2008年5月アーカイブ

                                          環境部会 小松久子

 

ごみ総量が減少するなかで増え続けるプラスチックごみ。その処理について04年東京都廃棄物審議会は「埋め立て不適」とし「サーマルリサイクルに」と答申した。以来、23区では廃プラ焼却に向けた動きが加速し、今年4月よりついに本格実施が始まった。しかし環境に有害という理由で従来「不燃ごみ」としてきた廃プラの「可燃ごみ化」には問題が多い。焼却の前にまず資源化。資源として循環させる方策が十分尽くされたうえでの最終選択とすべきだ。

 

 

23区区長会と清掃一部事務組合(一組)は05年、東京湾の埋立て最終処分場の延命と、焼却による熱エネルギー回収のため、として廃プラ「サーマルリサイクル」の方針を決めた。熱エネルギーは電気を生み有効活用だとする論理だが、本質は「焼却」であり、CO2排出増大や大気汚染への影響は否定できない。

 

ただ廃プラの6割を占める容器包装類については、容器包装リサイクル法(容リ法)で再生利用が定められており、実施されればその分焼却量は少なくてすむはずだ。現に容リ法にもとづく分別リサイクルを実施する杉並区では、06年に行った廃プラ焼却モデル実験において、他のモデル実施3区と比較して可燃ごみへのプラ混入率が低いという数値が出た。3区の平均約14%に対し杉並は約8%。分別収集の効果と考えられる。だが法に基づく資源化に取り組む自治体は、08年5月現在、杉並を含む12区に過ぎない。 

 

23区ネット廃プラ問題

23区一斉に廃プラ焼却」の動きを受け、06年5月、区部の生活者ネットは問題点を共有し連携した活動を行うため「23区ネット廃プラ問題連絡会」を立ち上げた。区長へのヒアリングとアンケート等により各区の意向を調査し結果を公表したほか、容リ法にもとづき資源化を求めるなどの議会活動は、廃プラ分別に取り組む区を増やす結果につながった。また焼却見直しを求める請願などでは市民団体と連携し活動を大きく展開した。

同じころ、清掃工場の運営を受託しごみ焼却熱から生じた電気を販売する会社の新設情報が浮上した。燃やす量が多いほど利益が上がるしくみはごみ減量の流れに逆行するものであり、経営の透明性、公正性など不明な点が見られ各区議会で問題を提起する質問に取り組んだ。一組と東京ガスの出資により「東京エコサービス(株)」は06年に設立されたが、区民に見えない、区議会も関与しにくいあり方は明らかに問題だ。今後も注視していく必要がある。

 

97年に制定された容リ法は、資源化の経費を自治体に負わせるなどの欠陥があり、生活者ネットは全国の市民団体とともに拡大生産者責任の明確化を国に求めるなどの請願運動を行った。しかし07年の改正でも「発生抑制」の文言すらない、事業者に甘い内容になってしまった。23区中多くが廃プラ資源化の取組みに踏み出せない状況は、容リ法の内容に一因がある。

 

何でも燃やせるというガス化溶融炉に問題が多いことを示す事例は、世田谷のみならず全国で事欠かない。埋め立ても焼却も環境負荷には違いなく、大量のごみを一か所に集めたことが「杉並病」をひき起こした可能性も忘れてはならない。

廃プラの適正処理は、添加剤の使用状況などを熟知している生産者でなければできないことであり、自治体が処理・処分する範疇を超えている。プラスチックを含む容器包装ごみの処理が事業者の責任において適正に行われるよう、そのための提案に、都は取り組むべきだ。    (東京・生活者ネットワーク情報紙「生活者通信6月号」掲載)

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