2008年3月25日
杉並・生活者ネットワーク 子ども部会
<教育基本条例の制定について>
昨年、懇談会の提言が出されましたが、「『子どもにとって最善の利益が保障される』教育」という視点が見られません。「一人ひとりの子どもの人権が守られ、自らの意見にもとづいて、教育が受けられ、持てる能力をできる限り生かすことができ、学ぶことが真の喜びとなるように、地域の中で重要な一員として尊重される」というように、子どもの人権について言及することは不可欠だと思います。
<計画事業数について>
現在の推進計画事業数59から36事業に減らすとされましたが、なぜそうするのか、どの事業の実績・成果を検証しての整理・統合なのかが明らかにされていません。明記をお願いします。
<30人程度学級の実施について>
少人数学級の実施は、ことに低学年では必要なことです。ぜひ実現させていただきたいと思います。ただし、新任教師の担任への登用は、教員本人もでしょうが保護者にとっても不安があり、それが子どもに与える影響は小さくないと考えます。実効性ある支援をお願いします。
<特別支援教育について>
重点事業として充実を図られることに期待します。特別支援教育の現状は、各学校での校内委員会の実施内容に差があり、現場に情報が十分伝わっていなかったり、正確に把握されていなかったりという状況が見受けられます。校内委員会は、各学校における特別支援教育の実施にあたり、重要な役割を担うものです。介助員、介助員ボランティアの定数を増やすこと自体は評価いたしますが、実際にうまく活用されなければ意味がありません。校内委員会が本来の機能を果たせるよう、学校への支援と対策をお願いいたします。
<師範館について>
学習支援教員を配置されることは評価するものですが、10人では十分とは言えず、また低学年にも学習支援は必要です。通常学級において発達障がい児への指導がゆきとどかないケースが生じています。単に人手が足りないというより、障がい児教育について専門的に学んだ先生が学校現場にはもっと必要です。区独自の教員養成機関、「師範館」を、障がい児のための教育法を集中的に学ぶ機関として機能させ、障がい児教育の専門教師を多く輩出させていただきたいと要望します。
<食育・健康教育について>
メタボリックシンドロームの予防はけっこうですが、子どもの腹囲測定をいっせいに実施しようというのは異様な感じがします。からかいやいじめの原因をつくることのないよう配慮が必要です。
なお区がめざしている食育とは健康教育と栄養教育のことであるかのようですが、それだけでは不十分です。持続可能な社会における食のあり方を問い直すための、環境教育の視点がぜひとも必要です。国内自給率の低い日本の食事情を知り、世界の食糧情勢に目を向けて個人個人の意識を高めていくことを食育には求めたいと思います。
<中学生レスキュー隊について>
子どもの防災意識を育てることは大切ですが、中学生レスキュー隊のように、全校で組織編成し地域貢献を期待することは、この年代の子どもへの教育的配慮に欠けるのではないか、と思わずにいられません。たとえば災害が起きたときに現場にレスキュー隊を送り込み、悲惨な場面を目の当たりにして人命救助にたずさわることは、中学生にとって重すぎる負担になるのではと危惧するところです。生死を左右するような現場での対応を子どもたちに担わせた結果、取り返しのつかないことが起こった場合は、子どもたちに決定的な精神的ダメージを与えることになるうえ、子どもたち自身の命に係る危険すらあります。災害の初期段階では、子どもたちにはまず自分の身を守ることを教えるべきであり、責任能力や権限を持たない子どもたちがかかわれる部分は自ずと限られるはずです。
あえてこのような組織をつくらなくても、中学生の防災意識と地域貢献の意識向上を図ることは可能ですし、初期段階を経過した後の震災救援所の活動補助などが適当では、と考えます。
<就学前教育について>
漢字教育プログラム、「子育て読本」などを行政が用意する必要があるでしょうか。親を不安にさせるだけのものにならないか、危惧します。就学前は“子どもはたくさん遊ぶ”こと、それ以外は何もしなくていい、という「就学前教育」があってしかるべきです。幼児期に十分遊ぶことは就学後に役立ちます。早期教育は幼児期の育ちをしっかり保障してからするべきです。
<副校長二人制について>
二人目の副校長任用によって、現場教員が指導に専念できる体制ができたのかどうか、検証をお願いします。忙しすぎる先生のストレスを減らし子どもに向き合う余裕が生まれたのかどうかを検証し、対策を講じてくださるよう求めます。
<スクールソーシャルワーカーの配置について>
杉並区でようやくスクールソーシャルワーカーが配置されることを歓迎します。児童・生徒への対応だけでなく、不登校やいじめなどの諸問題に直面している教師たちの問題解決のためにも、十分に力を発揮していただきたいと思います。
