。今年の9月には国に大きな動きがありましたが、質疑の中で、国の救済が足りない部分は区で責任をもって対応するとの答えがあり、引き続き支援を求めます。
第5に、区民の命と安全を守る責任を果たしてきたことです。災害に強いまちづくりを進め、区内木造密集地域の不燃化対策、緊急車両の入れない狭隘道路拡幅の取り組みなどを評価します。また、南相馬市への支援と、福島を忘れない取り組みを継続し、区政にも生かしてきました。

第6に、教育の独立性・中立性・公正性について、今年4月、国の教育委員会制度の法改定にあっても、区の教育委員会の独立性を明言したことです。教科書の採択にあたってその適切な関わりを確認できました。

その上で、当該年度の予算に対して会派結成以前に要望した課題について、審議を通じて確認できたことを述べておきます。

第1に、施設再編整備計画についてです。老朽化しつつある区立施設全体の建て替えが順次迫られ、一方で40年まえ50年前の時代と大きく変化したニーズに対応することが求められています。それを進めるために、一定の施設再編が必要なことは当然です。
厳しい財政状況の中で、Aランクで約900人の待機者がいる特別養護老人ホーム建設と、待機児童解消のための保育園増設や学童クラブ増設を緊急かつ優先課題に位置づけたことは評価するものです。児童館事業の当初「施設を廃止」とした方針が改められ、児童館事業の継承・拡充の方向と具体的取り組みを確認しました。

審議の中で、子どもが犠牲となる悲惨な事件の頻発を受け、放課後の安全な居場所づくりが再編整備計画の大きな柱に据えなおされたことも評価できます。今後は児童館事業の継続・拡充の核となる仮称子どもセンターのあり方が大きな課題となります。今後、先行事例となる和泉児童館が子どもセンターに転換する際に、学校になじめない子どもたちや中・高生の活動の場を具体的につくることを確認しました。さらに乳幼児親子の居場所事業は子どもセンター14館に加え小学校区単位の身近なところに設置することも確認しました。また小学生と中高生等異世代間の交流や、地域との関わりを今後継承していく方向は確認できましたが、その具体化を改めて求めておきます。学校内に移設された学童クラブの質を担保するためには、事業者選定における保護者や児童館職員の関わりが重要だと考えます。あんさんぶる荻窪の財産交換にあたり、荻窪税務署移転後に空くスペースは、地域の子どもたちが使えるよう、国との交渉をさらに強めるよう求めます。
一方、施設再編整備計画とともに実施された施設使用料値上げと登録団体減額制度の廃止には、今も反対の声が聞かれます。利用時間を4区分に分けたことで、6時から8時の最も需要のある時間帯の利用が高額となっています。3年ごとの検証と見直しを確認しました。

第2に、前区長の行き過ぎた職員削減による定数不足が引き起こした、職員の健康問題です。超過勤務や、長期病欠が心療系や整形外科系に依然として多いことに表れています。当該年度は、必要な職場に職員の新規採用が行われたことを評価し、建築・土木など技術系職員に女性が多くなったことに対し産休・育休代替職員の増員を求めました。

第3に、区に働く2000人を超す非常勤職員と教職員の労働条件の改善です。この間に行われた非常勤職員の一定の賃金アップや労働条件の改善は評価します。5年を超えれば雇止めになる雇用年限制度に、再雇用や正規職への道が一部で開けつつあります。しかし賃金アップが再更新時には継続されない等課題が多く、抜本的見直しを求めます。区の事業を受託する事業所で働く労働者の労働条件に関して、モニタリング制度などを通じ一定の改善が図られてきました。入札制度の公正さや受託事業者の労働条件を保障するための公契約条例制定に積極的な検討を求めます。
第4に、10月実施となった共通番号制度導入における区の取り組みです。住民基本台帳等のシステム改修作業や個人情報保護条例の改定は、法律上やむをえないことだとしても、個人情報保護の重大性に鑑み、番号制度の利用拡大はしないよう、慎重な取り組みを求めます。区の職員のプライバシーと安全を守るために、職員の身分証に番号カードの利用はしないことを求めます。

第5に、今後ますます増加する単身高齢者及び高齢者のみ世帯をはじめ社会的弱者を地域全体でどう支えていくかについては、地域包括ケアシステムの構築に向けた議論の中でもすすめられていくことを確認しました。今後、高齢者や障がい者、子ども・子育て支援などそれぞれの枠組みを超えたまちづくりの視点をもち、フォーマル、インフォーマルな地域資源の横断的な連携による支援体制づくりに期待します。
第6に、男女平等推進施策についてです。新会派として、男女平等推進施策への取り組みの強化と性的少数者への必要な分野での配慮を行うよう求めます。
第7に、杉並の住環境を脅かす外環道などの大型道路建設や鉄道連続立体交差事業に対し、国や東京都に住民の声を伝える役割です。外環地上部街路(外環の2)の必要性の有無から検討を求めてきた区の姿勢を評価するとともに、区として外観の2は必要ないという姿勢を示す時期に来たことを指摘します。

西武新宿線については中井-野方間で地下方式を決定したにもかかわらず、区の西武新宿線沿線まちづくり協議会では構造形式を問わないまま議論を進めています。子どもや孫たちの時代に悔いを残さない安全で豊かな西武線沿線のまちづくりを期待するものです。
第8に、施設一体型小中一貫教育についてです。杉並区の小中一貫教育がめざす連続性と飛躍の方向性は理解します。しかし、施設一体型小中一貫校に関しては、東京都品川区や広島県呉市の先行事例で成功を確認できず、教育的効果については未だ検証されていません。区で先例となる新泉・和泉小中学校が開校し半年が経過しました。区がPTAなどの学校関係者や地域と10年近く話し合いを重ねてきたことでようやくPTAや地域の理解を得ました。しかし、施設一体型の行事のあり方などの課題もまだ残っています。小中6・3制は、6年生が最高学年としての自覚を持ち成長が促されることから専門家がその意義を認めています。和泉学園の検証をしっかり行い、今後、施設一体型一貫校を基本として拡大するのではなく、地域の実情に応じたありかたを検討するよう求めます。
図書館の全面改修は、2013年3月に制定された杉並区図書館サービス基本方針に基づき計画されることを確認しました。計画の検討にあたり利用者懇談会を開催しひろく区民の意見を聞くこと、図書館協議会や図書館職員、図書館の専門的知見を活かすよう求めます。

以上の評価と要望を申し上げ、認定第1号杉並区一般会計歳入歳出決算、認定第2号国民健康保険事業会計歳入歳出決算、認定第3号介護保険事業会計歳入歳出決算、認定第4号後期高齢者医療事業会計歳入歳出決算、認定第5号2014年度杉並区中小企業勤労者福祉事業会計歳入歳出決算については賛成といたします。
終わりに会派の資料請求に誠実に応えていただいた職員の皆様に深く感謝申し上げ、いのち平和クラブの意見といたします。