<民間人校長の登用について>
いまの和田中の状況を見ますと、夜間塾の実施、PTAの解体など、その突出した学校経営のあり方には違和感をおぼえます。校長はすでに区の校長会から離れていると聞きますし、PTAも区の協議会から離れ、「志立」をめざして勝手に一人歩きをしています。PTA組織改変は「リストラ」だそうですが、公教育に市場原理をとり入れることが「民間人校長の登用」であり「教育改革」だとするなら、大いに疑問があります。
<学校支援本部について>
区内の学校それぞれに、すでに地域の中から支援しようという機運が生まれ、実際に活動が始まっているとき、教育委員会が「予算をつけるから全校に支援本部をつくれ」というのは、地域の主体性に水を差すことになる場合もあると思います。また逆に、地域人材の発掘・育成が困難な学校にとっては、支援本部の体制づくりが負担になるのではないでしょうか。支援本部の設置を義務でなく権利とすべきです。
学校を地域全体で見守り、必要なら手を貸していく、ということ自体は望まれることです。ただ、今気がかりなのは、現役の保護者ではなく、保護者OBやリタイア世代にその照準が向けられていることです。現在子どもを学校に通わせている親たちが学校とどのようにかかわっていくことができるか、かかわるべきか、ということが抜け落ちているように見えることです。PTA解体の危うさもここにあるように思えます。
もし学校支援本部が学校機能の一部アウトソーシングであるなら、事業の継続性を保証するためにも、事務局人件費等しっかりした予算措置が必要です。善意だけに期待する運営は、責任を担う人には大きな負担ですし、何より事業としてあまりにも不安定です。事務局人件費や学習支援サポーターの交通費まで含めた予算が50万円だとしたら、非現実的であると考えます。
<地域運営学校について>
今後3年間、毎年3校ずつ増やしていくようですが、現在実施中の6校での評価はどうなのでしょうか。学校側から自発的に地域運営学校への移行希望が出てくるのであればよいと思いますが、押し付けられての実施であるなら疑問です。なお、和田中のように運営協議会会長を学校長が担うのは、組織の役割からして不適切と考えます。指導をお願いいたします。
<エコスクール化について>
ハード面の施設づくりだけでなく、環境教育、環境配慮行動のソフト面をふくめて3本柱としてすすめることが重要です。施設が完成した後の環境教育が効果的に行われるために、そのプログラムを作り専門家を学校につなぐ役割を果たすコーディネーターが各校に配置されるよう求めます。また環境配慮行動へのインセンティブとして、光熱費を節減できた場合、その半額を学校に還元するプログラム「フィフティ・フィフティ」への参加を再スタートさせ、参加校を増やしていくことを求めます。
<学校図書館の整備について>
ITシステムを導入・推進とありますが、学校図書館にいま一番必要なのは、専任の図書館司書です。子どもの本選びを助け、学年に応じた調べ学習をサポートする図書館司書の全校設置を進めるべきです。
<全体をとおして>
子どもの教育についていえば、基本的に子どもは、大人が必要以上にあれこれ手をかけなくても自ら育つ力を持っています。その観点からこの計画を見ると、事業数を減らしたとはいえ、これほど盛りだくさんのメニューがほんとうに必要なのか、という印象がぬぐえません。学校現場に裁量権を委ね、行政はおおらかに公教育をすすめていただきたいと思います。
以上
環境部会 小松久子
ごみ総量が減少するなかで増え続けるプラスチックごみ。その処理について04年東京都廃棄物審議会は「埋め立て不適」とし「サーマルリサイクルに」と答申した。以来、23区では廃プラ焼却に向けた動きが加速し、今年4月よりついに本格実施が始まった。しかし環境に有害という理由で従来「不燃ごみ」としてきた廃プラの「可燃ごみ化」には問題が多い。焼却の前にまず資源化。資源として循環させる方策が十分尽くされたうえでの最終選択とすべきだ。
23区区長会と清掃一部事務組合(一組)は05年、東京湾の埋立て最終処分場の延命と、焼却による熱エネルギー回収のため、として廃プラ「サーマルリサイクル」の方針を決めた。熱エネルギーは電気を生み有効活用だとする論理だが、本質は「焼却」であり、CO2排出増大や大気汚染への影響は否定できない。
ただ廃プラの6割を占める容器包装類については、容器包装リサイクル法(容リ法)で再生利用が定められており、実施されればその分焼却量は少なくてすむはずだ。現に容リ法にもとづく分別リサイクルを実施する杉並区では、06年に行った廃プラ焼却モデル実験において、他のモデル実施3区と比較して可燃ごみへのプラ混入率が低いという数値が出た。3区の平均約14%に対し杉並は約8%。分別収集の効果と考えられる。だが法に基づく資源化に取り組む自治体は、08年5月現在、杉並を含む12区に過ぎない。
23区ネット廃プラ問題
「23区一斉に廃プラ焼却」の動きを受け、06年5月、区部の生活者ネットは問題点を共有し連携した活動を行うため「23区ネット廃プラ問題連絡会」を立ち上げた。区長へのヒアリングとアンケート等により各区の意向を調査し結果を公表したほか、容リ法にもとづき資源化を求めるなどの議会活動は、廃プラ分別に取り組む区を増やす結果につながった。また焼却見直しを求める請願などでは市民団体と連携し活動を大きく展開した。
同じころ、清掃工場の運営を受託しごみ焼却熱から生じた電気を販売する会社の新設情報が浮上した。燃やす量が多いほど利益が上がるしくみはごみ減量の流れに逆行するものであり、経営の透明性、公正性など不明な点が見られ各区議会で問題を提起する質問に取り組んだ。一組と東京ガスの出資により「東京エコサービス(株)」は06年に設立されたが、区民に見えない、区議会も関与しにくいあり方は明らかに問題だ。今後も注視していく必要がある。
97年に制定された容リ法は、資源化の経費を自治体に負わせるなどの欠陥があり、生活者ネットは全国の市民団体とともに拡大生産者責任の明確化を国に求めるなどの請願運動を行った。しかし07年の改正でも「発生抑制」の文言すらない、事業者に甘い内容になってしまった。23区中多くが廃プラ資源化の取組みに踏み出せない状況は、容リ法の内容に一因がある。
何でも燃やせるというガス化溶融炉に問題が多いことを示す事例は、世田谷のみならず全国で事欠かない。埋め立ても焼却も環境負荷には違いなく、大量のごみを一か所に集めたことが「杉並病」をひき起こした可能性も忘れてはならない。
廃プラの適正処理は、添加剤の使用状況などを熟知している生産者でなければできないことであり、自治体が処理・処分する範疇を超えている。プラスチックを含む容器包装ごみの処理が事業者の責任において適正に行われるよう、そのための提案に、都は取り組むべきだ。 (東京・生活者ネットワーク情報紙「生活者通信6月号」掲載)
- 子どもに関する調査、提案活動を当事者参加で行います。
・子育て応援券の検証
・児童の自転車走行マナーについての調査
・ベビーカーによる線路の踏切の横断状況の実態調査 - 区の施策を子どもの最善の利益を保障する視点から点検します。
- 子どもをとりまく課題を共有するために、誰もが関心を持ち、参加しやすい活動を企画し、開催します。
- 議会活動、予算提案に参加します。
- 他団体や他ネットの連携・交流を通して活動の充実を図ります。
- 部会へのネットメンバーの積極的参加を呼びかけます。
- 地域の川である善福寺川、神田川に関連した水循環をテーマに活動します。
・善福寺川上流の雨水貯留管の設置に向けて、当該地域の住民への働きかけを行う。
・区民レベルでの雨水貯留、浸透設備の設置推進を図るために、先行事例を学ぶ - 廃プラスチックごみの分別・回収の処理方法変更(08年4月)の前後、実態調査を行い、課題を捉え、ごみ減量をめざし活動します。
- 自転車のまち杉並をめざし、活動します。
・都が行う自転車の社会実験(1.28~2.6)について区民などへのアンケート調査を行う。社会実験の先行自治体である世田谷区や国立の事例を視察し、学ぶ。
・走行ルールの実情について警察署交通係担当者からレクチャーを受け、また児童にどのように教えているのか小学校の自転車教室を調べる。 - 環境に関わる他団体と情報を共有し、連携をはかりながらともに活動を進めます。
- 子育て支援についてどんな施策が必要なのか、子育て中、あるいはこれから子どもを生む世代に調査をし、施策につなげていきます。
・子育て応援券について、利用者やサービス提供者の声を集め、改善に向けて提案をしていきます。 - 障がい者に関する制度について学習します。
・自立生活支援センターなどから状況を把握するとともに、障がい者の生活を知り、意向を聞き取ります。 - 高齢になっても地域で元気に暮らせるよう、どのような整備が求められているのか、高齢者や現場の声を聞いていきます。
・地域協議会メンバーとして、運動グループおよび他団体と連携しながら、介護予防の調査を実施します。 - 高齢になっても障がいがあっても住み慣れたまちで暮らせるよう、引き続き高齢者、障がい者の住まいについて調査・研究していきます。
・現在の実際の住まい方を学習するため、福祉ツアーを実施します。
- 国際平和と人権の問題を考え、発信につとめます。
- 平和や人権に関する施策を点検し提案につなげます。また生活者ネットの予算提案活動に参加します。
- 他団体や他地域 生活者ネットワークとの連携と交流を通して、活動の充実を図ります。
- 部会活動への参加を呼びかけます。
